621とC型変異波形が辿った、数奇な運命から枝分かれした一つの可能性。
世界の真実を認識し、ネタバレ、設定崩壊、キャラ崩壊、死亡キャラ生存、その他諸々を含む二次創作のバーリトゥードであることを理解した上での閲覧を推奨します。
宜しいですか?
本作品は、あなたの閲覧を歓迎します。
―読み飛ばしても問題のないプロローグ―
ルビコン3のコーラルを巡る争いはアーキバス社とベイラム社の共闘により惑星封鎖機構を退け、新たな段階へと移った。
しかしアーキバスは宇宙艦隊を相手取り戦力を消耗し、ベイラムもまたアイスワームやルビコン解放戦線との衝突により疲弊していた。
そこへ、何者かにより全宇宙へ向けてコーラルの危険性を知らしめるルビコン調査技研所長、ナガイ教授のレポートがリークされた。
星外企業は当初これに対して否定的な見解を示したが、ナガイ教授の第二助手を務めていたと名乗る人物が当該レポートの真実性を主張し、惑星封鎖機構もまたコーラルの危険性を認める声明を発表した。
これらを受け、コーラル利権の独占を目指していた星外企業群は世論の逆風により苦境に立たされることとなった。
世界中からの批判を受けたアーキバス社とベイラム社は、企業としての体制維持の為に対惑星封鎖機構に限定していた協力関係を継続することを決定。
ここに、コーラルを全宇宙の潜在的な脅威とし、宇宙SDGsへの取り組みの一環としてルビコン周辺星系環境の保全、及びコーラルの安全な管理を行うための企業同盟が結成された。
―洋上レストランざいれむ―
海に浮かぶ”ざいれむ”はルビコン3でも屈指の人気を誇り、ここに通えることはルビコニアンにとってステータスであるとすら言われる高級店である。
それと同時に、非常に予約困難であることでも知られる大人の社交場という側面も持ち合わせている。
そのような有名店であるが、今宵はとある一団により貸切られている。
一般客を排した店内では、人種、信条、性別、社会的身分又は門地様々に入り乱れた人々が集い、ある者達は歓談を、ある者達は隣人との争議を、またある者は配られたグラスを前に、固唾を飲んで黙していた。
統率のない集団は独特の喧噪とそれに当てられた熱気により、まるで爆発の瞬間を待ち望む火薬庫のような状態にあった。
集団の共通点はただ一つ。
自らの意思、或いは企業の思惑によって、かつてルビコン3において採掘されていたコーラルと呼ばれる物質を巡る争いに駆られていた者達である。
その争いは今は確かに鎮火したが、コーラルに関わった全ての者達の中には今だ燃え殻が残り、燻ぶっていることを誰もが理解していた。
会場内の照明が緩やかに落とされると、会場中央に位置して唯一光が残るステージの片隅に、スポットライトを浴びる一人の青年が立っていた。
「傾聴!」
肺の中の空気を全て吐き出したかのようなその声に一同はざわついた雰囲気を速やかに霧散させ、沈黙を以て応えた。
「
青年の言葉を受け、静寂が支配する世界の中でスポットライトは次いで壇上中央を照らす。
スポットライトを浴びるのはマイクスタンドの前に仁王立ちする大男である。
その大男は、さながらへの字の如く固く口を閉ざして、見たもの全てを射殺さんと言わんばかりの鋭い眼差しで会場内をぐるりと見回し、全員の視線が自身に向いていることをたっぷり十秒かけて確認した。
そしてゆっくりと息を吸い、大気を震わせた。
「よくぞ集まったな野郎ども!」
一人の人間が発したとは思えぬ声量により、会場各所のテーブル上の全てのグラスが共振する。
あのジジイにマイクは必要ねぇだろ、と、ある者は思った。
これだから野蛮人は、と、ある者は耳を抑えながら思った。
「
ミシガンは一息で軽やかな反復横跳びをするかのように本題と暴言を交互に口にした。
相変わらずうるせぇジジイだ、と、あるものは思った。
これだから野蛮人は、と、ある者は耳を抑えながら思った。
自らに向けられる視線の数々に満足したミシガンは、険しくも勇ましさをも感じさせる鋭い眼光をそのままに言葉を続けた。
「脳みその足りん貴様等ではこれ以上の話は理解できんだろう! 長々とみみっちい挨拶はここまでにしてやる! 喜べ役立たず共! 今日はアーキバスの
「グラスは持ったな!? 復唱しろ! 乾杯! 愉快な宴会のはじまりだ!」
その宣言により世界は爆発した。
会場中に響き渡る怒号にも似た乾杯のコールと共に、各々が掲げたグラスが重力に惹かれる綺羅星のように次々と近くのグラスと衝突していく。
ルビコン3で最も熱い夜が今、始まったのだ。
火をつけろ、燃え残った全てに。
「えっ 私はそちらが半分持つからと・・・」
ヴェスパー部隊副長の言葉は爆発した世界の中に消えていった。
思いつきで書いた。
後悔はしていない。