認識番号 Rb 23 識別名レイヴンと、ルビコニアンのエアが辿った、数奇な運命から枝分かれした一つの可能性。
世界の真実を認識し、ネタバレ、設定崩壊、キャラ崩壊、死亡キャラ生存、その他諸々を含む二次創作のバーリトゥードであることを理解した上での閲覧を推奨します。
宜しいですか?
本作品は、あなたの閲覧を歓迎します。
・・・すみません、私です、レイヴン。
続きが書けたようです。
閲覧してみてはいかがでしょう。
神は七日で世界を作られたという。
しかしてここ洋上レストラン”ざいれむ”はそのすべての工程を圧縮し、加熱し、崩壊させた。
秩序は今、失われたのだ。
いつの時代も酒は人を狂わせる。
主に悪い方向に。
RaDの
造物主たるボスについてくるように言われたからだ。
飲食ができないチャティは当初、辞退を申し出たが、チャティの義体を真新しいウエスで磨きながらボスは笑って言ったのだ。
「これも経験ってやつさ、チャティ。 笑えることが起きるだろうからね」
そのボスは今、普段の作業着を脱いで、チャティが見慣れぬ衣装に身を包んでいた。
胸元と背中が大きく開いたその服は随分涼しそうだ。
久しぶりに袖を通したと言っていたが、
どこから調達したのか、そのまま普段の
普段のボスはその手順の多くを省略している筈だが、パフやブラシを扱う手つきはチャティからしても
そうかと思えば、
人間は服装を変えるだけでも気分が変わるらしい。
チャティはまた一つボスを知った。
今も笑顔だ。
最高の笑顔だ。
何故ならば、
世の全てのコメディアンをこの場に呼び寄せたとしてもここまで笑える
「あっはっは! みたかいチャティ、あいつの顔をさぁ! 普段の
カーラの表情は世紀の見世物に
ひぃひぃと息を漏らし、引き攣ることこそ我が使命と言わんばかりに刹那の緊張と弛緩を繰り返す腹筋を、
「データは128Kで
チャティは会場に入ってから現在までの全てを記録している。
「でかしたよチャティ、、く、くく・・・!」
ボスが楽しそうで何よりだ。
こんなに楽しそうなボスの姿はビジターとつるんでいる時をしてそう多くはなかった。
チャティはそう自らのメモリーに書き込んだ。
カーラは普段からよく笑うが、その彼女をしてこんなに笑ったのは久しぶりである。
手間暇をかけ、色々と手を廻した甲斐があったというものだ。
この結果を得られたならば、既に元は取ったとすら感じる。
今夜は楽しくなりそうだ。
既に十分楽しいが。
―
今日この場にアーキバスの
それは至極当然であるがヴェスパー部隊の面々とて同じである。
彼らはレッドガン部隊に負けぬ勢いで食事を詰め込み、酒を臓腑に染み渡らせていく。
普段はレッドガンの連中をやかましいだけの脳筋集団だと思っているが、今日は、今日だけは奴らが騒ぐことも多めに見よう。
常のスネイルを知る彼らからして信じられぬ思いであったが、しかしあの
今日は
ベイラムのバウンティボードには
ミシガンは義を重んじる武人としてヴェスパー部隊内でも知られている。
そのような男が、この場で下らぬ嘘は吐くまい。
つまり今日は本当にスネイル閣下のおごりということである。
彼らは知っている。
他人の金で飲む酒が一番美味いということを。
彼らは知っている。
他人の金で食う飯が一番美味いということを。
ありがとうございます、スネイル閣下。
―
まさかこのような方法で人心掌握を狙うとは、さしものラスティですら思いもよらなんだ。
有能であるとは思っていた。
知略に長ける権謀家にして、時には自らが率先して前線に出る事も厭わぬ現場主義でもあることは知っている。
しかし彼は現場からの評判はあまり良くなかったのだ。
何故なら
スネイルがいる現場は常とは一線を画す緊張感を求められると評判であり、弾丸一発無駄に出来ぬその雰囲気は前線要員にとっては下手をすれば”再教育センター送り”にされるのではないかと感じさせるものであるとして
そのスネイルがまさかこのような手を打ってくるとは。
そんな男の弁である。
その信頼を巧く扱った手管には感心する。
我が戦友よ、我らが第2隊長殿は思ったより手強いかも知れないぞ、と、
目当ての人物を見つけ、鷹の目を思わせる眼差しを柔らかく崩した彼はグラスを片手に朗らかに歩み寄っていく。
―
会場中が異次元の熱気に包まれ、誰もかれもが正気を失っていく世界の中で、アーキバスの
まずい。
不味い。
拙い。
全額ポケットマネーから支払うだと。
個人がそう簡単に支払える金額の筈がないだろう。
スネイルは洋上レストラン”ざいれむ”の常連である。
ルビコニアンにとっては”ざいれむ”に通うことがステータスとされているが、例え
勿論安くもない、安くもないが、仮に毎日通っても問題ない程度である。
スネイルは
それはもうそこら中に掃いて捨てるほど転がっているドーザー崩れの一般ルビコニアン共を原住民、未開の地に住む野蛮人などとと呼んでも差し支えない程の確かな
何故ならば、彼はそれだけの努力をして現在の地位にいるのだ。
上層部に媚び
使えない者は
そんなスネイルからすれば、この”ざいれむ”を貸切った”大宴会”の費用とて私費で払えないことはない。
払えないことはないのだが、どう考えても払いたくはない。
何故ならば、もし支払ってしまえば
スミカちゃんの人気は凄まじい。
企業の重鎮をはじめとして、元凄腕のアリーナトップランカーから超一流の傭兵、果ては
スネイルは最近ようやくスミカちゃんとの店外デートに漕ぎつけることに成功したのだ。
次は何としても
ここで
顔を合わせるだけで頭が痛くなる
これをスネイルは最新の強化手術により実現したストレス耐性とスミカちゃんの日々の癒しによって耐えているのだ。
それを理解できぬのか貴様等は。
ふざけるな。
ふざけるな。
私こそが企業であるぞ。
スネイルは
こういう時の為にスウィンバーンにはヴェスパー部隊の会計を任せているのだ。
貴様分かっているだろうな、という念を存分に込めた視線を向けると、スウィンバーンもまたその視線に気付き、口を開いた。
「スネイル閣下! このスウィンバーン感服いたしました! 再教育センターですら不良品として処分するであろう
スウィンバーンはスネイルのことを尊敬している。
これは事実である。
スネイルの狡知にして悪辣な手腕は見事と言う他に言葉がない。
そしてそんなスネイルをよく知るスウィンバーンである。
当然スネイルの視線の意味も正しく理解した。
しかしながら、それはそれ、これはこれ、である。
ヴェスパー部隊の会計責任者たるスウィンバーンは金が好きだ。
だが自分の命はもっと好きだ。
で、あるからして、先だっての惑星封鎖機構との対宇宙艦隊戦役では余りの敵の物量に彼の矮小で猜疑心に満ちた性根は竦み上がり、死にたくない一心でヴェスパー部隊内に
僚機は多数堕ちたが、おかげでスウィンバーンは生き延びることができた。
命あっての物種である。
対
とてもではないがここの支払いが出来るほどの余裕はない。
スネイルのことは尊敬している。
しかしその優先順位はスウィンバーンにとって下から数えた方が早いのである。
自身をヴェスパー第7隊長の地位にまで引き上げてくれたことには感謝しているが、それは上司がスネイルでなくても自身の実力で勝ち取れた筈である、と、スウィンバーンは考えていたし、彼の直感はここで
今年度の予算はもうないのだ。
発覚すれば再教育センター行きは間違いない。
この場でスネイルの機嫌を損ねることもスウィンバーンにとっては致命的な事態になりかねないが、それでも何としてでもこの場を切り抜けねば明日はない。
スウィンバーンは今、自身の身命を賭して
賽は投げられたのだ。
―
「ボス、上手くいって良かったな」
「全くさね。 おかげで今日は最高に笑えるよ」
これが物語であれば善良なる魔法使いの出番は
「
最高級の酒と料理を堪能しながらカーラは言った。
悪戯好きな魔法使いの企みは、誰にも気付かれることはない。
よーくかんがえよう。
おかねはだいじだよ。