2日連続投稿です。
かなり頑張りました。
時は過ぎ夜となった。
俺の周りにはサーシャ、ミーシャ、アルカナの三人がいる。
本当ならエレオノール、ゼシア、エンネスオーネの三人もくる予定だったのだが、ゼシアとエンネスオーネが眠たそうにしていたので返してやった。
無理をしてまで夜更かしをするのはあまり良いとはいえぬ。
他にも、ファンユニオン達も来たがっていたが、なにが起こるか分からぬ為辞退してもらった。
そもそもの話、魔力線も繋がっていなかった俺にどうやって夢を見せたのかすら分かっていない。
そんな状態で彼女たちを呼べば、危険に晒される可能性がある。
「準備はいいか?」
俺がそう聞けば次々に問題ないとの返答が返ってきた。
俺は三人と魔力線を繋ぎ布団の横に座った。
三人の布団は、各自で持って来ている為三人も布団の上に座る。
「そういえば…前みたいに服を脱いだ方がいいとかないの?」
サーシャがふと思い出したかのように聞いてきた。
ふむ。確かに服を脱ぎ地肌で触れ合った方が良いかも知れぬが、まだどのような方法で俺に夢を見せているか分からないうちは辞めた方が良いだろう。
夢などを見せた相手に何かするというまだ知らぬ深層魔法があるかも知れぬ。
その場合なにが起こるか分からない。
少しでも危険はなくすべきだ。
「まだ安全性が分からぬうちはやめておいた方がいい。これが罠である可能性も捨て切れないからな」
「それは夢自体は偽物という事だろうか?」
アルカナが首を傾げ俺に問う。
「それもまだ分からぬ」
俺はそれに首を横に振りながら答えた。
例え偽物だとしても、何か目的があって作られたというのは変わらない。
それを見極める為にも、今から調査するのだからな。
俺が布団に入ると、三人も続くように自分たちの布団に入る。
そうして目を瞑り、俺たちは眠りに入った───。
◇
一人の男が夜空の下でぽつりぽつりと歩いていた。
彼がやって来た方向を見れば、そこでは祭りが行われており、彼はそこから出て来たことがわかる。
ふと、男が口を開いた。
「どうだった?祭りは楽しかったかい?」
彼が口を動かすと同時に、彼の前に一人の少女が現れた。
淡い海のような色をした髪でオレンジ色の目を持っており、花火が描かれた着物のような服を着ている。
恐らく、彼と一緒に祭りに行っていたのだろう。
だが少女の深淵を覗けば、その身は神の身であることが分かる。
恐らく人々にバレぬよう先ほどまで姿を消していたのだ。
着物は、少しでも雰囲気を味わうためのものだろうか。
現れた少女は表情を変えずに、淡々とした声で彼の質問に答えた。
「私には分からなかった。けど、道歩く人は全員楽しそうな顔をしていた」
「どうして私にそれを聞いた?」
少女は男に質問の理由を問う。
それを聞かれた男は、やわらかな笑みを浮かべ言った。
「君が、楽しさが分からないと言っていたから」
男は少女の眼を見つめる。
すると、少女は少し困惑したような表情になる。
「私は神族。この身に感情は存在しない」
「あなたはそれを知っているはず」
どうして、と彼女が呟く前に、男が口を開いた。
「存在しないからと言って、無いと思った?」
少女はその眼で男をじっとを見つめる。
「僕は不適合者だ。他人と違って、根源が四つあったり、普通ならあり得ない力を持っている」
「だからこそ分かるんだ。存在しないなら創ればいいって。もしそれでも無理というなら、そんな壁はぶち壊してやる」
彼は力強い眼で少女を見つめながら言った。
しかし少女は、それはできない、と首を横に振った。
「ブラウ・アルヴィローゼ。あなたが強いのは知っている。けれど、神族というのは秩序。それに感情ができると言うことは秩序が崩れていることを示す。
あなたが破壊すると言った壁は秩序の壁。それを壊せば世界のバランスが崩れ、世界は滅びに向かう」
「神族は秩序ではない」
そう言うと、少女の身体がピクリと動いた。
どうやら、予想外の答えだったらしい。
男は少女の眼を見ながら、さらに言葉を続ける。
「神は生まれながらに秩序。全ての神は秩序で動いている。君ならきっと、今の言葉にそう返すだろう」
「だけどそれが間違っているとしたら、君は世界が滅びることもなく、感情を手に入れられる」
少女はその言葉に頷くが、しかし、と言葉を続ける。
「それは不可能。何故なら神は秩序。それに間違いはなく、神は間違えることも決してない」
「神も間違いをする」
間髪入れずに男が言い返すと、少女は驚いたように目を丸くした。
「私は既に、間違えたことをしていただろうか」
少女は、男が言った神が自分の事だと思ったのだろう。
彼女は自分のことを指さしながら男に聞いた。
すると、男は表情を変え、アッハッハと大きく笑った。
その顔は、そんなこと思いもしなかった、という表情だ。
「そうか、確かにそうだね。君の事を忘れていたよ。確かに君も、間違いをしている」
「どんな間違い?」
少女は首を傾げながら彼に聞いた。
「それは、君が感情を手に入れたら教えてあげるよ」
男はそう言うと<
そこには、世界を滅ぼすような危険を冒さず、神に感情を手に入れさせる、というような内容が書かれていた。
「これには調印できない」
少女はふるふると首を横に振った。
もし失敗した時の、彼への被害を考えているのだろう。
「それよりも、私以外の神が間違いを犯しているというのについて教えてほしい」
彼女がそう問うと、男は再び笑った。
「やっぱり君は変わってる。でもまぁいいや、教えてあげる。間違いを犯した神っていうのは、天父神ミルドエイベスだよ。彼、僕の消滅を決定したと言っていた割には、未だに僕を滅ぼすことができていない。神の命令は絶対とか言っていたのにね」
「天父神はなにもしてこない?」
「いいや、よく彼の手下が遊びに来るよ」
「それなら、あなたが強すぎるだけ。普通の魔族ならもう死んでいる」
「かも知れないね。けど僕は死んでない。天父神は僕を滅ぼすと言ったんだ。それができていない以上、天父神は間違いを犯したという他ない」
もちろん、この先も滅びるつもりはないけどね、と男は言葉を続けようとした刹那、彼の背後から突然何かが現れた。
現れたそいつは、男の首を真っ二つに斬る。そしてそのまま、男の頭はボトリと地面に滑り落ちた。
斬り落とした奴の正体を知ろうと魔眼を凝らして見れば、一人の神の姿が視えてくる。天父神ミルドエイベスだ。
彼は斬り落とした男の頭を掴み、自分の近くまで持ち上げた。
「魔王ブラウ。君は、私が間違いを犯したと言っていたが、やはり間違いはなかったようだ。何か遺言があれば聞くが何かあるかい?」
「ちなみにだが、この剣は首を切った相手の根源を切る聖剣だ。首を斬られたらもはや、<
「<
首だけになった男は、根源を切られてもなお魔法を使い蘇生を試みる。
「無駄だよ、根源が滅んでいるんだ。<
しかし、首を切られたはずの男の身体は見事にくっつき、蘇生に成功した。
「くはは、知らなかったか?俺には根源が四つ存在する。たかだか一つ潰したくらいで俺に勝てると思ったのなら大間違いだ」
そう言った男の性格は、先ほどまでの優しい感じとは違い、魔王のような性格になっている。
戦う時とそうでない時で、性格が豹変するタイプなのだろう。
「さて、これで分かったと思うが、やはりお前は間違っていると言う事だ。言わなかったか?貴様に俺は滅ぼせぬと」
先ほどまでの紫の髪はより艶を出し、暗赤色の眼は鮮紅色に変わっていた。
「根源が四つ…。やはり君はこの世界の秩序から外れた不適合者だ」
ミルドエイベスは男から距離を取り、魔法陣を構築する。
「何をする気か知らないが、その程度で俺に敵うと思うか?」
「<
魔王ブラウが魔法陣を一〇〇門描き、漆黒の太陽が天父神へと向かっていく。
「私に炎で傷をつけることはできない」
ミルドエイベスは魔法陣を構築する手を止めず、そのままその場から動かない。
「それで傷がついたのをもう忘れたのか」
漆黒の太陽が天父神の秩序を燃やし、その場に巨大な火柱が燃え上がった。
「私だってなにも対策をしなかった訳ではない」
火柱の中から声が聞こえてくる。
刹那、彼を取り巻く炎が吸い込まれるように消えていった。
その中から現れたミルドエイベスの手には、膨大な魔力が込められていた。
「見せてあげよう、魔王ブラウ。これは、私が君を滅ぼす為だけに作った魔法だ────」
天父神の魔法とは一体────
◇
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