昔話をするとしよう。
あれは私が未だ子供の頃の話だ。
子供の頃の私は田舎住まいなのといじめられていたのも相まってやることが特になく一人で山を冒険するのが唯一の楽しみだった。
木登りをして自生していたリンゴを食べたり川で釣りをしたり……まぁ、色々と遊んでいた。
ある日、いつものように山を探検していたら古い祠を見つけた。
祀られていたのはよく分からない奇妙な人形の像だった。
さらに奇妙だったのは像の前には穴の空いた皿上の岩がある事だ。
まるで何かを流し込む為のように。
子供の頃の私は興味本位で川から汲んできた水を流し入れてみたが何も起こらなかった。
ふと
私は急いで釣具を取りに家に行き川で魚を釣り、そのまま岩の上で魚をグチャグチャにナイフで刺した。
すると穴からはこの世のものとは思えない心地の良い音が溢れ、石像は黒く染まった。
娯楽に飢えていた当時の私にはそれがたまらなく楽しく思えた。
だが、音はしばらくして止まってしまった。
私はもっと音が聞きたかった。
だからたくさん魚を釣って殺した。
その度に穴からは音が流れ像は黒く染まる。
結局その日は日が暮れるまで魚を釣っては殺していた。
次の日、像のあった場所に行くと魚の死骸は綺麗に無くなっていた。
私は山の動物達が食べたのだと思って気にもしなかったが。
この日も魚を釣ろうと川に行ったが様子がおかしい、魚が一匹もいない。
どれだけ粘っても一匹も釣れやしない。
仕方がないからその日は帰ろうとしたら一匹の蛇の死骸を見つけた。
未だ新しく血が流れている死骸だ。
その日は祠に蛇を捧げた。
次の日、山がいつも以上に静かなのに気づいた。
虫の音ひとつ聞こえやしない。
動物もいない。
これじゃあ音が聞けない。
そこでふと思いついた。
血なら何でもいいのではないか? 、と。
なら、とっておきがある。
問題はどう取るかだ。
私は考えを巡らせ、いじめっ子の一人を山に招待することにした。
山の中なら私の方が有利だ。
次の日、いじめっ子をどうにか言いくるめて件の祠に連れてくる。
いじめっ子は気味が悪いなどと言っていたがどうでもいい。
私は音が聞きたい。
そこで私はいじめっ子を思いっきり殴り飛ばした。
いじめっ子は石像に頭をぶつけて血を流し、音が流れた。
だけど問題が発生した。
いじめっ子が動かない。
私は動揺しその場から逃げ去った。
私は自分の行いを深く後悔した。
これじゃあ私は殺人犯だ。
どうしようどうしよう!
だけど、その夜にいじめっ子の家族は失踪した。
家の中は荒らされまるで獣に襲われたようだったらしい。
この時になって私は気づいた
魚の、獣の、そして人の。
以来私の住む村では数年に一度
らしい、というのは私は成人して早々に村を出たからだ。
あんな化け物のいる村になど住めるか!
そうして私は眠りにつく。
意識を失う刹那ふといつか聞いたような音が聞こえたような気がした。