今回、RTAパートの集団幻覚度が高いので、嫌な人は読み飛ばして下さい。
やっとレッドガンが出てくるRTA第4部。はっじまるよ~
という事で前回は、未来のAC乗りを守ったところで終わりました。
はい、ミシガンとウォルター氏の意味深な通信が入りましたね。遂に!レッドガンメンツとの邂逅です。もう待ちきれないよ。ヴォルタ君を出してくれ。
レッド君のお礼と自己紹介通信をボタン連打で読み飛ばします。
レッド君。私は超絶銀髪美少女でしかも、スタイルも最高の621だぞ。スネイルが出てきたところで何の問題もないのよ。
少しでも私の事を褒めてくれれば、火の中、水の中、森の中。はたまたアーキバス本社襲撃だって楽勝よ。
私を褒めてくれる人は皆ちゅきだからもっと褒めて(ホシガリス)。
でも、ごすずんに褒められるのが一番ちゅき。だからごすずんももっと褒めて(ヨクバリス)。
ごすずんの応援ボイスはもう既に録音済みです。これでもし、本走でガバったとしても、ウォルターコーラルチャージで走り切れますよ。あっ、ボイスは上げません!(迫真)
さて、さっさとミッション「多重ダム襲撃」を選んでミシガン総長の遠足ボイスと、ヴォルタ君に褒められたい所さんですが、此処で、オリチャー発動です。
前回のミッションで何故か追加報酬が出ているので、お買い物をしたします。レッド君の通信が気持ち長かったように思えますし、それが原因でしょう。
購入致しますはRaD製のブースタとシュナイダー製のブースタの2種です。
上昇推力の高い奴と、AB速度の高い奴ですね。前者は高低差が激しいミッション用で、後者はこのRTA全編を通して使っていきますぜ。このブースタにはSランククリアに重宝した兄貴・姉貴も多い筈。
そしてこのどちらも、今の進行度のなら買えない代物。いやー本当に隠しコードを縛らないと、強いパーツが金さえあれば、調達できて本当に楽ですね。
本当はミシガン総長の古巣であるファーロン製のブースタを使っていきたいのですが、これRTAだからね、仕方ないね。
ミシガン総長を愛する皆さまはファーロン製のブースタを装備して、遠足に持参しましょう。持ち物確認は遠足の基本です。
これでやっと、役立たずの初期ブースタ君から解放されます。
彼も時代遅れとはいえ、ファーロン製。役立たずなりに役に立ってくれましたね。ありがとう 一生倉庫番していてね♡
さて、ミシガン総長のブリーフィングを断腸の思いで飛ばしまして、「多重ダム襲撃」任務にいざ、鎌倉。
ごすずん。レッドガンの流儀、堪能してくるね♡
G13 了解。役立たずども~ のりこめー わーい(開幕ABぶっぱ)
画面の私が、遠足を愉しんでいる所で解説を一つまみ。
今ミッションでは本作の新要素が又出てきます。なので、解説だけして画面の私は倍速して編集さんを楽にしたいところなのですが、致し方なく等倍です。楽しい遠足ボイスを飛ばす訳にもいかないですからね。
さて、解説が終わったところで、画面の解説に戻りましょう。雑魚をきっちりと処理して、一つ目の発電施設を破壊したところですね。
さぁ、ここから画面にご注目。イグアス君が621君に突っかかってきましたね。俺たちは壁越えにアサイン云々の無線です。この台詞の後に本家には存在しない喜怒哀楽と書かれた上下左右の選択肢が出てきましたね。
これが本作の新要素中でも一番に大きなもの、というか本作の一番の醍醐味。無線に応答できる要素となっております。
これ以降、この4択選択肢や、本家の2択選択肢が作中これでもかと出てきます。
本家では、2週目の解放戦線の誘いに乗るか乗らないかと、スウィンバーンを逃がすか、逃がさないか、騙して悪いが(見逃すを選択した後に撃破)する時の2択、うん2択? まぁいいや、二か所くらいでしか使わなかった選択肢のコマンドが大出世を果たしました。
しかも、上下が増えてより複雑に!ボタンが足りねぇんだよなぁ!どうしてくれるんじゃ(コントローラー勢)
では、新要素を堪能すると致しましょう。イグアス君が舐めた無線を送って来てるわけなので、此処で哀れみを返しておきましょう。
おまっ、機密をそんなもホイホイ喋って良いんか? な~にが木っ端だよ。情報を外部にペラペラと話すようなお前は大馬鹿じゃい!
頭のおCPUが足りなくてよ。算術計算からやり直して頂けるかしら?
はい、そうすると、イグアス君が意外にも怯みますね。おっどうした? 言い返されると思ってなかったん? んん?
とこんな感じで会話ができる様になりました。凄いですね。今作の621君は感情表現できますよ。と言ってもプレイヤーに出来るのは選択肢を選ぶだけですけどね。
勿論。通信を只管に無視って、本家の無口621を演じる事も出来ます。
此処で一旦、画面を止めます。RTAなのに画面を止めるなって? 後日、無編集版を上げるので不正を気にする方はそっちをご確認ください。此処からは新要素の解説とその解説と切っては切り離せぬ歴史の話をしなければなりません。ついでにこれからのチャートの方針もね。
今の選択肢を選んだことでイグアス君の「好感度」が下がりました。はい「好感度」が下がりました(大事な事なので2回)
はい、本作には各キャラの好感度も設定されています。おまけ要素であるルビコン学園の恋愛シミュレーション要素があろうことか本編にも採用されているのです。
この好感度ですが、高いと何ができるのかについてお話しします。
今作では、好感度の高いキャラクターをミッションの僚機(最大2機まで)として連れ回せる要素が実装されています。
本家で、影が薄かったあの人やこの人も好感度を上げれば、一緒に仕事ができる訳ですね。はぇ~すっごい。
勿論、レッドガンのメンバーはアーキバスの依頼には付いて来てくれません。ヴェスパー部隊の場合はその逆ですね。これは当然です。
例外としてChapter3の封鎖機構打倒の為、共闘している場面では僚機として連れて行けます。
しかし、ルビコン解放戦線の奴らは、両陣営の依頼に、有ろうことかChapter3でもついてこないです。やっぱ芋虫食ってるような奴らはダメだな。
この僚機システム、使うと報酬を幾らか僚機に渡す事になりますが、多くても3割と、とてもお財布に優しい仕様となっております。
過去作fAとかでは、強い傭兵を僚機に雇うと4~5割取られたのとはえらい違いですね。まぁ、報酬山分けと考えれば、普通なのかもしれないですけど。
過去作の話はさておき、好感度がより高く成れば、渡す報酬の割合がより少なくなり2割、最後には1割差っ引かれるだけになります。もうそれ弾薬と修理代だけしかとってないやん。大丈夫? もっと取って良いんやで(当然の反応)
好きなキャラと楽しく遠足してねという公式からの熱いメッセージですね。なっ、涙が出ますよ。
ミシガン総長やナイル、フロイトなど、ランカー上位のキャラも好感度さえ上げれば、連れまわす事が出来、しかも各キャラ連れまわせるミッションごとに無線会話も有りますぜ。何というボイスの多さ———素敵だ
おっと、失礼。心の中のブルートゥが出てきてしまいました。この好感度システムは勿論ですが、当然の如くストーリー分岐や新ミッション群、果てはエンドにも関わってきます。
企業の信頼度と、キャラの好感度。この二つの要素が複雑に絡み合う事によって、本作は発売から数年を経ても新情報が発掘される作品となった訳ですね。
本家にはなかった分岐やミッション。エンドを見たさに本作を購入。再びこのルビコンに密航した多くの621達はこの二つの要素が織りなす地獄のようなフラグ管理の辛さにコーラルを発見できず、はたまた、AMちゃんのようにチャートをぶち壊され、深いルビコン川に沈んでいきました。
ちょっと、待てよ。追加された分岐等を拝むのはそんなに大変なんか?大体行きたいルートの企業依頼を受けて、関連するキャラの好感度を上げればええんちゃうのと思った、そこの兄貴・姉貴諸君。しかし、現実は非常でした。
ええ、兄貴・姉貴たちの考えは正しく、一定の企業ルートに行きたい場合にはその企業の任務を受ける。その企業と致し方なく敵対する場合は、降伏させるなどして、信頼度管理をする。
キャラの好感度も一緒に出撃前の会話で上げて、一緒に任務して上げて、選択肢でも上げると一見簡単そうに見えます。しかーし
レッドガンで挙げるとしましょう。ナイル、レッド、五花海の3人。本家では僚機として出てきましたか? 敵としてでしか、出て来ていませんよね?
ご理解頂けましたね。そうです。あのナイル警部と仕事したい!この人どこで会えるの?現象が密航した621達を襲ったのです。怖いですねぇ、これは怖い。
ナイルは順当にベイラムの信頼度を上げれば、一緒に出撃できるミッションが出て来るのですが、そうではないキャラも沢山いたのですね。
推しキャラと一緒に遠足できるって言うから買ったのに…話が違うっすよとなった621が続出。それ所か、やっとの事でお目当ての相手の好感度を上げられたとしても、僚機として呼べるレベルにまで好感度が上がらないといった事例まで報告されました。
本作発売当初のSNSの悲痛な叫びは凄まじく、自分の好きなキャラと壁越え・海越え・はたまたコーラルリリースできなかったと(コーラルリリースはどう考えても無理だろ)、本作のルート開拓から逃げ、デマ情報や怪文書を垂れ流す621が湯煎の様に湧き出し、そこら中、デマ情報や謎概念だらけと本家AC6発売から、数週間以内に起こったコーラルリリース現象が再発。
そして、そのワザップ並みのデマに騙された新規が本作を購入し、流れる様にルビコン川へと入水。そして深いルビコン川で溺れている621達に騙して悪いがそれ全部、集団幻覚なんだわ。されるまでが定番になるという異常事態と相成りました。あーもうめちゃくちゃだよ。
このままではいけないと立ち上がった、一部の勇敢なレイヴン達が、極寒の中央氷原を彷徨う事、一か月。あるレイヴンがSNSで放った一言は、脳内コーラルの無くなったルビコニアン達を集積コーラルへと誘いました。
「今作のキャラエディットはおまけではなく、好感度の上がり幅に違いが見られる。こいつら、見た目も判断材料にしてやがる。そして、一部のキャラは容姿の好みがランダムに設定されている」
この情報は瞬く間にネットの海を広がり、そして、ものの数十分で事実であると裏付けられました。川に沈んだ621達の妄言ではなかったのです。
この出来事をきっかけに各キャラにあった容姿の研究も進み、それに伴って、新たな分岐・ルート・ミッション開拓が進みました。
中には、一緒に仕事をすると、本家では依頼が無かった企業のミッションを持ってくるキャラも存在し、また界隈が賑わいました。
レッドガンで挙げるとミシガン総長がそうですね。好感度を上げると、古巣であるファーロンの依頼が来ます。
お話が脱線しすぎましたので、戻しとうございます。お前が脱線したんだろ?それはそう。
んじゃま、RTAの話に戻しまして、今RTAでは、レッドガンルートを経由する上で、更なるおタイム短縮の為に、G4ヴォルタ君に協力してもらいます。
当然の如く出て来るであろう、なんでヴォルタ君になの?イグアスかミシガン総長を僚機に選べよと言う兄貴・姉貴からのチクチク言葉に対してお答えします。
ヴォルタ君は大豊フレームにタンク足。重ショに手グレ。分裂肩ミサに私も愛用している2連肩グレSOOOOONGBIRDSと高火力・高APのガチ構成となっており、ほぼすべての武装で雑魚MTを一撃。AC戦でも当たりさえすれば、スタッガーを溜めてくれます。
この事から僚機適性がとても高く、働いてくれさえすればおタイム短縮に大きく貢献してくれるからです。単純に囮としても優秀ですね。
で、肝心のイグアス君とミシガン総長なのですが、ミシガン総長は後半、僚機として使う予定です。理由は四脚なので、ヴォルタ君の致命的弱点である高低差の弱さも無く、武装も強いので。
しかーし、イグアス君に至っては採用をお見送りさせて頂きます。イグアス様のより一層のご活躍をお祈り申し上げます。
はっ?許さねえからな?と怒り心頭の皆々様。どうか弁解をさせて下さい。
イグアス君の不採用の理由なのですが…2つあります。
一つはその……武装が弱い事ですね。ライフル系統は強化されましたが、イグアス君の持っているのは速射型リニアライフル。チャージすれば、前半のMTをワンパン出来ますが、後半はそうもいかなくなりますし、何より、常にチャージ状態で待機してくれるわけではないので、撃ち漏らしが多いです。
AC戦に至ってはパルスシールドを展開するので、マシンガンが使えなくなり、DPSが激減し、スタッガーゲージも溜められないという、本家での扱いを体現したかのような機体構成をしています。
生存力は有りますが、それならそれこそ、ヴォルタ君で良い……後レッドガンルートだと、AMちゃんに寝返らないのでそっちのパーツも使えません……うん。しょうがないね。
2つ目、ここが一番大きいですね。こいつ、先程脱線した時にお話しした、容姿の好みがランダムで決められているキャラとなっております。切れそう。
その為、イグアス君をチャートに組み込むには、このミッションまで進めて好感度の上りが悪かったら、リセットを繰り返すという地獄のようなマラソンが待っています(n敗)。勿論、そんなの無理無理なので、今チャートでは不採用となってしまいました。
と言っても、ヴォルタ君と一緒に任務に出ると、少しずつイグアス君の好感度も上がるので、いつかは僚機として呼べるのですが、その頃にはミシガン総長が使えるので、通常プレイでも、その…あの…使われる事は無いんじゃないかな……
なので、この私のスーパー豊満ボディを見て、脳を破壊されるイグアス君が見られるかどうかは、運次第となっております。逆に考えれば、この世、全てに存在している621概念に適応し、一往に脳破壊されるイグアス君がいると取る事も出来ますが、本走でそんな都合の良いイグアス君を引く事はできないでしょう。
これにて今チャートで、ヴォルタ君を使って行く事を皆さまは理解してくれたと思います。嫌な人は私以外の走者が現れる事を期待してください。
説明の為とは言え、イグアス君の好感度を態と下げたのは、決して私の私怨が入っている訳ではないです。嘘です。入っています。
此処からは、全力でヴォルタ君の好感度を取る動きしていきます。
ヴォルタ君は単純なので、その辺の無線に、ハイかyesと答えておけば、大抵好感度が上がるチョロい男です。このヴォルタ君が大好きな樹大枝細を体現した美貌でヴォルタ君をスタッガーさせて虜にしてやりましょう。
RTA冒頭のキャラメイクはこの為に…まぁ大豊娘娘のイベントの為でもあるんですが…それは追々。
では、画面を動かしますね。そして、時は動き出す…
はい、画面ではイグアス君を論破し、脳をスタッガーさせたところで、ミシガン総長に仲良く刺繍する事を言い渡されていますね。此処に応答できるので、ハイと答えときましょう。
そうするとミシガン総長に怒られる事が出来ます。そりゃ、無駄口叩くなと怒られたのに返事したら怒られますね。
怒られる621をイグアス君が煽ってまたミシガン総長に怒鳴られます。
イグアス君はさ~ そんなんだからラスボスになっても621を超えられないんだぞ。もっと頭を回してね♡ あっチンピラみたいな知能じゃ無理だったかごめん~ね☆
この一連の流れで、ヴォルタ君の腹筋が崩壊。好感度が上がります。やったぜ!
好感度は帰投後に項目が追加され、確認できるようになります。出撃前に必ず確認しましょう。これはRTAなので、この後、一回だけします。だって怖いし……
まぁ、問題ないと思いますけどね。試走時でも、ヴォルタ君の好感度が足りなくなった事は無いです。よしんば足りなくても、「壁越え」でも、ヴォルタ君は好感度を上げられるのでもーまんたいです。
では選択肢に先ほど説明したとおりに、はい・嬉しい・楽しいと適当な相槌を入れつつミッションを進めていきます。おほ~ヴォルタ君の好感度が上がる音ぉお。
男っていつもそうですよね!女の事なんだと思っているんですか!?でも御しやすくて大変宜しい!まる、はなまる!
さーて、今ミッションでの好感度をあらかた稼ぎ終えたので、終わらせちゃいますね。ダ~ナム君。あっそびましょ!
そうです。私が企業の狗であり、ごすずんの犬です。しかし、お前は、防衛対象もまともに守れない番犬以下の燃えカスです。
ダナム君を態と生存させて、破壊した時に流れるダナム君のボイスが最高なんじゃ~(畜生)
ざーこ、ざーこ♡ お前は、レッドガン裏切った時にサボるの止めろ♡ そのせいで何回ヴォルタ君にわからせさせられたか、理解しているの? 反省して♡
今回は此処まで。次回もまた見てね。
大豊のAC輸送任務を621が終わらせてから数日。俺は、旧知であるミシガンに連絡を行った。内容は、621をベイラム専属AC部隊レッドガンの作戦に参加できないかという提案だ。
今回の一件で向こうには相当な恩を売ったはずだ。問題は向こうがそれに応じるかどうかだが…
「ハンドラー・ウォルター。レイヴンがお前の猟犬だったとは思いもしなかったぞ」
しゃがれた低い声。されど、未だ老いを感じさせない木星戦争の英雄は通信を返してきた。
「通信を返したという事は、依頼に応じてくれたと判断して良いのか?」
「ああ、そうだ。扱いはうちの役立たず共と同じで良いな」
「……構わない。第4世代型は感情の起伏に乏しい。621はそれが顕著だ」
621を役立たず扱いされるのは業腹であるが、ミシガンの事だ。この言い回しにも訳があるのだろう。
621が感情を取り戻すには、人と関わる事が必要だ。俺以外とのコミュニケーションも必要だろう。
「なら決まりだ——他に何か言っておく事は有るか。ハンドラー・ウォルター」
諸注意が有るかどうか聞くミシガンにこれだけは言っておかなければと口を開く。
「621は自分を俺の……ハンドラー・ウォルターの犬だと思っている節がある。ミシガン。621に別の名前を与えてやってくれ」
俺の発言にミシガンが咳き込む。求め過ぎたか。
しかし、あの一件後。621は犬呼びをえらく気に入ったのか、何度注意しても止めないのだ。一刻も早く、代わりの名前を用意する必要がある。
「ハンドラー・ウォルター。お前が猟犬を飼わなくなったら、お前は何ウォルターになるんだ? まぁいい。此方でサプライズを用意しておこう。レイヴンには借りがある」
「そうか。感謝する、ミシガン」
「……礼は良い。ハンドラー・ウォルター。しかしお前も老いたか? それにはまだ早いだろう。一つ忠告しておいてやる」
「何だ?」
ミシガンは暫く沈黙を貫いたのち、口を開いた。
「……名声は勝手について来る物だ。その強化人間を殺したくないのなら、役立たずとしてそれなりの戦場に駆り出して置け。そうすれば生き残れる。」
「それは何故だ。ミシガン」
俺の問いにミシガンは吐き捨てるように答えた。
「役立つと判断されれば、必ず使い潰されるからだ。それが敵であろうが関係ない。有能な人材など、そう言う物だ」
「……肝に銘じておこう」
ファーロンから引き抜かれ、木星戦争で文字通り地獄を渡り歩いてきた男が放った言葉は、誰もが無視できない重さを感じさせた。
「621、仕事だ ベイラムの作戦に参加する ブリーフィングを確認しろ」
「ベイラム? レッドのとこ! わかった ウォルター」
621は頷くと嬉々としてタブレットを開いた。前の依頼は、傭兵として正常な判断が出来るのなら、今後一切、依頼を受けない判断を下せる程の杜撰な依頼だった。
しかし、621はベイラムの案内役が感謝を述べ、自己紹介したというだけで認められた気分になったのか、依頼主に対して不満を持っていない。
危うい。危う過ぎる。俺はそう思わざるを得なかった。
身体から見て621は、成人してないかしたばかりの歳だろう。それなら、精神はある程度成熟されている筈。しかし、強化手術によって、思考力、記憶、感情は失われている。そのはずだと言うのに…主と思う者には付き従う思考だけはしっかりと残されており、極めつけがスネイルを撃退した戦闘力。余りに戦闘に特化されている。
「ガンズサーティン!」
タブレットから発せられる、ミシガンのコールサイン復唱の指示に応答しても伝わらないというのに嬉々として復唱している。
感情のほぼすべてを失った者が、感情を露にしている瞬間程、涙を誘う物は無い。それが、戦い以外の物であれば、尚良いだろう。
俺は静かに拳を握り締め、無表情のままであるが嬉しそうにしている621を見守る。
ミシガンの忠言を思い出し、俺は、顔を歪める。621を戦場に出さないで済むのならどれだけ良いか。621に普通の暮らしをして欲しいのも本心なのだ。621は立派に仕事をしてくれている。
しかし、それと同時に一番に621を利用しているのは、使い潰しているのは俺なのだ。この事実が、俺を苦しめる。
しかし、それでも俺は、友人達の遺志を継がねばならんのだ。此処まで来るのに、どれだけの人間を殺してきたか、どれだけのハウンズ達を失ったか。奪ってきた命の重みが俺を突き動かす。
「ウォルター? どこかいたい?」
「何でもないぞ621 さぁ準備を始めろ」
「んん もっと」
俺の事を心配して駆け寄ってきた621にそう言葉を掛けつつ、621の頭を撫でる。
621は俺の撫でる手に頭を押しつけながら、そう口にする。621、言動だけでなく、行動まで犬のようになるのは止めるんだ。
銀髪のショートヘアは後頭部にあるACに接続する為のジョイント部分を辛うじて隠しているが、撫でる事でそれが見え隠れする。
手が強張るのを必死に抑え、621の頭を優しくもう一撫でする。
「621」
「りょうかい ウォルター」
621に呼びかけると、心なしが寂しそうにした後、ACに乗り込んだ。ACが動き出したのを確認した俺は621に通信を送る。
「G13か 名前が増えたな 621 レッドガンの流儀を堪能してこい」
「りょうかい ウォルター」
今回の作戦でレッドガンがまともなら、ベイラムに寄り添う形でコーラルを探すのも悪くないだろう。そう思いながら、俺は621を送り出した。
621に友人が出来る事を祈って。何時か別れさせなければならないとしても……
「…嫌がられたらどうするか」
ポツリと零した言葉に、俺は621の選択なら最大限尊重しようと思ったのだった。
「これよりベイラムグループ専属AC部隊レッドガンによる作戦行動を開始する」
「突入しろ役立たず共!」
ミシガンの何時ものように煩い号令を聞き流した後、ABを吹かす。
本来ならヴォルタと二人でやる筈だったが、ミシガンが訳の分からない野良犬を連れてきやがった。
独立傭兵レイヴン。先日、レッドがテストした大豊のACを木っ端役人から守り切ったなんて情報が有ったが、その情報は嘘か運が良かっただけだと俺は判断した。
「独立傭兵かよ 野良犬の世話をしろってか? レッドガンも舐められたもんだぜ」
「関係ねぇ 俺たちだけで終わらせるだけだ」
当然だぜ、ヴォルタ。こんな野良犬なんぞ必要ない。
即座にABを吹かして付いて来る野良犬の機体は武装と内装は金を掛けている様だが、フレームに至っては惑星探査用のジャンクが殆どだ。
いくら木っ端役人とはいえ、こんなお粗末な機体に負ける訳がない……いや、マスコットの中に入っているような奴ならあり得るか。まぁ、これも噂だったか。
一つ目の目標を野良犬が破壊する。まっ少しくらいは花を持たせてやろう。
おい、待て! 次の目標にすぐさまABを吹かして飛んでいく野良犬に食らい付くようにABを吹かす。
レッドガンの格なんぞ、心底どうでもいいが、急に出て来た野良犬風情にレッドガンの面をされるのはイラつく。
あれは、ミシガンのきついしごきを受けて来た奴が得られるものだ。格の違いを教えといてやるか。
「おい、野良犬。どうやって木っ端役人を倒したかは訊かないでやるから俺の話を聞け。お前のような木っ端は知らんだろうがな。俺たちは壁越えにアサインされている。この仕事は慣らしだ。この後には土着共の拠点に乗り込むのよ。木っ端はいつまでも此処で燻ぶっているんだな。俺たちは壁越えを果たす」
俺達の凄さが身に染みて分かったようだな。俺は、野良犬が残した砲台をリニアライフルで打ち抜きつつ、そう思った。
2つ目の目標を打ち抜こうとリニアライフルに電力を溜め始めると、野良犬が先に肩のグレネードで目標を破壊した後に声を発する。
「それ のらいぬ? こっぱに いっていい じょうほう? ぶがいしゃに きみつ しゃべらない とうぜん おこられる いぐあす? ばか」
「——女!?」
何だ、こいつは!?
無線の声を聞いた瞬間。俺も困惑した。流れてきた音声に加工された形跡はない。野良犬は女だ。ヴォルタの驚きも無理はない。AC乗りにも女は居るが少ない。しかも、ミシガン連れて来たからには男だと思っていた。
そんな事よりも、重要なのは喋り方だ。声の抑揚すらも感じられない棒読みと片言。こいつは、旧世代型の強化人間だ。
やっと頭が状況を理解したのか、野良犬に言われた言葉が今一度、脳内を駆け巡る。こいつ、さらっと俺を馬鹿って言ったか! 舐めやがって!
「G5! そしてそのおまけ! 仕事が楽でお喋りが絶えない様だな? それなら空いた手で仲良く刺繍でもして、そのよく回る口を縫い付けておけ!」
ミシガンの野郎。本当に煩い奴だ。此処で言い返すと、帰って来てから何をされるか分かった物では無い。黙るとするか。
そう思い、押そうとした無線のボタンから手を離すと、無線機から野良犬の声が聞こえてくる。
「おまけ りょうかい」
「G13! 本当に分かって居るのか! 分かって居るのなら返事はどうするべきか判るだろう!」
野良犬……こいつは笑えるぜ! 野良犬どころか駄犬じゃねえか。
俺は先ほど離した無線機のボタンを押すと、笑い声を必死に抑えながら、口を開いた。
「……おい、野良犬。ミシガンは口を閉じろって、言ってんだ。そのスカスカの脳みそじゃ理解できないか?」
「………ん だまる」
意外と素直じゃねぇか。最初からそうしていればいいんだよ。
俺は上機嫌で操縦に戻ろうとすると、無線機から耳を塞ぎたくなる様な爆音でミシガンの声が響く。
「G5! 言語を理解できていないのは貴様だったようだな! 俺がいつ、貴様が喋って良いと言った! 帰ったら覚悟しておけ!」
クソっこれも野良犬のせいだ。ミシガンが拾ってきたからっていい気になりやがって。
そう言えば、ヴォルタは何をやっているのかとカメラを動かすと、キャタピラで地面を疾走しながら、MTを撃破している。
あっあいつ! オートパイロットを使ってやがるな!
一見すると操縦をしている様に見えるが、軌道は一定だ。後はCOMがロックした敵を勝手に片づけてくれる。ヴォルタの機体なら、MTの攻撃など屁のような物だ。食らった所で大した損害にならない。
しかし、そんな甘えた操縦はミシガンに簡単に見抜かれる。
「G4! 笑いを堪えてオートパイロットを使って居るのは分かって居るぞ! 両手で腹を抱えている暇があったら、常に操縦桿を握って居ろ!」
クソが! 此処は何時から宴会会場になりやがった? つまらない漫才をさせられた原因となった野良犬はどこ吹く風と言った具合で、3つ目の目標に向かっていく。
「遠足は此処からが本番だ 気を引き締めて掛かれ」
ちぃ いちいちうるせぇな と悪態を思わず口に出しそうになったが、踏みとどまる。
下手に噛みついて、帰ってからクソ親父に出会った時のような拳を食らったら溜まった物では無い。勿論、そんな事に成れば今度こそ、一発当てて見せるがな。
3つ目の目標を破壊した後、4つ目の目標に向かおうとするとオープンチャンネルから通信が入る。敵ACだ。
「ACが混じってやがるぜ」
出てきたのは、BAWS製の古臭いACだ。大層な口上を述べているが、所詮は土着の木っ端。慣らしにもならない。
敵ACをMT呼ばわりしたヴォルタがミシガンに黙らされている。ざまぁみやがれ。
ミシガンは気を引き締めろと言うが、三対一だ。おっと間違えた。2.1対1くらいだったか?
まぁいい。こんなゴミは一人でもやれる。さっきから黙っている野良犬に力量の違いを見せつけるチャンスだ。俺一人で叩き潰してやると言おうとした瞬間。ABを吹かしながら、野良犬がACに突っ込んだ。
「きぎょうのいぬ? ちがう わたし ウォルターのいぬ がんずさーてぃん おまけ このどれか おまえ じゃま」
「なっ!」
ABの推力を乗せた散弾は敵ACのACSを瞬く間に負荷限界に持って行くと動けなくする。そのままとどめを刺すと思ったが、野良犬は敵ACを通り過ぎダム施設を登っていく。
「貴様! 最初からダムを狙って!」
「いらい たっせい」
気の抜ける抑揚のない声と共に肩のグレネードが火を噴く。放たれたグレネードは最後のダム施設を破壊した。
「我々の ガリアの ダムが!!! 略奪者共め!」
「うるさい」
そのまま自由落下を始めた野良犬は、怒涛の勢いで迫ってくるACにもう片方のグレネードで爆撃すると爆風の中に突っ込み、両腕の長距離ショットガンで敵ACを吹き飛ばし、何事も無かったかのように此方に戻ってくる。
「おい、嘘だろ。ミシガンは何処の嬢ちゃんを拾ってきやがった」
俺は言葉さえも発する事が出来なかった。いくらMTと大差ないBAWS製とはいえ同じACだ。それが簡単に……野良犬……お前はなにもんだ…
「…ウォルターも苦労する訳だ 役立たずも役立たずなりに役に立つ事が証明された! 遠足は此処までだ! 帰投しろ!」
未だに降伏しない土着の馬鹿な機体だけを打ち抜いて俺たちは帰投を始める。
「G13! 貴様のナンバーは空けておいてやる。嬉しいか?」
「ありがとう ミシガンおじさん」
ヴォルタの盛大に噴き出す声が無線に入ると無線が切れる。あれは、耐えきれなかったな。
「G13! 次回までにその生意気な物言いをどうにかしてくるんだな! 分かったか!」
「がんずさーてぃん りょうかい」
野良犬は本当に理解しているのか判断に困る返答を返す。本当にイラつく奴だ。
あのクソ親父にオジサン呼ばわりした事だけは評価してやるが、俺は、必ずお前を超えてやる。俺は共に戦闘領域から離脱する野良犬の機体を睨みつけながら、そう誓うのだった。
御免なさい。キャラエミュが難しすぎて、遅くなりました。
後、セリフが所々さん違うのは規約対策です。セリフ全部、丸々コピペは出来ないんでね。名言とかは残したからこれで頼む。
そろそろウォルターが解釈違いって文句言われそう。怖い。
イグアス君視点が入っているのはそう言う事です。でも、ここが一番なんか言われそうなんだよなぁ。
レッドガン連中が漫才集団のようになっています。ベイラム上層部はクソだと思っていますが、レッドガンを貶す意図は有りませんので、そこはご理解頂けると幸いです。