ac6 ガバガバレッドガンチャート   作:暇な漁師

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間違えて無言投下してしまったので、初誤爆です
今度は小説パートが長すぎぃ! これ冗長なだけだってそれ一番言われてるから



part5

ストライダー君? ああ、あいつは良い奴だったよ——なRTA第5部。はっじまるよー

 

という事で前回は、第一回ダム見学(破壊)遠足を行った所で終わりました。

 

ウォルター氏とミシガン総長の本家では存在しなかった通信を飛ばしまして。イグアス君からのファンメのボタン連打で飛ばします。

 

良く吠える犬ですねぇ 吠えるだけで噛みつけない辺り 可愛いね♡ 雑魚は黙ってて♡

 

という事で、イグアス君を煽ったところで好感度チェックです。

 

??? いいいイグアス君!? なんで好感度高いの? もしかして良個体?

 

と言っても前回、好感度を下げたせいで僚機として呼べるレベルではないです。ヴォルタ君もチャート通りに稼げていますね。良かった、良かった。

 

まぁ、これならイグアス君をストーリー中盤から呼び出せるかもですね。僚機は2機まで呼べますし、呼べるようになったら呼びましょう。囮は一人でも多い方が良い(畜生)

 

後、ごすずんの好感度も異様に高いですね。なんでしょうかね~(右枠に流れる会話コマンドを選択している過去の私)

 

それじゃあ、お次のミッションは武装採掘艦破壊ではなく、レッドガンルートの「壁越え」を攻略していきたいと思います。ストライダー君?誰そいつ。

 

レッドガンルートだと、ストライダー君をスキップ出来ます。ミッションを一つ飛ばせるのはデカいですねぇ、これはデカい。

 

ウォルター氏の名言が聞けなくなってしまいますが、これRTAだから。RTAだから………

 

それじゃあ、ミシガン総長の有難~いブリーフィングを飛ばしまして「壁越え」に行くぞー

 

この「壁越え」が、従来の「壁越え」とどう変わって居るのかについてお話しします。

 

従来のミッションでは、砲台を2つ破壊し、次に四脚MTを始末。その後に、壁内部を進み、壁上でジャガーノートを壁越えおじさん、基、戦友であるラスティと共に破壊すると言った流れでしたね。

 

レッドガンルートのミッションでは、ヴォルタ君と一緒に壁越えを目指します。あっ、イグアス君はポンポンが痛いそうなのでお休みです。あほくさ。

 

では、依頼達成条件はジャガーノート君の破壊ですが! 前段階として一帯の砲台と外に展開している多数の四脚MT撃破が必要となっております。

 

は? あんた馬鹿? と思考停止に陥ってしまった皆々様。えっと、その、うん。ベイラム上層部から降りて来た作戦だからね。しょうがないね。

 

ブリーフィングでもミシガン総長が気を抜くな、無理なら撤退しろと言っています(要約)

 

初心者にお勧めってなんだよ! 話が違うだろうがって画面の前でガチ切れの皆さん。

 

どうか落ち着いて聞いて下さい。本当に初心者にお勧めなら、私だって、隠しコードなんて使わず、グリッチレスAny%で走っています。つまりはそう言う事です。

 

まぁ、ミッションクリア条件を述べると激辛難度のように聞こえますが、開始3分まではジャガーノートは出てきません。

 

この3分までに、最初の壁上砲台を粉砕し、内壁のスナイパー砲台も掃除しておく必要が有ります。

 

そうでないと、ヴォルタ君が勝手にあっちこっちに散歩して、無常にも撃ち殺されます。

 

後、このミッション。ヴォルタ君が死ぬと、普通にヴォルタ君は死亡判定です。必ず生き残らせましょう。ヴォルタ君⁉ なんで死んでしまうん?(3敗)

 

まず開始したら、ABぶっぱ。まばらに展開しているMT8機を無視って、目の前に見える壁の砲台を粉砕します。

 

この時、従来のミッションで目標となって居るガトリング砲台も破壊するのを忘れないようにしてください。

 

そしたら、戻ってMTを瞬殺。ヴォルタ君が纏めてくれているので肩2連の可愛らしい鳥の詩でしめやかに爆散させてあげましょう。この時、高飛びする事で、ロックを外して敵の中心地を爆撃できるように心がけましょう。

 

そしたら、最初の掘り?大穴?に態と落下して、ヴォルタ君が降下してきたのを確認したら、即座に垂直カタパルトで上昇。そのままABで、ヴォルタ君を置き去りにします。

 

こうする事で、ヴォルタ君が壁に引っかかり、その後、近くのMTと戦い始めます。

 

これでヴォルタ君が621に付いて来て、速射砲と高層マンションの密集地帯に隠れている四脚MTに、絡まれてお亡くなりになる事態を避けられます。

 

急げ、急げ。残った時間でジャガーノートの出現しないステージ左側のスナイパー砲台を片付けましょう。

 

片付けられなければ、ジャガーノートの砲弾降り注ぐ中、四脚MTの相手をしなければなりません。何とその数、合計7体。頭おかしなる~~

 

まぁ、この四脚MT達に盾持ちがいないのが不幸中の幸いです。盾持ちだったら、ブレード持ってこないといけないからね。えっ、砲撃型も強いだろ? 気合いで避けろ(暴論)

 

さぁ、砲台を処した辺りで、ムービーが入りましたね。621がジャガーノートと対面した時のシャッターが開き、ジャガーノート選手入場です。

 

ムービー後、ヴォルタ君が621の近くにワープしてきます。だから、砲台を倒しきる必要があったんですね(メガトン構文)

 

「オイオイ冗談じゃねぇぞ! 俺のキャノンヘッドの何倍の図体だ! あいつらはどれだけの戦力を隠し持ってやがる!」

 

とジャガーノートを見たヴォルタ君が驚愕しています。

 

ここで、ヴォルタ君を励まして上げましょう。大丈夫。ヴォルタ君は強い子、元気な子

 

そうすると、ヴォルタ君に冗談言うとる場合やないやんと突っ込まれます。何だよ、ヴォルタ君。意外と余裕そうじゃん。

 

此処から、ステージ左側のマンション群に隠れていた四脚MT達が顔を出してくるので屠ります。左側には2体ですね。

 

ヴォルタ君が狙ってくれた奴を優先して潰しましょう。スタッガー、有難うねぇ!

 

硬い敵と戦っている時はやはり蹴りが欲しくなる。後、ハンガーも欲しくなる。早く、芭蕉パイルで俳句を詠みたいぜ。

 

四脚MTを処しましたら、レッドガンルートの最初の壁。と言うかこいつらがBOSS。中央に居る大体3体の四脚MTとご対面です。

 

本家で門を守っていた四脚MTが三体になってお出迎えしてくれます。しかーも、こいつらに近づくと、残っている四脚MTも此方にやってきます。

 

四脚を一体も処理しないで真っ先に此処に来ると、7体の四脚MTが一堂に会する地獄が出来上がってしまうので絶対にしないようにしようね(3敗)

 

と言っても、此処で戦うと壁に引っ付いていれば、ジャガーノートの砲撃は飛んでこないので、安心です。

 

しかも、右側の四脚MTも時間が経てばこっちに来てくれるので、そちらの2体もジャガーノートの砲撃に晒されずに処理が出来るので、ここで戦うのが安牌です。

 

しかし、大体3体の四脚MTが5体の四脚MTにならないように迅速に処理しましょう。

 

それじゃ、5体の四脚MTを処すまで、倍速いいすか?(迫真のスタッガー取られる音)

 

あっ、此処で注意点。合計7体の四脚MTの内、1体は、ヴォルタ君に処理させましょう。

 

一人で全て片付けてしまうと、ヴォルタ君にドン引きされます。最後の1体のトドメを上げて花を持たせてあげましょう。

 

ヴォルタ君。俺がおまけかなんて言うけど、ヴォルタ君はおと……背中を預けられる最高の存在だよ誇って良いよ♡ だから四脚MTの砲撃避けずに死ぬの止めろ♡ 殺すぞ♡

 

四脚の7英雄にトドメを刺すと、ミシガン総長から無線が入ります。内容は同時展開中の作戦が無事に終わったから、援軍と共に此方に向かうとの事です。

 

残った右側のスナイパー砲台を破壊しましょう。そうするとミシガン総長か五花海が、僚機としてMT部隊より一足先に到着します。

 

レッドガンルートでは、ジャガーノートを3人でボコボコにできるんですね。これだよ、これ。こういう展開が欲しかったの!

 

勿論、狙うは総長です。最前線にも出張ってきてくれる、有能指揮官。しゅき♡

 

総長、総長、総長———いいいイグアス君⁉ おまん、サボった筈じゃ!?

 

Wikiを見る限り、こんな情報無いです。はえ~ どの面下げて出てきたの、お前?

 

お前は私の計画をどこまで邪魔すれば!!!(スタッガー音)

 

おチャートにひびが入った音がしますが、此処で総長を引けなくても問題はないので、続行です。くそ、2択だと思っていたら、3択だったのか。

 

なんか兄貴・姉貴たちにうん?どっかの傭兵支援システムみたいなチャートしているなとチクチク言葉を吐かれていそうですね。

 

ですが、イグアス君が来てくれたお陰でイグアス君の好感度が足り、後に僚機を2機体制でミッションを進められると思うのでロスじゃないです。

 

イグアスにチャートを破壊されたAMちゃんの気持ちが少しわかりました。その代わり、果ての果てまで、使い潰してやるからなイグアスぅうう!

 

ヴォルタ君がイグアス君に愚痴を垂れていますね。そりゃ、急にサボられたら怒るよ。

 

さて、此処で目標が変更。ジャガーノートの撃破となります。

 

どうしよう。イグアス君に声を掛けられましたが、正解が分からない。待たせたなとか言っていますし、此処は来てくれた事を喜びましょう。

 

好感度下がった!! こいつ、本当にめんどくさい!!! 取り込むべきではなかった…

 

それじゃ、壁内部をずずいと進み、エレベーター到着。上へ昇りましたら、ここでしっかりとウォルター氏の補給シェルパを受け取りましょう。ヴォルタ君のAPも回復するので。

 

ごすずん、有難う!!! ごすずん大好き♡

 

もしかしたら、私以外誰も見た事の無い、超貴重なG4・G5が揃った壁越えイベントシーンかも知れませんが、スキップします。

 

これRTAだから! 決して!!! イグアスの事が嫌いな訳じゃないから!!!

 

さて、お供二人を連れてのジャガーノート戦です。本来なら、四脚のミシガン総長か五花海さんが、ふわふわ飛んで囮をしてくれるのですが、イグアス坊やは囮出来ますかね……

 

おっ、なかなかやるじゃん(素直な賞賛)でも盾構える必要は無いから、マシンガンも撃って♡ 亀になって、クソ雑魚パンチするしか出来ないの? 捻くれむっつり童貞が はたらけ♡

 

時間を掛けるとジャガーノートがばら撒く地雷でヴォルタ君が昇天してしまうので、早々に決着を付けなければなりません。

 

おっ、選択肢。イグアス君、囮ナイスでーすって言ったら切れそうなので、囮は要らないを選択——あー!!! また下がった!!! もうーやだーふーざーけーるーなー!!!

 

もう、こんな捻くれ坊やなんぞ知るか! こいつの相手など私だけで十分だ!!!

 

スタッガーしたら、ソングソング、ショットショット。もう一発ショット入れてワンセット。

 

お次は飛んで地雷を回避し、斜め上から、もう一ソングで、スタッガーを取り直します。

 

おい、逃げるな! 逃げるな卑怯者! 逃げるなー!!!(発狂)

 

新しいご友人 なぜ私が奏でる散弾と小鳥の歌を聞いてくれないのですか?

この爆炎と装甲の削れる音 素敵だ

私はご友人に満足頂けるでしょうか 心配です それ以上にずっと楽しみです

ああ ご友人 そんなに情熱的な目で見つめられては奏でられません では踊りましょう

ダッシュ ターン ダッシュ ターン ファイヤ ファイヤ ターン

ご友人 素敵なステップです 私も心が躍ります(苛立ちで)

ご友人 貴方は私に激情をくれる(振り向くな) 素敵だ(憤慨)

ご友人 踊り疲れたのですか 花はないので、追加の散弾でも食らってどうぞ(死体撃ち)

 

ふぅ 想定外の事態で心のブルートゥが暴れだしてしまいましたが、私は元気です。

 

という事で、壁越え成功です。次回もお楽しみに。

 

 

 

 

 

「ハンドラー・ウォルター 貴様に一つ言って置く事が有る」

「何だミシガン? 621の言動については後で俺が言いつけておく」

 

作戦終了後、ミシガンから入った通信に俺は眉間を指で摘まみながらそう答えた

 

「G13の事ではない …うちの役立たず共より舌が回るとは思わなかったがな」

 

621の事では無かったか。俺は詰まりかけていた息を吐いた後、用件を尋ねた。

 

「悪い事は言わん アーキバスにつけ」

「……そんなに上層部は無能か」

 

唐突に不穏な事を言い出すミシガンに俺はそう答えた。

 

「政治家としてなら すこぶる優秀だ 気に入らない連中を使い潰す事に関してなら右に出る奴は居ないだろう 味方内という但し書きが必要だがな」

「…ミシガン」

 

ミシガンの皮肉に俺は閉口する。ベイラム上層部はレッドガンを使い潰す気なのだろう。

 

「俺たちとしては貴様らが付いてくれるならそれ以上のことは無い しかしだ」

「ミシガン それを決めるのは621だ」

 

ミシガンの言葉を遮る様に俺はそう言った。

 

「…貴様はそれで良いのか ハンドラー・ウォルター」

「……良くはない…が621は楽しそうだった」

 

ミシガンの問いに俺はそう答えた。

 

あそこまで感情を出して会話した621は初めてだった。その分、肝も冷やしたが…コミュニケーションを取らせた事は間違いではなかった。

 

ベイラム側に付く事は問題かもしれないが、ヴェスパー部隊の切羽詰まった状況を見てしまった以上、アーキバスの上層部もベイラムと大して変わらないだろう。

 

それに加えて、コーラルにたどり着いた後、621に全ての仕事を任せるわけには行かない。621をルビコン外に連れ出す人材も必要だ。

 

「……ウォルター G13におめかしでもさせてやれ 着飾ってやればあのお転婆も少しは鳴りを潜めるだろう」

「本当か!? ミシガン!」

 

俺の咄嗟の言葉にミシガンは暫く黙った後

 

「…うちの連中におめかしが似合う奴が居ると思っているのか?」

 

その返答に俺は苦笑せざるを得なかった。

 

 

 

後日、ミシガンから依頼が届いた。俺はその事を伝えにハンガーに向かう。

 

「621 ミシガンから依頼が届いた 確認しておけ」

「ミシガンそうちょう! わかったウォルター」

 

621はACの整備を止めると、タブレット端末を取り出し、依頼の確認を始める。

 

「G13 作戦内容を説明する 貴様のスカスカの脳みそにしっかり叩き込んでおけ! 

 今回ベイラムは未だ抵抗を続ける解放戦線に大打撃を与える事を決定した! 

 その一環として、連中の拠点化した馬鹿でかい「壁」を攻略する

 壁一帯は多数の砲台とMT部隊によって守られている 

 このままではMT部隊が降下する事も間々ならん! 

 G13!タンクの役立たずを覚えているか!そうだ!おまけよりおまけだったG4 だ!

 今回の作戦にはG4も参加する 貴様ら二人で周辺の砲台とMT部隊に損害を与えろ

 敵も馬鹿ではない貴様らが遊び始めればすぐに集まってくるぞ

 貴様らの機体なぞ、囲まれれば一瞬でイかれるポンコツだ

 せいぜい囲まれないように常にレーダーを監視して置け!

 貴様ら命知らずが壁で遊び回っている間に別動隊が連中の隠れ家に突入する

 別動隊の仕事が終わり次第 貴様らと合流 壁の制圧に入る 

 間違っても壁内部に侵攻しようなどと考えるな! 壁内部の戦力は未知数だ

 貴様ら命知らずが遊び始めれば 必ず壁内部の連中が顔を出す

 勇敢と蛮勇の違いも分からない貴様らではすぐさま鉄屑に変えられるだろう!

 嫌ならすぐさま引くか せめて壁外で鉄屑になって穴でも掘って引き籠って居ろ!

 分かったな! では準備を始めろ! 愉快な遠足の始まりだ!

 ……ウォルター バカ娘の手綱をしっかりと握って置け 以上だ       」

「…ミシガン」

 

ブリーフィングの音声を聞き終えた俺はミシガンの最後の言葉の意図を探る。

 

これはミシガンからの警告だ。この依頼は成功率が低いから手を引けと。

 

「壁」の攻略は陽動、時間稼ぎなのだろう。本命はルビコン解放戦線の隠れ家、目的はアイビスの火を生き延びたドルマヤンの捕縛だろう。ドルマヤンなら、コーラルの所在を知っている可能性も高い。壁よりも優先順位は高いか……

 

しかし、ドルマヤンが俺の追っているコーラルを知っているとは考えづらい。それならば、カーラがとっくに連絡を寄こしているだろう。

 

「ウォルター」

「…621」

 

ブリーフィングを聞き終えた621は俺をじっと見つめ、俺の答えを待っている。

 

俺が命令すれば、621はアーキバスの依頼を選ぶだろう。武装採掘艦・ストライダーの破壊。これで、アーキバスとコンタクトが取れるかは分からないが、取れさえすれば、付け入り様はある。しかし、スネイルと会敵した事がどう転ぶか未知数だ。

 

俺は考え込んだ後、口を開く。

 

「621 お前の判断に従え」

 

俺の問いに621は目を輝かせて答えた

 

「りょうかい ウォルター!」

 

 

 

「クソッ イグアスの野郎サボりやがって とんだ貧乏くじだぜ」

 

俺はACのコックピット内で愚痴らずにはいられなかった。

 

「親父は増援を寄こすって言ってたが……そううまくはいかねぇだろうなぁ」

 

独り言をぼやきつつ、べリウス中部の山間に降下した。このまま山を少し昇ると、見えてきやがった。

 

キャノンヘッドの武装を、全部叩き込んでもびくともしないであろう、高い絶壁。

 

「壁」その一言で説明できてしまう程、堅牢堅固な拠点がカメラ一面に映し出される。

 

至る所に設置された砲台。あの馬鹿でかい壁に比べりゃ雲泥の差があるが、それでも堀も備えた外壁。街区の高層マンションに居座る砲撃型MT。

 

そして馬鹿でかい壁の麓には門を守っている四脚MTが3体も居やがる。あの感じからして、四脚MTあれだけって事はねえだろう。

 

「…まだ敵にバレちゃいねぇな 指定時刻もまだだ 親父もなんだってこんな早くに基地から叩き出しやがった 凍えちまうぜ 全く」

 

カメラが捉えた哨戒MTは、いつ来るか分からない敵を今か今かと待ち構えていやがる。

 

AC内は温度管理も完璧の筈なんだが、操縦桿を握る手が震えやがる。本当に馬鹿みたいだぜ…

 

「任務開始まで5分——!」

 

そう呟きながら計器を見た俺は、咄嗟に機体を反転させる。レーダーに映る反応。これは輸送ヘリか?

 

「おい、どうなってやがる イグアスか? イグアスはベッドに縛り付けられている筈だ」

 

レーダーが捉えたヘリの反応は友軍だ。MTを乗せている反応じゃねぇから、中身はACの筈だ。

 

だが、親父含めてACに乗れる奴は総員で任務に当たっている。唯一出て無いのは、数日前から耳鳴り訴えてベッドでサボってるイグアスだけだ。

 

じゃあ、あの中に入っている奴は誰だ? 本当に親父の言っていやがった増援? だがあれは作戦がうまくいったときの話の筈だ…

 

俺は静かにマニュアルロックに変え、グレネードキャノンでヘリを狙い撃とうとすると、秘匿通信が入る。

 

「G4ヴォルタ こちらはG13レイヴン 援護に来た」

「お前は誰だ」

 

通信から聞こえてきたのは、親父と同じくらい年の男の声。俺は咄嗟に言い返した。

 

「…俺はハンドラー・ウォルターだ  済まない混乱させたな 62…レイヴン 声を聞かせてやれ」

 

俺は静かにマニュアルロックを切ると、グレネードキャノンを下ろす。

 

ハンドラー・ウォルター…まぁ、あの情緒じゃ、一人で独立傭兵なんぞ出来ねぇか

 

そう言えば、ダムで嬢ちゃんがウォルターの犬って言ってたが、あれは本当だったのか

 

「がんずふぉーヴォルタ たすけに きた」

 

輸送ヘリがACを投下すると、前回ダムで見たのと同じ機体が俺の隣にやってきて、あの特徴的な気の抜ける声で無線を飛ばしてくる。

 

「その声と機体 嬢ちゃんに間違いねぇな」

「うん さっきの ウォルター わたしのますたー」

 

嬢ちゃんに無線を送ると嬢ちゃんはハンドラー・ウォルターの紹介をする。

 

「…レイヴン 俺をマスターと呼ぶなと言った筈だ」

「かいぬし わたし ウォルターのいぬ」

「それもやめろと言った筈だ レイヴン」

「ウォルター なまえ まちがってる」

「今は我慢してくれレイヴン 拗ねているのか?」

「ウォルター いじわる」

 

やってきて早々二人は喧嘩を始める。

 

ハンドラー・ウォルターの声色から察するに喧嘩と言うよりも躾にちけぇが…

 

きっと、嬢ちゃんはハンドラー・ウォルターがいつも呼んでいる名前で呼んでくれない事に腹を立てているのだろう。子供かよ……でもそれだけ、飼い主を信頼しているって事か?

 

「唐突に喧嘩を始めないでくれないか? お二人さん…」

「……G4ヴォルタ 済まない」

 

俺が二人に止めるように言うとあろうことか飼い主であるハンドラー・ウォルターが謝ってくる。嬢ちゃんは未だ拗ねているご様子で黙ったままだ。

 

苦労してんだな…この人も…

 

幼過ぎる情緒であるが、嬢ちゃんはダムでいくらBAWS製とはいえ、ACを瞬殺した強さを持っている。

 

嬢ちゃんが居れば何とかなるんじゃねぇかと一筋の希望が湧いてきやがる。

 

「イグアス いない なんで」

「あいつはサボりさ 大口叩いといてベッドでおねんねしてるさ」

「…そうなんだ おだいじ」

 

嬢ちゃんの問いに答えると、嬢ちゃんは抑揚のない声でそう返した。

 

嬢ちゃんもイグアスがアサインされていた事を知ってるわけだからな気になるのも当然か

 

「生きて基地に帰れた時には伝えといてやるよ」

 

俺が少しぶっきらぼうに言うと嬢ちゃんは

 

「だいじょうぶ ヴォルタしなない」

 

そう呟いて、ABを吹かす。おい、待て!

 

咄嗟に時計を見る——作戦開始時刻だ。

 

「無線封鎖終わり! これよりベイラムグループ専属AC部隊レッドガンの作戦行動を開始する! 突入しろ! 命知らず共! 遊べる範囲で遊び回れ!」

 

親父の通信を聞き流し、ブーストを吹かす。嬢ちゃんの機体は俺のキャノンヘッドと違って撃たれ弱い。俺が前に出ないと直ぐにお陀仏だ。

 

「敵AC発見! 1機いや、2機だ!」

「この壁にたった2機で! 馬鹿にしやがって 砲台撃ち落とせ!」

 

俺達を発見した解放戦線の奴らが無線を飛ばすと、壁の至る所からけたたましいサイレンが鳴り響く。

 

「こいつ、早いぞ!」

「照準間に合いません! うわぁ!」

「やっぱりつえぇ」

 

口を閉じていた筈だってのに、そんな言葉が零れちまう

 

嬢ちゃんはABでMTの真上を通り過ぎると、砲台の砲撃を全て躱して堀を飛び越え、砲台の設置されている外と街区を隔てる最初の壁にたどり着き、次々と砲台を撃破していく。

 

「取り付かれた! MT援護を」

「今撃ち落とす!」

「——無視してんじゃねぇ!」

 

俺は、嬢ちゃんを撃ち落とそうと俺に背中を向けたMTにタックルをかます。

 

「クッ AC2機でこの壁が落とせるものか! 灰かぶりて 我らあり」

「黙ってろ!」

 

態々オープンチャンネルで無線を飛ばしてきたMTにそう言い返し、散弾をお見舞いする。

 

「貴様らはベイラムのACだな! 忌々しい企業どもめ! ここで消し去ってやる! コーラルよ ルビコンと共にあれ」

 

次から次へと解放戦線のMTが集まってくる。うざったい奴らだぜ 一体、何機居やがる

 

「ヴォルタ! さがって!」

 

嬢ちゃんの声を聞いて、咄嗟に後ろに下がると集まってきたMTの頭上からグレネードが降り注ぎ、MT達は跡形も残らずに爆散した。

 

「つぎ!」

 

そう言って嬢ちゃんは壁の前にある掘りに落ちていく。

 

おいおい! いくら陽動と言っても態々罠を踏み抜いて行く事は無いだろう!

 

「嬢ちゃん待て! 俺たちの任務は陽動だ! 突っ込みすぎるな!」

 

そう無線に叫びながら、俺も堀に降下した。

 

「嬢ちゃん!」

「ヴォルタ まってて」

 

堀に降下すると、先んじて辺りのMTを撃破した嬢ちゃんが垂直カタパルトに乗って急上昇していく。

 

「どういう事だ 嬢ちゃん!」

「ヴォルタ! えんきょり むかない わたし ほうだい こわす ヴォルタ! まってる」

「それは嬢ちゃんも同じだろうが!」

 

嬢ちゃんの説明にそう返答する。

 

確かに、タンクの俺は壁上にある砲台を破壊するのは苦手だ。だが、嬢ちゃんの武器も俺と大して変わらねぇ近距離装備だ。俺は、足手纏いって事かよ!

 

「直ぐに上に上がる! 待ってろ嬢ちゃん!」

「だめ! だめ! だめ! ヴォルタしんじゃう!」

「621 それはどういう意味だ!」

 

嬢ちゃんはなにを言ってやがる?

 

嬢ちゃんの必死の叫びに黙り込んでしまう。嬢ちゃんの機体はABを吹かすと頭上から消えた。

 

俺が死ぬ? 確かにこの作戦で死ぬ事は半ば気が付いていた。

 

本社からの任務はアーキバスより先に壁を攻略しろ、そしてルビコン解放戦線の指導者もひっ捕らえて、コーラルの隠し場所をアーキバスより先に探り当てる事だった。

 

奴らの頭の中には一番乗り以外の考えはねぇのか? 五花海の兄貴が呆れていたぜ。一番乗りは一番損をするってな。正確には無策の一番乗りって話だったが、本社の考えは間違いなくそれだ。

 

どっちも大変だってのに、本社は今すぐやれの一点張りだ。ナイル副長が本社に取り合っても、対応は変わらなかった。その上、支援物資まで減らす始末だ。嫌味かよ。

 

誰もが、俺たちを使い潰す気なのは理解できていた。その中で親父は頭を悩ませていた。

 

この同時攻撃作戦。この壁越えには俺とイグアスが本社から名指しでアサインされた。俺たちを使い潰せば、親父が本社に黙って従うようになると思ったんだろう。

 

親父はMT連中だって、整備士連中だって、誰にだって分け隔てなく接する。本当に誰だって同じようにシゴキをする。全員で親父のシゴキに耐えてきた。あのカリスマ性にレッドガン連中は付いて来てるんだ。ベイラムに尻尾を振ってるわけじゃねぇ

 

だが、その中でも俺とイグアスが一番にシゴキを、目を掛けてくれていたのは明らかだった。

 

イグアスは未だに親父をぶん殴るって言ってやがるが…まっ、そんな馬鹿な所が親父も好きなんだろうよ。

 

あのダム破壊だって、敵の補給を断つ事以外にも、今回の慣らしなのは間違いなかった。その理由に、イレギュラーとして嬢ちゃんが飛び入り参加はしたが、MT連中が付いて来る事は無かった。

 

親父たちが、奴らの指導者を捕まえて、此方に来るまでに、砲台を破壊して、連中の注意をこっちに向けさせる。それが、俺とイグアス……俺と嬢ちゃんの任務だ。

 

それだってのに、暴れまわっているのは嬢ちゃんで、俺は嬢ちゃんに付いて行く処か、囮にだってなれはしねぇ。この分厚い装甲は何のためにあるってんだ…

 

「なんだぁ? あのAC? 置いていかれてるぞ!」

「あからさまに遅いからな! 足手纏いなんだろ! 戦力をもう一機に集中させろ!」

「ジャガーノートの配置を急がせろ! このうすのろは俺たちでやる」

「全くだ この堀に落ちてきたのが間違いだったな! 同志たちの無念を此処で晴らさせて貰う!」

「灰かぶりて 我らあり!」

「「「コーラルよ ルビコンと共にあれ!」」」

 

…うるせぇな 土着のゴミ共が 大層な警句を唱えるくせして、俺たち以上に品がねぇ

 

「…誘いこまれたのはお前らだ」

「くっ 避けられない!」

 

堀中間の足場で俺を撃ち下ろししようとした馬鹿をマニュアルロックのグレネードキャノンで吹き飛ばす。

 

「ああ! 俺は嬢ちゃんの機体より遅ぇ! だがな! お前らのような雑魚に殺される程やわじゃねぇ!!! レッドガン舐めんな! 叩き潰してやる!」

 

俺は、堀内に残っているMT数機に突撃する。

 

4~5機増えたか? 関係ねぇ さっさと潰して、嬢ちゃんの所に追いついてやるぜ 

 

正直、待てと言われた瞬間、安堵しちまった。生き残れるんだと思っちまった。

 

死ぬからここで待ってろ? 冗談じゃねぇぞ嬢ちゃん そんな必死に叫びやがって

 

馬鹿みたいだぜ 本当に俺は馬鹿だ 数字の計算すらも出来なかったとはな 兄貴に商いを教えて貰っといて 兄貴にも謝らないとならねぇ

 

俺はG4ヴォルタだぜ 嬢ちゃんよりいくつもナンバーが上だ 死ぬわけにはいかねぇ 何よりも! ここで引き籠って居たら、後でクソ親父のシゴキ確定なんだよ!!!

 

 

 

「死ね! 企業の狗め!」

「621 聞こえているか 621! 急ぎ過ぎだ! 高層マンション群に隠れていた四脚MTにもロックされているぞ」

「はやく たおす はやく たおす!」

 

クソっ! どうなっている! 俺はそう思わずには居られなかった。

 

作戦が始まってから、621は常にこの調子で余裕が一切感じられない。俺の無線に応答せず、通じているのかも分からない。

 

スネイルと会敵した瞬間とも違う。行動は回避を是とした動きから、多少の被弾を許容してでも砲台を破壊する事に固執している。バイタルも上昇し、完全に興奮状態だ。

 

「621! 冷静に為れ! 状況を説明しろ! これは命令だ!」

 

使いたくはなかったが、621に「命令」を出す。あれほどの歪な強化を施された621は、俺の命令を聞いて、苦悶の声を上げると絞りだすような声で答えた。

 

「ううっ! こえ きこえる! ほうだい こわす じゃないと ヴォルタしぬ!」

「幻聴か! 621! 兎に角リペアキットを使え! 機体が損傷しているぞ」

「…りょうかい ウォルター」

 

予想通りに621が洗脳染みた強化を施されていた事に、そしてそれを利用して621を止めた事に対する激情が俺を苛ませる中、621の発言の幻聴について思考を巡らせる。

 

旧世代型の強化人間は幻聴や幻視が起こる事がある。621はその幻聴を患っている様だ。

 

621に聞こえている幻聴は妙に具体的だ。今までの嗅覚でも備わったかのような戦闘の勘はそこから得ていたのか? しかし、今まで621が幻聴で苦しんでいるようには見えなかった。

 

「621! 幻聴は何と言っている 何が聞こえている」

「さんふん じゃがーのーと でてくる! それまでに あんぜん かくほ!」

 

三分? ジャガーノート? それは、作戦開始からか!?

 

こんな幻聴など信じる方がどうかしている。だが、俺は621の必死な説明に信じざるを得なかった。

 

ジャガーノートという文言は解放戦線の無線からも聞こえてきている。準備が遅れている事から、BAWS製の大型兵器だろう。

 

「残り1分 左側のスナイパー砲台だけでも破壊するぞ! 残り5機だ!」

「りょうかい ウォルター!」

 

G4は無事だろうか。レーダーを確認すると僚機の反応は残っている。

 

堀内の敵を殲滅し、此方に向かって来ている様だ。

 

621が必死になって守っているのだ、死んでくれるなよと俺はG4に祈りを捧げた。

 

 

 

俺が堀を飛び出し、街区に向かってABを吹かした時、奴は現れた。

 

「シャッター開け! ジャガーノートで敵を吹き飛ばしてやる!」

 

高層マンションの間から見えた「壁」の屋上のシャッターが開き遠くからでもわかる移動式の砲台——戦車が顔を出す。

 

「オイオイ冗談じゃねぇぞ! 俺のキャノンヘッドの何倍の図体だ! あいつらはどれだけの戦力を隠し持ってやがる!」

 

俺はそう叫ばすには居られなかった。動き出したデカブツは、その巨躯に見合わぬ速さで配置に着くと、俺を砲撃する。

 

俺は咄嗟に自然落下し、砲弾を躱す。高層マンションに着弾した砲弾は、マンション一棟を丸ごと崩壊させた。

 

「どこを撃っている! マンションが崩壊するぞ!」

「退避! 退避―!」

 

マンションの陰に待ち伏せしたMTが崩落した瓦礫に押し潰される。

 

「だいじょうぶ ヴォルタのほうが つよい」

「……嬢ちゃん」

 

壁の半分の砲台を破壊し終えた嬢ちゃんが此方に合流してくる。

 

「ヴォルタ しなない ヴォルタ つよい ヴォルタ げんき」

 

嬢ちゃんは、しきりに俺を褒める無線を送ってくる。先ほどの必死さは無くなっているが、励ましてくれているんだろう。

 

「あーもう 分かったよ嬢ちゃん 降参だ なにより、そんな事言っている場合じゃねぇぜ」

 

機体をすぐに反転させ、馬鹿でかい壁を背にする。砲台を破壊していた嬢ちゃんを狙っていた四脚MTが二体、崩落したマンションの瓦礫を乗り越えてきやがった。

 

「追い詰めたぞ! 企業の狗め! 纏めて葬り去ってくれる!」

「残った防衛部隊も出せ! 挟み撃ちにしろ! 後に来るだろうお前ら企業の本隊にお前らの機体を晒してやる!」

 

おうおう、相当に怒ってやがる。これなら、親父たちの到着も早いかもな

 

「嬢ちゃん、俺が先に仕掛ける 後は頼むぜ!」

「うん ヴォルタ つよい」

「だからそれはもういいって言ってるだろ!」

 

親父と漫才をしていた時のような嬢ちゃんにツッコミを入れながら、四脚MTに砲撃する。

 

砲撃を躱しきれなかった一体に、嬢ちゃんはABで急接近。そこからの散弾で相手のACSを負荷限界に持ち込み、肩のグレネードを4発打ち込む。

 

本当に殺意が高いコンボだぜ。あの一連のコンボを何度も耐えられる奴は居ない。まともに食らった四脚は四肢から火花を散らして動けなくなる。

 

「同胞をよくも!」

「みえみえ」

 

もう一体の四脚が嬢ちゃんにブレードで切りかかる。嬢ちゃんは判り切っていたように急上昇して斬撃を躱す。

 

「貰っときな!」

 

そう叫んで、ブレードを空ぶった四脚にグレネードを発射する。グレネードは四脚MTに直撃し、奴が爆風で見えなくなる。

 

「まだだ!」

「甘えよ」

「もうおわり」

 

爆風の中から俺に突っ込んできた四脚に散弾をかますと、落下してきた嬢ちゃんが四脚に全武装を食らわせる。散弾が装甲を削る金属音と、爆発音が響き、四脚は爆散した。

 

「つぎ しょうめん」

 

嬢ちゃんは近くに居たMTを鉄屑に変えながら、馬鹿でかい壁の正面に向かっていく。

 

親父たちが来る前に壁周辺を本気で掃除する気か!

 

「嬢ちゃんといると退屈しねぇぜ」

 

嬢ちゃんの後ろを狙う、ゴミ共を吹き飛ばしながら、俺も嬢ちゃんを追いかける。

 

「AC2機に何をやっている! 他の拠点からの増援はまだか!」

「報告! ベイラムの部隊が本部を襲撃している模様! この拠点内の戦力で対応するしかありません!」

「何という事だ! 帥父は無事なのか!」

「本部とは連絡が取れません!」

 

連中の無線の内容から察するに、親父たちは上手く行ってるみたいだ。向こうには、親父も副長も兄貴もいる。失敗するはずがねぇがな。

 

「まさか防衛の厚い正面に出て来るとはな 散々暴れまわってくれたようだが ここがお前ら企業の狗の墓場だ!」

「AC2機が正面に来たぞ! 残った四脚も呼べ! 残った戦力で片を付ける!」

「ヴォルタ ジャガーノート きをつけて」

「ジャガーノートってのは壁上のデカブツだな? 了解、射角に気を付けておくぜ」

 

連中は俺たちをここで消すつもり満々だってのに、嬢ちゃんは殺される気なんて毛頭ないようで頭上のデカブツを気にしてやがる。

 

相手は四脚MT三体だってのに。本当、どうかしてるぜ!

 

「621! G4! 四脚MTの反応が2機此方に向かって来ている! その3機を迅速に片づけろ 囲まれるぞ」

「りょうかい ウォルター!」

 

ハンドラー・ウォルターの無線に嬢ちゃんが元気そうに答える。

 

番号呼びかよと突っ込みたくなるが、嬢ちゃんの反応を見るにその621と言う名前が一番呼ばれて心地よいものなのだろう。

 

「ウォルターさんよ 援護は任せるぜ」

「G4 621を頼むぞ」

 

ウォルターの返しになんだ、とんだ親バカ野郎じゃないかと思いつつ俺は無線を飛ばす。

 

「当り前だ 助けられた恩は必ず返す」

 

そう言って、嬢ちゃんと共に四脚MT3機に突っ込んだ。

 

 

 

「化け物共が!」

 

全くだ 俺がお前ならとっく逃げ出しているぜ

 

5機目、いや最初に倒した2機を含めて7機目の四脚MTが俺のグレネードキャノンで鉄屑に変わる前に吐き捨てた言葉に同調する。

 

「ヴォルタ つよい」

「手柄をくれてありがとな嬢ちゃん これで親父にシゴかれなくて済むぜ」

「ヴォルタ がんばってる なんで しごき?」

 

本当に俺が強いと思っている嬢ちゃんに俺は笑ってしまう。最後一体のトドメをくれたのも態とじゃないようだ。

 

「ハンドラー・ウォルターさんよ」

「ウォルターでいい」

「じゃ、ウォルターさん 嬢ちゃんの残弾はどのくらいだ?」

 

さっきは咄嗟に呼び捨てにしてしまったが、どう呼んだらいいかを聞いて、ウォルターさんに嬢ちゃんの残弾を訊ねる。

 

「全武装、半分を切っている。肩部武装に至っては30%以下だ」

「うー なんで わたしに きかない」

 

嬢ちゃんに直接聞かなかったせいで嬢ちゃんがへそを曲げる。さて、どう言ったもんかな…

 

「嬢ちゃんだとゼロでも拳があるとか言いそうだからだ」

「そのて あった」

「…621」

「ウォルターさん 申し訳ねぇ」

 

下手な事を言うもんじゃねぇなと思いながら、俺はウォルターさんに謝った。

 

ウォルターさんは、小さく溜息を吐いた後、気にするなと無線を送ってくる。

 

「じゃ——」

「待たせたな! 命知らず共!!!」

「あたま がんがん」

 

思わず耳を塞ぎたくなる様な爆音が無線機から響く。クソ親父の無線だ。

 

「こちらの任務は終わった! 今からそちらに遠足に向かう! G4 G13状況を伝えろ!」

「俺から説明しよう お前たちは、追加のMTを倒せ」

「頼んだぜ ウォルターさん」

「わかった ウォルター」

 

ウォルターさんに報告を任せ、壁内部から湧いて来るMTを撃破する。

 

弾薬自体は俺の方が残っている。嬢ちゃんは下がらせて、弾薬の節約をさせ、俺もタックルでMTを撃破し、弾薬の消費を抑える。

 

「状況は分かった 命知らず共! 残った遠距離砲台を破壊しろ! 破壊したらG6がMT部隊を率いて街区に入る!」

「がんずさーてぃん りょうかい」

「嬢ちゃん!」

 

親父が話し終えるとすぐに嬢ちゃんが残った砲台を破壊しようとABを吹かして飛んでいく。壁内部から未だにやってくるMTを嬢ちゃんが狙われる前に破壊する。

 

「G13はいつも通りの様だな G6! 準備できているか!」

「ミシガン総長! 万事滞りなく! MT部隊とともに、周辺で待機しております!」

 

親父が嬢ちゃんのお転婆ぶりを笑い飛ばす。レッドも配置についているか。これは、勝ったのか?

 

「G13が遠距離砲台を破壊し終えた! 残るは雑魚連中と馬鹿でかい壁に残っている馬鹿でかい砲台だけだ!」

 

嬢ちゃんが最後の砲台を破壊したのと同時にそう無線を送る。あれだけ、騒がしかった連中の無線も聞こえてこない。本当に出来ちまうのか?

 

「G4! 人の手柄を声高々に叫ぶようになるとはどのような心替わりだ! G6突入しろ!」

「G6了解! 奴らにレッドガンの流儀を叩き込みに行くぞ!」

 

レッドの声と共に響く、MT連中の声。暫くすれば、援軍が到着する。勝った訳でもねぇのに安堵で笑いが出ちまう

 

「G4! 気を抜いている場合ではないぞ! ここからが遠足だ!」

「分かってるさ! クソ親父!」

「G4! 貴様 まだ元気が有り余っている様だな! 口を動かしている暇があるなら手を動かせ!」

 

これだよ、これ。何を言っても暴言が返って来やがって その後はその暴言以上のシゴきが待ってんだ。何度殴り掛かっても一発も当てられずに7年も経った。

 

親父は俺を見捨てて無かった…涙を拭って、操縦桿を握り直す。まだ、終わってねぇ

 

「はっ! そんな事言われなくても分かってるぜ」

「G4! 帰ったら覚悟しておけ! もし貴様の機体がイカレたとしても、そこら中を穴だらけにしてでも探し出して連れ帰るからな!」

「勝手に掘ってろ! なぁ嬢ちゃん?」

「ほってろ ほってろ!」

 

嬢ちゃんを味方につけると、親父は黙り込む。こりゃあ、帰ったら何発殴られるか分かったもんじゃねぇな

 

「俺とG3が時期に到着する 到着次第、共に壁内部に進入 壁を登ってその馬鹿でかい砲台を破壊する それまで武器をしっかり磨いて待って居ろ!」

 

嬢ちゃんと一緒に親父と兄貴の到着を待とうとするとレッドから無線が入る。新手か?

 

「総長! 基地から緊急の連絡が!」

「どうしたG6!」

「G5イグアスがACに乗り込んで…恐らく、此方に向かっている模様!」

「基地の連中はイグアスが抜け出したのに何時気付いた!」

 

レッドの曖昧な表現に親父は核心を突く。レッドは少しどもった後

 

「ついさっきだと連絡が!」

 

その無線と同じくしてレーダーに友軍反応が映る。

 

「イグアス!」

「遅ぇよ 大馬鹿野郎!」

 

俺はサボった挙句、良い所だけ持って行こうとするイグアスにそう無線を送るのだった。

 

 

 

「全くだぜ もうほとんど終わってんじゃねぇか」

 

ヴォルタの無線にそう呟きながら、ヴォルタと野良犬の前に降下した。

 

「イグアス お前がベッドに横になっている間に嬢ちゃんと片づけちまったぜ」

「ヴォルタ つよい しごと らくだった」

「うるせぇな じゃあ、俺は手柄を頂いていくぜ」

 

嫌味を言ってくるヴォルタに俺も嫌みったらしく返す。

 

「…大丈夫なのか」

「はっ、鎮痛剤と精神安定剤を打つくらいなら、誰にだってできる」

 

心配してくるヴォルタにそう返す。

 

野良犬にメールを送ってから、何故か耳鳴りと頭痛が酷く成りやがった。ミシガンのクソ野郎がその事を知ると今までベッドに俺を縛り付けやがったんだ。

 

精神的不安定な奴は作戦に参加させねぇだ? 冗談じゃねぇ 俺は、強く成らなきゃなんねぇだ。

 

「G5 重役出勤とは良い御身分だな? 身体の方は大丈夫か?」

「お前に心配される筋合いはねぇよ」

「貴様の良く回る舌を聞いて安心したぞ! G4 G5 G13 良く聞け! 壁に向かう連中の別動隊を見つけた! その中には、お前たちの真上にいる馬鹿でかいのと同じのがいる! こちらは俺たちで片付ける! 貴様らは3人で仲良く壁を登り、砲台を破壊しろ!」

 

ミシガンは来れなくなったようだな。一緒に行動してる五花海が可哀そうだぜ。

 

「じゃあ、レッドが来る前に片付けるか」

「そうだなイグアス あんなデカいのが居たら、全部墜とされちまうぜ」

「目標を変更する。このルートから内部に進入しろ」

 

誰だか知らねぇ奴が、壁内部のルートを出す。野良犬の飼い主か? まぁいい。俺は力さえ示せればどうだっていい。

 

 

「またせたな野良犬 お膳立てご苦労 犬にしちゃよくできるじゃねぇか」

「イグアス! げんき うれしい!」

 

こいつ状況分かってんのか? 本当にイラつく女だ。

 

俺の煽りを意も介さずに俺の姿を見れた事を喜んでやがる。こんな情緒の奴が俺よりも強いなんぞ認められるか!

 

「内部まで入ってきたぞ!」

「狼狽えるな 我々はコーラルの戦士だ!」

「ははっ、ビビッてやがるぜ」

 

固く閉じられたシャッターをハックして中に入ると、中にいた連中は俺達の姿を見ただけで下がっていく。

 

ヴォルタはその姿を見て、大笑いしている。

 

「雑魚には興味はねぇ さっさと叩き潰して上に行くぞ」

 

リニアライフルをチャージして一機一機確実に仕留めていく。

 

壁内部にはほとんど敵がいねえ。ヴォルタと野良犬でどれだけやったんだ?

 

「こいつであのデカブツは上まで上がったのか」

 

俺達はリフトにたどり着き、屋上へ昇る。

 

「補給シェルパを送った 3人分だ 使え」

「ありがとう ウォルター」

「助かったぜ」

 

最上階昇ると、リフトの隙間を通して補給シェルパが3機飛んで来る。

 

野良犬の飼い主は相当やり手だ。でも、肝心の野良犬の脳みそがこれじゃあな。同情するぜ

 

シャッターにアクセスする。重々しいシャッターがゆっくりと上がっていく

 

「かべごえ たのしい」

「壁越えしたいだけならそのまま反対側に飛び降りろ野良犬 そうすれば壁越えだ」

「イグアス あたまいい」

「嬢ちゃん! 壁越えはそう言う意味じゃねぇ! この先の砲台を破壊するんだ!」

「ほうだい はかいしたら かべごえ? ほうごえ?」

「そうじゃねぇが…まぁそう言う事だ」

「わかった ヴォルタ!」

 

ったく 此処は何時から保育園になったんだ。こんな奴を使っている飼い主も気に入られねぇな。どんな趣味してやがる。

 

シャッターが上がり切ると同時に外に一斉に飛び出す。通り過ぎる砲弾。

 

「随分な挨拶じゃねぇか」

「同志たちの無念を晴らす! 灰かぶりて 我らあり!!!」

 

着弾した砲弾は、堅牢な壁を破壊する。当たったら一溜りもねぇな。

 

「前は相当硬えみてぇだな これじゃ俺と嬢ちゃんの装備でも貫通しないぜ」

 

ヴォルタの放ったグレネードを前面で受けてもびくともしていない。なら、俺のリニアでも変わらねぇだろう。なら…

 

「俺が囮になる! ヴォルタと野良犬は回り込め!」

 

そう指示を出し、態とチャージしたリニアを前面に撃ち込むと俺はオープンチャンネルを開く。

 

「その図体でひき殺してみろよ! 当たりなんてしねぇがな」

「薄汚い企業どもめ! 貴様らにこの拠点は絶対に渡さん! コーラルよ ルビコンと共にあれ!」

 

そういう所が馬鹿なんだ。俺は、砲弾の爆風を盾で防ぎ、リニアを打ち続ける。

 

「ヴォルタと野良犬 今だ!」

「やるじゃねぇかイグアス! サボった事はチャラにしてやるよ!」

 

そう言って、ヴォルタがデカブツの裏手に回る。野良犬もデカブツの頭上を飛び越えて裏に回る。

 

「おとり いらない よけられる」

「お前! その言葉は俺が囮をする前に言え!」

 

本当にムカつく野郎…女だ。そう思うと、耳鳴りがひどくなる。なんだ!

 

今までの耳鳴りと違い、女の絶叫のような声が頭の奥で響く。どこか、野良犬に似ている様な気がするが、野良犬はこんな汚ねぇ絶叫を上げる訳がねぇ。クソ!

 

「イグアス! 避けろ!」

 

動き出したデカブツが俺を轢こうとする。咄嗟にQBを吹かして回避する。掛かるGが余計に耳鳴りを酷くしやがる。

 

「にがさない にがさない!」

「嬢ちゃんどうした?」

 

野良犬がそう言ってデカブツに急接近する。硬い筈の前面装甲に態と散弾を打ち込み、デカブツを連れて離れていく。

 

なんなんだよ。俺はそんなに弱いのか? 俺とお前何が違う!

 

野良犬は、デカブツに何度突進されても、それを躱し、デカブツの主砲も分かっていたかのように躱していく。あの時のような強さだ。ある一点を除けば…

 

「こわれろ こわれろ こわれろ こわれろ!」

「621! 冷静に為れ!」

「嬢ちゃん!? イグアス! あのデカブツをさっさと壊すぞ ありゃヤバイ!」

 

俺は言葉を失った。また失った。チャージしたリニアライフルの弾丸を打ち込み、奴の足を止める。

 

すると、野良犬は奴の頭上からグレネードを降らすと頭上に降り立ち両腕のショットガンを接射する。

 

「こわれろ こわれろ こわれろ こわれろ」

「嬢ちゃん! 嬢ちゃん! もうそいつはスクラップだ 正気に戻れ!」

「621! 聞こえているか621!」

 

野良犬は壊れたラジオのように同じ言葉を呟きながら、鉄屑になったデカブツに散弾を浴びせ続ける。

 

耳鳴りが収まっていく。それと同じくして、野良犬が正気を取り戻す。

 

「こわれろ こわれ… こわれた?」

「ああ、そうだ嬢ちゃん 俺たちは壁越えに成功した 一番乗りだ」

「…そっか」

「…621 心配をかけるな」

「ごめんなさい ウォルター ヴォルタ」

 

間違いねぇ。野良犬は俺と同じ耳鳴りを聴いている。もっと鮮明に…

 

野良犬…お前はどれだけの過酷な実験を受けてきた。どんな強化を施されてきたんだ。

 

俺は、自分が馬鹿らしくなった。そして…

 

「イグアス」

「…なんだ? 野良犬」

「ぶじで よかった」

「お前の方こそな」

 

俺より過酷な環境に身を置きながら、強いお前に惚れちまったんだ。

 




色々解釈違いはあると思います。許して。本当に許して。だって、G4死ぬのとG2が死ぬのどう考えても作劇上の理由じゃん!
後、疑問なのが、レッドガン連中ってG5イグアス以外も強化人間なんすかね?粗製AC乗りって事ならアリーナランクがG1・G2以外、低いのも納得なんて……そんな事無いか…
ヴォルタ君のキャラがマジ崩壊! うん怪文書だね!

走者の発狂が毒電波となって皆を襲う! 旧世代型強化人間は幻聴が聞こえるってそういう…どう!この設定使って皆もRTA小説書こう! 私、そろそろきつい!追走者切に希望!
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