ac6 ガバガバレッドガンチャート   作:暇な漁師

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書きたい事、書き切ったので完全燃焼です
今回RTAパートはおまけ程度で9割9分怪文書なのでご注意を キャラ崩壊も凄いぞ


part6

愉快な金策の始まりだ!なRTA第6部はっじまるよ~

 

前回は完璧なチャートでヴォルタ君を救いだし、壁越えを果たした所で終わりました

 

えっ記憶を改竄するな? 改竄されているのは皆さまの方だと思いますよ。私のログにはな~んにもございません。

 

壁越えから帰還しまして、新着メッセージが入っていますね。送り主は———大豊。

 

やっと来ましたね。このRTAの最大の見せ場(数十秒)の金策タイムです。

 

メッセージの内容は近く開かれる企業展示会で行われる大豊のイベント。大豊娘娘コンテストに出ないかという旨のメッセージです。

 

おい、大豊娘娘ってなんだよと頭の中?マークで一杯の兄貴・姉貴の為にお話しします。

 

この大豊娘娘と言うのは、大豊のキャンペーンガールです。本作では、各企業にマスコットキャラ・キャンペーンガールが存在しており、そうですね。本家で生まれた謎概念が本作に導入されています。

 

大手企業のアーキバスとベイラムがゆるキャラを作る中、二流企業が美少女キャラやキャンペーンガールを使ってPRする。現実でも散見される事例でコーラル増える。

 

説明に戻りまして、この大豊のモチーフは中国系の企業になっております。

 

というか武装名を見れば、皆さんお分かりだと思うんですけど、その大陸での大手ゲーム会社と言えば……そうですね。頭よ☆でお馴染みのあの会社です(褒め言葉)。

 

その為、大陸人が好きな銀髪巨乳美少女と大豊の社是である樹大枝細が奇跡的マッチする事により、巨乳デカケツ銀髪美少女が大豊のマスコットキャラ、基、キャンペーンガールじゃないかと言う概念が定着。今作はその概念を拾い上げ、大豊の信頼度を上げると、このようなメッセが届きます。

 

余談ですが、大豊の信頼度を上げると、大豊娘娘の頬に大豊のロゴが小さく描かれている様なエンブレムやデカールを配ってくれます。本当に大豊君は………最高やな!

 

他にも、企業展示会ってなんだよって思いましたよね。仕方ないですね(画面止め)

 

企業展示会とは「壁越え」後に発生する本編に関係のないサブイベントとなっております。

 

ルビコンの中立地帯で数日間に渡って行われる企業達の新装備や新技術の合同展示会となっておりまして、「壁越え」終了時にいずれかの企業との信頼度が高いと発生し、関連のメッセが届きます。

 

中立地帯? そんな所がルビコン3に存在するのかよというツッコミは受け付けません。というか、ゲーム内で何の説明もないんじゃ。公式の御遊びでしょう。

 

企業達は結局、自社製品さえ売れればいいからね。金が効率的に手に入るなら、中立地帯も造るし、こういった合同イベントもするんでしょう。知らんけど。

 

この企業展示会イベントでは、このイベントを紹介してくれた陣営のブースに参加する形で話が進みます。

 

と言っても会場を動き回れる訳ではなく、共通イベントと、呼ばれた企業のミニゲームがやれるだけなんですけどね。

 

しかし、この企業ミニゲームが結構面白く、賞金も貰える為、このミニゲームを遊ぶ為にストーリーを何周もする621が現れる程です。此処で、いくつか紹介しますね。

 

ベイラムなら、大量のMT部隊から放たれる砲弾の雨を回避し続ける弾幕ゲー。失敗するとミシガン総長から熱いお言葉(罵倒)を賜れます。

 

アーキバスは、アーキバスの可愛いマスコット。アーキ坊やが出題するアーキバス関連のクイズに答えるクイズゲームです。此方は3回間違うと再教育センター送りとなります。

 

他にも、タキガワですと、向かってくるブロックノーツをタキガワブレードで指定した方向入力で切るリズムゲーム。

 

ファーロンですと、他社のロゴを模した的をミサイルで破壊しまくるシューティングゲーム。

 

お前は企業じゃないだろRaDですと、ミニスマートクリーナーでブルートゥのエンブレムを模した敵を叩き潰す、モグラ叩きのミニゲームが出来ます。

 

このように各企業(勢力)、個性豊かなミニゲーム群が揃っております。こんな本編に関係ないイベントすらも作り込んでいるとか誇らしくないの?

 

本当に企業展示会なの?新装備の発表とかおまけになってない?と言うツッコミも受け付けません。

 

今回の場合は大豊ですので、今年一の大豊娘娘を決めるコンテストに参加できます。入賞すると賞金が貰えまして、なんと1位は100万コーム。2位50万、3位30万コームとなっております。

 

この賞金は、企業ミニゲーム群がSランクをとっても20~30万コームなので破格の賞金となっております。但し、入賞できなければ、1コームも手に入りませんので博打です。

 

まぁ大豊に至っては、流石の私でもそれで良いのかと突っ込みたくなります。会社や製品のPRより、コンテストの方が大々的だし、何よりキャンペーンガールは展示会の前にコンテストやらないとあかんやろと……

 

そんな事を言ってもしょうがないないので説明に戻ります。

 

入賞さえできれば、皆さんがエディットした無表情621が胸元ガン空きチャイナドレス姿で表彰されている一枚絵が見られますよ。

 

男の場合は好きな大豊娘娘に投票でき、投票した候補が1位になると何故か賞金が貰えます(賭け事するな)。他にも一位になった大豊娘娘とのツーショット一枚絵も貰えます。

 

これつまり女621で、1位を取った場合はこういったファンサをしているって事?!

 

余談ですが、容姿を男の娘風にしているとコンテストに飛び入り参加が出来ます。入賞できても3位が限度の運ゲーなんですけどね……他の参加者のレベルが全員低いとかいう豪運を引けると1位にもなれるそうです。こマ?

 

入賞さえできれば、クッソ可愛い男の娘621がチャイナドレスを着ている一枚絵が手に入ります。私達の性癖が歪んでしまう!!! えっ、元から歪んでる? それはそう。

 

そんな事はさておき、1位に入賞できれば、100万コームと定期的に大豊からキャンペーンガールの依頼がやってきます。これがうまいんですよぉ~

 

企業展示会のイベントもミニゲームではないので、スキップボタン一つで即金が頂けますし、その後の依頼も戦闘がないので、これもイベントスキップするだけでお金が貰えて、金策になります。ことRTAに置いては、この早さが魅力です。タイムは命より重い。

 

しかーも、今回の621、そう私は大豊の社是を体現したかのような体を持っています。参加した時点で入賞は確定。ほぼ確1位です。敗北知りたい(無敗)

 

他の陣営なら、イベントスキップ駆使しても、肝心の賞金を稼ぐミニゲームで数分はタイムロスをする中、大豊だけは数十秒でお金を稼げてしまう。利用しない手は無いですねぇ。

 

大豊はベイラム傘下なのでレッドガンの好感度も上がります。完璧なチャートだぁ(恍惚)

 

という事で、コンテストに参加します。会話コマンドを選択して、新しく候補にある大豊を選択して、企業展示会へ——??? ごすずん? えっ だめ?

 

なぜか、ごすずんに受ける依頼を考えろと窘められてしまいました。

 

これは、ごすずんの好感度が高いと発生する親バカイベントですね。そりゃあ、こんな可愛い娘が見世物にされるイベントへの参加を許す筈が有りません。

 

いやー可愛くてごめんなさいごすずん! でもしょうがないね、私可愛いので!!!

 

チャート通りなら、此処でこのイベントは起こらない筈なんですけどね? おかしいね

 

でも、ごすずんは神的に良い人なので、駄々を捏ねると許してくれます。(会話連打)

 

やーやーやーなの! 可愛い服着たいの! おめかししたいの! ちやほやされたいの!

 

やったぜ! この通りごすは激アマです。私もこんなパパに甘やかされたい人生だった…

 

という事で、企業展示会にイクゾー!(カーン)

 

勿論、イベントはスキップだ(無慈悲) 一枚絵は手に入ったので入賞はしていますね

 

手持ち50万コームから、150万コームへの増加を確認。余裕の一位です。

 

そして、ヴォルタ君の連絡先をゲット! これで僚機として呼び出せます。

 

と言っても、直近のミッションでは呼び出せないので、Chapter2までヴォルタ君はお留守番です。一緒に海越えする時まで待っててな!

 

という事でお次のミッションの前に、またまたお買い物です。

 

買うのはエルカノのコアパーツ・車椅子に芭蕉腕とおパイルです。残ったお金で、好きな頭パーツ買っても良いと思いますし、おパイルを当てる自信のない方は、ランスでも買えばいいんじゃないかな?知らんけど。

 

私はそうですね…大豊のキャンペーンガールになった事ですし、大豊の頭部パーツでも買っときますかね。Chapter2になるまで使わないけど……

 

変な解説を挟んだせいで、尺が足らなくなってしまいました……

 

次のミッションも解説多いしな…まぁええわ。今回は此処までにしとうございます。

 

 

 

 

 

「ウォルター これ さんかしたい」

「621 しばらく休めと言っただろう……大豊娘娘? ああ、そろそろ企業展示会か」

 

壁越えを成功させてから数日。休むように指示した621が俺の部屋を訪ねてくると、タブレットに映った一件のメッセージを見せてくる。

 

内容は大豊のキャンペーンガールのコンテストに出ないかという誘い。大豊は621が女性だと知っているからだろう。

 

べリウス北部の中立地帯で行われる、企業達の新装備や新技術の発表会。実際には発表会のという役割は名目上の産物と成り果て、ルビコンに在中している企業・勢力の総合イベントとなって居る。

 

よりによって、一番低俗な出し物をする大豊から誘いが来るか…俺は頭を抱えた。

 

大豊は大豊娘娘というキャンペーンガールを毎年コンテストで選び、自社のPRに起用する。これを企業展示会で行うようになったのだ。

 

この時点で頭がおかしいと溜息を吐きたくなるが、問題は大豊娘娘の容姿と服装だ。

 

大豊の社是である樹大枝細を体現するため、モデル体型の女性よりも、発育の良い女性が選ばれ、その女性たちが、これまた露出度の高い服装でコンテストに参加するのだ。

 

大豊発祥の地の民族衣装らしいが、俺はどうにも好かなかった。あからさまに一部を強調させるために、肌の露出が高くなっている。

 

「621 気分転換に外に出たいのは分かった だが、大豊の誘いは断れ」

「だめ? ……わかった ウォルター」

 

気分転換に企業展示会に参加するのは良いと思ったが、621を見世物にする気にはなれなかった。

 

俺がそう指示すると、621は、タブレットをぎゅっと抱きしめて項垂れた。

 

「そんなに参加したいのか?」

 

俺の言葉に621は顔を上げると

 

「これ しょうきんでる いちい 100まんこーむ すごい」

「金が目的か 621」

「おかねいっぱいあれば ぱーつ いっぱいかえる」

 

メッセージの賞金の欄を必死に見せる621に思わず笑ってしまう。

 

621は勝つ気でいるのか。出て来る候補のレベルは高い、そう簡単ではないだろうと思いながら、621の頭を撫でる。

 

「んんっ ウォルター もっと」

 

気持ちよさそうに目を細める621を眺めつつ、俺は考える。

 

621のプロポーションは間違いなく、入賞を狙えるレベルだ。

 

先ほどまでACの整備をしていたのか、大きめの作業服を着ているが、それでも存在感を発する胸部と臀部。そうでありながら、腕と足は歳相応の細さをしている。

 

男であれば、目を奪われる事間違いなしの女体。しかし、この情緒だ。

 

性的視線を理解しているかも危うい621を低俗な催しに参加させるわけには行かない。

 

「621 金など仕事でゆっくりと溜めればいい 直近で欲しいパーツでもあるのか? 金は俺が出そう それで我慢しろ」

 

そう窘め、撫でるのを止める。

 

621は、寂しそうな表情をした後、俺を穴が開きそうなほど見つめてくる。他に言いたい事が有るのだろう。

 

「他に理由があるのか?」

 

俺の問いに621は、前回の入賞者の写真を見せて、口を開く。

 

「…きれいだと おもった わたしじゃ むり?」

「綺麗か…」

 

621の精神がどれだけ幼くても、美を追求する本能は持ち合わせているようだ。

 

621のタブレットを持つ手と一緒に下がる頭をそっと撫でると俺は口を開いた。

 

「…621分かった 俺も同伴する それでいいか」

 

俺の問いに621は今まで動かなかった口角を微かに上げて声を出す

 

「うん ウォルター! ありがとう!」

 

そう言って抱き着いて来る621を優しく受け止め、支度を急がせる。

 

「では準備するぞ621 大豊に参加のメッセージを送っておけ」

 

メッセージに同封されていた企業展示会のパンフレットによると、企業展示会にはRaDも参加する様だ。

 

ドーザーの集団に商売が出来るのか分からんが、この辺りでカーラと連絡を取るのも悪くは無いだろう。

 

「ウォルター! はやく はやく!」

「621 ACには乗らないぞ」

 

パイロットスーツに着替えACに乗り込もうとする621を止め、移動用のヘリに乗り込む。

 

企業展示会では、ルビコンにいる一般の商人達も集まってくる。621にパイロットスーツ以外の服でも見繕ってやろう。そう思いながら、俺と621は企業展示会会場に向かった。

 

 

 

「クソッ なんだって俺がこんな着ぐるみを着なきゃなんねぇだ」

 

壁越えから一段落付く暇も無く、行われた企業展示会。そこで俺は、命令無視の罰として、本社が何の考えもしねえで創り出した訳の分からない着ぐるみに身を包んでいた。

 

ベイラムのロゴに頭と足を生やしたこのベイ太郎とかいう着ぐるみは、ベイラムのマスコットキャラだ。

 

横に図体がでかく、歩きにくく、そして暑い。これなら、あの耳鳴りを聞いている方がましなくれぇだ。

 

休憩室に入ると、この暑苦しいゴミを脱ぎ捨てる。滝のように流れる汗をタオルで拭い、ドリンクを飲みながら、椅子に座り込む。

 

「サボりかイグアス? 今度はそれだけじゃすまなく成るぜ?」

「うるせぇぞヴォルタ てめぇは何でこいつに入らねぇ? お前だってミシガンにぶん殴られてただろうが?」

 

休憩中の俺に煽りを入れて来たヴォルタ言い返す。

 

こいつは、あの任務からの帰還後、俺と一緒にミシガンにぶっ飛ばされた筈だ。それだってのに、ヴォルタは罰を受けてねぇ。どうなってやがる

 

「ああ、久々にぶっ飛ばされたな だが、あれは俺たちの言動に対してだイグアス お前は命令違反だろ? 俺はそんなことしてねぇ その違いさ」

「うぜぇな」

 

そうだ。この罰は俺がベッドを抜け出した事に対する罰だとミシガンは言っていた。

 

正論を言われた俺は黙り込む。ヴォルタの野郎はそんな俺を見て笑うと、手元の展示会のパンフレットを見て、時間を気にしだす。

 

「なんだ? どっか行くのか?」

「ああ、最高の女体を観にな」

「…大豊の奴か お前も好きだな」

「あたぼうよイグアス こんな辺境の惑星で上物の女を見られるのは此処だけだぜ」

 

ヴォルタが行こうとしているのは、今年の大豊娘娘コンテストだろう。

 

大豊のキャンペーンガールをあろうことかこのタイミングで決めるんだ。自社の製品売り込みそっちのけでな…

 

そんな大豊も大概頭が湧いていやがるが、それよりもそのキャンペーンガールも頭が湧いていやがる。

 

男だったら、一度は飛びつきたくなる様な女ばかりだが、どいつもこいつも男に媚び慣れていやがる。それが良いってヴォルタが言ってやがったが、俺から言わせりゃ馬鹿ばかりだ。

 

女と触れ合いたいなら、その手の店に行けや良い。俺達は金に困ってるわけじゃねぇ。

 

「何言ってんだ? その手の店に行くよりも金が掛かるじゃねぇか」

「イグアス お前は馬鹿だな? 客が金出すんだからそれで良いんだよ。寧ろ大豊は商売上手ってもんよ」

 

俺の言葉にヴォルタはコンテストの参加者の名簿を眺めながら言い返してきやがる。

 

何言ってやがる。女を使って商売しているだけじゃねぇか。

 

大豊は大豊娘娘自体を、商売の一部にしてやがる。大豊娘娘の写真集や、当日のイベントでのツーショットや触れ合う権利を金で売っていやがるんだ。

 

この価格がたけぇことたけぇこと。大豊のパーツを購入した際には件の権利が付属するといった方法でパーツを買わせているらしい。本当に阿漕な商売だぜ

 

「そんな着ぐるみ着るよりかは頭いいだろうイグアス?」

「ケッ」

 

ああそうだな。その通りだと思うぜ。俺はヴォルタの言葉に同意せざるを得なかった。

 

こんな着ぐるみ着たところで、ガキがやって来るばかりで客なんて一人も来やしねぇ。

 

その癖、ガキどもが耳元でキャッキャと騒ぐせいでイラついてしょうがねぇ

 

俺が休憩前に受けた仕打ちを思い出して苛立ちを募らせていると、休憩室にレッドが入ってくる。

 

「ヴォルタ先輩 イグアス先輩 お疲れ様です」

「おう、レッドお前も休憩か」

「ええ、MT部隊の指示出しは五花海先輩が引き継ぎました」

 

俺たちに頭を下げて挨拶したレッドはヴォルタと会話してから、此方やってくる。

 

「イグアス先輩 露店の氷菓子です どうぞ」

「甘えのはそんな好きじゃねぇんだがな」

「嘘つくなよイグアス お前は子供舌じゃねぇか なによりお前を慕ってくれている唯一の存在だぞレッドは」

 

ヴォルタの言葉にうるせぇなと舌打ちしながら、レッドの持ってきたかき氷を受け取る。

 

「なんだこの味…どこの企業のだ」

 

一口食べると口の中で氷が弾ける。その後、蜜を薄めた様な甘いとも言えない妙に舌に残る味が口の中を支配する。

 

「すいやせん先輩 ピンとくる露店が無くて…それはRaDの露店で、ポップコーラル味だとか」

「おい! 企業の露店ですらねぇじゃねぇか! というかなんだその味は! お前、店の良く分からない新商品に飛びつくタイプだろ! 人に渡すもん位自重しろ!」

 

レッドの返答に俺は切れる。レッドは俺に謝った後、満面の笑みで口を開く。

 

「大丈夫です先輩 俺も食ってきましたから 後、コーラルは使われてないそうです」

「当り前だ! コーラルを求めてこんな辺境の惑星まで来たのにそれを摂取してどうすんだ!」

 

俺は天然ボケをかますレッドにそう突っ込みながら、氷菓子を口に運ぶ。

 

こんなでも、レッドが俺を気にかけて買ってきた物だ。食わないわけにはいかねぇだろう。

 

「ヴォルタ先輩 それって大豊娘娘の参加者名簿っすよね この名前どう思います?」

 

レッドはヴォルタの眺めている紙を覗き込みながらそう言う。

 

「ああ、どうだかな……それを確かめる為に最初から観に行ってみようと思ってな」

「俺も同行してもいいでしょうか?」

「ああ、良いぜ んじゃあ行くとするか」

 

ヴォルタは俺に仕事頑張れよと笑顔で嫌味を言った後、レッドと一緒に休憩室を出ていった。

 

「クソが 後で覚えてけよヴォルタ」

 

明日のヴォルタが着ぐるみに入っている時に、只管に憂さ晴らしをしてやろうと画策しながら、ヴォルタが置いていった名簿を眺める。

 

「別に写真とか載ってるわけでもねぇのな」

 

名簿は参加者の一覧が記載されているだけだ。今回は参加者が多い。馬鹿どもが、女ってのはこれだから嫌いだ

 

自分の身体を使って男に取り付いて生きて行く。それは人が宇宙に飛び立っていっても変わらなかった。まっ、こんなの金を出す奴も出す奴だがな。

 

ヴォルタ達を心の中でこき下ろしながら、名簿を最後まで確認する。

 

女はきゃんきゃん騒いで媚びる奴ばっかだ。少しは骨のある奴もいたが……

 

「あいつねぇ あいつはねぇな」

 

頭の中を過った気の抜ける声を必死に振り払う。クソッ本当にイラつくぜ。

 

「!!! 冗談だよな…」

 

名簿の中にレイヴンという参加者を見つける。野良犬の名義はレイヴンだったな……

 

それはない筈だ。俺は野良犬の声しか聞いた事は無いが、こんなのに参加するような媚びる女じゃねぇ。

 

あいつの中身はちんちくりんに違いねぇ。無理やりな強化を受けるような奴は大抵、女としての価値のねぇ奴の筈だ。

 

優秀な才能を持つ人間を実験に使っていたなんて話もあるが、そんな実験は直ぐに頓挫した。失敗すれば命を失うような実験に付き合うやつなんていなかったからだ。

 

「次の休憩には…ギリギリ間に合うか」

 

スケジュールを確認しながら、俺はそう呟く。コンテストの終了ギリギリに休憩に入れる。

 

大豊娘娘なんぞに欠片も興味はねぇ。あいつの身体にも興味はねぇ。だが…

 

「あいつが本当に参加してんなら、笑ってやらねぇとな」

 

参加の名義は好きに決められる。偶然レイヴンなんて頭の悪い名前を使った女がいただけかも知れねぇ。だが、野良犬が自分の身体の価値も理解できねぇで参加している可能性も捨てきれねぇ。

 

このコンテストに出る奴らは軒並みレベルが高ぇ。身の程も弁えないで参加して泣いている馬鹿な野良犬を嗤えるのなら最高だ。

 

その事を思うだけで、このクソ暑い着ぐるみの中でガキどもと、そして何故か突っかかってくるアーキバスのマスコットの相手も苦じゃねぇな。

 

「イグアス! 何時までサボっている? 休憩は終わりだ! その気持ち悪い笑みを浮かべている暇があったら、着ぐるみを着ろ!」

 

休憩室のドアを大きな音を立てて入ってきたミシガンにうるせぇなと出掛かった罵倒を飲み込む。

 

俺はすこぶる機嫌が良い。なにより、此処で反抗して明日もこの着ぐるみを着せられたら敵わねぇ。

 

「わかったよ」

 

ミシガンにそう返すと、ミシガンは気味の悪い物を見た表情をした後、口を開く。

 

「お前から素直に返事が返ってくるとは驚いた まぁいい 早めに休憩に入らせてやるから気張れイグアス」

「どういう風の吹き回しだ?」

 

俺の言葉にミシガンは

 

「遅くなると最高の余興に間に合わなくなるからな」

 

ミシガンは件の名簿を眺めながらそう言った。

 

 

 

クソ暑い着ぐるみを着て、アーキバスのマスコットキャラと格闘し続けた俺は、休憩に入るとクソったれな着ぐるみを脱ぎ捨てて、大豊のブースに駆け込んだ。

 

審査は終わってしまったが、結果発表はまだのようだ。

 

「どうしたイグアス? こんなのに参加する女は嫌いじゃなかったのか?」

「はっ、今でも気持ちは変わんねぇよ」

 

声を掛けて来たヴォルタにそう返す。

 

「レッドはどうした」

「大豊のパーツを買いに走ったぜ 撃ち抜かれちまったらしい」

 

ヴォルタに居ないレッドの所在を訊ねるとそう返ってきた。

 

大豊のショップを眺めると行列が出来ている。買われているのは大豊娘娘のツーショット券や握手券やら、それらを纏めた券。果ては次の大豊のイベントの整理券……こいつらは馬鹿しか居ねえのか…

 

「やけに騒がしいが、そんなに上物が出て来たのか」

 

俺の問いにヴォルタは気難しそうな表情を浮かべながら口を開いた。

 

「…上物と言うか、大穴というのが正しいかも知れねぇな ウォルターさんの気苦労が知れるぜ」

「はぁ?」

 

そう言って肩を竦めるヴォルタに困惑する。

 

こいつがウォルターと言うのは野良犬の飼い主だ。という事は…本当に参加してんのか?

 

これから入賞も出来ずに裏から出て来る野良犬の事を思うと笑えてくるぜ

 

身の程知らずの馬鹿をどんな言葉で罵ってやろうかと思っているとレッドが戻ってくる。

 

「ヴォルタ先輩ただいま戻りました」

「おう、買ったのは何だ?」

「大豊のマシンガンを——ACパーツは買えば、全部ついて来るので」

「お前のACにも載せられるしな、良い判断だ」

 

息を切らして戻ってきたレッドは後生大事にと言った感じで、一枚の券を握っている。そんなに上物が出て来たのか。

 

写真集でも出たら買っておくかと思いながら、俺は結果発表を待った。

 

「では、今年一の大豊娘娘はこのお方です」

「……中々じゃねぇか」

 

俺は思わずそう呟いてしまった。

 

一位として出てきたのは、銀髪のショートヘアの女だ。まだ若く、十代後半から二十代前半だろう。

 

そして、最初に目に付くのが双丘。いや、双山か。胸元が開いた服から覗く胸。圧倒的存在感を放ち、着ている服はチャイナドレスとか言ったか? そいつが下半球を押さえつけ、ギリギリのところでデカい双山の頂上を守っている。

 

北半球はしっかりとIラインを作り、それどころか窮屈そうだ。何カップあるんだ?

 

そして、スリットから見える太ももと尻。

 

それだというのに腕は細く、足だって太ももから絞る様に細くなっていやがる。どんな体だ。

 

俺でも、高評価をやりたくなる女だ。だが、一点致命的な部分がある。

 

「何なんだあの表情は? 頭空っぽなのか?」

 

顔自体は綺麗だ。しかし、完全に表情が死んでいた。

 

何を考えているのかも分からない無表情。緊張で強張っているとかでもねぇ。

 

綺麗な顔、そして最高の女体を台無しにする無表情を張り付けた女が、ゆっくりと前に出てきた。

 

「おお、すげぇ 俺、大豊の魅力分かった」

「——樹大枝細 素晴らしい響きだ…」

「あれが、独立傭兵? 夜に雇えねぇかな」

 

無表情女が一歩歩くごとに会場は沸き、歓声と下品な会話が飛び交う。

 

服が必死に押さえ込んでいる胸が音でも立てているかのように揺れる。

 

足だって、横から下着が見えそうなほどスリットが入ってるってのに、そんな事をお構いなしに歩きやがるから、エグイところまで丸見えだ。おい、本当に履いているのか?

 

そんな状態でも、この女は無表情を貫いている。どんな胆力だ。それとも本当に何も考えていねぇのか…

 

「ヴォルタはこんなのが良いのか? 俺はあの表情の時点で無いな」

 

ヴォルタにそう話し掛けると、ヴォルタは頭を抱えながら口を開く。

 

「ああ、そうだな。女のタイプは正しくこれだ だが、現実に見ると冷めるってのは本当なんだな…いや、興奮してないと言えば嘘になるんだが……興奮しているという事実に死にたくなるぜ…」

「はぁ? ヴォルタも遂にイカレやがったか」

 

そう言いながら、天井を見つめるヴォルタに俺はそう返す。

 

「好きに言ってくれ……クソッ、こんな事なら応援の為にパーツを買うんじゃなかったぜ…近くで見たら一生、目に焼き付いちまう」

 

ヴォルタの野郎は本当にイカレやがったようだ。ミシガンの野郎を殴る事をあきらめた辺りからその毛は有ったがな。

 

「どうでしょうか? 一位のご感想は?」

 

司会者が一位の女に問い掛ける。

 

せっかくだ、野良犬の事を煽りに行く前に声も聞いて置くとしよう。声も覚えて置けば、写真集を買った後で捗る。そう思って俺は壇上の女を見る。

 

「100万こーむ げっと うれしい」

 

はぁ?! のらっ?! …いぬ!!!!!!

 

その声を聞いた瞬間、俺の頭は一発でスタッガーを受けたような衝撃で機能停止した。

 

そして、今の気の抜けた声が頭の中で反響する。

 

何を言っているのかなんぞどうでもいい。俺の頭がこの女が野良犬だという事を受け止められずに思考が追いつかない。

 

「えっと、そうですか…他に感想は?」

 

野良犬の返答に困った司会者がそう問いかける。その問いに野良犬は

 

「……きれいなふく きれて うれしい」

「そうですか! では今年一を決める大豊娘娘コンテストを終わります この後、今年の大豊娘娘レイヴンさんとのふれあい時間を設けます 券をお持ちの方は会場にてお待ちください」

 

なんだ、それは…今まで無表情だったくせに口角を上げやがって……ああ、イラつくぜ!

 

野良犬の無垢な笑顔に撃ち抜かれた俺は又、動けなくなった。

 

俺の理性があいつは野良犬じゃないと必死に否定するが、俺の本能があの女を野良犬だと認めていた。野良犬…お前は俺をどれだけ狂わせるつもりだ……

 

 

 

「先輩!至急向かいましょう! G13とツーショットを取らなければ」

「ああ、レッド 嬢ちゃんに会いに行くか」

 

コンテストが終わってからものの数分で、野良犬との触れ合いブースが設営されると野良犬がブースに出て来る。

 

券を握り締め、レッドがヴォルタを急かす。野良犬が出て来ただけで会場は大盛り上がりだ。

 

今すぐに野良犬の所に向かわなければ、直ぐに行列ができるだろう。

 

「とその前にだ——ほらよイグアス お前も嬢ちゃんに挨拶しに行くぞ」

 

ヴォルタは俺に「特盛!大豊娘娘ふれあい券」と書かれた券を手渡してくる。

 

「ヴォルタ…お前舐めてんのか?」

「いや、俺は至って正気だぜ」

 

俺がヴォルタを睨みつけながらそう言うと、ヴォルタはニヤ付いた顔に返してくる。

 

その後、俺の手に券を押し付けると、俺の背中を叩き、野良犬の所に引きずっていく。

 

「おい、やめろヴォルタ! 俺は野良犬にサービスして貰う気なんてねぇぞ! なにより、それはお前のだろうが、お前の分はどうするんだ!」

 

俺を引きずるヴォルタにそう叫ぶと、ヴォルタは大笑いしながら、もう一枚の券を取り出す。

 

「馬鹿野郎 元々二人分握ってたのさ 本当は応援用に買った券だったが、嬢ちゃんがぶっちぎりやがったからな ほら行くぞ」

「イグアス先輩もG13の事を! あの身体は素晴らしい…俺、大豊の魅力が骨の髄まで理解できました 樹大枝細って最高の考えですよ」

 

一般人が金で投票できるシステムでもあるのか?そんな事はどうでもいい! おい、離せヴォルタ! レッドも目を覚ませ! あんな野良犬のどこか良いんだ! 俺は認めねぇ!

 

俺の必死の抵抗も空しく、俺は大豊娘娘ふれあいブースの列に並ぶことになった。

 

「次の方~ ——貴方方は! どうぞごゆっくり」

「おう、助かるぜ」

 

俺たちの番が来て、気だるげにしていたスタッフが俺たちの顔を見るなり態度を変えて野良犬の元に案内する。

 

「嬢ちゃん 一位おめでとさん」

 

野良犬はヴォルタの言葉に首を傾げると、今度は俯いて考え込む。その後、パッと顔を上げると、ヴォルタに向かって駆け出した。

 

「ヴォルタ! ヴォルタ! そのこえ ヴォルタ!」

「おっと、そんなに走ると危ないぜ嬢ちゃん そうだG4ヴォルタだ」

 

ヴォルタが野良犬を受け止める。その際に大柄のヴォルタの身体に野良犬の果実が当たる。

 

その果実はヴォルタの胴部分でまるでクッションのように変形して見せると、その後、何事もなかったように元に戻る。なんて柔さと弾力だ。

 

その光景に俺は目を奪われる。レッドもそれを見て言葉を失っている様だ

 

「まさか、嬢ちゃんがこれに参加するとは思わなかったぜ 嬢ちゃんはこういうイベントに興味ないと思ってたからな」

「それ どういういみ?」

 

野良犬はヴォルタと談笑を始める。野良犬が参加した目的は賞金だったらしい。

 

いくら大金だからってよく勝てると思ったなと俺は言いそうになったが、この媚まくった衣装を綺麗だと思ったみてぇで、それを着たいと思ったらしい。

 

女の感性なんぞ分からねぇが、男に媚び慣れていない野良犬でも、この衣装を綺麗だと思うみてぇだ。

 

男も女も美の観点は変わんねぇのか?いろいろ考えたが、口には出せなかった。

 

その理由は野良犬がヴォルタと一言一言交わす度に、一動作を起こす度に、野良犬の果実が揺れ、跳ね、俺の思考を邪魔したからだ。

 

この瞬間だけは、ヴォルタを尊敬できそうとさえ思えた。俺は野良犬の前で情けなく、前かがみになるしか出来ねえのに、ヴォルタはそんな仕草一つ見せねぇ。レッドは無言で野良犬の胸をガン見している。おい、もうちょい目線を何とかしやがれ

 

「会いに来たのは俺だけじゃねぇぜ こっちがイグアス こいつがレッドだ」

「イグアス! レッド!」

 

待て!ヴォルタ!今はまずい!

 

ヴォルタに紹介されて、野良犬が俺たちに駆け寄ってくる。俺は横を向きながら、口を開いた

 

「…野良犬 やるじゃねぇか」

「なにが?」

 

ああ! クソ! 人が態々横向いたのに正面に回ってくるんじゃねぇ!

 

野良犬に悟られないように、腰まで軽く引いた情けねぇ姿を見せながら、会話を続ける。

 

「キャンペーンガールに成れたんだろ! その祝いだ」

「ああ そんなこと いわれた このあとも だーふぉんにゃんにゃんやれって」

「知らないで参加したのかよ!」

「ほしかったの しょうきん ……あと このふく」

「お前は馬鹿か? お前は傭兵だろうが! 金なんて仕事で稼げばいいだろう! それに服だってその金でいくらでも買えるだろうが! お前みたいなのが媚びるような服を着るんじゃねぇ!」

 

俺の突っ込みに野良犬は俯く。言い過ぎちまったかと野良犬の事を覗き込むと、野良犬は俺の事を見上げて小さく呟く

 

「…きれいじゃない?」

 

ングッ!!!

 

「…いや ちげぇ 野良犬には似合わねぇと言うか……」

 

野良犬の上目遣いの言葉に思考を乱される。俺はしどろもどろになりながら、そんな言葉を発した。

 

「…にあわない? イグアス わたし きにいらない? ……そっか」

「ちがぇ、そうじゃねぇ! お前みたいなのが、こんな服着たら——」

「やっぱり にあわないんだ」

 

ああ、クソっ! 本当にイラつくぜ!

 

俺は無表情のまま瞳に涙を溜める器用な事をする野良犬の頭を乱暴に撫で、下を向かせると

 

「…綺麗だ野良犬 憎らしい程な だが、お前はもっと可愛らしい服を着ろ 少し背伸びしすぎだ 変な奴が寄ってくるだろうが!」

 

ああ、顔が熱くてどうにかなっちまいそうだぜ。

 

ヴォルタは俺を見ながら必死に笑いを堪えて居る。後で覚えて置けよ。

 

「分かったか 野良犬!」

 

俺はそう言って撫でるのを止める。野良犬は頭を振って乱れた髪を直すと顔を上げる

 

「…わかった イグアス! えへへ」

 

やべぇ、本当にどうにかなりそうだ。

 

表彰の時に見た無垢な笑顔を至近距離で受けた俺は、息すらできなくなる。

 

「…分かったんなら良い」

「うん」

「G13! とても似合っているぞ!」

「レッド! ほんと! うれしい」

 

顔だけじゃなく、体中が熱くなり、心臓が爆発しそうなほどに高鳴っている。

 

野良犬を罵ってやろうなんて気持ちはとうに無く、頭の中は野良犬の姿で一杯だ。

 

俺の頭はイカレそうだってのに、俺は、野良犬から視線を離せない。

 

野良犬に俺は完敗したんだ。そんな奴の面なんて普通だったらこれっぽっちも見たくねぇ。

 

その筈なのに、俺は野良犬から目を離せなかった。野良犬の面を一秒でも多く、この脳に焼き付けておきたかった。

 

レッドと野良犬が会話しているだけで、何故だか無性にイラついてくる。何なんだ、この感情は

 

「イグアス 嬢ちゃんに撃ち抜かれたちまったか?」

「もう撃ち抜かれているに決まっているだろ」

 

ヴォルタの言葉に俺は自分で自覚しない内にそう答えていた。

 

「G13レイヴン! いや レイヴン腹は空いてないか? お前は俺よりナンバーが下だ! だから…その…後で何か奢ってやろう ……先輩としてな」

「ほんとう! レッドだいすき!」

 

レッドの言葉に野良犬が跳び上がって喜ぶ。その瞬間、野良犬の果実が服から零れそうになる。

 

「馬鹿! お前! その服で跳びはねるんじゃねぇ! あとレッド! なにしれっと野良犬との予定を作ってんだ! それなら俺の方がナンバーは上だ! 野良犬 俺が奢ってやる! こいつは食のセンスが終わってやがる!」

 

野良犬を押さえつけ、野良犬の胸をガン見して思考停止しているレッドをぶん殴って再起動させながら、野良犬から引き離す。

 

レッド! 野良犬に夢中なのは良いが、その息子の管理をしやがれ! こいつが気づいたらどうするんだ!

 

野良犬も野良犬だ。そんな身体して置いて、頭は子供とかどんな理屈だ! 強化で精神年齢が弄られているにしても悪趣味すぎる。この実験をしたクズをぶん殴ってやりたいぜ

 

野良犬に性癖を破壊されちまったレッドを絞っていると、スタッフに声を掛けられる。

 

「…盛り上がっている所申し訳ありませんが、そろそろ撮影に移って頂けないでしょうか? 他のお客様も控えておりますので…」

 

「ああ、済まねぇな じゃあ、写真だけ取ってずらかるぞ」

 

ヴォルタがスタッフに頭を下げると、野良犬に話しかける。

 

「じゃあ、嬢ちゃんツーショット頼めるかい」

「ん しごと かんすい とうぜん」

 

そう言って、ヴォルタとツーショット写真を撮るために移動する。

 

「ありがとな 嬢ちゃん」

「G13レイヴン つ、次は俺と頼む」

「レッド りょうかい」

 

ヴォルタが取り終わると、未だにチラチラ野良犬の胸に視線を泳がすレッドがツーショットを撮りに行った。

 

次は俺か。さっきは恥ずかしい事を言ってしまった。穴があったら入りたいぜ。

 

そういえば、着ぐるみに入っていたせいで汗を搔きまくったな…臭くないか?

 

俺は自分の服の匂いを嗅ぐ。案の定、汗臭い。シャワーでも浴びて来るべきだったな…

 

待て?そんな状態で俺は野良犬と話していたか!? クソッ最悪だ——って何を考えているんだ俺は! 

 

何時もなら考えもしない事を考え始めるイカレ切った頭を必死に振って冷静さを取り戻そうとする。

 

本当に野良犬は俺を乱しやがる。外面も内面も本当にイラつく奴だぜ!

 

そう思うと、熱くなった身体が急速に冷えていく感覚を覚える。

 

そうだ。俺は、野良犬の事なんてどうとも思ってない…思ってない!と念じながらレッドと野良犬の撮影が終わるのを待つ。

 

「…G13レイヴン 大豊娘娘としてではなく…G13レイヴンのブロマイドなどに興味あるか?」

「?」

 

レッドと野良犬が帰って来ると、レッドが神妙な面持ちで野良犬にそう問いかける

 

「おい、レッド! レッドガンを穢すんじゃねえ! ミシガンに殺されるぞ!」

 

何を言われているのか理解できない野良犬をレッドから引き剥がし、レッドにキレる。

 

「戦闘服姿の嬢ちゃんか……ありだな」

「ヴォルタ! お前も悪ノリするんじゃねぇ! ほら行くぞ野良犬!」

 

急に悪ノリするヴォルタに釘を刺し、野良犬の手を引っ張って撮影ブースに連れていく。

 

レッドは完全にイカレやがったな。さっきあれほど絞ったのに懲りてねぇ。

 

大体、野良犬が戦闘服は物理的に合わねえだろうが。身長に合わせれば、胸と尻で入らないし、胸と尻で合わせてやれば、ぶかぶかで服と銃が歩くようなもんだ。身体にぴったりと合うパワードスーツもあるが、そんなの論外だ。戦闘に特化した服の筈が、こいつが着ると、別のベクトルに特化した服に早変わりだ

 

俺は何を考えている。脳裏に浮かぶ、野良犬を必死に振り払い、精神を落ち着かせる。

 

「イグアス? だいじょうぶ?」

 

クソっ、誰のせいだと思ってやがる。口に出してやりたいが、そんな事をすれば、こいつがしょぼくれる事は容易に想像できた。

 

俺の顔色を窺う野良犬に問題ねぇと返す。野良犬にそっかと呟くと

 

「じゃあ どんなぽーずが ごきぼう?」

 

と俺の前で首を傾げた。

 

野良犬の言葉を察するに、写真を撮る際のポーズの事だろう。

 

野良犬に好きなポーズで取って貰えるって事か?

 

そう思うだけで、鼓動が早くなって野良犬の体に視線が泳ぐ。

 

何処までがセーフだ? セーフも何もあるか!? ここでがっついたら気持ち悪い奴みてぇじゃねぇか…俺の頭は稼働限界寸前まで動いているが、口がこれっぽっちも動かねぇ。

 

俺は、野良犬から視線を逸らし、上手く動かねぇ口を動かしてこう言った。

 

「…いいかんじで頼む」

「?」

 

いい感じってなんだよ!!! 俺は心の中でそう叫んだ。

 

案の定、野良犬は理解できなかったようで首を傾げる。

 

どうすんだこの状況。撤回したり、逆に細かく要求したらだせぇ…俺は稼働限界寸前の頭をフル回転させてこの状況を打破できる言葉を探す。

 

「おまかせってこと?」

「それでいい! …それでいい」

 

野良犬の言葉に咄嗟に反応しちまった…俺は頭が急速に冷えていく感覚を感じながら、やっちまったと肩を落とした。

 

「ん… それじゃあ ほい」

「野良犬!? なにしやがる!?」

 

野良犬は俺の隣に立つと、俺の腕に両腕を絡める。その瞬間、俺の右腕に柔い果実が当たる。

 

「じゃあ とる かめらむいて」

 

野良犬の言葉に待てと言う前に、野良犬はカメラマンに合図を送る。

 

胸がもっと当たって! クソっ!

 

俺がカメラの方を向いた瞬間にシャッターが切られる。

 

「おわり じゃあ もどる」

 

そう言って、野良犬は俺の腕を引っ張ってヴォルタ達の所へ連れていく。

 

さっきの行動は何なんだ? こいつは本当に何なんだ?

 

俺は野良犬の行動の意図を考えながら、野良犬に引きずられるように歩いた。

 

 

 

「…戻ってきたか嬢ちゃん じゃあ、ずらかるぞ」

「うん」

 

ヴォルタ達のところに戻ると、写真を渡されて流されるようにブースを出された。

 

ヴォルタ達と大豊のブースを出ると、俺は渡された写真を眺めた。

 

固まった表情の俺と俺の腕に両腕を絡めてカメラ目線をする野良犬が写っている。

 

心なしか、野良犬の表情が明るいようにも見えるが気のせいだろう。色々、危うい所はあるが、仕事——任務となれば何でもできる様になっていやがるんだ。勘違いするんじゃねぇ。

 

「先輩! そんなサービスして貰ったんですか!? 俺は並んで撮って貰っただけですよ」

「何だと!?……ほぅ、良かったじゃねぇかイグアス」

 

俺と自分の写真を見比べたレッドが隣で叫ぶと、ヴォルタも俺の写真を眺めた後、肩を叩いてそう言った。

 

「お前らのも見せろ」

 

俺は咄嗟に二人の写真を奪い取る。二人の写真は無表情の野良犬と並んで写真を撮ってあるだけだ。特段、特殊なポーズもしていねぇ。

 

「こいつはどういうことだ?」

 

俺は、今日になって何度目かも分からない衝撃を脳に受けた。

 

遠くなる耳に届いた二人の言葉は、撮影ブースに着いたら淡々と写真を撮ったとかみてぇな事しか言ってねぇ。

 

野良犬の思考が分からねぇ。いや、あんな奴の思考なんて一生分かる訳がねぇんだ…

 

だが、二人の写真より、野良犬が俺の事をサービスした事は本当で、てことは…この表情も…

 

ちげぇ、ちげぇ! 何より俺は、あいつの事なんて好きじゃねぇ!

 

心の中で必死に否定しているってのに、この動悸は収まらねぇ。

 

俺は、苦しいのか、嬉しいのかわからなくなって叫んだ。

 

「野良犬! 覚えてろ!」

 

俺は絶対にお前を……超えてやる。そして、俺はお前の隣に……

 

「イグアス! 何時まで油を売っているつもりだ! 今すぐ着ぐるみに入れ!」

 

何時もの騒々しい声と共にミシガンにあの忌まわしい着ぐるみを押し付けられる。

 

「…解ったよ」

 

苛立ちを必死に抑え、忌まわしい着ぐるみを受け取る。

 

「ヴォルタ持っててくれ」

 

ヴォルタに写真を渡し、ベイ太郎の頭を被る。これを着るのも、後数時間で解放だ。

 

「さぁ行くぞ、イグアス! 愉快なファンサービスの始まりだ!」

 

アーキバスのマスコットと殴り合う事のどこがファンサービスだと小声で口に出しながら、俺はベイラムのブースへ向かった。

 

 

 

「621 終わったか」

「うん ウォルター」

 

大豊の楽屋から出て来た621を出迎える。

 

621はそう言うと、俺の前でつま先立ちを繰り返す。

 

俺は、企業展示会のショップで購入した荷物を置くと、621の頭を撫でる。

 

「……んん」

「621 楽しかったか?」

「ん!」

 

俺の言葉に621は目を細めながらそう答える。

 

「621 その恰好は…」

「もらった このふく きれい すずしい」

 

621は大豊のコンテストで着た服装のままだ。その事を訊ねると、621は、その場でくるりと回ってそう口にする。

 

俺は何と反応したらいいか判らず、そうかと一言返した。

 

大豊の民族的衣装だと分かって居るのだが、いかんせん621が着ると、目のやり場に困る。

 

これから、大豊から定期的にキャンペーンガールの仕事を受けてくれと説明されたが、これは考えなくてはいけないだろう。621は見世物ではないのだ。大豊は621の価値を解って居ない。

 

「あとね ウォルター」

「なんだ?」

 

621は大豊から渡されたであろう、大豊のロゴが入った手提げから写真を数枚取り出す。

 

「これは…レッドガンの…」

「うん! みんなとしゃしんとった」

 

621が取りだした写真はレッドガンの主要メンバーとのツーショット写真だった。

 

ナイルの姿は無いが、それ以外の全員との写真を撮ったようだ。ミシガンがこんなものを撮るとは意外だな。

 

ミシガンの写真は621の頭を娘のように撫でている一枚だ。どうやらミシガンも娘には弱いらしい。

 

「621! これは…」

「イグアスとのやつ だめだった?」

 

写真の中に一枚、人相の悪い男の腕に621が密着した写真を見つけたので問いただすと621は、写真を持つ手を下げながら、如何にも落ち込んでいるような表情でそう言った。

 

「…だめではない。だが、俺との約束は覚えているよな?」

「とにかくいやだったら けっとばす ウォルターのいったこと おぼえてる」

 

大豊に入賞後の説明をされた時に決めた約束だ。大豊には、俺が話して了承させた。

 

「そうか、他に身体を密着させたりしたか? それか似た様な事を求められたりしたか?」

 

俺の問いに621は首を振る。嘘を言っているようには見えない。

 

「そうか…ならいい」

「うん!」

 

後で、迷惑な客がいなかったかを大豊に問い合わせるかと考えつつ、写真を嬉しそうに抱える621の頭を撫でる。

 

「…621 良かったな」

「うん! ウォルター!」

 

あの男はG5だろう。無線では仲が良いようには聞こえなかったが、何かあったのだろう。

 

その何かが気になって仕方がないが、そこは触れないでおくとする。次、G5と合った時の無線の内容で追及するか、考えるとしよう。

 

「さぁ、帰るぞ621 ミシガンから仕事を貰って来た」

「りょうかい ウォルター」

 

企業展示会はまだ数日続くが、俺たちは帰る事にする。

 

ミシガンから、ナイルを頼めるかと依頼された。詳細はナイルから後日説明すると言われたが、解放戦線絡みだろう。

 

「ウォルター これは?」

「ああ これか621」

 

621は私の持っている袋の中身が気になるようだ。

 

「…621 お前の衣服だ 俺のような男に流行は判らないからな、ミシガンの所から借りたレッドガンの女性隊員と友人頼りだが…」

 

先日のミシガンの忠言から、レッドガンの女性隊員とカーラの力を借りて、621の服を見繕って貰ったのだ。

 

「…そうなんだ これ…」

 

621は何故だか不服そうだ。やはり、コンテスト中に買い物に行ったのが悪かったのか。

 

そう言えば、服を見繕ってくれた女性たちから621が不満そうだったらこう言って置けと言っていたな。試してみるか。

 

「他人の意見が入っているが、最後は俺が選んだ……嫌だったら着なくも良い」

 

小恥ずかしくなり、無駄な事をも言ってしまったが、友人たちの忠言通りの言葉を口にする。

 

「ウォルターがえらんだの! うれしい!」

 

621は目に見えて嬉しそうな声を上げると、俺の持っている袋を代わりに持つと言って持っていってしまう。

 

こんな歳の男が選んだという言葉が621のどのような琴線に触れたのかは理解できないが、621はとても嬉しそうだ。

 

「ウォルター! はやくかえろ!」

 

そう言って621は、ヘリポートへ駆け出していく。

 

621! その服装では外は寒いぞ 俺の外套を羽織れ!

 

俺は外套を脱ぎ、621を追いかけた。

 




大豊娘娘ネタでイグアスの脳をスタッガーさせる小説が書きたかっただけ。本当にこれだけ。
RTA風小説だったのは、全編通して小説として書ける能力が無いから。それだけ。
ネタかぶり許して。レッドのキャラがブレブレなのも許して。全部許して。

沢山の感想、誤字脱字の報告有難う御座います。執筆の励みにもなっております。
ただ、感想の返信が遅れるのは許してクレメンス。
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