「艦これ」いつかあの海で×ドリフトスピリッツ 2023 -いつかあの路で-   作:カービィ改二

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第20話です。
カンザブロウの直後に現れた男とのバトル。


act.20「Emperor's Place Part.1(皇帝の居場所 Part1)」

「皇帝の居場所を知っている」という男、穴熊のカンザブロウを破った時雨と奈美子。

だが、彼が居場所を話し出そうとした瞬間突如として別の走り屋が乱入してきた。

白衣を着た、冷徹な瞳をした男の事をカンザブロウは「当事者」と言った。

一体当事者とは何なのか?

その謎を突き詰めるべく、2人と「当事者」の仲間たちとのバトルが迫っていた。

 

推奨BGM

 

―――第一美濃沢峠、往路スタート地点駐車場。

時雨、奈美子、ヒロシ、トオル、カンザブロウ、白衣の男がいる。

白衣の男がカンザブロウに話しかけた。

 

「カンザブロウ君、気合たっぷりだった割に、結構あっさり負けたようだねぇ」

するとその言葉にカンザブロウが反論するかのように言った。

 

「あっさりなんて…人聞き悪いでござんすねぇ、若先生。予想以上に手ごわい方たちでござんすよ、この御仁たちは…」

「だから最初から私に任せろと言ったんだよ」

「…あの、あなたは一体?」

白衣の男の言葉に時雨が質問を投げかけた。

すると男は自己紹介をするように時雨たちを見て言いだした。

 

「ああ、御挨拶しておこうか。私は『道楽のタダヒコ』。金には不自由してないんで、まぁ道楽でドライバーもしているわけだよ」

その言葉に対してトオルが呆れるように返事した。

 

「そんなことは聞いてねぇよ…で、『皇帝』の居場所について、あんた関係者何だって?」

「そうだねぇ、私は彼の居場所についてまぁ…少なからず情報を持っているねぇ。何せ、道楽三昧なもので」

タダヒコは歯切れが悪そうにそう言うのだった。

 

「歯切れ悪いなぁ…あなた、居場所の『当事者』って呼ばれていたけど、一体どういうこと?…ただでは教えてもらえなさそうだけど」

すると奈美子の言葉に反応するようにタダヒコは言った。

 

「その通り、タダでは教えられないな…一つ勝負と行こうじゃないか。全ては私に勝ってからだ」

「…わかった。ここで止まっている訳にもいかない。僕と勝負してくれ」

「時雨…」

勝負といこう…その言葉に反応するかのように、時雨が自ら勝負を仕掛けるのだった。

するとその言葉に理解を示したかのように、タダヒコはこう言い放った。

 

「ふむ、いい度胸だ!それではまず私のチームの『ホワイトタワーズ』が相手になろうじゃないか!二人は先にスタートラインに移動したまえ」

「……」

時雨はタダヒコの言葉に軽く頷き、奈美子と共にワンエイティに乗り込むのだった。

 

「では…ジュンジ君。君から頼むよ」

「はい!」

NAロードスター乗りの男がそう言い、彼も車に乗り込んでスタートラインへと移動していく。

 

 

 


 

 

 

―――――vsジュンジ

推奨BGM:DON'T WANNA BE A SURVIVOR(from SUPER EUROBEAT vol.211)

 

 

相手の車は赤のNAロードスター。白のレーシングストライブがボンネットからルーフ、リアトランクにかけて入っている。

左レーン、ワンエイティ。右レーン、NAロードスター。

コースは往路。

 

「……」

「時雨…連戦だけど、問題ない?」

「…そう簡単に折れる僕じゃないよ」

「……」

時雨は皇帝の情報だけを求めるようになっていた。

だからこそそう簡単に折れる事は許されない…そんな思いが時雨を包んでいた。

ここで負けるようでは皇帝に何か追いつけるわけがない。

そう時雨は思っていたのだった。

そしてそんな思いと裏腹に、カーナビのカウントは始まろうとしていた。

 

3

 

2

 

1

 

GO!

 

「…!」

「っ…!」

2台のドライバーがギアをそれぞれDレンジ、1速に入れてアクセルを全開に踏み込む。

2台がロケットスタートを決め、一気に加速していく。

先手を取ったのはワンエイティ。

素の戦闘力ではワンエイティの方が書く上なのだから、当然と言えば当然だろう。

だが、ここにきて差の開き方が小さくなったようにも時雨は思った。

 

「(相手も徐々に速くなってるんだ…)」

そう時雨が思ったもつかの間、最初のコーナーである右ヘアピンが迫る。

110キロまで加速したワンエイティを減速させるべくブレーキを踏み、軽く左に曲げる。

同じようにNAロードスターもブレーキを踏んで減速していた。

速度が70キロまで落ちたのを確認して、ブレーキを離してニュートラル状態で滑走していく中でで一気にハンドルを右に切る。

そしてその状態でドリフトラインを踏みつけたのを認識したところで、アクセルを全開に踏み込む。

こうすればあっという間にフェイントモーションによるドリフトが出来てしまう。

そしてドリフト状態になったらすぐにハンドルを左に曲げてカウンターを当てる。

滑る後輪をコントロールし続ける。それでもアクセルを踏み続ける事を止めない。

前に進むためにアクセルを踏み続けないと追いつかれてしまう…そう時雨は思っていた。

そしてそんな思いの中でコーナー出口のドリフトラインが迫る。

その直前においてアクセルを離し、ハンドルをニュートラルに。

マシンが道路と水平になった上で、前輪がドリフトラインを踏みつけたのを認識…アクセルを再び踏み込んで加速…そしてそのままロングストレートで一気に加速していく。

そのロングストレートで、時雨は右ミラーに視線を移した。

そこに映ったのは、徐々に後方へ消えていくNAロードスターだった。

ストレートではどうやらこちらに分があるらしい。

 

「(少しずつ速くはなってきているけど…まだ僕の敵というわけではないか)」

「(ダメだ…速い!)」

NAロードスターのドライバーは必死になってアクセルを踏み込んでいた。

だが加速差もあるのか、立ち上がりで向こうが速かったのか、距離差はみるみる広まっていった。

そしてその状況においても時雨は容赦なくアクセルを踏み続けていた。

 

「(じりじりとバトルを続けるくらいなら、振り切って心を折ればいい…!)」

アクセルを踏み続け、速度はあっという間に148キロまで加速していた。

NAロードスターはワンエイティのバックミラーから消えようとしていた。

トンネルに入り、目前には左直角のロングコーナーが迫る。

ここは度胸勝負。

どこまでアクセルを踏み、どこでブレーキを踏むか。勝負の分かれ目だった。

50m、40m、30m……距離があっという間に迫る。

 

「(っ…!)」

コーナー入口のドリフトラインまで15m…このタイミングでアクセルオフ、一気にブレーキを踏み込む。

ブレーキロック寸前までブレーキを踏み、140キロから100キロまで減速する。

そしてその減速する最中でハンドルを軽く左に曲げ、一気にドリフト状態へとマシンを持っていく。

額と両腕に汗がにじみ出る。一種のチキンレースをやっているも同然だが、その速度は明らかに速い。

周囲の景色の流れが速すぎる。その中で必死にドリフトしていくことになる。

短いストレートだけならともかく、ロングストレートでその後ドリフトをするとなると文字通りの度胸試し…チキンレースだ。

その中でも時雨は他社よりも遅いタイミングでブレーキを踏み、マシンをスライドさせていくのだった。

 

「(っ…!)」

「(何であんなに攻められるんだ…!?)」

NAロードスターのドライバーにはワンエイティが白煙を上げてドリフトしていく姿しか見えなかった。

だが明らかに自分ではできない速さでワンエイティはドリフトしている。

そう痛感するしかなかった。

そしてそのままワンエイティはロングコーナーの先に消えて行く。

アクセルを踏み続け、130キロでコーナー直前に迫る。

 

「(っ…!)」

コーナー手前30m、NAロードスターのドライバーは我慢できずにブレーキを踏む。

そして軽い車体をそのままスライドさせ、ドリフトラインでアクセルを踏む。

ハンドルを右に曲げてカウンターを当てながら、NAロードスターが走行レーンの中央を走るように調整する。

だが、タイヤが悲鳴を上げるのかマシンは徐々にアウトに膨れていく。

走行レーンである右車線の路肩までマシンが膨れる中、時にブレーキを踏んでマシンが膨れすぎないように調整していく。

しかしそれでもロスは必死だった。直角コーナーで速度は75キロまで落ちる。

路肩にはみ出るロードスターだが、まだこの時点では諦めがついていなかった。

だが、トンネルを抜けた後のコーナー出口である現実に直面する事となる。

 

「(ダメだ…速すぎる!!)」

第3コーナーを抜けてショートストレートをかけるワンエイティ。

そんな後姿がNAロードスターのドライバーに映った。

ここまで差を付けられてしまうと、もう誰の目に見ても追いつけない。

勝てない…そうNAロードスターのドライバーは悟った。

アクセルを踏んでも、結局差は殆ど縮まらなかったのであった。

 

最終的にゴールラインを抜けた後、ワンエイティとNAロードスターとのタイム差は3秒まで広がっていたのだった。

 

◇ ◇ ◇

 

―――往路スタート地点駐車場。

タダヒコはチームメンバーの一人が敗北したという一報を聞いていた。

 

「むっ、『ホワイトタワーズ』の1人目に土を付けるとは…敵ながらあっぱれだよ!しかし、まだまだ控えは大勢いるからね…!」

自分の傘下チームのメンバーがあっさりと倒された事に多少驚きつつも、次のドライバーを指名するタダヒコ。

次のドライバーがセットアップを始めていた。

しかしそんな言葉に、時雨はあしらうようにこう言うのだった。

 

「誰だっていいさ…相手になるよ」

 

 

 


 

 

 

―――――vsミキオ

推奨BGM:FLYING OVER THE SKY(from SUPER EUROBEAT vol.217)

 

 

相手の車は赤のBRZ。黒のレーシングストライブがボンネットからルーフ、リアトランクまで入っている。

左レーン、ワンエイティ。右レーン、BRZ。

コースは復路。時刻は17時前となり、夕日が落ちかかっている。西日が後方から打ち付ける。

 

「……」

スタート直前、時雨はギアを見ていた。

今まで使っていなかったMレンジ。

もしここに入れてバトルしてみたら、どうなるのか?

自分でも気になったところはあった。

一応いまはまだチームメンバーという雑魚相手。

実験のチャンスではあるのかもしれない…時雨はそう思うのだった。

 

「(やってみるか…な)」

次のバトルではあえてマニュアル操作を重視してバトルする。

そう決心したのだった。

そしてその決心の中で、カーナビのカウントが始まろうとしていた。

アクセルを踏み込んでエンジン回転数を一定にキープする。

 

3

 

2

 

1

 

GO!

 

「「―――!!」」

エンジン回転数7000回転、ギアをDレンジ…ではなく、Mレンジに入れてアクセルを全開に踏み込む。

だが、踏み込んだその瞬間だった。

 

「(!?)」

1速の状態であるワンエイティは加速ががくんと止まってしまった。

タコメータの水色ランプが点灯し続ける。

エンジン回転数は9000回転で上振れし続ける。

マニュアル操作の概念は理解していても、「ギアを上げる」「ギアを下げる」という操作自体を把握していなかったのだ。

加速が止まった事に気が付いた奈美子が咄嗟に声を上げる。

 

「右のパドルを引いて!」

「!!」

奈美子の言葉にはっとした時雨。

ハンドルに取り付けられていた右側のパドルをハンドルを持ちながら右手で引いた。

レッドゾーンのタコメーターを確認しながら1速から2速に引き上げ、加速が回復する。

45キロから65キロ、再びタコメーターが上振れし続ける。

レッドゾーンの状態のタコメータを見て、再びパドルを引く。

2速から3速、3速から4速…加速が止まらない。

まさかオートマからパドルシフトに変えただけでここまで必要な操作が増えるとは…時雨はそう思った。

目先を確認すると、BRZは既に第1コーナーに突入していた。

スタートのロスで一気に差を付けられたというべきだろうか。

だが、決して諦めるほどの距離という訳ではなかった。

距離にして20m程…スタートのロスがあったとはいえ、戦闘力は明らかに自分の方が上なのだ。

ならばコーナーとストレートで食らいつけばいい…そんなマインドセットが備わった。

油断せずに食らいつく…そんな気持ちが時雨を支配した。

3速110キロ、目の前に左直角コーナーが迫る。

 

「(落ち着いて…)」

目の前にコーナーが迫る。

アクセルオフで即座にブレーキを踏む。すぐに離してハンドルを直角になるよう左に曲げる。

そして前輪がドリフトラインを踏みつけた瞬間、アクセルオン。

アクセルオンと共にタイヤがスライドし始める。

スライドした瞬間、すぐにハンドルを右に切り返してカウンターを当てる。

内側のクリッピングポイントを狙って駆け抜けたワンエイティは、そのままアウトに膨れる。

文字通りのアウトインアウトだった。

そのままコーナー出口が迫る。

 

「(…よし)」

出口のドリフトラインの存在を認識し、アクセルオフでハンドルをニュートラルに。

そして一瞬の滑走状態を経て、前輪がドリフトラインを踏みつけた瞬間にアクセルオン。

立ち上がりで100キロから117キロへと加速する。

タコメーターの青い光が時雨の視界に差し込む。

 

「(…!)」

パドルを引いて3速から4速へ。

短いストレートでもワンエイティは加速していく。

そしてそのまま第2コーナーである岩の中をくり抜いたトンネルにある左直角ショートコーナーへ。

メーターは130キロを示す。

短いストレートでもBRZとの距離は徐々に縮まっていた。

 

「(っ…!)」

第2コーナーが迫る。

アクセルを離し、ブレーキを踏んでマシンを100キロまで減速させる。

 

「(あ…)」

減速させている最中、時雨はある事を思い出していた。

 

『パドルシフトなら、仮に立ち上がりの時に加速が伸びないと感じた時は左レバーを引けばギアが下がって、加速が良くなると思うぜ』

トオルの言葉だった。

立ち上がりの時に加速が伸びない…つまり、エンジン回転数が低い時はギアを下げるとよい。

そんなことを意味しているのは時雨でもある程度は察していた。

左手でパドルを引き、ギアを4速から3速に落とす。

落とした直後、ブレーキを離してハンドルを左に曲げる。

そしてワンエイティのノーズがコーナーの内側に寄るのを把握した瞬間、ワンエイティの前輪がドリフトラインを踏みつけたのと同じ瞬間…アクセルを再び踏み込む。

 

「―――」

リアタイヤがスライドを始めてドリフトしていく。

後輪から白煙が吹き出る中でハンドルを右に曲げて、アクセルを踏み続けながらカウンターを当てる

だが白煙が吹き出た瞬間、すぐ目の前にコーナー出口のドリフトラインが迫る。

 

「っ…!」

ドリフトライン直前で、アクセルオフとハンドルをニュートラルにする動作を共に行う。

そして次の瞬間、ワンエイティの前輪がドリフトラインを踏みつけたのを認識して再びアクセルを車の床まで踏みつけた。

 

「―――!!」

判定「Excellent +0.31m」。

ほぼピッタリのタイミングでアクセルを踏み込み、マシンを一気に加速させる。

タコメーターは3速8000回転を示し、水色のランプが光る。

それを判別した直後、右手でパドルを引いてギアを上げる。

アクセルはただ必死に踏み続ける。

4速6500回転、130キロ。アクセルを踏み続ける事はやめない。

そして気が付くと、ワンエイティはBRZに車1台分の車間距離まで縮まっていた。

 

「なっ…!」

バックミラーに映ったワンエイティの姿に動揺したBRZのドライバー。

猛追してくるワンエイティの姿に多少動揺したようだった。

だが、それでも同様で走りが乱れるというほどではなかった。

目先には第3コーナーである右直角ロングコーナーが迫る。

このコーナーである程度差を引き離せるのではないか?…そう思っていた。

そう思う中で、2台が第3コーナーに迫る。

 

「っ…!」

「―――!」

アクセルオフからブレーキを踏んで減速する2台。

ワンエイティはハンドルを軽く左に曲げ、直後に右に切り返す。

一方のBRZは速めにハンドルを右に切る。

そしてドリフトラインを踏みつけた瞬間、ハンドルを曲げたかと思いきやアクセルを踏み込んでドリフトする。

コーナーの内側を走っている以上、自分が有利だ。

そうBRZのドライバーは思っていた。

だがその瞬間だった。

 

「(…!?)」

サイドバイサイド、パラレルドリフトの状態でコーナーをドリフトしていく2台。

だが、コーナー進入速度はワンエイティの方が10キロは上だった。

パーツが良いのか、腕がいいのか、あるいはその両方か。

そう思っているうちにコーナー中間、トンネルに入った瞬間にワンエイティは外側からBRZを追い抜いた。

白煙を上げながらドリフトしていく2台。

だが、ワンエイティの速度が速い事もあって2台の位置はワンエイティ先行のテールトゥノーズの状態に陥った。

そしてコーナー出口…トンネル中間に存在するコーナー出口のドリフトライン。2台が迫る。

 

「―――!」

ハンドルを左に曲げてカウンターを当てながらアクセルを踏み続ける時雨。

目の前のドリフトラインを認識してアクセルを離した。

直後にハンドルをニュートラルに戻し、ドリフトラインまで滑走。

そして1秒もしないうちにワンエイティの前輪がドリフトラインを踏みつけたのと同時に、再びアクセルを踏みつけた。

3速6000回転だったマシンはアクセルを踏むことで一気に加速し、4速7500回転まで一気にエンジンを回転させる。

目の前のストレートでもただ只管にアクセルを踏み続ける。

ギアを3速から4速、4速から5速まで引き上げて速度は110キロから150キロまで跳ね上がる。

 

「…はえぇ……」

ストレートでもBRZはワンエイティに加速と最高速で負けていた。

アーチ橋を抜け、車間距離は車2台分にまで広がった。

アーチ橋を抜けた後にはヘアピンコーナーがあるのだが、左コーナーである。

左レーンを走るワンエイティ、右レーンを走り続けるBRZ。

走行レーンの変更が許されない以上この先のコーナーでも追いつけないのはほぼ明確であった。

この時点でBRZのドライバーのメンタルは折れかけていた。

 

そのままワンエイティは最終コーナーもBRZより素早く走り抜け、そのままコーナー出口の後のゴールラインを駆け抜けた。

遅れてBRZもゴールしたが、勝敗は誰がどう見ても明確だった。

タイム差、2秒近く…スタート時のシフトアップミスを考えても、タイム差は想定以上だった。

 

◇ ◇ ◇

 

更に1時間後、夕日が落ちて夜になったところで、時雨は「ホワイトタワーズ」のメンバーの殆どを打ち破っていた。数にして10人ほどだった。

 

ーーー往路スタート地点駐車場。

ワンエイティに乗った時雨と奈美子が、シルバーのR34に迫る。

横付けで停車したワンエイティから、シルバーのR34の前に立っていたタダヒコに向かって時雨と奈美子が歩いてきた。

 

「チームのメンバーたちは大体倒したけど、どうかな」

「ほほう、『ホワイトタワーズ』が陥落同然とは…いいだろう。ここはひとつ、道楽ながら第一線の腕を身につけた私自らが相手になろう!スタート地点へ移動したまえ」

タダヒコは時雨の実力を認めたかのようにこう言ったのだった。

時雨は無言で頷き、再びワンエイティに奈美子共々乗り込んだ。

そしてそれを追うようにタダヒコもまた愛車に乗ってスタートラインへと移動していく。

 

 

 


 

 

 

―――――vs道楽のタダヒコ

推奨BGM:NO MONEY NO HONEY(from SUPER EUROBEAT vol.218)

 

相手の車はシルバーのBNR34スカイラインGT-R。ファイアーパターンのステッカーがマシン側面とフロントに入っている。

左レーン、ワンエイティ。右レーン、BNR34。

コースは往路。

道路は既に夜闇に包まれ、2台のヘッドライトが道路を照らしていた。

 

「(道楽とはいえ…そう簡単に私も負けはしない!)」

「……」

2台のドライバーズシートで互いのドライバーが真剣に前だけを見ていた。

両手をハンドルから離した時雨は、グローブをグーパーさせて両手の感覚を確認した上で再びハンドルを握る。

夜闇に包まれた峠で一騎打ち。

タダヒコの正体を暴くための戦いが始まろうとしていた。

2台のカーナビにカウントが表示される。

アクセルを踏み込み、2台のエンジン音が美濃沢峠にこだましていく。

 

3

 

2

 

1

 

GO!

 

「「―――!!」」

タダヒコはギアを1速に入れ、時雨はギアをDレンジに入れた。

2台のマフラーからバックファイアーが吹き出て共に加速していく。

加速勝負ではワンエイティはR34に負けておらず、2台はサイドバイサイド…ボンネットの2分の1くらい、文字通りのほんの少しだけワンエイティがリードを取った。

 

「(このR34より加速が勝るとは…)」

タダヒコは少しだけ動揺した。

相手が速い事は分かっていたが、まさか加速差で負けるとは。

ドリフトラインの無い緩い左カーブを抜け、ワンエイティがボンネット分だけリードを取る。

そしてカーブを抜けた後には右ヘアピンコーナーが迫る。

2台がほぼ同じ瞬間にブレーキを踏んだ。

アクティブに攻め込んでいくワンエイティに対し、R34はどちらかと言えば保守的にブレーキをかけて減速する。

 

「っ…!」

ブレーキをかけた瞬間にハンドルを軽く左に切り、車の重心を一気に右サイドに持っていく。

90キロから65キロまで減速したのをメーターで確認し、ブレーキを離す。

一方のタダヒコも60キロ程まで減速する。

 

「……」

ドリフトライン直前でハンドルを一気に右に曲げ、前輪が踏みつけたのを確認してワンエイティのリアを振り回す。

振り回したことで一気にマシンがドリフト、後方から白煙が上がる。

そのままハンドルを左に少しだけ切り返してカウンターを当てる中で派手なスキール音を響かせ、2台がパラレル状態でドリフトしていく。

だが、イン側であるBNR34が差を詰めてそのままワンエイティをオーバーテイク。

そんな中でアクセルを抜き、ハンドルをニュートラルに戻してドリフトラインで再びアクセルオン。

立ち上がりで速度は互いに90キロほど出てコーナーを抜けた。

しかしその状況下でもコーナー出口ではR34がボンネット分だけリードを保っていた。

 

「(コーナーも悪くはないが…ストレートではどうかね!)」

「―――!」

2台のドライバーが同じタイミングでニトロスイッチを押した。

2台がコーナー出口から一気に加速していく。

目先に広がるロングストレート…ニトロを使うタイミングとして十分であるのは言うまでもないだろう。

100、110、120、130、140、145…アーチ橋を抜けて2台はほぼ同等の速度をマークしていた。

そして速度も互角である以上、2台の距離差は殆ど広まらなかった。

R34がボンネット分だけ先行した状態で2台がストレートを駆け抜けていく。

 

「(くっ…ここでも互角か…なら残りのコーナー勝負)」

アーチ橋を抜けてトンネルに入り、第2コーナーの左ロングコーナーが迫る。

 

「(くっ…!)」

「っ…!!」

2台がコーナーに迫る。

ワンエイティもR34も高速ストレートからの直角コーナーという度胸試しが求められる。

140キロオーバーでの度胸試し…文字で書くのは簡単だが、互いに恐怖しか感じる事はない。

ドリフトラインの10m程手前で2台が互いにブレーキをかける。

R34はその直後にブレーキを離したかと思えば、サイドブレーキを引いてドリフトの態勢に持っていく。

アクセルオフでブレーキをかけたポイントはほぼ同じ。

ハンドルを曲げたポイントはワンエイティがワンテンポ早め。

2台それぞれがドリフトラインの前輪を踏みつけた瞬間、アクセルを踏み込む。

そしてドリフト状態に入った2台が後輪から白煙を上げてゼブラゾーンで塗られたコーナーを駆け抜けていく。

 

「(…これは!)」

コーナーを駆け抜けている最中の出来事だった。

速く走れるあの感覚が、時雨の中に蘇って来ていた。

両手両足が熱くなるあの感覚。そこから車が炎に包まれるような、両手両足から全身が熱くなるようなあの感覚。

時雨をその感覚が包み込んでいた。

ハンドルを握る両手が熱い。アクセルやブレーキを踏む両足が熱い。

下手したら自分が炎に包まれて燃え尽きてしまうかもしれない。でもアクセルは踏み続けてハンドルを握り続けないと速く走れない。

だがそれでも自分の方がコーナースピードが速い。

そんなことを時雨は認識していた。

速度計は135キロを示している。

右ミラーに映るR34が、徐々に小さくなるのが時雨でもわかった。

時間にして5秒ほどのロングコーナーであるが、息継ぎを我慢し続けてカウンターを当て続ける。

そしてヘッドライトがコーナー出口のドリフトラインを照らした。

1秒もしないうちに前輪は踏みつけるだろう…そう時雨は認識したのだった。

そしてそう認識した次の瞬間には前輪がドリフトラインを踏みつける寸前だった。

アクセルオフから右に曲げてカウンター状態だったハンドルをニュートラルに戻し、ドリフトラインの踏み付けと同時にアクセルを再び全開まで踏み込む。

マシンは弾丸のように一気に115キロから135キロまで加速していった。

 

「―――!」

「っ…」

タダヒコは現実を直視せざるを得なかった。

相手がコーナーのインである事を考えても、自分以上に速い速度でコーナーを駆け抜けられている。

それどころか、1つのコーナーであっさりと差を付けられてしまった。

アウトによじれるヘビーなR34をアクセルワークとカウンター操作でカバーし続けるも、マシンの性能自体にも限界が生じていた。

パワーで外側に振られたR34を何とか路肩にはみ出ないようにコントロールはしていたが、もとよりドリフトに向いていないR34を無理やりドリフトさせたこともあって速度のロスは決して少ないものではなかった。

その結果ワンエイティとの距離差はみるみる広まっていく。

なんとかコーナー出口のドリフトラインでアクセルを踏み込むも、ワンエイティのテールからR34のノーズまでの車間距離はあっという間に1台分まで広がった。

 

「(だが…まだこの先がある)」

第2コーナーを抜けた後にはミドルストレートの後に2つの高速右コーナーが存在する。

タダヒコはそこで食らいつくチャンスがあると思っていた。

そこに向けてアクセルを踏み込む。

車間距離は1台分から2台分まで広がりつつある。

立ち上がりでも差が生まれていたようだ。

すると、ここでタダヒコは予想だにしない光景を目撃する。

 

「(まさかノーブレーキで…!?)」

目の前に迫る第3コーナーは高速コーナーとはいえ、ドリフトする為には必要に応じてブレーキを踏む必要があるのが説。

だがワンエイティが減速する気配は殆どなかった。

危ない…そう思った瞬間だった。

 

「…!!」

車の重心がリアの右から左にぐいと持っていかれたワンエイティは、そのままノーブレーキで第3コーナーを曲がってしまった。

正確に言えばブレーキ抜きのフェイントモーションで勢いに乗じて駆け抜けてしまった。

自分でもあそこまで切れた走りをする事が出来ない。

速さを求めるタダヒコではあるが、道楽も兼ねて走っているので本当の限界まで自分は車を走らせることが出来ていない事を改めて痛感させられてしまった。

自分が知らない走りが、ここにはあった。

2台の距離差はさらに広まる。

 

「(錯覚じゃない…あの時の感覚が、僕に戻ってきている…!)」

第3コーナーを抜けた直後、ドライバーズシートで時雨はそう認識した。

以前のワンエイティの時にあった、車と一体になるような感覚。

両手両足から体が熱くなり、最後には全身が炎に包まれるようなあの感覚である。

それが新しい今の車でもやっと感じられるようになってきた。

何度も何度も乗っているうちに、やっとこの車の走らせ方がわかってきたのかもしれない…そう時雨は思った。

そしてそう思う中でも無我夢中でアクセルを踏み続ける。

ミドルストレートを再び抜け、目の前には最終コーナーが迫った。

 

「(この感覚を掴んで、走る事が出来れば…)」

最終コーナーの15m程手前でアクセルを抜いたうえで左に軽くハンドルを曲げ、ハンドルを一気に右に曲げる。

フェイントモーションで曲がるマシンの前輪がドリフトラインを踏みつける。

そしてその瞬間、アクセルを全開に踏み込む。

 

「(僕も、命の恩人の影を追えるのかな)」

目先の出口のドリフトライン直前でアクセルオフにしてからハンドルをニュートラルに戻し、ドリフトラインを前輪が踏みつけた瞬間に再びアクセルを全開に踏み込む。

マシンは一気に立ち上がり、もはや止まる事を知らなかった。

最後の最後まで時雨はアクセルを踏み続け、最後の最後までリードを保ち続ける。

そしてそのままゴール直前のドリフトラインが存在しない左カーブを抜け、ワンエイティは140キロ以上のスピードでゴールラインを駆け抜けたのだった。

 

「まさかここまでとは…」

完全に振り切られたタダヒコはそう呟くだけだった。

第3コーナーと第4コーナーの間のストレートを走っていたR34がワンエイティに追いつく事は…結果から言えばできなかったのだった。

 

―――勝者、時雨。

タイム差は3秒。

マシン差があったとはいえ、カンザブロウとはほぼ変わらない結果だったのだった。

 

 

 


 

 

 

推奨BGM

―――第一美濃沢峠往路スタート地点駐車場

ヒロシやトオルが待つ中で2台が戻ってきた。

 

「おおー!」

「あの様子じゃ、勝ったみたいだな」

「ありゃりゃ、若先生も敵わなかったでやんすか…」

ヒロシ、トオル、カンザブロウがそれぞれ呟くのだった。

 

「くっ、負けるとは…道楽とはいえ、誰にも負けないと自負していたこの私が…」

R34から降りたタダヒコはそう負けを認めるように言った。

 

「僕たちの勝ちだね。さて、それじゃあ…」

「約束よ。『皇帝』の居場所について聞かせてもらうわ」

タダヒコに向けて、ワンエイティから降りた時雨と奈美子はそれぞれそう言った。

するとタダヒコは思いもよらぬ言葉を言うのだった。

 

「仕方ない、白状しよう。何故私がこんなに道楽三昧出来るのかを…」

「…?」

「いや、そういうことじゃなくて…」

時雨と奈美子、トオルやヒロシには疑問しか浮かばなかった。

だがタダヒコはその反応を無視するかのように言葉を続けた。

 

「私の実家はこの界隈で有名な、大きい開業医でね。私はそこの長男なので、いずれ病院は私のモノになる訳さ」

「え?じゃあ、つまり…」

「『皇帝』の居場所って…!」

時雨と奈美子は共に驚いた表情でそれぞれ口にした。

そしてその表情にタダヒコはにんまりとした表情でこう言うのだった。

 

「ご明察だね。『皇帝』は…うちの病院のクランケなのだよ」

「くら、んけ…?」

「患者ってこと…!?ということは『皇帝』は…入院しているの?一体何があったっていうの?」

するとここでタダヒコは暴露を止めるように冷静に言葉を続けた。

 

「そうだな…詳細は『カズヒト』という研修医の男に聞いてみるがいい。彼も我々『マシンヘッズ』のメンバー。少なくとも彼と彼が率いるチーム『フレッシャーズ』に勝てば、色々教えてくれるだろう…」

「カズヒト、とフレッシャーズ…」

「待って、病室は何号室なの!?会う事は出来るの!?」

すると奈美子の言葉にタダヒコは神妙な面持ちでこう断言するのだった。

 

「面会か…ん、それは難しいだろう」

その言葉に神風のトオルが食いつくように言った。

 

「面会謝絶って事か…?ってことは、『皇帝』はそんなに重症なのか!?」

するとその言葉にタダヒコはまた濁すようにこう言うのだった。

その顔はどこかしどろもどろといった感じだ。

 

「いや、ま、そういうわけではないが…とにかくカズヒトという人物から話を聞いてみてくれ。次期院長の私が連絡しておいてやろう。それじゃあ一度失礼するよ」

「あ、若先生お帰りでやすか?ではあっしもこれで…」

そういってタダヒコはそそくさと車に乗り込み、カンザブロウもそれに釣られるかのように共々峠を後にしたのだった。

残されたのは4人だけだった。

 

「皇帝は入院しているけど、面会が叶わないなんて…」

奈美子はそう呟いた。

 

「一体どういうことなんだぁ…?」

「ともかく、こりゃ例の『カズヒト』に会うしかねぇみたいだな…」

「…そうだね。でも今は、一旦ピットに戻ろう。車も連戦でマシンダメージがそれなりにあるはずだ」

ヒロシとトオルの言葉に、時雨も同意するように言葉を続けた。

すると時雨の言葉に対して奈美子がこう言うのだった。

 

「そうだ…時雨、これからに向けてどうしても取り付けておきたいパーツがあったの!すぐに『ピット』で取り付けましょう!」

「え?ああ、うん…じゃあ戻ろうか」

 

そう言って4人は『ピット』に戻っていったのだった。

 

 

 


 

 

 

―――カーファクトリー・ピット

時刻は既に19時を回っていた。

流石に遅い時刻という事もあり、トオルとヒロシ、トーコは帰っていった。

ガレージには時雨、奈美子、ハルカとそれぞれの愛車のみがいた。

青のロケバニワンエイティを前にして、奈美子と時雨が立っていた。

 

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「…それで、奈美子、ワンエイティに取り付けたいパーツがあるって言っていたけど…それって一体?」

「ふふん、それはね…これよ!」

奈美子がバッグから取り出したのは、小さな後付けユニットだった。

どうやれこれをワンエイティのどこかに取り付けるらしい。

 

「…これって、後付けのリミッターカット装置じゃないですか!奈美子さん、遂に買ったんですね」

「リミッターカット?」

ハルカがそのパーツを見て納得したかのように言った。

一方で時雨は疑問を抱いたかのように返答した。

 

「時雨、美濃沢峠で何度もバトルをしている時、ある事に気が付かなかった?」

「あること?」

「車の速度がいきなり一定で止まるなんてこと、あったでしょ?」

「…そういえば、そうだね。たしか180キロだったかな」

時雨は思い出したかのように言った。

言われてみればワンエイティの加速がいきなりがくんと止まるようなことは確かにあった。

 

「普通、車って言うのはスピードリミッターが設定されているの」

「つまり?」

「一定の速度以上出せないようなっているのよ」

「え…じゃあ、加速が止まったというのも」

「そう。スピードリミッターが作動したという事ね」

リミッターの存在を説明する奈美子。

すると時雨は奈美子の言葉にどこか納得したかのように言った。

 

「そうだったんだ…だから、速度が上がらなくなっていたんだね」

「ええ…私は今後の事を考えると、リミッターカットは必須になると思うわ」

「……」

軽く頷いた時雨もその言葉に納得していた。

今回のカンザブロウとのバトル、更に前のイズミのバトルでも最高速では自分が負けていた。

今後さらに速い相手が現れた時、もしかしたら今のワンエイティではかなわないかもしれない。

最終的には皇帝に出会ってバトルをする事になる可能性がある以上、その為には今自分に取り付けられている安全装置を外す必要がある。

それが奈美子のいい分だった。

だが、時雨はこう言うのだった。

 

「でも奈美子…いいのかい?車のパーツって、そこそこお金が張るだろう?」

「いいのよ。時雨にはここまで本当に助けられているし、これからの事を考えると必要な投資だと思うわ。取り付けも比較的簡単だって言うからね」

「……」

奈美子の言葉に時雨はどこか躊躇気味に言った。

もし180キロというスピードリミッターを外したところで、今までと同じようにワンエイティを操縦できるのか。

ミスをして事故を起こす可能性がさらに増すのではないか。

時雨はその一面に何処か恐怖を抱いていた。

 

「…もしかして、不安?今までの安全装置を外すのが」

「正直、ちょっと怖いかな。でも…」

奈美子の言葉に、時雨はどこか強がるようにこう言った。

 

「ここでさらに踏み込まないと、僕たちが求めている『皇帝』には追いつけないからね」

「時雨…」

その目は皇帝を追い求める目だった。

自分や奈美子が追い求める皇帝に追いつくためには、ここで限界を超えていかないと今後絶対に追いつけない可能性がある。

そう時雨は覚悟していた。

そしてその目を見て、取り付けるかどうかという決断は容易だった。

 

「…決まりですね。じゃあ早速取り付けちゃいましょう」

「……」

ハルカの言葉に時雨は頷いた。

 

「ボンネットを開いて。ECUに後付けで搭載するの」

「…わかった」

そこから先の作業は比較的容易だった。

ボンネットを開き、ECUに先ほどの後付けパーツを取り付ける。

タイヤ交換やマシンメンテナンスを込みにしても、時間は1時間もかからなかった。

 

◇ ◇ ◇

 

「OK、これで完了ね!」

「…これで、本当に180キロ以上出るのかい?」

「はい!きっと出ると思います」

「……」

ワンエイティのエンジンルームにおけるECUを見る時雨。

ワンエイティの新たな一面が、パーツの取り付けによって見えるような…そんな気がした。

 

420馬力ワンエイティ、リミッターカット。

これでニトロを使えば200キロオーバー自体は容易に出来てしまうだろう。

そう考えると、さらなる強敵たちに対して準備は出来たと言えるのかもしれない。

そしてそんな思いに答えるかの如く、「マシンヘッズ」の残るライバルたちが時雨に迫ろうとしていた…。

(第20話End)

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