青いチビの使い魔   作:だしィー

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フーケ捜索隊

 ルイズSide

 

「ミス・ロングビル……、手綱なんて付き人にやらせればいいじゃないですか」

 

「いいのです。わたくしは、貴族の名をなくした者ですから」

 

キュルケのやつが手綱を握っている彼女にそう訊ねた。またっく、ホントお喋り好きなんだから。

私たちは今、盗賊『土くれのフーケ』から『破壊の杖』及び『竜の心臓』といわれる秘宝を取り返しに馬車でフーケのアジトと思われる森の小屋に向かっている。

 

「だって、貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」

 

「ええ、でも、オスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」

 

メンバーは私にリオン、キュルケ、タバサにキキ、ジンとチトセ、最後に案内にミス・ロングビルだ。

何故、私たちがこんなことをする事になったかと言うと、昨夜、学院に土くれのフーケが侵入したことが始まりである。

 

「差しつかえなかったら、事情をお聞かせ願いたいわ」

 

「うふふふ」

 

昨夜、フーケが現れ、学院の宝物庫から学院長個人の宝が二つ盗まれたの。そして今朝方、先生方と昨晩現場にいた私たちが学院長室に呼ばれて、色々な話を聞かれた。そして、フーケをどうするかの話になったとき、先生方は自分の身の心配ばかりで誰もフーケを追おうとしなかったのだ。

 

「いいじゃないの。笑ってないで教えてくださいな」

 

その時、私はトリステインの貴族としてとても悔しかった。皆、私なんかと違って魔法が使えるのに、たかが盗賊に恐れをなしているのだ。だから私はそんな中、杖を上げた。周りの皆は驚いて止めようとしたけど、『誰も行こうとしないじゃないですか』と言ったら押し黙ってしまった。

もちろん、私も考えがなかったわけじゃない。これで秘宝を取り返し、フーケを捕まえれば、もうこの先誰も私の事を『ゼロ』と呼ばないと思ったからだ。もう私は落ちこぼれなんかじゃないと皆に認めさせてやると思ったのだ。

 

「キュルケさん。言いたくないこと無理に聞くのはダメですよ」

 

「別にいいじゃないチトセ」

 

そしたら、キュルケとタバサ、ジンも杖を上げたのだ。私は驚きキュルケたちを見ると私だけじゃ心配だからとか私が目立つのがイヤだとか言ってきた。もう、心配なんて余計なお世話よ。これがさっきまで学院で話していたこと。そして私たちは、ミス・ロングビルが今朝早く調査して探し当てたフーケのアジトに皆で馬車で向かっている途中なのだ。ってか…

 

「キュルケ! 貴族としてみっともないわよ。人の過去を無理矢理聞こうとするなんて」

 

「なによ、ルイズ。ずっと黙ったままだったクセにいきなり」

 

「ふん。いいキュルケ、私たちは今からフーケを捕まえに行くのよ。わかってるの? それなのにあんたはベラベラと」

 

「あーもう、はいはい。まったくルイズったらそんなくだらないこと考えてたの? 大丈夫よ、たかが盗賊ぐらい。それに、最悪盗まれたお宝さえ戻ってくればいいわけだしね」

 

キュルケはため息を吐きながら肩をすくめる。これだからプライドの無いゲルマニアの人間は!

 

「あんたねぇ! これは大事な任務なのよ。真面目に……」

 

「ルイズ。あたしとしては、あんたが一番心配なんだけど」

 

「はぁ? なんで私が?」

 

人の話を途中で遮っておいてキュルケは訳のわからないことを言う。

 

「だってルイズ。あなた魔法使えないじゃない」

 

「うっ」

 

「それに、タバサやダーリンみたいに騎士じゃない」

 

「そ、それはそこのタバサの使い魔やチトセも同じじゃない!」

 

「まあ、チトセはともかく彼は大丈夫よ。よく朝ダーリンと訓練してるの見るけどなかなかやるわよ」

 

「む…。でもやっぱりチトセは魔法も使えないし、チトセのほうが…」

 

「あ、私は危なくなったら直ぐ逃げるので気にしないでください」

 

「…………」

 

キュルケがことごとく言い返してくる。途中チトセがサラッと逃亡宣言したけど…まあ、チトセだし。っじゃなくて、

 

「あーそれならっ…」

 

「あの、皆さん。ここからは徒歩でお願いします」

 

私がさらに文句を言おうとしたら、ミス・ロングビルが申し訳なさそうに言ってきた。馬車に乗っていたみんなはそれに従い、馬車を降りていく。私はなんというかモヤモヤした感じで皆を見ていたら

 

「なにをボケッとしている。早く降りていくぞ」

 

とリオンに言われた。別に呆けてたわけじゃないのに。っていうかあんた私たちの話聞いてたじゃないの!

 

「この先にある小屋が例の場所です。なにがあるか分かりませんので気をつけてください」

 

ロングビルはそう言って先頭を歩き、私たちを小屋まで案内し始めた。ふふふ、覚悟してなさいフーケ。絶対捕まえてやるんだから。そして私は『無能(ゼロ)』じゃないって皆に認めさせてやる。

 

 

 

 

 リオンSide

 

「わたくしの聞いた情報だと、あの中にいるという話です」

 

森の中の開けた所にある小屋を彼女は指を差して言った。その小屋は廃屋同然で、人の気配など全く無いように見える。本当に盗賊が居るのか?

 

「で、どうする? 突っ込むか?」

 

「危険」

 

キキがバカなことを言うがタバサがそれを却下する。

 

「でも、中の様子がわからないと、どうしようもないぞ?」

 

確かにその通りだ。情報が無いまま行動するなんてただの無謀にすぎない。だが、今のメンバーでどうにかできるヤツがいないのも現状だ。

 

「ふ・ふ・ふ。皆さんお困りですね!」

 

そんな時、いきなりチトセがアホ丸出しな顔でそんなことを言い出した。

 

「……何する気だ?」

 

「ジンさん。そんなゴミを見るような目をしないでください。私にいい考えがあるんです」

 

チトセは言うと、背負っていた剣。例の喋るうるさい剣を降ろし、鞘から抜く。

 

「おーい、嬢ちゃん。朝から俺を鞘に仕舞いっぱなしなんてひでぇじゃねぇか。ってかよ、俺は出来ればそっちの兄ちゃんのどっちかに使って欲しいんだけどよぉ」

 

「デルフさん。今から貴方に働いてもらいます。これはとても重要なことなので気を引き締めてください」

 

「俺の話を聞けよ! …仕事? なんだよ仕事って」

 

「いきます!」

 

チトセは相手の話も聞かず、デルフリンガーを大きく振りかぶりそして、

 

「てえぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

剣を小屋に向かってブン投げた。デルフリンガーは悲鳴を上げながら小屋の窓を突き破り中に入っていった。そして

 

「デルフさーん! 中はどうですかー!」

 

チトセがデルフリンガーに様子を聞いた。バカのやることは訳がわからん。

 

「……ひでぇ。こりゃあんまりだ。俺は天下のデルフリンガー様だぞ。ううっ」

 

小屋の中からデルフリンガーのすすり泣く声が聞こえてきた。

 

「デルフさーん。泣いてないで早く中の様子おしえてくださいよー!」

 

「あああぁ! だいじょーぶだよ! 罠もなにもねーよ! ケッ」

 

「大丈夫みたいですよ。さあ、行きましょう皆さん」

 

チトセはデルフリンガーからの報告を聞くとそそくさと小屋に近づいていった。なんとも無茶苦茶な行為だ。ハッキリ言って頭が痛い。

 

「…俺も行ってくる」

 

「私も行く」

 

「俺も行くぞ」

 

キキとタバサ、そしてジンはそう言い、小屋に向かい

 

「ならば、僕たちは外で様子を見ておこう」

 

「ダーリンが残るならあたしも」

 

「ちょ、またあんたは!」

 

「では、わたくしは周りを見てきますね」

 

僕とルイズ、それにキュルケは外で様子を伺いロングビルは森の中に入っていった。

 

「…………」

 

「ん? どうしたのダーリン?」

 

「何でもない」

 

僕は引っ付いてきたキュルケを追い払い周囲の気配を探る。

 

「おーい。とりあえず、盗まれたもん1だけだが見つけたぞ」

 

しばらくして小屋に入っていったキキ達が黒い長方形の箱を持って出てきた。が

 

「…っ!? お前ら走れ!!」

 

彼らが出て来たと同時に小屋の背後から巨大なゴーレムが姿を現した。

 

 

 

 




【とりあえず補足】

キキが白眼を使わなかった理由は、原作を覚えていたので必要ないと判断したためです。
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