青いチビの使い魔   作:だしィー

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目標の1か月以内更新が出来ない(;;)

今回の話はそのうち書こうと思っていた物です。

1話でちゃちゃっと書き終えようとしたらあーだこーだしてるうちに1万2千字越えしてた。

なので3つに分けて投稿です。

相変わらず途中途中で日本語が変だったりしてるかもしれません。すいません。

と、いう訳でちょっとした外伝です。

時系列としては15話~18話の間の辺り、ってかその間に有った事にしないとアッシュの出現に矛盾が起こるwww





外伝 鮮血の使い魔 1

イザベラSide

 

「はあぁッ? アルトーワ伯の主催する園遊会に出席しろですって!?」

 

私はその知らせを持ってきた騎士に中身の入ったワイングラスを投げつけて怒鳴った。部屋に待機させているメイド達は私の剣幕に脅えて体を震えさせ縮こませ、知らせを持ってきた騎士は投げつけられたグラスを避けずに当たり、ワインまみれでになった。

 

「はい。そのようにと、ジョセフ陛下からの御達しです」

 

しかし騎士の男はそんな無様な姿になったにも関わらず顔色どころか表情一つ変えずに淡々と私の言葉に返答した。

 

「生憎だけど私は行く気はないよ。お父様にはそう伝えな」

 

そんな部屋に入ってきてから一切表情を変えない騎士に対し私は少し恐怖を感じながらも私は行かないと睨み、言い返した。アルトーワ伯と言えばシャルル派で有名な貴族であり、お父様が王位についてからは税の滞納から始まり降臨祭にも宮殿に顔を出さない。

他にも王宮での催しにも(わざ)と遅刻をしてきたりとあからさまな挑発行為を繰り返してくる貴族であり、謀反を企んでいるとの噂は誰の耳にも届くほどの人物だ。

そんな人物の遊宴会に行くなど自ら断頭台に首を入れるような行為と同じ。絶対に行ってやるもんか。

 

「それは出来かねます。これはイザベラ姫殿下へジョセフ陛下からの命令(・・)です」

 

しかし騎士はやはり平坦で淡々とした声で私の言葉を否定する。お父様からの命令…その言葉に私は表情を強張らせ、スカートをぎゅっとつかんで俯いた。命令。そう言われてしまえば私には拒否ができない。

何故? と問われればお父様が怖いからだ。あの日から……シャルル叔父様が亡くなったあの時からお父様は別人のようになり、逆らう者は例え身内でも平然と処断していくようになってしまった。

実際、私の目の前でお父様と懇意だったはずのモリエール夫人が口答えしたら首をはねられた。しかも人を…それも仲の良かった夫人を殺したというのに、その時のお父様は

 

『ふむ、床が汚れてしまった。おい、掃除をしておけ』

 

と、ただゴミを散らかしてしまったと言うような反応をした。怖かった。それ以来、私はお父様の命令には逆らえない。

お父様からの命令と言われる度にあの時の事を思い出し、私も逆らえば夫人と同じになると早鐘のように心臓が鳴り体が震える。だから…

 

「……分かったわ。準備を、しておく」

 

だから私はそう答えるしか出来なかった。騎士は私の返答を聞くと無言で一礼し、(きびす)(かえ)して部屋から出て行った。

私は部屋の扉が閉まるとテーブルの(ふち)を掴み思い切り押し倒した。上に乗っていた食器類やワインが大きな音を立てて床に散らばり、その私の行動と音にメイド達はさらに身を縮こませてお互いに身を守るように寄り集まっていた。

 

「……支度をしな」

 

「…え?」

 

「明日の出掛け支度をしろって言ってんだよッ!!」

 

「ひぃッ!? も、申し訳ございませんッ!」

 

私は椅子に座りこみながらメイド達を怒鳴り散らした。メイド達は私の剣幕に慄き、急いで部屋から出て行く。

 

「~ッはあぁ…」

 

そして誰もいなくなった部屋で大きくため息を吐いた。八つ当たりであることは分かってる。それでも自分の中にあるこの感情を晴らさないとどうにかなってしまいそうだった。遊宴会、行きたくないなぁ。

だけど時間と言うものは戻る事も無ければ止まる事も無い訳で……。私が部屋で憂鬱になってベットで(うずくま)ってる間には一日が経ち、昼前には庭に用意された竜籠でお父様と共にアルトーワ伯の屋敷へと向かうことになった。

 

 

「おお、陛下。ようこそグルノープルへ。我々一同、陛下の行幸を首を長くして待っておりました」

 

リュティスから4時間ほどのでアルトーワ伯の屋敷へと到着し、竜籠から降りると人良さそうな笑みを浮かべながらアルトーワ伯が頭を下げて私たちを出迎えた。

 

「ああ、出迎えご苦労。愉快な催しを楽しみにしているぞ」

 

「ええ。ではこちらへ。当家の料理人が用意した最高の食事も用意しておりますので」

 

お父様はアルトーワ伯と軽く言葉を交わしながら会場へと歩いてゆく。私もお父様の後ろを付いて歩いて行きながら二人の会話に気味の悪さを覚えた。二人の言葉にはお互い相手を同じ人間と思っているのが疑わしく思うほど無感動的だった。人間、あそこまで相手を思わないで会話できるものなのだろうか。いつのまに私の周りの貴族ってこんな気味の悪い奴らばっかになったのかしら……。

 

「…はぁ、帰りたい」

 

ため息と共に小声でそんな事を言うも帰れるわけも無く。会場に用意された席へと案内された。

 

 

会場である屋敷の中庭では集まった貴族たちが思い思いに会話に花を咲かせていたり、遊宴会を盛り上げるために雇われた楽団や芸人達による(もよお)し。さらにはお父様に自分の事を売り込もうと魔法の実力を見せたりと、傍から見れば華やかで楽しげな遊宴会だろう。

だけど私はまったく楽しくも何もなかった。むしろこの遊宴会は苦痛以外何でもない。

あいつらは(わざ)となのかそれとも気づいてないと思っているのか、とにかく所々から悪意ある視線や言葉、嘲笑などが小さく聞こえてくる。

昔からあの娘(シャルロット)と比べられてきたから嫌でも直ぐにそう言う雰囲気を分かってしまい、そして気づいてしまうと、どうしてもその手の侮蔑を含んだ視線や言葉が入ってきてしまう。

慣れているとは言えやっぱり気分が滅入る。はぁ~、っと私は心に中で大きくため息を吐いた。

 

「そういえばイザベラ姫殿下はまだ使い魔をお持ちでないようですな?」

 

と、私がげんなりと遊宴会を過ごしていると、お父様と何かを話していたアルトーワ伯が微笑を浮かべながら訪ねてきた。

 

「…ええ。で? それがどうかしたのかい」

 

私はいつもの様に高圧的な態度を作りながらアルトーワ伯を威圧するように答える。一種の威嚇行動。こうする事で少しでも私に対して畏怖を抱いき、近づかせないようにさせようと言う私なりの処世術だ。しかし…

 

「いえいえ、大したことではないのですがね。姫殿下もそろそろ使い魔を持ってもよろしいお歳かと思いましてね。姫殿下の使い魔ならきっと強力で素晴らしい生き物が召喚されるはずです。そう、例えばドラゴンとか。…どうです? これを機に使い魔の召喚なのどをしてみては」

 

アルトーワ伯は私の威嚇に一切動じずにニコニコと人の良さそうな…、私にとっては人を陥れ様とする悪意に満ちた笑顔をしたまま言い返してきた。

私はアルトーワ伯の言葉から大体何を企んでいるのかを察した。

 

「ふざけるんじゃないよッ。この私に見世物みたいなことさせようって言うのかい? いい度胸だね」

 

ホントふざけたことを言う。何が私が召喚したならよ。ドラゴン? ふざけんじゃないわッ! 私に魔法の才能が無いことは知っているくせに。召喚される使い魔はメイジの資質に大きく左右されるなんて貴族であるならば誰でも知っている事だ。

才能の無い私がいくら頑張ったってドラゴンなんて召喚されるわけがないのだ。私の系統は水だから召喚してもカエルとかカニとか。下手して虫なんて出て来た日には完全に笑いもの。

つまりは、このクソジジィは私を笑いものにしたくて使い魔召喚を提言してきたのだ。

 

「めっそうもないありません。別にそのような心算(つもり)は毛ほどもありません。ただ、やはり使い魔と言う物はメイジの良きパートナーであり理解者でもあるのです。ですから姫殿下も…」

 

「うるさいねッ!! 私にはそんなものは必要ないのよッ。それ以上無駄口を叩くようならこの場でお前を…「おもしろい」…って、え?」

 

私が食い下がってきたアルトーワ伯を怒鳴り、これ以上喋らせないように脅し文句を言おうとしたらお父様がニヤリと口角を上げながら私の言葉を(さえぎ)った。

 

「先ほどから同じような出し物で飽きていたところだ。ちょうどいい。イザベラ、一つ楽しませてもらおうか」

 

「え、あ…で、ですがお父様。それは…」

 

「私の言うことが聞けないのか?」

 

[…ッ!? い、いえ。今から準備をします」

 

お父様の冷えた声と視線を受けゾクリと背筋に悪寒を感じた私はすぐさま席から庭の中央へと移動し、杖を出して召喚の準備をする。

ああ、なんでこんなことに。もう最悪。でも文句を言ったところでどうにもならないのは知っている。もしお父様にあれ以上口答えしようものなら……ぞわっと私はその時の事を思い体に震えが走る。

あーもう、余計な事は考えるのは止めだ。私は小さく息を吐き、召喚の呪文を唱え始める。

 

「我が名はイザベラ・ド・ガリア五つの力を司るペンタゴン我の運命に従い使い魔を召喚せよ!」

 

私は心ここに在らずと言う感じで事務的に召喚の儀式を行った。詠唱後、振った杖の先に姿見程度の大きさのゲートが開く。後はゲートの向こうから使い魔が出てくるのを待つだけだ。

さぁ、何が出てくる? できれば何か小動物出てきて。私は心の中でそう祈りながらゲートを見つめているとゲートに薄っすらと影が出てきた。あ、意外に大きい。影の大きさは人間ぐら……

 

「ふふぇッ!?」

 

バタリッとゲートから現れた、いや、倒れて出てきたのは鮮やかな赤い長髪で血まみれの男だった。

 

「って!? え? ちょっと!!」

 

私はつい素になって出てきた男に近づいてゆすった。よく見ると赤髪の男の刃物のような物で体中切り裂かれており、顔色も真っ青、呼吸も浅く弱弱しいものだった。つまりは死にかけである。

ど、どうしようッ!? ええ? どうすればいいのこれ!? 召喚の儀をしたら人間が出てきて、しかも死にかけってッ。

 

「うふふ、なにあれ?」「ダメよ。笑っちゃ」「くくく、さすがは姫さまだ」「ホントに。まさか死にかけの傭兵を呼び出すとは」「しかもあの赤い髪って」「ああ、野蛮なゲルマニア人だな」「ああ、姫さまにはぴったりだ」

 

周りの貴族たちは召喚された男を見ると私を嘲笑し始める。まったくッ! 笑ってないで誰か助けようって奴はいないのッ! 

 

「あーはっはっはっはっはっはッ! なるほどなるほど。これは面白い!」

 

「へ、陛下?」

 

私がどうすればいいかオロオロとしていたお父様が突然大声で笑い始めた。お父様まで……。アルトーワ伯もいままで感情をまったく表さなかったお父様が大笑いした事に驚いていた。

 

「いや、素晴らしいぞイザベラ。まったく良いものを見せてもらった。暇つぶしにと、こんなつまらない催しに気紛(きまぐ)れで来てみたら、まさかこのような面白いものを見れるとは思わなかったぞ」

 

くっくっく。と、お父様はニヤニヤと私と言うよりは出てきた男を視ながら本当に面白いそうに笑い続けた。

 

「つ、つまッ……。こ、これは陛下。それは誠にすみま…って陛下? どちらへ!?」

 

「帰るのだが?」

 

「へッ!?」

 

お父様の言葉に頬を引きつらせてながらアルトーワ伯が何か言おうとしていたら、お父様は突然立ち上がり帰ると言い出した。って帰るッ! え? 

 

「お、お父様ッ!? 私ッと、その、この男は?」

 

「お前の好きにしろ」

 

「え、好きにしろって…ええッ?」

 

好きにしろって、どうしろと? お父様の言葉に私が困惑しているのも気にせずにお父様は会場を出て行こうとした。が、

 

「へ、陛下ッ! お、お待ちください。そ、その、宴はまだまだ始まったばかりですし、そんなに直ぐにお帰りにならなくても…」

 

と、アルトーワ伯が帰ろうとするお父様を引き留めようとお父様の腕に触れた。

 

「貴様。誰が私に触れていいといった?」

 

次の瞬間、ボトリッとアルトーワ伯の両腕が肘先から地面に落ちた。

 

「あ゛ぁッ!?! う゛ぎゃあぁぁぁぁぁッ!! 腕ッ! 腕がぁッ!!」

 

「ひぃぃッ!?」「腕を斬り落したッ!?」「は、早く治療を!!」「とにかく止血をッ」

 

「地を這う虫けら風情が王に触れるなど。身を慎め」

 

お父様は腕を斬り落され(うずくま)ったアルトーワ伯や周りで騒ぎ始めた貴族たちの事など一切気にする事も無く、あの奇妙な形の剣についた血を払いスタスタと竜籠を止めた庭へと歩いて行き、そしてお父様を乗せたであろう竜籠がリュティスへと、私を残して飛び去ってしまった。

 

 

 

 

 




物語の元内容はタバサと暗殺者ですが、全力で改造しました。

地下水出てこないですし、アルトーワ伯は完全に悪役になってもらい、あまつさえモリエール夫人に至ってはすでに故人です。 

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