青いチビの使い魔   作:だしィー

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イザベラの口調が全く安定しない。

後、アッシュが無茶苦茶丸くなってるのでご注意を。


外伝 鮮血の使い魔 2

 イザベラSide

 

それからお父様が去ってしまった後、私はあまりにもな状況に混乱するも、とにかく召喚してしまった赤髪の男の治療をするために、屋敷へと運ばれて行くアルトーワ伯に便乗して部屋と治療のための秘薬、あとリュティスへ帰るための馬車の用意させた。まあ、その時に貴族たちに白い目で見られたが、いつものように威嚇して蹴散らした。

 

「ふぅ。これで多分大丈夫よね」

 

こんな私だけれども治療ぐらいはできる。とは言えドッドメイジなので傷口を塞いでの止血と傷の治りを早くする程度しかできないけどね。とにかく、応急処置ではあるけれども赤髪の彼を治療し、ベットへと寝かせている。

 

「はぁ。一体どういう事なんだろうね、これ」

 

召喚の儀で現れたこの男。ゲートがら現れたってことはこいつが私の使い魔ってことでいいのよね? だけど人間の使い魔なんて聞いたことが無いよ。しかもこの赤い髪。やっぱりゲルマニアの人間よね。うーん、持ち物を見た感じ杖は持ってなかったから貴族ではないけど……でも、ボロボロたけどあの着ていた黒い服はどうもただの傭兵って言うには上等過ぎる気がするし……。もしかして平民上がりの王宮騎士なのかしら? ゲルマニアじゃ例え平民でも武功を上げれば領地すら与えられるって聞くし。

 

「もしそうなら私ヤバイことしちゃった?」

 

もし本当に王宮関係の騎士であるなら外交問題になってしまう。あれ? でもじゃあなんであんなにズタボロな姿だったのだろう? もしかして何かしらの、例えば魔獣の討伐かなんかの任務中だったとか…。

それはそれでマズいわね。うーんと、私がゲルマニアから何かしらの抗議が来たらどうしようと、頭を抱えていたら部屋の扉がノックされ

 

「イザベラ様。馬車のご準備が整いました」

 

部屋の外から使用人がそう伝えてきた。私は分かったと伝えると寝ている彼を浮遊(レビテーション)で浮かべて連れ出し、他の荷物は使用人達に命じて馬車まで運ばせた。

馬車は長旅できる大型の物であり、内部で前後に別れていて、後部には簡素で小さいけどベットが備え付けてある。彼と荷物を後部のへと乗せて私は前部の方へと乗り込む。

 

「出発して」

 

私は御者に鋭く言い、馬車を出発させた。

 

リュティスまで馬車では普通に進めば約二日ほど掛かる。が、私はアルトーワ伯の屋敷を出てから何か嫌な予感がしたので、それこそ一日でも早くリュティスに着くように日が沈んでも馬車を途中にある街には止めずに馬と御者だけを交換し、夜通し走らせてリュティスへ向かえと命じた。 

 

「暗くて良くわかんないけど、半分は来たかね。……大丈夫、護衛の騎士も居るんだ。何も心配はない」

 

そして真夜中。私は胸騒ぎがして眠れずに窓の外を見て小さく大丈夫大丈夫と小さく呟くも、気休めどころかどんどん不安が強くなっていく。ふと、私が覗いていた方の反対側で小さく何かが光ったと思ったら

 

「え?」

 

ドゴンッ!と強い衝撃と音、そして熱が襲ってきた。攻撃された、そう認識した頃にはもう私が乗っている馬車は横倒しになっていて、外では怒号と刃物が打ち合う音が聞こえてきていた。

 

「野盗ッ!? なんでこんな時にッ!」

 

私はとにもかくにも逃げようとドレスが破けようか泥まみれになろうが構わずに馬車から這い出た。この時、命の危険と言う事もあり、例の彼の事をすっかり失念していたのはしょうがないと思う。私は悪くないッ!

 

「もうッ、護衛は何をやっているんだいッ! いくら夜襲を掛けられたからって野盗ごとき…に…?」

 

私は(わざ)といつもの悪態をついて自分を鼓舞して、恐怖心を振り払い周りの様子を見た。見たが、野盗など何処にも居らず、代わりにどう見ても騎士団と思われる一団が私の護衛の騎士達を攻撃していた。

 

「ちょ…、どう、なってるん…だい?」

 

いや、分かっている。あいつだ。あいつの騎士団だ。だってその証拠に

 

「おやおや姫さま。ずいぶんみすぼらしいお召し物で。いやはや、無能姫にはぴったりなお姿ですね」

 

そう言って両腕に包帯を巻いたアルトーワがニタニタと憎悪を込めた表情で現れた。

 

「ふんッ。これはこれはアルトーワ伯じゃないの。お父様に斬られた手は大丈夫なのかい?」

 

「ええ、この通り。どういう訳か如何(いか)な秘薬を用いても全くくっ付きませんでな。ええ、ええ。全く。これではもう二度と杖を握ることはかないませんで。本当にどうしてくれましょうねぇ」

 

「あらあら、それは大変だねぇ。ま、もういい歳なんだし介護されるには丁度いいじゃないかい」

 

「ふっふっふ。中々面白い事を言いなさる。さて、姫様。そろそろ虚勢を張るのは疲れるでしょう。先ほどから足が震えておいでですよ」

 

「ッ!?」

 

虚勢を張りながらなんとか逃げ道を探そうとしていたけどアルトーワにバレてしまっていた。私はすぐさま踵を返し、その場から逃げようとしたけど、

 

「フンッ!!」

 

「キャアッ!!」

 

いつの間にか護衛の騎士達を倒し終えたアルトーワの騎士が逃げ道を塞いでいており、私は腕を取られ地面に投げられてしまった。

 

「まったく、手間を掛けさせる。本当ならあの無能王共々今夜中に屋敷で討ち取ってやろうと思っていたのだが、あの無能の暴君がッ! 私の計画を無駄にした上によくも私の両腕をッ!! ふんッ、まあ今回はお前だけでも殺せれば良しとしよう。おい」

 

アルトーワが隣にいた騎士に視線を向けて私に対しあごをしゃくると、騎士は私に近づいてき、その手に握った剣を大きく振り上げた。

 

「あ…、ああ……」

 

ああ、私、ついに死んじゃうんだ。私はそう考えていながらも生きたいと言う本能に体は勝手に後ずさりをしていった。なんて生き恥の汚い事だろう。もう助からないと分かっているのに生きていたい、死にたくないと心の奥底で思っていた。

そして背中に木が当たりもう後ろへは移動できなくなり私は恐怖に顔を俯かせ目を瞑る。ごめんなさいシャルロット。あなたに今まで酷い事をしてしまって。ごめんなさい。私は最後にシャルロットに今までの事を心の中で謝り続けて、

  

 

 

そして………

 

 

 

「があぁッ!?」

 

「…ぁ?」

 

ザシュっという音と共に悲鳴が上がり、騎士が背中から血を噴き出させながら倒れてきた。

いきなり倒れてきた騎士に驚き、私は勢いよく頭を上げた。するとそこには…、

 

月明かりによって照らされた真っ赤な、まるで鮮血のような色の長髪をなびかせて立つ彼の姿があった。

 

 

 

 

 アッシュSide

「ぐッ」

 

俺は体の痛みを感じで目を覚ました。……いや、おかしい。なんで俺は痛みを感じてるんだ。これじゃあまるで生きてるみてーじゃねぇか。俺はあの時、ヴァンの私兵によって体を貫かれ、そして力尽きる直前にレプリカ野郎に俺の因子が渡っていくのを感じて確かに死んだはずだ。 

しかし、じゃあこの体の感覚はなんだ? 

 

「クソが。一体どうなってやがる」

 

俺はとにかく体の痛みを堪えて立ち上がり状況を確認する。

体中には包帯が巻かれており、傷の治療をした事がうかがえた。次に周りを見る。どうやら相当大きな馬車の中のようだが横転しており、荷物は散乱し、俺が寝ていただろうベットもひっくり返っていた。

 

「事故か、それとも襲われたのか…。それにしちゃあ外が妙に静かだな」

 

俺は散乱した荷物の中にあった一本の剣を拾い上げ鞘から刃を引き抜く。そしてゆくりと馬車の出入口から外の様子を(うかが)う。

確認できる範囲には人の姿は見当たらないが、人の、しかも複数の気配を感じる。俺はゆっくりと気配と足音を消しながら馬車から降り、気配のある方へと向かった。

 

「なんだ?」

 

物陰から気配を感じた方へと視線をやるとそこには数人の鎧をきた奴らと初老の両腕を包帯で巻かれた人物がボロボロのドレスでへたり込んだ青髪の女を取り囲んでいた。

どう考えても賊の類じゃねぇな。鎧を着た奴らは訓練された兵士だ。…するとあの包帯を巻いている奴が兵共の(あるじ)か。

……じゃああの倒れてる女はなんだ? 俺はさらに物陰から顔を出して周囲を確認する。

よく見てみると離れた場所に、服装が違う兵士3人と女を取り囲んでいる奴らと同じ鎧を着た兵士の死体が転がっていた。

 

「なるほど、そう言う事か」

 

俺は状況を簡単にだか把握した。つまりは貴族同士のゴタゴタなのだろう。死体や兵共の状況から考えてへたり込んでる女が殺害対象ってところか。

さて、どうするか。はっきり言やあ俺がなんで生きているのか、そして此処はいったいどこなのかと、分からねーことだらけだ。ただ、推測ではあるが、この馬車や俺が意識を取り戻した時の状況を思えば、多分だが今まさに殺されそうになっているあの女が俺を治療して馬車で運んでいたんだろう。

ならばどうする? 俺がどう対処するかを考えていると奴らに動きがあった。包帯の男がニタリ醜く顔を歪め首を動かすと隣にいた兵士が持っていた剣を構えて女へと近づいていき、女は顔を恐怖に歪めて後ずさり始めた。

 

「チッ。考えてる余裕はねーか」

 

俺は一つ深呼吸をし、痛む体を無視して一気に剣を振り上げた兵士へと走り込み、一閃。背中を袈裟懸けに切り裂いた。

 

「があぁッ!?」

 

「…ぁ?」

 

どさりと、切り裂いた兵士が倒れ、俺はそれを目端で確認すると女を守るような位置へと立ち、包帯の男と残りの兵士共へと剣を向けた。

 

「なんッ!? 貴様はッ!?」

 

「え…あんた…は…」

 

俺の姿を見ると包帯男と兵士は驚愕し、後ろの女は信じられないものを見たように呆けた声をだした。

 

「悪いが、この女を殺させるわけにはいかねぇ。今すぐ兵を引いてもらいたいんだが?」

 

「いきなり出てきて何を言い出すかと思えば。なるほど、主人のピンチに現れたか。たかが死にかけの傭兵のくせに使い魔としては優秀なようだな。しかし、残念ながらそうはいかぬのだよ。そこの姫様には死んでいただなければ、こちらとしては困るのでね」

 

「つまり、この女を見逃す気は…」

 

「無論、無い。が、そうだな。その女の前から素直にどければ貴様は見逃してやる。どうやら意識が戻ったばかりで状況を理解できていないと見える。さ、そこを退()くんだ」

 

ニタニタと女の前に出た俺に包帯男がそう言う。チッ、屑が。

 

「何が見逃してやるだ。テメェのきたねぇ面みりゃあ分かるんだよ。本当は見逃す気なんてねーってことがな。どうせ俺が退いて隙を見せた瞬間に斬りかかってくる腹積もりだろ」

 

「汚いとは言ってくれるなこの平民風情が。もういい、まとめて殺せ」

 

包帯男が指示を出して兵士共の後ろへと下がる。兵士共はそれぞれ獲物を構えて間合いを取り始め、俺も剣を構えてどこから攻撃をされても対応できるように警戒する。

 

「フレイムボール!」

 

俺の右側にいた兵士が人一人分程の大きさの炎の弾を飛ばしてきた。二人まとめて始末しようってか? いい考えだが、この程度ッ!

 

「はぁッ!」

 

「なんだとッ!?」「フレイムボールを斬っただと!??」

 

俺が横に剣を振り抜き、飛んできた炎の弾を斬り消した。

しかし、今のは譜術なのか? それにしちゃあ妙な感じだ。が、考えるのは後だ。炎の弾が聞かないと分かったら兵士共は剣を構えて俺へと斬りかかって来た。…流石に囲まれると厄介だな。女の方も守らねーといけねぇし。

 

「おいッ、女ッ! 邪魔だからどっかに逃げてろッ!!」

 

「………えッ? あ、わ、えっと、足が、私……」

 

「チッ、なら這ってでも移動しやがれッ!!」

 

「ひっ!? は、はいぃぃーッ!」

 

オロオロしていた女に一喝して無理やり移動させる。女は俺の言ったとおりにズリズリと奥の茂みへと這って移動した。これで邪魔者は居なくなったな。

俺は1対3にならないように細かく移動して常に相手と1対1になうように剣を交える。

 

「エア・ハンマー!」

 

「ジャベリン!」

 

前衛の3人の相手をしていると後ろにいた2人は譜術を使い、俺の動きの阻害。あわよくば仕留めようとしてくる。チッ、体が上手く動かねぇ。しかも傷が開いてきやがった。やはり長期戦は不利か。

ならば一気に片付ける。

 

魔王絶炎煌(まおうぜつえんこう)ッ!!」

 

「ぐあッ!」「う゛ッ!!」「ああッ!?」

 

俺は近づいて来た兵士共を払うように横薙ぎした後、剣を地面に叩きつけて灼熱波を起こし、敵を吹き飛ばし倒す。

そして次に俺は後衛の片方へと駆けて近づき、

 

双牙斬(そうがざん)

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁッ」

 

斬り下しの後、跳び上がりながら相手を斬り上げ仕留め、そしてすぐさまもう一人の後衛へと駆け寄り、三連撃を叩き込み絶命させた。

 

「な、な、なッ!?」

 

俺は一息、深呼吸して離れた場所で(おのの)いている包帯男へと近づいて行く。

 

「ひっ!? く、くるなッ! ……そ、そうだ!! 見逃してやる。い、いや見逃してくれ! もう命を狙わないと誓う。ほれ、私の腕はこの通り、な、無くなってしまっていて、何もすることが……」

 

「屑が。言いたいことはそれで終わりか」

 

「た、た、助けッ…がふぁッ!!」

 

グサリと俺は包帯男の胸へと剣を突き立て貫通させる。

 

「ふんッ。おい女。もういいぞ」

 

確実に息の根が止まったことを確認すると俺は茂みの方へと向き避難させた女へと声を掛けた。

 

 

 

 




テイルズキャラの術技の説明に関してはテイルズ用語辞典なる場所からコピぺしてます。 

後、どうでもいいことですが、この時のアッシュの恰好はズボンに上半身は包帯を巻いているだけでの半裸状態です。
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