青いチビの使い魔   作:だしィー

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久方ぶりの更新。

気づけば2ヶ月も経ってしまっていた。

これを書き始めたころは1週間で3話分ぐらい書けていたのに今じゃこんな体たらく(;;)

なるべく一ヶ月以内更新目指していきたい。




天空の虹翼

 キキSide

 

森を抜け広い草原を移動しながらシエスタが嬉しそうに村のことをあれこれ説明している中、俺は思った。タルブの村、発展しすぎじゃね?

 

まず民家。家そのものはどこの村でも見る一般的な物ではあるし広原と言う土地柄のおかげなのかある程度家々の間隔が開いているから密集しているとは感じないのだが、その家の数がどうしても“村”としての範囲を超えているのだ。

次に田畑及び遠くにある果樹園。普通の目視で認識する分にはまだ普通なのだが、白眼でさらに広範囲を視るとその広さが数倍に広がっていたりする。

そして最後にあの川に沿う様に建っている風車や色々な建物。あれが一番ヤバイ。白眼で視たけどこの世界的にみても高水準過ぎる(・・・)技術が使われた工場施設だった。

 

ここまで発展してる時点で村じゃねーよ! と俺は心の中で思い、なんでこんな事になってるんだよと考え、そしてまあいいやと思考放棄した。だって考えるだけ意味無いし。

 

「着きました。ここがその教会です」

 

思考放棄して普通にタルブの風景をボケっと見ていたらシエスタの着いたという言葉に意識を戻した。案内された教会は風がいい感じに吹いている小高い丘の上にこじんまりと建っており、特徴としては小さな風車が鐘楼と一体となっている事ぐらいでそれ以外はまさに田舎のって感じだ

シエスタはこちらですと言って教会の扉を開き中へ入って行き、俺達も教会へと入った。

 

「……あら? ねえ、どこに天空の虹翼があるの?」

 

教会内に入るやキュルケが中を見渡し首を傾げた。キュルケの疑問はもっともで教会の中は至って普通でありシエスタが話していたような秘宝があるように見えないのだ。

 

「うふふ。少し待っていてください。…えっと、ここを、こうっと…」

 

皆も秘宝は何処?と眉をひそめているとシエスタは含み笑いをして祭壇の奥に鎮座しているブリミル象(だと思う)に対して何か弄るとブリミル象が横にスライドして地下へと続く階段が現れた。

 

「あはッ! なにこれ!」

 

「隠し階段ですかッ! 秘密の地下室ですかッ!」

 

「へぇ、すごいな」

 

キュルケ、チトセ、ジンが現れた隠し階段を見ると目を輝かせて祭壇へと駆け寄り、ルイズやギーシュにモンモランシーも3人の後に続いて興味深そうにブリミル象の仕掛けを見始めた。

 

「これもひいおじいちゃんが作ったものなんですよ。天空の虹翼があるのはこの下です。足元が暗いので気をつけてください」

 

シエスタは悪戯が成功した子供のように笑顔になり、そして階段横に吊るしてあったランタンに赤い光を灯して階段を下りていき俺たちも後に続いていく。入口は一人分程度の幅しかなかったが少し進むと3人分ぐらいの幅となっており、狭苦しさを感じる事も無く地下室へと向かうことが出来た。

中に入るとシエスタは壁にあるランプへと火を付けて部屋を明るくさせる。すると…

 

「これが…天空の虹翼」

 

「おおッ。これはずごいッ!」

 

「確かに今までのガラクタとは訳が違うな。……それにこの部屋にある物も普通じゃない」

 

ルイズとギーシュは現れたソレに驚き、リオンは天空の虹翼だけではなく室内にある様々な道具にも興味深そうに観察していた。俺も室内にある様々な整備道具や結晶石を使った何かしらの装置や秘薬などを見て回る。

 

「ってかなんとなく察しはついてたけどやっぱりレアバードなのな。しかもファンタジア仕様」

 

俺は部屋の中央に鎮座している天空の虹翼ことレアバードをみんなが見たり触ったりとしてるのを眺めながら俺はボソリと呟いた。ってーかここまで来るとゼロ魔世界と言うよりテイルズオブ世界に来たって言われても違和感ないなー。まあいいか。どっちも好きだから個人的には全然問題無いし。

 

「……なあ、シエスタのひいおじいさんの名前ってなんて言うんだ?」

 

「えっと、アーノルドと言います。アーノルド・D・モリスン。それがひいおじいちゃんの名前です」

 

「そっかー。………モリスンか」

 

「?」

 

レアバードを嬉々として見ていたジンが曾爺さんの事をシエスタに聞き、そして返ってきた名前に勝手に遠い目になっていた。しかしモリスンさん一族かぁ。聞き覚えのない名前だから未来モリスンさんの子孫とかその辺りの人なんだろうなー。

 

「でも残念ね。これってもう飛ばないんでしょ?」

 

「はい。ひいおじいさんが亡くなった今となってはもう動かし方すら分かりませんから」

 

と、モンモランシーの言葉にシエスタは申し訳なさそうな表情になり、それから一通りレアバードを見て満足したのかキュルケ達もそろそろ上へ戻ろうかとしていたら、

 

「あ、これ直せますね」

 

と、チトセがレアバードの横の装甲を外して何でもないように言った。ってかどうやって外したんだ? …まあチトセだし気にしてもしょうがないか。で、そんなチトセの言葉にキュルケ達は驚きに表情を変え、そしてチトセへと駆け寄った。

 

「ちょっとチトセッ! それ本当なの!?」

 

「はい。中を覗いてみたんですけど、多分これが動かないのって動力系のトラブルなんだと思うんです」

 

「ドウリョクケイ? えっと…?」

 

「はい。まずこの乗り物は空気中にある何かしらのエネルギーを変換して推進力をしているんだと思うんですね。それでですね、その際の……………………《未知の言語》…………………で、ってあれ?どうしたんですか皆さん?」

 

キュルケの疑問にチトセは超科学な専門用語やら論理やらをそりゃあ細かく語り始め、そして1時間ほどたった頃にやっとこさ俺も含めて内容をほぼ理解できていないことに気づいてくれた。さすが腐ってもトランスバール軍の特殊部隊の隊員だ。

 

「チトセ、もう説明はいいからさ。とにかくこいつはまた動かせるように出来るんだな?」

 

「もう、さっきからそう言ってるじゃないですか。ジンさんは蘭花先輩やミルフィーユ先輩と同じで頭空っぽ系の人なんですか?」

 

「頭の中が沸いてるお前に言われたくねぇッ!」

 

チトセの自然に流れ出る罵倒にジンがいつも通りに怒鳴り返す。まあそんなことはどうでもよくて、とにかくチトセ曰く、動力部の所をなんとかすればレアバードは飛ぶようになるそうだ。

 

「シエスタさん。もう少しコレを調べさせてもらってもいいでしょうか?」

 

「別にかまいませんよ。それにまたこれが動いたらおじいちゃん達も喜ぶかもしれませんし」

 

「ありがとうございます。では…」

 

シエスタの許可を得るとチトセはスカートの中から工具セット(どうやって収納していたかは不明)を取り出し、レアバードをいじり始めた。

 

「それじゃあここはチトセに任せて私たちは上に戻りましょ」

 

キュルケは言うと出口へと向かい階段を上って行き、そしてルイズにリオン、ギーシュ、モンモランシーも上へと戻って行き、

 

「お前はどうする?」

 

「俺はこいつが何かやらかさないか見張っておく」

 

俺はジンの返答に分かったと言ってタバサの後に続いて上へと戻った。教会から出ると日が傾いており、この場所と相まって夕日がまさにイベントCGの様な光景が広がっていた。

 

「ねえ、この後どうするの? この村に宿ってある?」

 

「はい。小さいですが行商の方々が泊まるための宿があります。この時期であればお部屋の方は大丈夫だと思いますので、今日はそちらの方へお泊りになってください。お夕食に関しては宿の近くにお店がありますので準備が出来たら呼びに行きます」

 

ルイズの問いにシエスタは笑顔で言葉を返した。

 

 

 

 

 リオンSide

 

教会の地下で天空の虹翼を見た後、僕たちはシエスタに案内されて宿へと向かった。宿に入り、シエスタが事情を説明すると、宿の主人らしき柄の悪い男は部屋割りは自由にしていいとやる気のなさそうな表情でカギを幾つか渡してきた。

 

「む、ちょっと何そのよ態度ッ。客に対して失礼じゃないの?」

 

「あ? うっせーガキだな」

 

「なぁッ!? ガキですって! 貴族に対してなんて口の利き方するのよッ! 無礼にも程があるわッ」

 

「わわわッ、すいませんルイズさん。この人誰に対してもこんなんで…。アシキさんもッ! 少しはお客さんに対する態度をちゃんとしてくださいって言ってるじゃないですか」

 

「あーはいはい」

 

アシキと呼ばれた男はルイズとシエスタの言葉なんぞ一切聞く耳持たずに欠伸(あくび)をして眠り始めてしまった。さすがに宿の人間としてその態度はどうかと思うのだが…。

 

「もぉ~。すいません皆さん。この人の事は無視しちゃって構いませんのでお部屋でお寛ぎください。もし何かご入り用になりましたら向かいの店でお夕食の準備をしてますのでお手数ですが呼んでください」

 

シエスタは本当に申し訳ないという表情で頭を下げて向かいにある飲食店へと歩いて行った。

 

「じゃあ部屋割りは私とダーリンは決まってるとして…「ちょっとッ!」ってなによルイズ?」

 

「何よじゃないでしょキュルケッ! 何あんた勝手にリオンと同じ部屋になろうとしてんのよ!」

 

「別にいじゃない。自由にして良いって言ったんだから」

 

「だからってなんであんたとリオンでの2人部屋なのよッ! そうやってまた発情して、この節操無しの乳女ッ」

 

「なによッ! 悔しかったら大きくなってみなさいよこのぺったんルイズ」

 

ぐぬぬ、とバカの一つ覚えの様にまたルイズとキュルケが騒ぎ始める。毎度の事ながらうるさい奴らだ。

 

「はぁ。そんなもの男女で適当に割り当てればいいだろ。こちらは3人しかいないから1部屋で十分だ」

 

このままではいつまでも言い合いを続けるだろう二人に僕は嘆息しながら言い含め、僕は3人部屋のカギを手に取り2階へと向かった。

 

「え、僕はモンモランシーと…」

 

「はぁ? 何ってんのよギーシュ。別々にきまってるでしょ」

 

「そんなぁッ。僕たちは恋人同士じゃ…」

 

「あら? いつ私が貴方とよりを戻すなんて言ったの?」

 

「ええッ!?」

 

上へと向かう途中、ロビーでギーシュがモンモランシー相手にわたわたと騒いでいたが直ぐに肩を落としてトボトボと歩いて階段を上ってきた。何かあったのかは大体察しが付く。こいつもこいつで懲りない奴だ。

結局、部屋割りは僕とギーシュとキキ、キュルケとタバサ、モンモランシーとルイズの3・2・2と言う形に落ち着いた。部屋に荷物を置いた後ギーシュはベットへと潜り込み、キキは軽く散歩してくると出掛けて行った。

 

「……ふむ。僕も少し出るか」

 

誰に言うでもなく一人呟き部屋を出る。と、同時にに隣の部屋の扉が開き祈祷書を抱いたルイズが出てきた。

 

「あ、リオン。どこか出掛けるの?」

 

「する事も無いから少し散策に出ようかとな」

 

「そうなんだ。私も一緒に言っていい?」

 

「僕は別にかまわないが、お前は何か用事があったんじゃないのか?」

 

「用事と言うより(みことのり)の言葉を考えようと思って」

 

僕の疑問にルイズは抱きかかえていた始祖の祈祷書と呼ばれる本を見せて答えた。詔は結婚式で選ばれた巫女が言葉を考え祈祷書を手に詠み上げるもので、ルイズは来月おこなわれるアンリアッタとゲルマニア皇帝の式でその役目をアンリエッタから指名され祈祷書をオールド・オスマンから預けられた。

それ以降、ルイズは度々(たびたび)祈祷書を前にしてはうーんと唸っていたのだが、どうやら未だに内容が出来ていないようであった。

 

「そうか。と言うかまだ出来ていないのか」

 

「…む。しょうがないじゃないのよ。私こういうの初めてなんだもん。それに色々考えてたら何が良いのか分かんなくなってきちゃって…。なにより王族の結婚式だし無様な詩を詠むわけにはいかないもの」

 

「まあ気持ちは分からないでも無いが考え過ぎて間に合わなかった、なんて事にはならないよう気を付けるんだな」

 

「むぅ、分かってるわよ。だから気分転換にちょっと散歩に行こうとしてたのよッ」

 

僕は軽く冗談を言ってやるとルイズは口を尖らせてそっぽを向いてしまった。

 

「ふっ、冗談だ。本気にするな」

 

「リオンが冗談言うなんて珍しいわね。ま、いいわ。それじゃあ行きましょう」

 

僕の言葉にルイズはジト目で睨んできたがすぐに機嫌を直し、階段を下りて行った。まったく、相変わらずコロコロと表情が変わる奴だな。僕は小さく苦笑し、ルイズ後を追って共に散歩へと出かけたのだった。

 

 

 

 

 

 

~チャット~

  『タルブの村』

 

キキ「しっかし、広い村だな」

 

タバサ「……とてもよい村」

 

キキ「だな~。子供(ガキ)共も元気いっぱい……」

 

活発な少女「今度はあっちに行こうよッ!」

 

ひ弱な少年「ええッ!? もう日が沈むし今日は帰ろうよぉ」

 

活発な少女「まだ大丈夫だって! イケる、イケる!」

 

褐色の少女「バイバッ! そうだよ。まだまだダイジョブだよッ」

 

能天気な少年「でも前にも同じようなこと言って森で迷子になって怒られたじゃんかよ。俺もう拳骨くらうのヤダぞ」

 

キキ「…………あれは他人の空似。俺は何にも見なかった」

 

タバサ「?」

 

 

 

 

 

 

 




【蛇足的補足】

・レアバードが天空の虹翼と呼ばれる由来は羽の色が虹の様にカラフル仕様だからです。

・アーノルド・D・モリスンはハロルド・D・モリスンの孫と言う設定です

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