二ヶ月目が過ぎる辺りでやっとこさ筆が進むダメ作者です。
ラスボスとか4人の使い魔のメンツとか後日談とか考えてあるのにそこまでの話が書けん(;;)
せめて今年中には原作3巻の内容を終わらせたいです。
キキSide
朝。と言っても昼近いが、例の教会からレアバードを引き上げて俺たちは学院へと帰途についた。
ちなみにレアバードを地下から出す時、教会内の床が開き地下からレアバードがせり上がってくる様子は心が躍った。
帰りはシルフィードにレアバードを運んでもらう為、シルフィードに乗って学院に色々と説明したり誤魔化したりするための人数は4人までが限度らしく、話し合った結果はタバサ、ルイズ、キュルケ、そしてチトセで決まった。
「それじゃあ、学院で」
と、ルイズ達はシルフィーの羽ばたきと共にあっという間に空の彼方へと消えて行った。
そして、ルイズ達を見送った俺、リオン、ギーシュ、モンモランシー、シエスタ、ジンの6人は馬を連れながらゆったりと学院へと向かうのであった。
帰り道はこれと言った寄り道をしないため、1日と半日で学院へと帰ってこれた。
「おー。飛んでるなぁ」
「ほう」
「わあッ! 本当に飛んでます!」
「おお!」
学院の敷地内に入ると右手の広場に上を見上げているタバサ達の姿があったので疑問に思い同じように見上げてみるとレアバードが空を舞っていた。それを見て俺、リオン、シエスタ、ジンとそれぞれ感嘆の声を上げた。マジ感動! めっちゃ乗りたい!
俺は内心ワクワクしながらとりあえず馬を急いで
「おや?」
馬から鞍やら荷物やらをちゃっちゃと外して管理人さんに返却し、タバサ達の所へと戻ると学院長さんが増えていた。
「ん? おお、お主たちも帰ってきたか。怪我も無いようでなによりじゃ」
学院長は俺達が駆け寄ってくるのに気づくと微笑みながら話しかけてきた。
「オールド・オスマン。ただ今帰りました」
学院長にジンが言葉を返すとそれに倣いギーシュとモンモランシーもそれぞれ挨拶を返し、俺とリオンはここの生徒では無い事もあり、軽く頭を下げる程度の返しをした。
「うむうむ。しかしあの娘らがあのマジックアイテムを持って帰って来た時には驚いたぞい」
「オールド・オスマンは天空の虹翼をご存知で?」
「噂話程度にの。実物を見るのは初めてじゃ。昔わしがマンティコア隊を率いていた頃に竜と同等かそれ以上の速さで空を駆けるマジックアイテムが有ると噂好きの部下が話していたのを覚えとるよ」
ギーシュの問いに学院長は昔を懐かしむように答える。その答えに上を向いていたタバサ、ルイズ、キュルケ、ギーシュ、モンモランシー、ジンの6人が一斉に学院長を驚愕の表情で見た。
「え、うそッ!? マンティコア隊を率いていたってつまり隊長ってことですか!!」
「ホントですかオールド・オスマン!?」
とルイズとキュルケが学院長に詰め寄った。他の4人も詰め寄りはしなかったけれども顔には信じられないと出ていた。まあ、確かに俺が知ってる範囲でも学院長の行動はアレだしな。
学院長はそんなルイズ達を見て得意げな表情になり自身が如何にすごいメイジであったかを嬉々を自慢し始めた。
俺は関心が全くなかったので同じように学院長の話に興味を示さずにいるチトセとリオンと共にレアバードの観察を再開した。
「………ん? あ? なあ今あれに乗ってるのって誰だ?」
俺は庭にいるメンバーを再度確認して疑問を口にした。だって旅行に行ったメンバー全員庭にいるしわけだし。リオンもそう言われればと顔に疑問を浮かべチトセを見た。
「あ、今乗っているのはジャンさんですよ」
「………誰?」
「ジャンさんですよ。ほら頭髪の無い眼鏡の先生の」
「ああ、コルベール先生か」
チトセの説明に俺はなるほどなぁと納得し空を見上げ直す。
ってかチトセの奴コルベール先生の事名前呼びなのか。説明してくれなかったらホントに分からなかった。
しばらくするとレアバードが空中で留まり、ゆっくりと地上へと降下して来た。
「チトセくんッ!! これはなんてすごいんだッ」
レアバードを着陸させると同時に乗っていたコルベール先生が顔を輝かせてチトセへと駆け寄り口早に喋り出した。
それはそれはもう途中から何言ってるのか分からないぐらいの勢いで喋るわ喋るわ…。まあ途中から訳わからなくなった理由としてチトセも喋り出したってのもあるけどな。
そんな感じで2人が白熱した会話をしていると学院長の自慢話が終わったのか、それともレアバードが着陸したのに気づいたのかルイズたちもこちらに戻ってきた。
「ほっほっほ。なかなか楽しそうだのぉ。で、ミスタ・コールタール。そのマジックアイテムはどうじゃった?」
「私の名前はコルベールです。…そうですね。これは私の理想とする物の一つと言っても過言ではありません。この天空の虹翼の技術を解析し使えるようになれば飛行船は今よりもより大きく、そして大量の積荷を迅速に運べるように……。それどこころか、」
「これこれ、落ち着きたまえミスタ、…コ、コルベー……ザ?」
「あ、これは失礼。つい白熱してしまいまして…。あと失礼ついでに私はコルベールです。いい加減覚えてくださいクソジジィ」
「……ちょっと名前を間違えたくらいで年寄りに対してなんという暴言を。まったく最近の若者は…」
やれやれ嘆かわしい、と学院長は自身の非を棚に上げコルベール先生対して酷い人だと肩をすくめた。これが世に言う老害といわれる生き物なのだろう。まあきっと冗談半分なんだろうけど。
さて、ではでは俺も、と思いレアバードのそばで屈んでいるチトセに乗せてもらおうと声を掛けると
「あ、すいません。これから再調整するので今回のテスト飛行は終わりです」
と言われた。楽しみにしてた分俺の心にそこそこのダメージが入った。正確には前世のちょっとした嫌な記憶が蘇った。
しっかしなんで嫌な事ってのは記憶に残り続けるんだろうな? ちょっとした切っ掛けの度に思い出すの何とかならないだろうか…。まあいいや。
「……明日、また乗れる」
俺とチトセのやりとりを見ていたのか横からタバサが慰めの言葉を掛けてきてくれた。態度や表情には出さないようにしていたはずなのだが…。俺が暗に別に気にしてないし的な返答をしたら悲しそうな雰囲気を出していたと言うような事をさらに言い返された。く、少し恥ずかしい。
リオンSide
僕らが学院に帰った翌日。ゲルマニアでおこなわれるアンリエッタの結婚式参列のためルイズと僕は朝靄の掛かる中、学院の玄関先にて王宮からの馬車を待っていた。
「しかしまさか、帰ってきた次の日がゲルマニアへと向かう予定になっていたとは驚きだ。何かしらのトラブルで帰ってこれなかったらどうするつもりだったんだ?」
「うう。しょ、しょうがないじゃない。忘れてたんだから…」
式は1週間後なのだがここからの移動に3日。さらに向こうに着いてから式前に行われる簡易な社交会の催しや他の細かい準備などをするため王宮から今日の朝に馬車を寄こしてくれる予定らしい。
昨夜、僕が祈祷書を前にうんうん唸って
「はぁ、まったく。お前はいつもいつも後先を考えず感情だけで動くからこんなことになるんだ。大体、詔が1節も出来ていないと言うのはどういうことなんだ? あの旅行中に完成させると言ったのはどこの…」
「あーッ! うるさいうるさいうるさーーーい! 分かってるわよッ。私が悪いって!! でも考えても考えても良い言葉が浮かばないんだもん! しょうがないじゃないのよッ!!」
「ええい、
「ぐぬぬ…」
ルイズが悔しそうに僕を睨みつけるが実際悪いのはルイズであり、本人も分かっているらしいのでこれ以上噛みついては来ず、祈祷書を開き顔を隠すように埋めた。
そして同時にブツブツと祈祷書越しに僕に対する文句が漏れてきた。どうやら本人は聞こえてないと思っているようなのだがバッチリと聞こえている。はぁ、まったく。
「ん?」
「…? どうかしたのリオン」
「いや、妙だ」
僕は静かな早朝の空気の中、
靄で見え難くなっている学院の門を目を凝らして視ていると大きな影が現れ、すぐに馬で駆けてくる1人の兵士であることが分かった。
兵士は馬を厩舎へ預けるどころかどこかに手綱をつなげることもせずその場に放置して僕たちの横を一切見向きもせず走り抜けて学院へと入って行った。
「何かあったのかしら?」
「さあな。ただ厄介事なのは確かだろう」
「厄介……」
「ルイズ? …っておい!?」
駆けて行った兵士の様子と僕の言葉にルイズは不安そうな表情になり何事か考えるようなそぶりをした後、突如として駆けだした。何なんだいきなり?
「ごめんリオン。なんだか嫌な予感がするのッ」
「いきなり何を…? おい待て」
制止を聞かずに遠ざかっていくルイズの背中に小さく悪態をつき、僕はルイズを追った。
やはりというかルイズは先ほど兵士を追っているつもりのようなのだが、兵士の姿はすでに見当たらない。
しかし、ルイズは迷いなくどんどん進んでいった。
「おいルイズ。さっきの兵士が何処に行ったのか分かるのか?」
「知らない! でもあの兵士すごく慌ててたし、そんな火急の用だとすればオールド・オスマンの所に行くはず。だから行先は学院長室だと思う」
「…ほぉ」
僕の質問に淀み無く答えたルイズに目を見張った。いつもの感情的で突発的な行動ではあるものの、稀に見せるルイズの中の何かが発揮されている様だった。
そして僕らが学園長室の前まで到着すると中から小さく会話が聞こえ、ルイズは扉に張り付き聞き耳を立て始めた。僕も扉に近づき耳を澄ませる。
『我が軍の艦隊主力はすでに全滅、かき集めた兵力はわずか2千。未だ国内は戦の準備が整わず緊急に配備できる兵はそれが精一杯のようです。しかしそれらよりも完全に制空権を奪われたのが致命的です。敵軍は空から砲撃をくわえ我が軍を難なく蹴散らすでしょう』
『現在の戦況は?』
『敵の竜騎兵によって、タルブの村は炎で焼かれているそうす……。一部の村人達とわずかに残っている騎士達が反抗している様なのですが……。同盟に基づき、ゲルマニアへ軍の派遣を要請しましたが、先陣が到着するのは3週間後とか……』
「そんな、シエスタの故郷が……」
「なるほど、見捨てたか」
「…えッ!?」
「ゲルマニアはトリステインを切り捨てたと言う事だ。
元々ゲルマニア側としてはトリステインを取り込んだ所で土地も財も微々たるもの。唯一の収穫としてはトリステイン王家の血、正確に言えば始祖の血統を取り込めることだ。が、それに対してレコンキスタとの明確な対立と言うデメリットを背負うにはメリットが小さいと判断されたんだろう。
奴らの戦力がどの程度が分からないが、こちらの艦隊が全滅した以上タルブの村は占領され、そこを拠点に一気に首都へと進軍されることになるだろう。そしてゲルマニアはこの国が落ちるのに…いや、首都が戦場になるのに3週間程度と踏んだってとこか」
「……ッ!」
僕が室内の会話の内容からこの先起こるであろう戦争の動向を簡単に話す。推察も粗く、実際の戦場や軍行では様々な事が起こるのだし、更に言えば政治を行っている貴族の者達の気紛れによってはちょっとした小競り合いが大きな争いに、逆に長期にわたるだろう争いがたった数日でなんてこともある。
僕の話した事なんてまさに一番単純なものだ。しかしルイズはそんな内容でも胸に抱いている祈祷書を強く握りしめ顔を俯かせて震えていた。
さすがにこればかりはどうにもならない。フーケを捕まえに行ったりウェールズに手紙を渡しに行ったのとは全くの別物だ。個人でどうこう出来る物ではない。ルイズもそれを分かっていて震えているのだろう。
僕はそう思い声を掛けようとしたら……
「ッ!? ルイズ!」
またもルイズは突如として走り出した。僕はすぐさまルイズを追いかける。はっきり言って嫌な予感しかしない。
ルイズは一旦庭へと出るとそのまま別の建物へと向かって行く。あそこは確か……やはりそう言う事か。
僕はルイズが何をしようとしているのかを確信し、ルイズの腕を掴み止まらせる。
「ちょ、リオン離して!」
「ルイズ、タルブの村に行くつもりかッ」
「そうよッ! 決まってるでしょ! 天空の虹翼ならあっという間に行けるわッ」
「行ってどうするつもりだ。それ以前にあんな目立つ物で向かったら瞬く間に撃墜されるだけだぞ」
「どうするもなにも助けに行くのよ! それにアレは竜よりも速く飛べるんでしょ!?」
「そんなのは噂だろ。それに本当だとしてもそれを自在に操れるのか? 大体敵の艦隊はどうする!」
「そんなの……どうにかするわよ!」
ルイズの言葉に僕は大きくため息をついた。言ってることが無茶苦茶だ。
「ルイズお前は…」
「なんですか朝から~? うるさいですよ~」
「チトセ?」
僕がさらに言いつのろうとしたら昨日レアバードを格納した古ぼけた建物からチトセがあくびをしながら出てきた。
「で、どうかしたんですか?」
「チトセお願いがあるの!」
ルイズはこれ幸いにとチトセの奴にタルブの村のことや先ほど学院長室で聞いた事を説明し始めた。まずいな、こいつのことだから確実にルイズに協力するだろう。チトセは話を聞き終えてうんうんと頷ずくと
「ルイズさん素晴らしいです! 平和のため人々の為に命を散らそうと言うんですね!」
「えっ? い、命を!?」
「分かりました。任せてください。本来はきちんと安全を確認した上でリミッターを解除し色々取り付けようと思いましたがルイズさんの為です。安全なんて二の次で取り付けます。例え空中で分解爆散するようなことになろうとも!」
「爆ッ!? ええッ!!」
「待っていてください! 今すぐパパっとシュバっとやっちゃいますね!」
「ちょ、待ってチトセ! 待ってーーー!」
一方的に話し終えたチトセが反転建物内に入って行き、そしてルイズの叫びはむなしく響くだけだった。
「……ど、どうしようリオン」
「自業自得だ」
先ほどまでの威勢のよさは何処へやら。ギギギと言う音が聞こえそうなほどの動きで僕を見るが一言で切って捨ててやった。
最近、この作品を書いていてこんなんじゃなかった感がハンパない。
やっぱり時間を空けすぎて書いてるとこんなんになってしまうのだろうか……。