あと、いつも通りって言ったらアレだけれども後半の戦闘描写(?)がグダグダしてしまった。
更にタイトルも適当になってしまったwww
アッシュSide
俺とエドナはアンブランの村を出てから30分と経たずにコボルドの住み着いていると言う廃坑の入り口付近まで到着した。
エドナが言うには厩舎の馬が減っていなかったそうで、爺さんはどうやら徒歩でコボルドの住処までいどうしたらしい。実際、あの爺さんが着ていた甲冑の足跡がここまであった。
「クソッ、あの爺さん一体どんだけ早くに村を出やがったんだよ」
俺は馬を離れた場所に置いてエドナと共に廃坑の様子が
ここまで馬ではあっという間だったが、徒歩では1時間ほどかかる距離だ。だから途中で追いつけるかと思ったんだが…。
あの爺さん、どうやら相当早くに屋敷を出たようで全く追いつくことが出来なかった。
「お爺ちゃんって行動的だから」
「歳を考えろってんだ。……見張りがいねぇな」
俺は無駄話もそこそこに見張りの無い廃坑の入り口へといつでも戦闘に入れるように周囲を警戒しつつ、素早く近づいて行く。
「…ッ!? お爺ちゃんの!」
同じように辺りを警戒しながら付いて来たエドナが入り口近くに転がっていた見覚えのある槍を見つけて目を見開き拾い上げた。
コボルドってのは人間を攫ってはその群れ独自の儀式の生贄に使う習性がある。ここに爺さんの死体が見当たらねぇ以上、儀式の贄として奥に連れて行かれたんだろう。
「は、早く助けなきゃッ」
「落ち着け。幸い…と言っていいが分からないが奴らが爺さんを生贄にするために連れてったんなら、すぐには殺されねぇはずだ。むしろ下手に騒いだせいで爺さんをさっさと始末されかねない。慎重にいくぞ」
「…分かったわ」
俺の言葉にエドナはぐっと拾った爺さんの槍を握りしめて早く進みたいのを我慢するように頷いた。
しかしだ、いくらすぐにはとは言っても限度はある。見張りが居ないって事はまだ中で儀式の準備をしているのか、またはその途中か…。
とにかく慎重にとは言ったが爺さんがどれくらい前に捕まったか分からねぇ以上、出来うる限り早く助けねぇとな。
「おい、その槍は置いていけ。邪魔になる」
「嫌よ。これは大切な槍なんだから」
「ふざけんな。大体、そんな不釣り合いな槍と今持ってる傘でまともに動けねぇじゃねーか」
「別に問題無いわ。いざとなったらゴーレムでも生成して使わせるから」
「……ったく」
好きにしろ、とエドナの態度に俺はため息と共に言葉を吐き出し、廃坑の中へと踏み入った。
坑道内は当たり前だが灯りなど無く、奥へ向かうにつれて当然入り口からの光は届かなくなり暗くなっていく。
俺は用意しておいた小さなランタンの中の火石を灯し、辺りを照らした。
「こりゃあ、迷路だな。目印がなきゃ迷ってたな」
と、俺はコボルド共が爺さんを引きずっていったであろう地面の跡を見ながら慎重に進んでいった。
「……止まって」
「あん?」
「この先の曲がり角。大きな空間がある」
「分かるのか?」
「地の系統のメイジは触れた地面からある程度の周囲の地形とかが分かるのよ。特に私のようなとても優秀なスクウェアメイジならより広く詳しく地形の把握ができるわ」
エドナはどうだと言わんばかりの表情で俺の事を見てきた。
俺はそんな態度に対し小さく嘆息してからそうか、と一言返しランタンの灯りを消す。すると薄っすらとだが曲がり角から光が漏れ出ており、どうやらこの先の空間が奴らの居る場所ようだった。
俺達はゆっくと音を立てないように進み坑道の切れ目から空間の中を覗き見ると、そこは鍾乳洞となっていた。
鍾乳洞内はあちこちに火が焚かれ中央には大きな篝火と寝台のような大岩があり、大岩の上には爺さんが横たわっていて、それを中心に扇状にコボルド共が集まって何か騒いでいた。
さて、どうするか…。コボルドの数は聞いていた数よりかは少ねぇようだが。
爺さんをあの中から助け出せさえすれば、後は廃坑から撤退する際に奴らごと廃坑を潰してやる事ができるが。
「あいつら…」
その呟きに横を向くとエドナがギリッと奥歯を噛みしめて怒りを露わにしていた。まあ爺さんの事を見ていきなり飛び出さない程度には冷静で…
「…ッ許さない!!」
……前言撤回だ。エドナは俺が思っていた以上に怒り心頭だったようで、殺意の含んだ声を漏らすと共に魔法の詠唱をし、コボルドの群れの足元に幾本もの土の腕を生やしてコボルド共に攻撃を始めた。
このバカ、爺さんの事になるとやたら沸点が低くなりやがる。
俺は頭を抱えたくなるもそんな事をしている訳もいかず、すぐさま剣を抜いてコボルドの群れへと駆けだした。
突然の事に混乱をきたしているコボルド共を何匹か切り裂きながら爺さんの元へと行き、
「邪魔だッ、
近くいた3匹のコボルドを払うように殴り怯ませた後、剣を地面に叩きつけて灼熱波を起こし吹き飛ばした。
「ぐっ…、き、騎士……殿? 儂は…」
爺さんはこの騒ぎにで目を覚まし、朦朧としながらも声を出した。いくらか怪我はしてはいるがどうやら命に別状は無いみたいだな。
「爺さん動けるか?」
「うむ…。多少頭がクラクラしますが、大丈夫です」
「ならあそこまで行くぞ」
俺は爺さんにエドナが凄い形相でコボルド共と戦っている場所を示して付いて来いと促した。
爺さんはエドナが居る事に目を見開いて驚いていたが、今は足を止めている場合ではない事ぐらいは分かっており、何も言わずに俺の後をついて来た。
「お爺ちゃん、これッ!」
コボルドの群れを倒しながら進んでいるとエドナが持ってきていた槍を足元から生やした土の腕でこちらに投擲した。
投げられた槍は俺たちの近くにいた1匹のコボルドの頭に突き刺さることで止まり、爺さんはそれ抜く。
「エドナ様、ありがとうございます! これでただの足手まといにはなりませぬぞ」
爺さんは槍を構えてコボルドを倒そうと振り回し始めた。
その動きは槍を振るうと言うよりかは振り回されている感がありコボルドには当たってはいないものの、遠ざけて身を守ることには上手くいっている様だった。
そのおかげで俺は後ろをそこまで気にする必要がなくなったため前方のコボルドを倒しやすくなり、一気にエドナの所まで移動することだ出来た。
「お爺ちゃん! よかった…」
「エドナ様ッ、こんな老いぼれの為に危険なマネをさせてしまい申し訳ありませぬ」
エドナは爺さんの無事を確かめるように爺さんの手をぎゅっと力強く握りしめ、そして爺さんも詫びを入れながら握り返した。
「わりぃが、そう言うのは後回しだ。とっとと外に出るぞ」
「おお、これは申し訳ない。では儂が先頭を…ッ!? な、なんじゃ!?」
目的の1つである爺さんの救出を完了し撤退しようと坑道へと入ろうとした瞬間、壁から土で出来た杭が無数に生え、坑道内を埋め尽くし塞いでしまった。
エドナSide
「これは…、まさか先住の魔法!?」
突如として坑道内を埋め尽くした杭を見てわたしは驚きの声を上げた。
先住魔法。亜人達の使う魔法で、わたしたちメイジの使う魔法とは比べものにならないぐらい強力な物が多い。
だけどコボルドみたいな知能の低い奴らが使えるはずは……。
「チッ、やっぱり面倒なのが居たか…」
困惑しているとアッシュが忌々しそうに吐き捨てながら鍾乳洞の奥を睨みつけており、わたしも
「まったく、やってくれたな愚かな人間。けちな魔法を崇める愚か者。森で生きるすべを持たぬくせに威張り散らすだけの愚かな毛なし猿」
鍾乳洞の奥からゆっくりと近づいて来た人語を話すそいつは獣の骨と様々な鳥の羽で作られた仮面を被り、そして獣の血で染められてドス黒く変色し悪臭を放つボロ布を纏っていて、わたしはその臭いに顔をしかめた。
「お前がこの群れの神官か」
アッシュはそんな悪臭の漂う中、表情を変えずにコボルドに剣を向けながら言葉を放った。
神官と言う言葉にわたしは昔読んだ本を思い出した。
コボルド・シャーマンは奴らの独自の神を
「やめておけ。愚かな人間よ。ここは我が契約している場所だ」
コボルド・シャーマンはアッシュの殺気に対して嘲笑うかのように言い返してきた。
「ふん。だからどうした?」
「ハフッハフッハフ! 所詮は愚かな人間。その意味すら理解できないか」
「御託はいい。面倒だがここで潰させてもらうぞ、化け物共」
「化け物? 化け物はお前たちではないか。なにせ10年前に……、いやどうでもいいな」
コボルド・シャーマンの10年前という言葉にわたしはあの日の事が頭をよぎり心臓が早鐘の様になり始めた。
手が震え始めて呼吸も粗くなるのが分かる。落ち着け落ち着けといくら思ってもあの時の事が頭の中をめぐる。
もう大丈夫だと思ってたのに…。
「お嬢様ッ、大丈夫ですか!? ご安心ください、このユルバンが命に代えてもあの化け物から守って見せましょうぞ」
わたしの震えを恐怖からの物と思ったお爺ちゃんがわたしの前に出て槍を構える。
止めて…違うのッ。もう、あんなのは……!
「残念だが贄は新しく街から取ってくるとする。そして儀の後に、再度あの村に我らが宝である土精魂を取り戻しに行く。では死ねッ」
コボルド・シャーマンが叫び、腕を掲げると周りに在った大小の石がわたしたちを包囲するように浮かび上がり、そしてピタリと空中で石が止まり瞬間、石がわたしたちに向かって矢の様に飛んできた。
「お嬢様!」
「え? お爺ちゃ…!?」
飛んでくる石からわたしを守るためお爺ちゃんがわたしを抱き込んだ。
お爺ちゃんの甲冑は全身を覆うタイプじゃない。こんな事をしたらお爺ちゃんは…ッ!
10年前の光景が蘇る。わたしを守るために…わたしを助けるのに…わたしを…。嫌だッ。もう見たくないッ! 大切な人が、大好きな人が…死んでいくのは。
だけど今からじゃもう魔法は間に合わない。またあの時と同じように守られて、わたしは大切な人を失くすのか。
わたしは数秒後に目に映るであろう未来を想像し、それをどうにも出来ない悔しさで涙を流し目を瞑った。
そして……、
「はッ、この程度で死ねだと? 笑わせるんじゃねぇ」
そんな言葉と同時に周りが輝き綺麗な音が響いた。
「……ッ!? なんだそれは!? 何故ッ、大いなる力が打ち消されるッ!? 人間、お前は何者だ!」
いつまでたっても襲ってこない石や、コボルド・シャーマンの驚きの声。そしてこの光にわたしとお爺ちゃんは顔を上げた。
「え?」
「なんと…」
顔を上げるとそこには驚き慄いているコボルド・シャーマンと身体中から光を放っているアッシュが居た。
更によく見ればアッシュを中心にアッシュと同じ光を放つ大きな模様がわたしたちの足元に円状に広がっていて、さっきまでわたし達を包囲していた石は全て無くなっていた。
「ぐるるる。我が契約せし土よッ。鋭き杭となり敵を穿てッ!」
コボルド・シャーマンが叫ぶと、先ほど石つぶて程ではないけれど、それでも沢山の土で出来た杭があちこちの壁から生え、わたしたちを串刺しにしようと伸びで来た。
「ふんっ」
それに対しアッシュは体を捻り剣を水平して回転するように振るう。するとさっき耳にした綺麗な音が鳴って、伸びてきていた杭はまるで大きな衝撃を受けたかのように先端から根元の部分までが砕け散っていった。
何が起きたのかが全く分からない。こんな魔法は知らない。いや、それ以前にこれは魔法なの? 魔法っていうのは必ず詠唱が必要なはず。それは先住魔法だって同じ。じゃあ、いったいコレは何なの?
「何だ…。いったい何なのだ人間!? 大いなる力を消す化け物ッ! 同朋よ、殺せ! あの化け物を殺せッ!!」
アッシュの使うこの光にコボルド・シャーマンは悲鳴のような叫びで周りのコボルド共に攻撃を仕掛けるよう命令を出した。
コボルドは一瞬
「チッ、めんどくせぇ。……おい、エドナ。この廃坑はもう使われてねぇんだよな?」
「え? ええ、もう誰も使うことは無いわ」
コボルドが殺到してきているなか、アッシュの突然の質問にわたしは反射的に答えた。確かにここの坑道及び鍾乳洞は昔は村の人達が土石を掘り出していたけれど、今はもうやっていない。
アッシュはわたしの返答にそうかと呟き、手に持った剣を頭上に掲げた。そして…
「なら、ここがどうなろうが問題はねぇよな」
そう言った瞬間、足元の模様が更に輝き七色の光が吹き出しアッシュへと集まり始めた。
集まった光はそのまま掲げた剣へと纏わり、それをアッシュが振り下ろすと光は奔流となって群がってきていたコボルド共をまとめて吹き飛ばしした。
もうわたしもお爺ちゃんも今起きている事に考えが追いつかず、只々目を見開き呆けるしかできなくなっていた。
「グヴヴァルガッ!!? グググガッ、ヴァァッァ!!」
こんな状況にもはや人語を話す余裕も無くなっていたコボルド・シャーマンは何を思ったのかひと際大きな声で叫んだ。
するとその叫びに鍾乳洞全体が大きく揺れ始めた。…そんなッ!? これは…ッ!
わたしは地面から伝わってくる感覚に怖気が走った。鍾乳洞の壁と言う壁がまるでパンのようになり崩れ始めているのだ。
「グゲゲゲ。ギャッギャッギャ!」
耳障りな笑い声を出したコボルド・シャーマンの仮面の奥から除く瞳は血走り、完全に自棄を起こしていて、わたしたちごと死のうとしていた。
がしかし、アッシュはそんなコボルド・シャーマンの起こしている崩落に一切の動揺も見せず、どころかその行動を無様だなと見下していた。
「せめて一矢報いてやろうってか。ふんッ、言ったはずだ。この程度で俺を殺そうなんぞ笑わせるってなッ!」
アッシュはそう言うと剣を再度頭上にへと掲げる。
「響けッ! 集えッ! 全てを滅する刃と化せ!!」
その詠唱のような言葉に光が剣へと集まり強い輝きを発し始め、そして
「ロスト・フォン・ドライブッ!!」
その叫びと共に剣の輝きが一層増したと思ったら巨大な光の柱が立ち上った。
光の柱は鍾乳洞の天井へと当たると更に強い輝きを放ち、その眩い光にわたしとお爺ちゃんは目を閉じる。そして…
「…え?」
光が収まり目を開けるとわたしとお爺ちゃんは目の前の光景に絶句し、呆然となった。
そこには青空があった。いや、正確には崩れてきていた鍾乳洞の天井が
【後付け設定】
アッシュはゼロ魔世界に召喚される際に都合良くローレライの一部を体内に取り込んだ為に宝珠と剣が無くてもロスト・フォン・ドライブが撃てるのだっ!
威力と範囲に関しては主人公補正とかアレとかソレとかコレとかで……ね?