青いチビの使い魔   作:だしィー

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徹夜のテンションと元々ずっと書きたかったイベントと言う二つの要素が重なり1日で書き終えた。
 
内容がアレだったとしても後悔しないし、反省しない。


惚れ薬(恐)

 キキSide

 

ここ最近、出番が全くなかった気がする。

そんなメタ思考をしながら俺はトリステイン学院へと帰るために空を翔けているシルフィーの背に座りボケッと遠くを眺めていた。

 

今から数日前、レアバードに乗ろうと早朝にチトセの所へと行ったらどういう訳かリオンとルイズが平和の為に武装して乗って行ったと言う意味不明な理由でまた乗ることが出来なかった日の昼頃、いつものガリアからの依頼書がタバサへ届いた。

内容はとある村で翼人とトラブルが起きているから解決してとの事。

で、実際行ってみたら村の奴らが贅沢したいがために翼人の住処の木を切り倒して売っぱらいたいから翼人退治してと言う、むしろテメェら退治したろうかと言うものだった。

 

俺としては村人に命の大切さと共存することの大切さを俺のレアバードに全然乗れないモヤモヤした気持ちと共に、その身に物理的に叩き込んでやろうと提案したが、タバサによって却下された。

まあ、よく考えなくても却下されて当然だった。

 

そして色々省くが、最終的に俺の変化の術を使った芝居で村人と翼人の確執を失くし、和解させることに成功して任務は完了。

その後、村人の青年と翼人の少女の結婚式を見届け、そして今に至っている。

 

「…それ気に入ったのか~?」

 

俺は隣で珍しく本を読まずに結婚式で受け取ったブーケをずっと眺めているタバサに声を掛けた。

タバサは俺の質問にコクリと小さく頷いて肯定する。

やっぱり女の子ってのはこう言うのに憧れるもんなんだろうか? まあ、いいや。

そんなこんなで日も沈み、学院の庭へと降り立つころには夜中になっていた。

 

「ん~ッと、さすがに地下の風呂は終わってるよなぁ。釜風呂使うか~」

 

「準備お願い」

 

「りょうか~い」

 

と、俺は返事をして裏手の庭に行き、置いてある釜風呂の準備をする。

水遁・水鉢(すいはち)で掌から水を出して軽く洗った後水を捨て、再度水鉢で水を溜めてそして釜に向かって火遁・火龍弾(かりゅうだん)を使い風呂を焚く。

ちなみに火龍弾は着弾した場所でしばらくの間燃え続けてくれるので威力を調整してればいい感じの温度のところで丁度火が消える。閑話休題。

 

「とりあえずタオルと着替え持ってこなきゃな」

 

「問題ない」

 

俺の独り言にいつの間にか横に居たタバサがしっかりとタオルと着替え(自分の分だけ)を持って(たたず)んでいた。

準備は万端だなおい。まあ、いいや。

さて、俺はどうしようか? 流石に前みたいにタバサと一緒にお風呂などと言う都合のいい展開はある訳無いし。

 

「あ、そうだ。久しぶりに影分身組手やろう」

 

つい何となく思いつき、そして思い立ったが吉日と言う気持ちで俺は影分身を出し風呂が開くまでの間軽めに組手を始めた。

 

「…そのニンジュツを私も覚えたい」

 

「ん? もう少しチャクラの量を増やしてコントロールが上手になったらな~」

「それと出来れば分身の術とか覚えてからの方がいいなぁ。感覚が掴みやすくなるし」

 

俺と影分身が組手を続けながらそれぞれタバサの言葉に言い返す。

タバサは少し残念そうな表情になったけれど、こればかりは地道に修行していくしかない。

 

「分かった」

 

タバサはそう呟くと持っていた着替え等を近くにある長椅子へと置き、そして壁へと向かって行った。

どうやらタバサもお湯が沸くまで壁登りの修行をするみたいだった。

そんな感じで風呂が沸くまでの時間を潰していると、バチャッ、ドスッと、水がこぼれる音と何か落ちる音が聞こえてきた。

風呂はまだ沸くのにもうちょっと時間が掛かるはずだし、何よりこぼれる程の水は入れていない。

不思議に思い音のした方を見るとタバサが顔に赤色の液体を引っ被って地面に倒れていた。

 

「おう、大丈夫か?」

 

「……」

 

影分身を解き、急いで駆け寄り倒れてるタバサの安否を確認する。この匂いはワインか?

どうやら壁に張り付いている時に上からワインが降ってきたようで、避けられずに直撃したようだ。

俺はタバサを起き上がらせて手ぬぐいで顔を拭いてやる。

 

「しかし何だってワインを被る様な事に? 上は何やってんだ?」

 

「…………ッ」

 

「ん? タバサどうし…んグッ!?」

 

俺は不思議に思い塔を見上げていると急にタバサに両手で顔を掴まれ、キスされた。

いきなりキスされた。ものずごい勢いでキスされた。大事な事なので3回も言いました。

ジャナクテッ!? え? ちょ? 何? 嬉しいけど意味が分からない。ワインを拭き取ってあげたらお礼にキスしてきたの? ……絶対に無いわそれ。

などなど、俺がタバサの奇行にパニックを起こして動揺して動けなくなっている間にもタバサのキスはどんどんエスカレートしていく。

最初の唇を重ねただけの軽いキスからグイっと舌を入れ始め、そして次に舌を絡ませてきて、更には俺に自分の唾液を流し込んできてと酷くなってきた。

俺は今の状況に恐怖を覚え、その恐怖でやっとこさパニックから回復し力ずくでタバサを引きはがした。

 

「はぁはぁはぁ…。タ、タバサ…さん?」

 

俺は震える声でタバサへと恐る恐る声を掛ける。もうそこにはキスされて嬉しいなんて言う感情は微塵も残ってなかった。

 

「…好き」

 

「え?」

 

「大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き好き好き好き好き好き好き好き好きき好き好き好き好き好き好き好き好きすき好き好き好き好き好き好き好き好きき好き好き好き好すきき好き好き好き好すきき好き好き好き好きすきすきすき好きすきすきすきすきすきす好ききすきすきすきすきすきすきすきすきすきすスキきすきすきすきすきスキスキすきすきすきスキスキスキすきスキスキスキスキすきスキスキスキスキスキスキスキスすきすきすきキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキ大大大大大好き」

 

………………………………………………………………………………おっおう?

 

「あたなの表情が好き。あたなたの耳が好き。あなたの眼が好き。あなたの鼻が好き。あなたの口が好き。あなたの声が好き。アナタの優しさが好き。ねえ、私だけを見て。私だけの声を聞いて。私だけを撫でて。私だけと喋って。私だけと………」

 

愛が重いぜ!…ってふざけてるようなレベルじゃない!? これはアカン。本気でヤバイやつだよ!

 

「ねえ、あなたは? あなたは私の事好き? 好きよね? 大好きよね? そうに決まってるわよね?」

 

「…お、おう! 当たり前だろ。俺はお前の事が大好きだ。もう好き過ぎてずっと抱きしめていたいぐらいだ!」

 

「あっ、えへへへへ~」

 

これは下手な事を言ったら()られると思い、俺は恐怖心を抑え、引きつった笑みでタバサを抱きしめながらそんな甘い言葉を返した。

そして俺の言葉と抱擁にとても嬉しそうに蕩けたような声を出すタバサの頭を撫でながらギロリと上を睨みつけた。

俺の視線先にはドン引きしているジン、ギーシュ、モンモランシー。そして何を勘違いして目を輝かせているのかトラブルメーカーのチトセが窓枠から此方を見下ろしていた。

 

「まあまあキキさん! まさかタバサさんとはそう言う関係だったんですね。いや~なんてお熱いんでしょうか。まったく羨ましいです。このこの~」

 

ぶち殺してやろうか。

 

「お前ら、一体何やらかした!」

 

「む、何ですかその言いがかりは! それではまるで最初から私たちのせいだと言わんばかりじゃないですか。言っときますけどね、わたし達は何もしてませんよ? ただちょっと5倍ほど濃くした惚れ薬の入ったワインを零してしまっただけで、何一つ迷惑になるようなことはしてません!」

 

「そうか。ちょっとそこで待ってろ。生きている事を後悔する体験をさせてや…ッ!?」

 

上を向いて喋っていたらザクリと腹部に熱く鋭い痛みが襲ってきた。

俺は会話を中断し、ゆっくりと視線を下し痛みの原因を見た。

俺の腹にはザックリとクナイが突き刺さっており、ダラダラと傷口から血が滴り服と足元を紅く染め始めていた。

即座に俺は体の中へとクナイを更に差し込もうとしている小さく可愛らしい真っ赤な血で濡れている手をガッチリ掴み、これ以上進まないように止める。

 

「どうして…」

 

そして小さくてもしっかりと耳に届く、暗く重い声が聞こえてきた。

同時にカクリとタバサの顔が上がり、タバサの瞳が俺を射抜いた。

その瞳は光を一切通さないような何処までも暗く、例え灼熱の炎ですら凍らせるほどの冷たさがあり、そしてヘドロのような強い憎悪と殺意が宿っていた。

 

「ねえどうして? あなたは私の事好きっていったよね? 大好きって言ったわよね! なのにどうして私以外の女性(ひと)と話しているの? なんで私以外の女性(ひと)の声を聞くのッ!! なんで私以外の女性(ひと)を見るのッ!? 嘘つき嘘つき嘘つきッ!!!」

 

ヤバイ。このままだと本気で命を狙われ続ける。

とにかく一旦タバサの意識を失わせる必要がある。しかも今の恐慌状態のままじゃなくて最初の状態で…。 

 

「……そうだ。私以外の女性(ひと)を見るんだったらそんな目、取っちゃえばいいんだ。私以外の女性(ひと)と話すそんな舌はいらないよね! 私以外の女性(ひと)の声を聞くそんな耳失くしちゃえばいいんだよね!! そうすればあなたはずっと私の…んッ!?」

 

そしてタバサはキチった事を言い始めた辺りで俺は腹を決め、タバサが喋っている途中で無理矢理唇を重ねた。

するとタバサは最初は強張っていたが直ぐに体を弛緩させ、手は握っていたクナイを放し俺の背へ回してきた。

タバサの表情は先ほどまでのプッツンしたものから蕩けたものへと変わり、キスも最初と同様にどんどん熱烈にエスカレートして来た。

俺は腹の痛みとか容赦なく唇を重ねてくるタバサの猛攻に耐えながら、印を結び手を頭に当てて幻術による意識の刈り取りをおこなった。

ガクンッと意識を失い、ダラリと手足と涎をを垂らし、静かな寝息を立てているタバサをそっと長椅子へと寝かした。

 

「……はぁぁぁぁぁぁぁ。…うぐッ」

 

ほんの数分の間にとんでもねぇ気疲れと本気の死を感じた。

ってかイテェェッ!! ここまで深々とクナイが刺さるのなんて何年ぶりだ? とにかく応急処置をしなければ。

俺はチャクラを刺された場所に集中させ止血をし、そしてクナイを引き抜いて治活再生(ちかつさいせい)の術を使い傷口を塞ぐ。

後は掌仙術(しょうせんじゅつ)を傷に当て続けて治りを早くする。とりあえずこれで一安心だ。

 

「はぁ、さてと」

 

俺は再度上を見る。が、そこにはもう既に誰も居らず、逃げた後だった。…おいコラ。

とりあえずあいつらの捕縛は簡単に出来るからいいとして、俺は眠っているタバサへと目を向けた。

白眼を使いタバサの体の中のチャクラの流れを視る。

 

「……これは酷い」

 

タバサの体中のチャクラが乱れに乱れており、どこをどう治療すればいいのか本気で困るレベル状態だった。

さすがにこれはきちんとした施術しないと治せないなぁ…。

俺は大きくため息をつき、タバサを背負ってとにかく部屋まで移動し始めた。

 

「とりあえず部屋のベットにタバサを寝かしたらお湯は取りに来よう。はぁ、風呂入りたかったな~」

 

まあ、いいや。

さて、今更だけどチトセが惚れ薬とか言ってたし、これはあのイベントってことでいいんだよな?

完全に油断してたなぁ。惚れ薬イベントの事は覚えてたけど時期とかは完全に分かんなくなってたし、何よりこの手のイベントはルイズ、チトセ、ジンの3人の内の誰かが惚れ薬を飲むもんだと思ってた。

 

「いや、それ以前に通常の惚れ薬の5倍濃度のワインってなんだよ……」

 

元々惚れ薬自体が禁薬なのにそれの5倍……。完全に原因はチトセだよなぁ。

まあ、いいや。…全然よくないけど。

とにかくあいつ等捕まえてキッチリとお話ししないとな。

 

 

 

 




【タバサの状態について】

濃度5倍の惚れ薬とタバサ自身が5年間の間に溜めた強いストレスによってタバサは暗黒面を覚醒させたのだぁ!

さらに使い魔契約の副次作用である契約相手に軽い好意を覚えるようになる効果が惚れ薬によって悪い方向に増幅し、好意が果てしなく重い愛と強過ぎる独占欲となり、ヤンデレ化したのである。

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