青いチビの使い魔   作:だしィー

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感染性胃腸炎で嘔吐と腹下しの中、暇だったので書いたった。

何故かサクサク書けた。我ながらモチベのスイッチが意味不明。

前半は日記形式ですが、日付に関しては独自調査なので違和感あっても気にしないでください。

戦闘シーンをちゃんと書いて話を分けた方がよかったかもと思う事も無い気がする。




ルイズの夏休み

 ルイズside

 

【ダエグの曜日/フレイヤの週/ニューイの月】

 今日、姫様から極秘の任務を承った。極秘なのでここに詳しく書くわけにはいかないけど、とても重要な任務だ。

 

 私は姫様の一番の親友として姫様の期待に応えて見せるわ。

 

 

 

【コルの曜日/ヘイムダルの週/ニューイの月】

 今日は最悪な1日だった。

 

 任務のために用意してもらった資金が400エキュー程度と少ないと不満を口にしたらリオンに怒られた。意味が分からない。どう考えたって少ないと思う。

 

 さらにカジノで増やそうと提案したら罵倒された。使い魔のくせに主人を罵るなんてどうかしている。リオンはもっと常識があると思っていたのに。

 

 しょうがないのでリオンに宿を探させて居ない内にこっそりとカジノで増やそうとしたら全額スった。戻ってきたリオンに日が沈むまで説教された。泣くまで説教された。泣けば許してもらえるのか? と更に説教された。

 

 その後、偶々様子を見ていたスカロン店長が不憫に思ったらしく私たちを魅惑の妖精亭に住み込みで雇ってくれた。

 

 

 

【エオーの曜日/ヘイムダルの週/ニューイの月】

 今日、私は驚くことが沢山あった。

 

 昨日は私は泣き腫らしていたと言う事もあり、仕事は今日からと言う事になった。

 

 まず驚いたことはこのお店で働くときの服装だ。何あの服!? あんなピッチリして肌も晒してスカート短くてはしたない事この上ない。文句を言ったけど店長の笑顔(威圧)の前に引き下がるを得なかった。あとリオンが黙々と皿洗いをしている姿が何故だか面白かった。

 

 次に1年前ほどから手紙の返信が来なくなっていたアリーシャと再開したことだ。アリーシャから家を追い出されたと聞いた時は我がヴァリエール家の力でどうにかしようと言ったら止められた。もう気にしていないらしいし、今はもう恋人もできたとか。詳しく聞くと古代遺跡を巡って研究してる好奇心旺盛な人物らしい。

 

 次はここの看板娘のジェシカ。彼女はちょっと頭がおかしい。最初はちょっと口が悪いけど気立ての良い世話焼きな人だと思っていたけど、好きな人の話しになったら笑顔で歪んだ愛を語り出した。はっきり言って引いた。ちなみに相手の男のクズさにも引いた。

 

 

 

【オセルの曜日/ヘイムダルの週/ニューイの月】

 今日は私の人生において一番の危機だったかもしれない。

 

 今日やっと仕事にも慣れ始め、お客を怒らせる回数も皿を割る枚数も格段に減った頃、奴らがやってきた。そう、キュルケ達だ。

 

 キュルケにこんな姿で働いている所なんて見られたら一生イジられるに決まっている。私は慌てて姿を隠してやり過ごそうとしたけど杞憂に終わった。

 

 キュルケ達はどういう訳かジェシカを呼びだして自分たちの席へと座らせた。

 何だろう? と気になって接客中に様子をチラチラと窺っていたら、タバサが使い魔の人を殺そうとしたり。それを見てジェシカが楽しそうに笑ったり。タバサが使い魔の人を締め上げたり。それを見てジェシカが微笑んだり。と、とても関わり合いになりたくない状態になっていた。

 実際一緒にいたギーシュとモンモランシーは離れて静かに食事をしていた。

 

 アリーシャに聞いた話だとタバサの使い魔の人が例のジェシカの好きな人でお腹の子の相手だとか。

でもシェシカの話を聞くに彼はタバサの事が好きなはずで…。気になって今後どうするのか聞いたらとんでもない内容が返ってきた。ふと、シエスタが好きそうな話だなぁと思い浮かんだ。

 

 

 

【オゼルの曜日/エオローの週/ニューイの月】

 今日は最高の1日になった気がする。

今日はチップレースの最終日だった。週初めから私の華麗なる活躍によって私は見事1位になることが出来た。けっしてこれは嘘ではない。念を押して書くけど嘘じゃなので深読みはしないこと。

 

 そしてレースで優勝して手に入れた『魅惑のビスチェ』。あの店長が着たのでちょっと拒否感あったけどちゃんと洗ってあると言う事なので、とりあえず試しに来てリオンに見せてみた。

 

 ビスチェを着た感想を聞こうと思ったらリオンの奴少し私を見たらすぐ顔をそむけた。最初はムっとしたけど、なんだかいつものリオンらしくないと思いよく見たらかすかに顔が赤くなっていた。

 

 赤くなっていた!! あのリオンが!! 私を見て!! 

 

 これは詳細に日記に書かなくてはいけない事案であり、一生大切なあれでの事でもうすご…(以降、解読困難な文字列が数ページ続く)

 

 

 

【ラーグの曜日/ティワズの週/ニューイの月】

 今日はリオンとデートをした。今日はリオンとデートをした。

大切な事は2回書くと良いと、昔ジンが言っていた気がするので書いてみた。

 

 昨夜と言っても妖精亭の仕事終わりが基本、日が昇る直前ぐらいなので正確には今日の早朝だったりするんだけど、夏季休暇に入ってから遊びに行ってない事に気づき、リオンに出かけようと提案した。

 

 私は芝居を見たことが無く、しかもちょうど今、噂の『ウルタス・ブイ物語』が公演してると言うのだから見に行くしかない。 

 なんでも公演されると、あちこちの貴族の間で駆け落ちが続出るとか、思い人同士で一緒に見ると一生添い遂げられるとか、様々な噂が流れる芝居だ。

 

 そのせいなのかは知らないけど国から規制がかけられており、年に決まった時期しか公演されないとか。

そして、今がその公演の期間中なのである。これは見に行くしかない。

 

 と言うことで思いっ切りおめかししてリオンとデートした。

 芝居の内容は噂に違わぬ良いものだった。いつか私もリオンに…

 

 

 

【イングの曜日/ヘイムダルの週/アンスールの月】

 今日、いきなり姫様がやってこられた。しかも雑な変装をして。なんでバレ無いのが不思議である。

 

 何故突然来たのかは秘密らしく一切教えてもらえなかったけど、姫様は明日まで匿って欲しいとの事でとりあえず私が寝泊まりしている屋根裏に詰め込んでおくことにした。

 

 子供の頃に作った犬小屋みたいね、とはしゃいでいた。

 その後、『あ、ごめんなさい。ここルイズが寝ているのよね。今の言い方ではまるでルイズが犬みたいって言ってるようなものね』とほざいて来た。とりあえず、殴った。

 

 

 

【イングの曜日/ヘイムダルの週/アンスールの月】

 今日の事は詳しく書けない。けど、文句ぐらいは書いても良いはずだ。

 

 いつものようにヒラヒラの支給服に着替えて、仕事へと向かおうとしたら、いきなり姫様にリオンと一緒に店から連れ出された。

 せめて着替えさせてと頼んだが時間が無いと言って聞き入れてもらえなかった。街中をあの恥ずかしい恰好で歩かされた。許さない。

 

 ここで待ってて、と先月リオンと行った劇場の横の厩舎で3時間待たされた。馬臭い。許さない。

 

 そしてまた説明もなく、馬車に乗せられ高等法院長の屋敷へと連れてこられたと思ったら緑色のバケモノと戦わされた。イライラし過ぎてエクスプロージョンを撃ったら屋敷の半分が消し飛んだ。

 

 姫様に命じられたと責任転嫁してやった。姫様と一緒にリオンに説教された。やっぱり許さない。

 

 

 

 

 

 ~おまけ?~

 

 カツカツカツと薄暗い地下道を1人の初老の男が走っていた。

 

「ちっ、小娘風情がなかなかやりおる。だが、屋敷に戻てしまえば問題無い。財を土産に亡命してしまえば…」

 

 と、初老の男が苦虫を噛んだような表情でそう呟いた。

 

 この男、リッシュモンと言い、高等法院と呼ばれる司法機関の長であったのだが、トリステインに勝ち目無しと裏切っていたのだ。

 しかし、それが今しがたアンリエッタ及びその近衛銃士隊によって暴かれ、逃走を図っていた。

 

「待てッ! リッシュモン! このまま逃げられると思うな!」

 

 しばらくするとリッシュモンの後方から淡い光と共に3人の人影が駆けてきていた。

 

「ぐっ、平民風情が調子に乗りよって」

 

 リッシュモンが追ってきた人影を見て小さく罵る中、ドーンッと銃声が鳴り響きと同時にリッシュモンの足元が小さく弾けた。

 

「そこまでです。これ以上の逃走は無意味です。大人しく投降してください」

 

 リッシュモンを追ってきた3人のうち槍を構えた赤い髪の少女エレノアがリッシュモンへと言葉を向けた。

 

「ふざけるな! 平民風情の下賤な輩が騎士気取りでこの私に投降しろなど。貴様らなぞ、あの女の庇護が無ければ何も出来ぬくせに」

 

「黙れこの裏切り者! 隊長、捕縛の許可をッ」

 

「許可する。だが抵抗が激しい場合、…殺害も許可する」

 

 リッシュモンの言葉に黒髪の少女クロエが眉間にシワを寄せ、そして隊長と呼ばれた女性アニエスが銃を捨て、腰から新たな銃と剣を引き抜きいてエレノアとクロエへと命令を出した。

 

「殺害だと? ふんッ、殺されるのは貴様らだ。良い事を教えてやる。ここはもう我が屋敷内の地下だ」

 

「? だから何だ? 言っておくが貴様の屋敷もすでに陛下の命によって抑えられている。逃げられはしないぞ」

 

「だからどうした? あの方から与えられたこコイツ(・・・)らで貴様らと上の奴らを片付ければよいだけだ」

 

 リッシュモンはアニエスの言葉にニヤリと嫌らしい笑みを浮かべながら懐から水晶のような物を取り出すと足元へ叩きつけて砕いた。

 

 次の瞬間…

 

『グガァア゛アアアアアアァァッ!!!!』

 

 と、地下道内に強烈な咆哮がどどろき、そして…

 

「ひッ!?」

 

「な、なんだっ!?」

 

「リッシュモン! 貴様ッ。なんだそのバケモノは!!」

 

 リッシュモンの背後から得体のしれないバケモノが2体現れた。

 

 ソレは人の倍ほどの大きさで肌の色は毒々しい緑色をしており、そして頭部と思わしき場所には赤い目玉のような物が1つ付いていた。

 

「なぁに、ちょっとした魔獣だ。そこらの騎士などよりはるかに強い。もしもの時にとある御方お譲り頂いたのだ。今しがた、この2体以外の残りも上で解放された。

くっくっく。逃げられると思っているかだって? それはこちらの台詞だ! さあ、バケモノ共ッ。あの下賤なバカ共を殺ッ…ガッ!? あ゛…あ、あ。な……ぜ? ……ッ!?」

 

 ぐちゃりと、リッシュモンが単眼のバケモノをアニエス達へとけしかけようと腕を振り上げた瞬間、単眼のバケモノは思い切り腕を横へ振り抜き前にいたリッシュモンを壁へと叩きつけた。

 そして間を置かず、もう1体が壁へともたれかかっているリッシュモンの頭へと手を叩きつけその頭部を潰した。

 

『ア゛ア゛ァァァァァァッ!!』

 

 リッシュモンを殺したバケモノ2体は不快な叫び声を出すと、その赤い1つ眼をアニエス達へと向け、強い殺意をまき散らしながら3人へと移動し始めた。

 

「クロエッ、エレノアッ、動きは緩慢だが力は凶悪だッ! 攻撃は全て避けるつもりで戦え。決して防ごうと思うな!」

 

「「了解」」

 

 向かってくるバケモノにアニエス達は武器を構え、迎撃の体勢を取った。

 

 バケモノとの戦闘が始まり、最初の内はアニエス達が攻勢に出て優位に動いていた。

 だがバケモノはいくら攻撃を受けようにも、痛みを感じていないのか防御や回避などせず、一心不乱に攻撃を繰り出し続け、さらにはアニエス達が与えていた傷も異常な速さで塞がり回復し、気づけばこの戦いの優勢はバケモノへと移っていた。

 

 そして…

 

「きゃッ!?」

 

「エレノアッ!!」

 

 エレノアがバケモノの攻撃をかわし切れず武器を弾かれ、その身を石床へと倒されてしまった。

 バケモノと言えどその隙を見逃すわけもなく、丸太のような太い脚を振り上げエレノアへと踏み出そうとしていた。

 

「…ゃ、ああっ」

 

 エレノアは己が身を潰そうとする足を見上げ、反射的に身を竦め目をつぶり、死を覚悟した。

 

 が、しかし…

 

「怪我は無いかい? レディ」

 

 突然の浮遊感と、ここには居ないはずの男性の声にパッと目を開けると、目の前には覆面で顔を隠した人物がいた。

 

「あなたは?」

 

「私はウルタス・ブイ! この世の悪を裁き、平和の世を願う正義の味方さ」

 

 エレノアの問いに男はまるで演劇役者の如く大仰にマントをはためかせながらそのように答えた。

 

「さて、美しきレディ達よ。この私も助太刀しよう! この禍々しい怪物共をいざッ!」

 

「え!? ま、待ってください! 私もッ」

 

 ウルタス・ブイは言うや、腰から独特な雰囲気を持つ剣を引き抜き、アニエスとクロエを助けにバケモノへと駆けて行き。エレノアも慌てながらも丁度都合よく近くに転がっていた自分の槍を拾い上げ、後を追った。

 

 しかし、バケモノは異常な回復力と防御を一切無視した猛攻があり、そう簡単には倒せるものではない。アニエスもたった1人、どこかの誰だか知らないが助けに入ったところでと思っていた。

 

「…? どういうことだ。バケモノの傷が治っていかない?」

 

「それにバケモノの動きが遅くなっている気がする」

 

 しかしアニエスとクロエが言う通り、ウルタス・ブイが加勢に来てからバケモノの傷が回復していかず、その動きも元々緩慢であったのも合わせてとても遅くなっていた。 

 

「よく分からないが今がチャンスだ。一気に攻めたせるぞ! クロエ、エレノア合わせろッ」

 

「「了解ッ!」」

 

 アニエスの号令の下、クロエとエレノアがバケモノの片割れの左右に陣取り、

 

「覚悟を決めよ…荒ぶる心、無風なる水面(みなも)の如く、鎮まれ…、斬る!! 我が剣の前に安らかに眠るがいい。無想神烈閃(むそうじんれつせん)!」

 

「参ります! 奥義! スパイラル…ヘイル!」

 

 お互いタイミングを見計らい、渾身の技をそれぞバケモノに叩きつた。

 そして最後、バケモノの正面に陣取っていたアニエスが剣を構え、

 

「見せてやる! 貫け! 斬ッ! 空ッ! 天ッ! 翔ッ! 剣ッ!」

 

 一息にバケモノへと近づき力強い突きを放ち、次いで斬り降ろし、斬り上げ、突き上げ、飛び上がりアッパーを叩きつけ、そして最後に跳躍しながら一気にバケモノを斬り上げた。

 

「やるじゃないか! 私も負けてられないな!」

 

 もう片方のバケモノの相手をしていたウルタス・ブイがアニエス達の華麗なる剣技を見てそう言うと、一旦バケモノから離れ、構え直し、そして…

 

「あるべいん流奥義、冥空(めいくう)斬翔剣(ざんしょうけん)!」

 

 バケモノの懐へ踏み込み、斬撃を2度喰らわせ、トドメに飛び上がりながら斬り上げ、バケモノを絶命させた。

 

「ふう、何処のどなたか存じないが、助かった。礼をここに」

 

 バケモノ2体が完全に沈黙した事を確認するとアニエスは剣を仕舞い、ウルタス・ブイへと頭を下げた。

 

「おっとお礼にはまだ早い。まだこいつらの残りが上の方で暴れている。こっちだ、出口に案内する。付いて来なさい」

 

「わかった。2人ともまだ行けるか?」

 

「大丈夫です」

 

「まだまだいけます」

 

 ウルタス・ブイの言葉にアニエスはエレノアとクロエに怪我や疲れは大丈夫かと、言外に確認すと2人は何でも無いと不敵な笑顔を浮かべ言い返した。

 

 そして4人はウルタス・ブイの案内で地上への出口に向かって移動していった。

 

  

 

 

 

 

 




《とりあえず、捕捉》

【無想神烈閃】
 RM3のクロエ秘奥義。
 レイズの奴と迷ったけど、RM3の方が剣技って感じだった。


【スパイラル・ヘイル】
 最後に槍から竜巻は出ない。モーション的には最後に強力な上段突きみたいな感じ。


【斬空天翔剣】
 アニエスが見習いだったころ、先輩騎士から教わった技。
 なお先輩騎士は騎士を止め、城下町の南地区で奥さんと一緒にお店兼孤児院を営んでいる。


【あるべいん流剣術指南書】
 何処の誰が書いたか不明な一冊。
 闇市に流れていたのを、勝手に世直しの旅(レコンギスタの調査及び妨害工作)をしていたウルタス・ブイ(ウェー何某)が見つけた。
 あるべいん流剣術の基礎から奥義までを完全網羅している。


【独特な雰囲気の剣】
 仕様と形状はエターニア版。
 斬りつけた相手の時間を遅く又は停止させる事ができる。そのため傷の治りが遅くなったり動きが鈍くなったりしてるように見える。時空転移はできない。
 無断で世直しの旅をしていたウルタス・ブイ(ウェー何某)がとある村の宿屋の裏庭に埋まっていたのを発見。
 なんで埋まっていたかは不明。なんで使えるのかも不明。なんで勝手に持ってきてるのかも不明。
 

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