まあだから何だってことは無いんですが…。
色々あって時間が空いてしまい、ルイズのキャラがぶれてる気がする。
ルイズSIde
「今日、ついに魔法学院にもアルビオンへの侵攻作戦が発布されたわ! それに伴い姫様から私たちに特別任務が与えられたわッ! いいリオン? 私たちは姫様の、ひいてはトリステインのためにこれに参加し、レコン・キスタ倒してアルビオンを救うのよ!!」
夏休みも終わり早2ヶ月。アルビオンのレコン・キスタとの睨み合いもついには終わり、国はアルビオンへの侵攻をついに決定した。
そして今日、その知らせが学院にも来たわ。
そして知らせを持ってきた騎士の1人から姫様からの手紙を私は受け取った。内容は推して知るべし。
私は手紙を読み終えるやリオンに事の重大さや、如何に姫様から厚い信頼をされているかと言う事を説明し、このように声を大にして言い聞かせていたのだけれども…
「ついに頭がおかしくなったか。そんなものに僕は関わるつもりは無いぞ」
これである。何故分かってくれないのだろう。こんなに名誉で素晴らしい任務を与えてくださる姫様になんの不満があるのだろうか?
「不満とか、それ以前のレベルの問題だ。何故お前はアンリエッタが絡むと思考が幼稚になるんだ?」
「誰が幼稚ですって!!?」
「お前以外誰がいるんだ? はぁ、まったく。何度も言うがその任務とやらは断るんだ。たかがお前1人が入ったところで何も変わらない。むしろ邪魔が増えるだけだ」
はぁ、まったくは私の方よ。何も変わらないですって? バカ言わないでよ。私にはこの虚無の魔法があるのよ? 足手まといどころか私はトリステインの秘密兵器と言っても過言じゃないんだから。
「ルイズ。お前、まさか自分は虚無の魔法が使えるから大丈夫とか思ってないだろうな?」
「は、はぁッ!!? そんなこと思ってないわよ! そう言うリオンこそなんでそこまで反対なのよ? この任務はとても気高く誇り高い名誉あるものなのに」
「戦争は遊びじゃない。人が死ぬんだ。そして殺すんだ。気高いとか誇りあるなんて言葉で飾って行くような場所では決して無い」
そんなことは分かっている。これでもヴァリエール公爵家の娘だもの。それにアルビオンでのことやタルブの村での戦いも経験した。
確かに怖かったけど、でも、ジェームス陛下の事やあの夏休みの緑色のバケモノの事とか、レコン・キスタの魔の手がこの国の深い所まで来てしまっていると分かった以上、見て見ぬフリなんて出来ない。
「…私はそれでも姫様の役に立ちたいし。この国をあんな奴らのせいでこれ以上無茶苦茶にされたくないの。 だから私は何を言われたって姫様の助けになるって決めたの」
私は私の気持ちを真っ直ぐリオンにぶつけた。リオンはムスッとしたまま話を聞いていたけど、最後には諦めたようにため息を吐き、
「もう好きにしろ」
と、言ってくれた。
「…ッ! ありがとうリオンッ。後はお父様たちへの報告ね。姫様からの直接の任務だって言ったらきっと大喜びするに違いないわ」
私は嬉々として机に向かい手紙をしたため始めた。
それから数日後……。
「……こっぉぉぉんのッおばかルイズ!!!!」
「ぎゃぁぁぁッ! ごめんなさい姉様ッぁぁぁぁ!」
私は突如として部屋に上がり込んできたエレオノール姉様に大折檻を受けていた。
何故突然こんなことになったのか…。
従軍すると言う旨の手紙を実家に送って、それから実家から帰ってきた手紙に従軍はまかり通らぬと言う内容が書いてあったから、ふざけるなと思い、もう無視して従軍の為の準備をしていただけだと言うのに…。
「どう考えても、それが原因だ」
とはリオンの言葉。
「なんでよ! 私は覚悟を決めて祖国トリステインの為に戦いに行くと言うのに、それを行くなと言うお父様たちが悪いとおぼぼぼぉ! いひゃひへぶおへいひゃわッ!」」
「なに生意気なこと言っているの! このちびルイズッ!! ええっ? 生意気な事を言うのはこの口なのッ」
「びゃぁぁぁぁッ!!?」
姉様に頬をつねり上げられて激痛が走る。とにかく痛い。と言うか引っ張り上げ過ぎてもうつま先立ち状態なのだけど! ほっぺが千切れるッ!
エレオノール姉様は昔からこうだ。いっつも私をいじめる。何かある度に怒って、頬をつねってちびルイズお馬鹿ルイズって…。
「ところでおチビ。…そこの彼は一体だれなの? どこの御家柄の子なの? とにかく部屋に男を入れてるだなんておチビのクセに生意気だわねぇ!」
「いやぁぁッ!? ちょ、ちょっとまって姉様! エレオノール姉様ッ。違うんです! 彼は私の使い魔でそう言うのではないんです!」
「はぁあ? 使い魔? 貴族の子弟じゃない」
「違います貴族じゃありません平民です。そして使い魔なんです!」
「なに訳わかんないこと言ってんのよちびルイズ! どう見たって…まあいいわ。とにかく今日わたしが貴方を迎えに来た理由は分かっているんでしょね? ほらさっさと行くわよ!」
えッ? 何が!? と言う暇もなく私はエレオノール姉様に引きずられて、私は庭に止めてあった馬車へと放り込まれた。
「おチビの使い魔(?)。
「え?」
そう言ってエレオノール姉様はリオンとたまたま通りすがったシエスタをもう一つの馬車へと有無を言わさずに乗せると、私の乗っている馬車へと乗り込み…、
「じゃあ行ってちょうだい」
御者へ一言命令して馬車を走らせ始めたのだった。
「ところであの使い魔(?)の彼っていったい何者なの?」
「ふぇ? 何者って…どういう」
学院を出立してから2日目、姉様が突然リオンの事を聞いて来た。
「そのまんまの意味よ、このちびルイズ」
「
「そんなことは気にしなくていいの。 とにかく彼は一体何者なの? あなた確か、平民だって言ったわよね? でもこの二日間見てて思ったけど、彼とても身のこなしがとても綺麗だわ。さらに作法もきちんとしている。どう考えてもそれ相応の教育を受けてる動きだわ。一介の平民が一朝一夕で出来る動きじゃない。どういう事か説明しなさいな。ちびルイズ」
「え、えぇ~」
と、私は抓られて赤くなった頬を撫でながら困惑気味に声を出した。
だってどう説明しろと言うのだろ。別の世界からやってきた剣士? 元領主の息子? 何言ったって信じてもらえる気がしない。そして抓り上げられる未来しか見えない。……どうしよう。
「えっとですねぇ。リオンはその、えっと、…あっ、そう、
「ふーーーーーーーーーーーーーーーーん」
あ、これまったく信じてくれていない反応だわ。どうしようどうしようどうしようッ!?
「何を隠してるのか知らないけど、まあ今はいいわ。屋敷に着いたらお母さまとお父様にお説教してもらいますからね。覚悟しておきなさいね!」
「ううぅ」
私はお説教と言う言葉にお父様とお母様の怒った顔を思い浮かべ、頭を抱えた。
お父様は上手く甘えれば何とかなるとして、お母様は……場合によっては骨と言う骨がへし折れるかもしれない。
私はお母様の説得するにはどうすればいいか悩み続け、そしてそのままに何も思いつけず、気づけば屋敷へと辿り着いたのだった。
【どうでもいい捕捉情報】
・学院の男子達はほとんどが従軍の為に実家に帰っている。
・ジンも勿論、実家へチトセを連れて帰郷済み。
・ジンの実家がチトセによって支配されるまで後6ヶ月