青いチビの使い魔   作:だしィー

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もう前回から1年近く経っちゃったよ…。




ルイズの日常

 ルイズSide

 

 実家に帰省してから10日目。

 私は自室でいつものように目を覚まし、ゆっくりとカーテンを開ける。

 窓を開けバルコニーへ出れば澄んだ空気と少し冷えているけれど清々しい風が吹き、開けた放たれた窓から部屋へと駆け抜け、さっぱりした気持ちにさせてくれるような気がした。

 

 私はそんな気持ちのいい空気を大きく吸い込み…

 

「学院にかえりたぁ~ぃ」

 

と、雨期のじとじと~っとした空気の様な気持ちで大きなため息と共に言葉を吐いた。

 何故こんな気持ちなのか。それは家族全員に戦争に行くことに反対され、戦争が終わるまで敷地から出ることを禁止された事も勿論なのだけど…。

 そんなことよりもリオンが何故か家族全員にやたら気に入られてしまったことが、このどんよりした気持ちの一番の原因なのである。

 

 もちろんお父様達がリオンに良い心象を持ってもらえたのは私としても本当は嬉しいの。本来ならねッ!

 でもそれで私はいい気になって、調子に乗り…、

 

『リオンと一緒になら危険な事なんて何もないわ! 私たちがレコン・キスタから国を守って見せるの!!』

 

と、啖呵を切ったのが災いの始まり。

 

 父様がお城から戻られ家族全員での夕食の席で発した言葉を皮切りに、お父様とお母様からの説教が始まり、しかもその説教の最中にリオンの奴が私が虚無の系統だと言う事を家族のみんなにバラしやがったものだから更に大騒ぎになった。

 

 そしてその事でまたお説教が長くなって、お母様に至っては私が親に嘘をついたと言う事に大層お怒りになり…

 

『親に平気で嘘をつく様な子だとは思いませんでした。少々躾け直さなければいけないようですね(クワッ!)』

 

と、私は母様のその鋭い眼光と杖を向けられ、中庭へとエアハンマーで叩き出された。

 

 その後、母の魔法により空を舞い上がり、時に渦巻き、揺さぶられ、吹き飛ばされ、そして屋敷より高く跳ね上げられた辺りで記憶が無くなり、ふと目が覚めると早朝の中庭でボロボロで土まみれの無残な姿で朝日を浴びていた。 

 

 そして、その日から敷地からの外出を禁止された。

 

 この軟禁生活の間、エレオノール姉様には暇なら勉強しろだの魔法の練習をしろだの顔を合わせる度にグチグチ嫌味を言われ。

 お母様にはリオンは毎朝早く起きて剣の鍛錬をしているのに彼の主として暇を持て余しているだけの生活をして恥ずかしくないのかと朝食の度にお小言を聞かされ。

 

 お父様もリオンは素晴らしい人物だから私もそれに見合った器量や(たしな)みを持ちなさいと、やっぱりお小言を聞かされ。

 そして味方だと思っていたちい姉様すら『確かに彼の言葉は辛辣だけど、でも貴女を思っての事なのよ。彼は本当に心が優しい人よ』と、リオンの味方になっているではないか!!

 

「ねぇッ! これちょっとおかしくない!? ここは私の家なのに何で私がこんなに肩身の狭い思いしなくちゃいけない訳ッ」

 

「普段のおこないではないかと思いますよ。ミス・ヴァリエール?」

 

「ミス・ヴァリエールはこの家に3人いるから誰だかわかんな~い」

 

「ほんと最近どんどん言動が酷くなってませんか? ルイズさん」

 

「シエスタまで!? 私の何がどこが酷いって言うのッ! もーーー!!」

 

 もうッ、みんなまるで私が問題児みたいな扱いして何なのよッ!

 

 リオンなんかここ最近、私を見る度に大きなため息吐くのよ!? 信じらんない。もうこんな生活なんて続けてられないわッ。もうこんな家にはいたくない。逃げたい。一体どう…… 

 

「………そうだわ。実家(ここ)から逃げちゃえばいいんじゃない」

 

「いきなり何言ってんですか?」

 

「そうね。まずどうするべきかしら? リオンは冷淡に見えて実際は世話焼きだから私が逃げれば追って来てくれるから別にいいわね。

 姉様たちは何も問題ない。ちい姉様はお身体が弱いから無理はできないし。エレオノール姉様はちょっと前から塔にこもって魔法の研究中。まだ暫くは出てこないはず。

 お父様は先日また城へと招集されたから、しばらく留守になる。

 と、いうことはお母様にさえ見つからずに家を出れば勝ったも当然……。ふふふ」

 

 私の華麗で可憐で完璧な頭脳が今生において最高の思考の冴えを発揮している気がする。

 ああ、今まさに完璧な策が沸いては消えていくわッ。見ていてくださいお母様。このルイズお母様をギャフンと言わせて見せるわッ!

 

「誰か! 誰か来てくだ「エクスプロージョン」ぎゃあっ!!?」

 

 大声を上げようとしたシエスタをボンッという小気味よい小爆発で意識を刈り取る。

 

「まったく油断も隙もありはしないわね。私の計画を邪魔しようとするなんて。まあいいわ。シエスタ、貴方は私の親友として手伝ってもらうわね。うふふふふふふふふふふ」

 

 さあ、大脱出よッ!!!

 

 

 

 

リオンSide

 

 「一体何がどうなったらこう(・・)なるんだ…」

 

 僕はヴァリエール家の正門を呆然とした表情で見上げながら呟いた。

 

「すいません。私が無理やりにでも止めていれば、こんな酷いことには…」 

 

「…あなたのせいじゃ無いわ。わたしがもう少しルイズの気持ちを察してあげらてれいれば…」

 

 僕の横ではシエスタとカトレアが悲嘆(ひたん)の表情で顔を俯かせていた。 

 

「何を言ってるの? おチビがこうなったのも当然の報いじゃない。お母様に盾突いたらこう(・・)なるなんて分かってる事じゃないの。ほらカトレア、あまり長く外に出てると体に障るのだから部屋に戻りなさい。おチビのメイド、あなたもボケっとしてないでカトレアに付き添いなさい」

 

 そんな悲嘆に暮れていた2人にエレオノールが後ろから憮然と言い放った後、ボロ雑巾のようになって正門の上部に逆さで磔にされているルイズの姿を見て大きくため息を吐き、屋敷へと足早に帰って行った。

 

 何故ルイズがこのような

 

 実家に帰省してから10日目。

 私は自室でいつものように目を覚まし、ゆっくりとカーテンを開ける。

 窓を開けバルコニーへ出れば澄んだ空気と少し冷えているけれど清々しい風が吹き、開けた放たれた窓から部屋へと駆け抜け、さっぱりした気持ちにさせてくれるような気がした。

 

 私はそんな気持ちのいい空気を大きく吸い込み…

 

「学院にかえりたぁ~ぃ」

 

と、雨期のじとじと~っとした空気の様な気持ちで大きなため息と共に言葉を吐いた。

 何故こんな気持ちなのか。それは家族全員に戦争に行くことに反対され、戦争が終わるまで敷地から出ることを禁止された事も勿論なのだけど…。

 そんなことよりもリオンが何故か家族全員にやたら気に入られてしまったことが、このどんよりした気持ちの一番の原因なのである。

 

 もちろんお父様達がリオンに良い心象を持ってもらえたのは私としても本当は嬉しいの。本来ならねッ!

 でもそれで私はいい気になって、調子に乗り…、

 

『リオンと一緒になら危険な事なんて何もないわ! 私たちがレコン・キスタから国を守って見せるの!!』

 

と、啖呵を切ったのが災いの始まり。

 

 父様がお城から戻られ家族全員での夕食の席で発した言葉を皮切りに、お父様とお母様からの説教が始まり、しかもその説教の最中にリオンの奴が私が虚無の系統だと言う事を家族のみんなにバラしやがったものだから更に大騒ぎになった。

 

 そしてその事でまたお説教が長くなって、お母様に至っては私が親に嘘をついたと言う事に大層お怒りになり…

 

『親に平気で嘘をつく様な子だとは思いませんでした。少々躾け直さなければいけないようですね(クワッ!)』

 

と、私は母様のその鋭い眼光と杖を向けられ、中庭へとエアハンマーで叩き出された。

 

 その後、母の魔法により空を舞い上がり、時に渦巻き、揺さぶられ、吹き飛ばされ、そして屋敷より高く跳ね上げられた辺りで記憶が無くなり、ふと目が覚めると早朝の中庭でボロボロで土まみれの無残な姿で朝日を浴びていた。 

 

 そして、その日から敷地からの外出を禁止された。

 

 この軟禁生活の間、エレオノール姉様には暇なら勉強しろだの魔法の練習をしろだの顔を合わせる度にグチグチ嫌味を言われ。

 お母様にはリオンは毎朝早く起きて剣の鍛錬をしているのに彼の主として暇を持て余しているだけの生活をして恥ずかしくないのかと朝食の度にお小言を聞かされ。

 

 お父様もリオンは素晴らしい人物だから私もそれに見合った器量や(たしな)みを持ちなさいと、やっぱりお小言を聞かされ。

 そして味方だと思っていたちい姉様すら『確かに彼の言葉は辛辣だけど、でも貴女を思っての事なのよ。彼は本当に心が優しい人よ』と、リオンの味方になっているではないか!!

 

「ねぇッ! これちょっとおかしくない!? ここは私の家なのに何で私がこんなに肩身の狭い思いしなくちゃいけない訳ッ」

 

「普段のおこないではないかと思いますよ。ミス・ヴァリエール?」

 

「ミス・ヴァリエールはこの家に3人いるから誰だかわかんな~い」

 

「ほんと最近どんどん言動が酷くなってませんか? ルイズさん」

 

「シエスタまで!? 私の何がどこが酷いって言うのッ! もーーー!!」

 

 もうッ、みんなまるで私が問題児みたいな扱いして何なのよッ!

 

 リオンなんかここ最近、私を見る度に大きなため息吐くのよ!? 信じらんない。もうこんな生活なんて続けてられないわッ。もうこんな家にはいたくない。逃げたい。一体どう…… 

 

「………そうだわ。実家(ここ)から逃げちゃえばいいんじゃない」

 

「いきなり何言ってんですか?」

 

「そうね。まずどうするべきかしら? リオンは冷淡に見えて実際は世話焼きだから私が逃げれば追って来てくれるから別にいいわね。

 姉様たちは何も問題ない。ちい姉様はお身体が弱いから無理はできないし。エレオノール姉様はちょっと前から塔にこもって魔法の研究中。まだ暫くは出てこないはず。

 お父様は先日また城へと招集されたから、しばらく留守になる。

 と、いうことはお母様にさえ見つからずに家を出れば勝ったも当然……。ふふふ」

 

 私の華麗で可憐で完璧な頭脳が今生において最高の思考の冴えを発揮している気がする。

 ああ、今まさに完璧な策が沸いては消えていくわッ。見ていてくださいお母様。このルイズお母様をギャフンと言わせて見せるわッ!

 

「誰か! 誰か来てくだ「エクスプロージョン」ぎゃあっ!!?」

 

 大声を上げようとしたシエスタをボンッという小気味よい小爆発で意識を刈り取る。

 

「まったく油断も隙もありはしないわね。私の計画を邪魔しようとするなんて。まあいいわ。シエスタ、貴方は私の親友として手伝ってもらうわね。うふふふふふふふふふふ」

 

 さあ、大脱出よッ!!!

 

 

 

 

リオンSide

 

 「一体何がどうなったらこう(・・)なるんだ…」

 

 時刻は昼を過ぎた頃、僕はヴァリエール家の正門を呆然とした表情で見上げながら呟いた。

 

「すいません。私が無理やりにでも止めていれば、こんな酷いことには…」 

 

「…あなたのせいじゃ無いわ。わたしがもう少しルイズの気持ちを察してあげらてれいれば…」

 

 僕の横ではシエスタとカトレアが悲嘆(ひたん)の表情で顔を俯かせていた。 

 

「何を言ってるの? おチビがこうなったのも当然の報いじゃない。お母様に盾突いたらこう(・・)なるなんて分かってる事じゃないの。ほらカトレア、あまり長く外に出てると体に障るのだから部屋に戻りなさい。おチビのメイド、あなたもボケっとしてないでカトレアに付き添いなさい」

 

 そんな悲嘆に暮れていた2人にエレオノールが後ろから憮然と言い放った後、ボロ雑巾のようになって正門の上部に逆さで磔にされているルイズの姿を見て大きくため息を吐き、屋敷へと足早に帰って行った。

 

哀れな姿になっているのか。

 簡単な話し、ルイズが言いつけを破り屋敷から逃げ出そうとしたが失敗し、ヴァリエール夫人によって折檻された。ただそれだけだ。

 

 騎士達との午前の鍛錬を終え昼食を取っていた時、外から爆音や地響きに驚き駆け付けてみればこの有様だった。 

 脱走に無理やり付き合わされていたシエスタが言うには、やたらと自信満々に完璧な作戦を考えてあると言っていたらしいのだが…。

 

 この見るに堪えない姿を見れば、その完璧な作戦が一切成功しなかったのは想像に難くない。

 

「……。そういえば人間は長い時間逆さ状態だと死ぬと聞いたことがあったな。…はぁ、まったく。こんな訳の分からない事で迷惑をかけてくれるなと言いたいものだ」

 

 僕は大きなため息をついてルイズを騎士達と門から降ろし部屋へと投げ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

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