前回の続きになります。
それではどうぞ。
「ほら、みんな見て! とってもキレイなお魚が泳いでるわ! きっとあたし達と一緒に遊びたいのね!」
「こころん、こっちにもいるよ! あ、こっちにも! すごーい、水族館みたいっ!」
「あ! このお魚! 今、笑顔になったわよ!」
「……(こころちゃんとはーちゃん、はしゃいでるなぁ)」
海の中で泳いでる魚を見てはしゃいでいるこころとはぐみを浜辺で呑気に見守る彗。
「有咲、この魚かわいいねー。ずっと同じところでゆらゆらしてるよ。この緑色の魚、何ていう名前だろ……?」
「緑色の魚……? つーか、おたえ……それって……海藻じゃね?」
「……え? いつの間に?」
「つーか、最初っから海藻だったから!」
たえが最初から海藻だった事に気づいてなかった事を突っ込む有咲。
「よーし! はぐみ、このお魚さんと競争しちゃおーっと! えーい!」
「ハグミさん、待ってください! 私も行きまーすっ! ここはヒナさんに教わった、泳ぎ方の極意を!」
はぐみに続きイヴも泳ぐようだ。
「えっと確か……足をトンとやって、腕はピッ、そしてスイスイ~でしたよね!?」
「……(それ、一部の人しか解らない泳ぎ方だ。しかも擬音型だし……)」
「トン、ピッ、スイスイ~!」
擬音型?と思われる泳ぎ方で、普通に泳ぐイヴを見て、凄いなと彗は思った。
「イヴ! すごいわ! イヴって、とっても泳ぎ方が上手ね!」
「これはヒナさんに教えてもらった、泳ぎ方の極意です! ココロさんも、一緒に泳ぎましょう!」
「そうね! それじゃあ、あそこまで行きましょう! ほら向こうに
こころの言葉に何やら不穏な言語が混じってた。
「は!? サメっ!? 今サメって言ったか!?」
「……え? フカヒレ? 有咲ちゃん、フカヒレどこ?」
「そこじゃねーよ!? 確かにフカヒレの元はサメだけど!」
真顔でフカヒレどこ?と訊く彗に、そこじゃねーよ!と突っ込む有咲。よく見ると、背びれみたいな物体が確認できた。しかも段々こっちに近づいてるではないか。
「サメさんもあたし達と一緒に遊びたいのかもしれないわ! サメさんのところまで競争よ!」
「えっ、ちょ……っ! 弦巻さん! ホントにやばいから! 戻って来いって!」
「平気よー! みんなも早くいらっしゃいっ!」
有咲の制止も聞かず、平気だと言わんばかりにサメがいる場所まで向かうこころ。
「……なんだ、サメかと思ったら木の板か」
「ね、ねえ、彗……」
「……ん、どうかした?」
「も、もう少しだけ、このままでもいいかしら……?」
「……ん、こころちゃんがいいなら」
いつの間にか、こころが居る場所まで移動してた彗。何故か彼は水面に浮いており、こころは彗にお姫様抱っこをされていた。彼女の顔が赤いのが彗は気になるが。
ちなみにサメかと思ってた物体の正体は、木の板だった……
「よ、良かったです、ココロさん……」
「ま、まあ、冷静に考えたらこんなところにサメがいるわけねーよな……あーびっくりした」
何はともあれ、サメでなくて良かったと安心する一同。
「つーか、心臓にわりーって……1回上がって、休憩しようぜ……っ」
「……ん、僕も水面走りを久しぶりにやったから、ちょっと休みたい……はーちゃん、他にやりたい事とかない?」
有咲の言葉に、こころを連れて戻ってきた彗も同意する。なので、はぐみに他に何かやりたい事がないかを訊いてみる。
「え? それじゃあさ、みんなでビーチバレーをしようよっ!」
「ビーチバレー! いいわねっ! やりましょう!」
先程まで顔が赤かったこころもビーチバレーにやる気なようだ。
「休憩って、言ったのに……全然、聞いてねーし……」
「……ん、有咲ちゃんも審判やればいいんじゃない?」
「あ、確かにその手があった……」
休憩ができるかと思ったが、彗の妙案に乗る有咲なのであった。ちなみに彗は先程の水面走りについて色々聞かれたのは余談である。
◇
「それじゃあ、あーちゃん! すいちゃん! 審判はお願いねー!」
「はいよー」
「……ん、では第1回。チキチキビーチバレー。はーちゃん、こころちゃんチーム対イヴちゃん、おたえちゃんチームです」
「……(つーかこれ、戦う前から勝負決まってるだろ)」
どうにか審判をやれる事になった有咲と彗。ビーチバレーのチーム分けは、はぐみとこころ対イヴとたえになった。
「必殺、はぐみサーブ! いっくよー!」
そーれ!と強烈なサーブをするはぐみ。
「よーし……はい、キャッチ!」
「取るなーっ!」
何故かボールをキャッチするたえを見た有咲が彼女に突っ込む。
「え? ダメなの?」
「お前なー! 基本ルールはバレーボールと一緒だぞ! 弦巻さん北沢さんチーム、1ポイント!」
当然だが、基本的にビーチバレーはバレーボールと一緒である。なので、はぐみとこころのチームにポイントが入る。
「わーいっ! はぐみのサービスエースだよーっ!」
「はぐみ、すごいわ! その調子よ!」
「タエさん! 試合はまだまだこれからです! 頑張っていきましょう! ブシドーの精神です!」
とまぁ……こんな感じで、ビーチバレーの試合は続くのである。
「今度はあたしのサーブね! いくわよー……そーれっ!」
「イヴ、そっち行ったよ!」
「はいっ! ブシドー!」
「おーっと、イヴちゃん選手、あのサーブを拾ったぞー」
そこから10分後も試合は白熱していた。彗もノリノリで実況しているが。
「タエさんっ! ヒッサツワザいきましょうっ!」
「うん!」
「必殺技!? さっきこそこそ何か話してたけど、すげー技でも考えてたのか……!?」
どんな必殺技なんだ……と少し期待してた有咲だったが……
「「ブシの花園アターック!!!」」
「ブシの花園アタック!? ……って、よく見たらただのフェイントじゃねーかっ!」
「しかし僕的には、ネーミングセンスが良い響きなので、2ポイントあげます」
「あげるな、あげるな!?」
必殺技の正体がただのフェイント、更にそのネーミングセンスの良さにポイントをあげようとする彗に突っ込む有咲。
「それーっ!」
「ちょ、あっさり拾われてるし!」
「こころん、ナイスレシーブっ! いっくよーっ! はぐみアターック!」
「おーっと、こころちゃんのナイスなレシーブから、はーちゃんの必殺技が炸裂したぞ。しかもはっやーい!」
今度のボールはさっきより速く、イヴとたえが居るコートに飛んできた。
「こうなったら……キャッチ!」
「はぁ……はい、ゲームセット。弦巻さん北沢さんチームの勝利!」
たえが最初と同じくボールをキャッチした事によりゲームは終了。こうして、ハチャメチャなビーチバレーを楽しんだ一同なのであった。
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