前回の続きになります。
それではどうぞ。
まりなの誘いで、スイカ割り大会に出る役割を決める為に、スイカ割りで決める事になった6人。
「スイカ割りって、意外と難しいんだね。全然知らなかった」
「結局、おたえもダメだったか……」
「たえちゃん、スイカまでもう少しだったんだけどね」
有咲とまりなが先程まで挑戦してた、たえに言う。
「目が回ると、どこに向かっているのか分からなくなっちゃうね。けど、こころはさっきなんで急に走り出したの?」
確かに、こころは出番になった途端、砂浜をダッシュし始めたのだ。
「なんだか突然走り出したい気分になったの! スイカがあたしを呼んでいたのかもしれないわ!」
「その割には、スイカを飛び越して彗のところまで一直線だったけどな……」
「……ん、ちょっとだけ焦った」
そう。何故かこころはスイカを飛び越して、彗が居る場所まで走ってきた……というより、飛びついてきたという表現が正しいが。
ちなみに彗はこの時、目隠ししながら自分に飛びついてくるこころに少しだけ焦ったが。
「ハグミさんはあと一歩のところでしたね! とっても惜しかったです!」
「もうちょっとって思ったらあせっちゃった!」
でも、スイカ割りってなんかすごい楽しーねっ!と答えるはぐみ。
「さてそれじゃあ、次はイヴちゃんの番だね!」
「はいっ! 絶対にスイカを割ってみせます!」
「ん!? それって……木刀っ!?」
ここで有咲。イヴの手に木刀が握られてる事に気づく。
「こんなこともあろうかと、マイ木刀を持ってきておいて良かったです!」
「ど、どういう状況を想定してたんだ……?」
「このマイ木刀で、必ずスイカを仕留めてみせます!」
「……(イヴちゃん、笑顔で凄い事を言ってるよ)」
口には出さないが、マイ木刀を持ちながら笑顔でスイカを仕留めるというイヴを見て、彗は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「イヴちん、かっこいい!」
「イヴ、スイカの声を聞くのよっ!」
「任させてくださいっ! みなさんのカタキ討ちです!」
「「……(相手はスイカなのに……?)」」
はぐみとこころの応援に意気込むイヴ。そもそも『敵討ち』と彼女は言ってたが、相手はスイカなので関係ないのでは……?と有咲と彗は思った。
◇
「み、みなさん……すみませんでした……っ! 結局、カタキは討てませんでした……っ。修行が足りなかったみたいですっ!」
結果的にイヴはスイカをうまく割れなかった。現に今もシュンと落ち込んでいる。
「つーか、スタート直後に目が回って、立ち上がれなかっただけだけどな……」
理由は有咲が言った通り、スタート直後に目が回ってしまったのが失敗した原因なのだが。
「イヴもダメだったか……あれだな、最初の回転で目を回さない事が肝心だな」
「……ん、そうだね。大体のスイカの位置までは行ける筈だし」
「す、すごいです、アリサさん! スイさん! この短時間でそこまで分析できるなんて!」
イヴがキラキラした目で言うので、大体見れば分かるからと有咲は訂正した。
「それじゃあ最後は有咲ちゃんと彗くんだね!」
「……ん、僕が先にやると、スイカがとんでもない事になっちゃうので、先に有咲ちゃんにやらせてあげてください」
「あ、確かに……」
「まあ、彗がそう言うなら……やってみるか……」
彗の言葉に、まりなはそうだった!と思い出したばかりに先に有咲にやらせる事に。
「(わ……目隠ししたままだと、結構方向感覚がなくなるな、これ……)」
実際に目隠しをされると、こんな感じかと実感する有咲。
「(確か、5回転と3分の2、回ってる筈だから……あと3分の1くらい回れば……)」
イヴがやった時を思い出しながら、回転する有咲。あと3分の1くらい回ればスイカの正面の位置で合ってる筈だ。
「有咲、もうちょっと右よ!」
「あ、いいね。その調子でまっすぐ進んで!」
「あーちゃん頑張れーっ! もうちょっとだよっ!」
こころ、たえ、はぐみの声も聞きながら、進みながらも位置を確認する。スイカまでは5メートルだったから……大体この辺だろうか?
「……ん、位置合ってる」
「アリサさん!! 今ですっ!!」
彗とイヴの声を聞いた有咲は、手に持った棒で、えいっ!!とスイカに向かって振り下ろす。
『……!』
「い、今、手応え……あったぞっ!」
確かに手応えがあった気がした有咲。スイカは割れたのだろうか?
「「……当たった(わ)!」」
はぐみとこころが喜びの声を上げる。
「有咲、すごい……スイカに当たったよ!」
「ま、マジで!?」
それを聞いた有咲は目隠しを取る。
「アリサさん、見事な一刀でした!」
「……ん、スイカの位置もほぼ完璧だったよ」
「凄いよ、有咲ちゃん! ちゃんとスイカにヒビが入ってるよ!」
確かによく見ると、スイカにはヒビが入っていた。
「……ん、アタッカー、有咲ちゃんがやってもいいんじゃない?」
「えー!? 私!? 彗がやればいいじゃねーか!?」
彗が有咲にそう進言した。その理由を説明するついでに棒を借りる。
「……ん、僕がやっちゃうと……」
先程のスイカに向かって、彗が棒を振り下ろすと……
「……ん、爆散するか、こんな風に変な形になるかのどっちかになっちゃう……」
「ま、マジか……」
「……ん、これじゃスイカ割り大会じゃなくて、スイカを切る大会になっちゃう……だから、有咲ちゃんが適材適所」
「適材適所……なのか? それ……」
そこには薄切り状態のスイカがそこにあった。……その理屈もどうなんだ?と思った有咲だが、確かにそれだとスイカ割り大会じゃないかもと思う自分も居たので、何とも言えないのであった。
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