ラスボス枠ののじゃロリ系美少女になってしまった転生者の話 作:かぐやま
どうしてこうなった。
「え…」
突然の事すぎて頭がパニックを起こしている。周りの景色は明らかにいつもの俺の部屋ではないし、周囲からは鼻がもげるような異臭もしてくる。
とりあえずその異臭が耐えられないため手で鼻を防いだが、その時の手を見て、また目が点になるほどの衝撃を受けてしまった。
「は?」
手が明らかに小さい。こんなに華奢そうな少女みたいな指も俺にとって見覚えがない。俺は成人して社畜街道へと足を踏み入れた成人男性だった筈だ。こんな綺麗な手をしてる訳がない。
俺は恐る恐る自分の体を見てみる。
休日は全裸で過ごす事が日課の俺。
普通だったら運動していない事が丸分かりなだらしない腹と、俺のマイ息子が微笑んでいる筈である。
「はぁ!?」
だがそこにあったのはデカい胸とかいう有り得ない存在とスラっーとした体型の別人のような姿だった。思わず自分の体の筈なのに、二度見してしまうくらいの別人だった。
ここで俺の頭の中である一つの仮説が生まれた。
それは俺が異世界転生したという事だ。
見覚えのない光景に自分のものではない体。こんな展開なろう小説で溢れてる内容だ。大人になっても異世界転生とかいう意味不明なものに夢を抱いてた俺にとっては最高な展開
女じゃなければの話だがな…
異世界転生と一口に言っても、様々な種類がある。今じゃ溢れすぎてネタの採掘が困難なざまぁ系主人公に、モブに転生して原作改変を志すモブ兼主人公のやつとか、底辺から成り上がるとか…etc
とにかくそんな中で俺はTS転生とかいうなろうじゃそんな聞かない理解不能な転生をしてしまったと考えるべきだろう。
考えたら頭痛くなってきた。これじゃハーレムも作れやしないし、かと言って俺は今の体の持ち主のバックボーンすら掴めてないから成り上がりとかしても、絶対に気持ちよくない。
例として成り上がりというのは比較になる対象が『アイツ…俺たちが苦労してる時に自分だけ活躍しやがって…!』とかそう言うのがないと俺が気持ちよくなれないし面白くないのだ。
「気分が悪いのう…(頭いてぇな…)」
あ…?この体自動翻訳機能付き?ふざけんなますます片腹いてぇわ。俺の前の体の持ち主って口調から察するにのじゃロリ系なのか?んなの聞いてないって。
「ここは絶対に…貴殿には通さぬ場所じゃ。お帰り頂こうかの。」
「僕達にだって使命があるんだ。ここで奴を倒さないと、世界が破滅に近付いてしまう!」
考え込んでたら外から凄い話が聞こえてきた。何なんだよ…本当に。声からしてジジイと高校生くらいの奴らが話してんのか?
普通に話の内容気になるから近くの壁に張り耳しよ。やべ…本当に臭ぇよ。壁の外からだったのか、この異臭は。
「ではそうじゃの…ならば貴殿の最後に
「何か…嫌な予感がするリレイ。」
「…ちょっと、これは不味いかもね…。」
待て待て…月花朧水流って言ったか?壁の向こうの奴そう言ってたよな。聞き覚えしかないぞ。しかもリレイとか言ったか?この名前も俺は知ってるぞ。
「月花朧水流、秘技、
「一瞬で…消えた?」
「リレイ…!危ない!避けて!!」
おっ…リレイ死んだな。
そんな事より俺はこの世界を知ってるぞ。月花朧水流とか名前のリレイとか察するに、俺は前世でプレイしてたゲームに転生したらしい。
まぁ…結構な死に鬱ゲーだったと付け加えておく。
これ…俺の立ち位置、多分ラスボスなんよね。
今はゲームの序盤のプロローグだと思う。確か主人公リレイが一度死んで、ラスボスが『こやつは面白い童じゃのうて。ここで死んではつまらん童じゃ。どれ、蘇生してやろう。 』とか言ってリレイが記憶喪失で復活する展開だったと思う。
あ、ほらその証拠に
「り…リれ…イ?りれい…?あっ…あぁ…血が…ちが…。」
「に…げて…はや…く…。」
「ほっほっ、この程度すら防げん奴が姫様を狙うなど烏滸がましいですな。魔力は保有しておったのに勿体ないのぉ…。」
リレイが虫の息になってる。
そう言う事か。俺は原作改変をすればいいのね。良くある話だけどそれも良いじゃねぇか。俺今ラスボスだし、好き勝手出来るし御茶の子さいさいだ。余裕でしかない。
そうなったらやる事は決まった。
取り敢えずリレイを復活させよう。
なんか魔法の使い方は体が覚えている。これ転生じゃなくて憑依かもな。まぁそんな事はどうでもいい。
「神魔反転」
俺がそう言うと裸だった姿から露出の多い和服姿になった。豊満な胸元がこれでもかと強調されている。足元もスースーして落ち着かん。まじでなんで、よりにもよってのじゃロリ系に転生すんだよ。
「はぁ…しょうがないのう…妾が行くとするか。(はぁ…マジでめんどくせぇけど…俺が行くしかねぇのか…。)」
勝手に翻訳されんのムズムズするなぁ…はぁ…。
◇
「いやぁあ!!リレイ…死なないで…お願い…お願いだから!!!」
私はここに来た事を一生後悔するかも知れない。だって私と仲良しで幼馴染だったリレイが死んじゃうかもしれないから。
リレイは私と一緒に世界を混沌に貶めている元凶を倒そうって息巻いてた。
私はリレイなら出来ると思ってた。リレイは私と違って才能も段違いだし努力も出来る天才だ。この道中は敵なしで彼は無類の強さを誇った。
「あ…ああ…ぁ」
でもそんな彼は重症を負っている。
それでも彼は助かるかも知れない。死ぬ事は私が認めない。だって私が諦めたら彼はもう助からないから。リレイは勇者だ。そして私は魔術を使える。まだリレイは助かる筈なのだ。私が助けなければならない。
「
私の頭の中に疑問符が浮かぶ。何故かいつも塞がる傷が塞がらない。彼の血が止まらない。意味が分からない。
「どうして、どうしてどうしてどうして…どうして?あはは、どうして私笑ってるんだろう。あは、アハハハハハハハハ!!!」
リレイはあれから
目を覚ましてるならどうして私の事を呼んでくれないの?ねぇ…どうして?リレイってさ私の事、いつも可愛いね…とか、君と一緒に居ると楽しいとか言ってくれたよね。それがなんで今はずっと私を見て固まってるの?ああ、私の事を見つめすぎて緊張しちゃった?ダメだよリレイ。今は戦闘中なんだから。集中しないと殺られちゃうからね。もう、私がいくら可愛いからって私に余所見しないでよ。リレイは本当におっちょこちょいなんだから。戦闘中なんだよ?
私が────
「おい、そこの気狂い女。そこを離れるのじゃ。」
あは…ねぇ、リレイ。私と貴方の約束を果たすべきじゃない?今さ目の前に、世界の元凶がいるよ。目を開けたままじゃなくて反応して欲しいな?
「フン…そこを離れるつもりがないようじゃな…。」
離れるって、私がリレイから離れる訳ないじゃん。だって昔から私と一緒に居たんだよ?どうして離れると思ってるの?コイツは。
「おい、そこの!」
「はい、姫様。何か私めに用がありますかな?」
「目の前の気狂い女を引き剥がせ。妾の気が失せてしょうがない。」
「承知。ですが目の前の
死体って言った?あのリレイに傷を負わせたクソ野郎が?いやリレイはまだ生きてる。リレイがそんな簡単に死ぬ筈がない。だって彼は最強だから。彼は未だに目を開けているから。死体ってさ、目を閉じて永眠していたら死体なんだよ?リレイはまだ目を覚ましてる。だからまだリレイは死んでない。
リレイは────
「あぁ!もうよいわ!!余計な事を言いおってからに…気狂い女がまた発狂しておるぞ。はようせんかい。」
「すみませんなぁ…私めの配慮が足らないばかりに。では、拘束致すとするかのう。」
アイツがそう言うと、リレイを傷付けた奴が私の後ろに立って、そのままリレイから引き離された。
「いや…リレイに何するつもり!!リレイはまだ生きてる!生きてるのよ!!止めて…止めてよぉ…」
私はそれに大して抵抗する気力も湧かず、ただ泣き叫ぶ事しか出来なかった。
のじゃロリ系筈なのにお嬢様になってました…
一部のお嬢様の部分を姫様に変えてます。
すみません(;_;)
急に変えたので変わってない所もあるかも知れないです。
新参者なので許して…。