双子の片割れを失って覚醒するのって良いよね! 作:入魂ロフス
縁壱の術式名がしっくりこないので一緒に新名称を考えて下さい…。
縁壱side
今日は高専入学の日!
新潟から東京はそれなりに時間がかかるので今日は早朝に起きました。送られてきた制服に着替えてから何年も暮らし続けて第二の実家となった喜作爺さんの家の前で兄上と補助監督の方の迎えを待ちます。
「ふぁ…兄上、今朝は早いですねえ…」
「此処は…新潟の山の中だ…高専は…東京にあると聞く…ざっと5時間程かかるだろう…ん」
「二人ともようこんな時間に起きたのう…まあ遅刻して印象悪くするのも悪手じゃが…真面目過ぎると呪術師はやっていけないと言ったのを忘れるなよ」
ゆっくりと裏庭からやってきた喜作爺さんがこないだ言った忠告を念押ししてきました。
「呪術師は…人死にが多い…逃げるのも…有効な手段だと…よく言っていましたね…」
「了解です喜作爺さん、程よく力抜いてやっていきますよ」
「お前は…力を抜いたら…倒れるだろうが…」
「ハハッ!冗談だよ兄上!」
「ふふ……迎えが…来たようだ…」
私の冗談に笑ってくれた兄上が車の走行音を聞き取ったらしくこちらに言ってきた。
兄上は耳が良いですね〜。私は呪力が多すぎて呪力感知の精度がザルですからね…要改善です。
「よく分かったな巌勝…その調子で精進しろよ」
「勿論だ…縁壱はもう…死なせない…」
「兄上、私ももうあの時のような足手まといではありません!ガンガン頼ってくださいね!」
「ああ…頼りにしているぞ…」
「…こいつらほんとに呪術師か?」
爺さん何気に失礼なこと言いますね。私達が生き残れる呪術師になる為に育てたのはあなたでしょうが。
「あの…」
おっと…補助監督の方を待たせてしまいましたね。
……そうだ、門出の挨拶は必要ですね。
「「呪胎」皆、出ておいで」
『チュウー!』『ブモォォォ!!』『ワオォォーン!!』
「うおっ!?」
「驚かせてすいません、区切りは必要ですからね」
「…?」
私の眷属創術の最も基礎的な技術「呪胎」、式神人形が私の呪力に受肉し顕現する技です。
私と同等の呪力量を持つ式神…「殖鼠」と「震牛」と「崩狼」が現れて補助監督の方が驚いてしまいましたね。
「母さん…父さん…モンちゃん…一緒に頑張ろう」
『チュウ!』『ブモッ!』『ワン!』
「三人とも…縁壱と巌勝を守ってくれ…本当にすまんかった…」
喜作爺さんが申し訳なさそうに三人に私達を守るよう頼みます。
『『『………』』』
「喜作爺さん…貴方の罪は…既に償った筈だ…謝る必要は無い…」
「そうですよ!これから皆と一緒に頑張ります!」
そうそう!命も救ってくれたしあの時の入れ歯ぶっ飛びパンチでトントンですよ!
「二人とも…頑張れよ」
「「はい!」」
「私すごい場違い…!」
蚊帳の外でごめんね補助監督さん…あなた名前は?…時透さんですか。これからよろしくお願いします。
「それじゃあ…これから東京校へ向かいます」
「「レッツゴー!!」」
「テンションが乱高下ですね…」
3時間後ーー…
補助監督の時透さんside
「「………zzz」」
この二人一瞬で寝ましたね…まあまだ朝の4時ですし…若者ならこんなもんですかね……。
この二人は呪術的に凶兆である双子。
そういう思想の補助監督を付けると大変な事になると符院喜作…先代符院家当主の計らいがあり、双子の子供がいる私が二人の補助監督に任命されました。
それにしても二人とも仲が良いですね〜うちの子たちも将来これくらい仲良くなると良いな〜……………っ!!!!?
「やっべ!!!」
「「……ん?」」
この呪力……呪霊!しかも一級レベル…!マズイぞこんなところで未発見の呪霊に目をつけられるとか洒落にならん!
「二人ともっ!全力で飛ばします!車が破壊されたら全力で逃げて下さい!!」
こんなところで将来有望な若者を失うわけにはいかない…!最悪二人だけでも逃さなけ「止めて下さい」……え?
「無茶です!さっさと逃げますよ!」
「大丈夫ですよ、これくらいなら修行で倒した事ありますから」
「然り…一人でも…倒せるレベルだ…」
「ええ……」
あの爺さん二人にどんな修行したんですか…?
二人の言葉に従って車を急停車させる。
車から降りた二人の背中がとても大きく見えた。
「「スゥーー……さっさと来いやクソヘビィーー!!」」
やっぱりこいつらガキだな。
巌勝side
…………ムニャムニャ…鮭…美味し…ん?
遠くから不自然な風の音がする、呪霊か…?
「やっべ!!!」
「「……ん?」」
「二人ともっ!全力で飛ばします!車が破壊されたら全力で逃げて下さい!!」
何やらとても焦った様子の時透さんが大声で叫んだ後車を急加速させた。
確かに車が破壊されたら困るな…倒すか…?
「止めて下さい」
「無茶です!さっさと逃げますよ!」
先に縁壱が言ってくれた、そしておそらく時透さんは私たちがアレに勝てないと思っているらしい。
「大丈夫ですよ、これくらいなら修行で倒した事ありますから」
「然り…一人でも…倒せるレベルだ…」
「ええ……」
何やら困惑しているがたぶん私達をただの新人だと思いこんでいたのだろう。
私達は喜作爺さんの地獄の修行で既にそれなりの実践経験は積んでいる、アレくらいの呪霊一体なら二人で協力すれば楽勝だ。
縁壱と二人で車から降り、目配せをする。呪霊に車を壊されると困る…私達に狙いを固定するのに最も有効なのは…挑発!
あの龍っぽい呪霊をブチギレさせてやろう!
「「スゥーー……さっさと来いやクソヘビィーー!!」」
見事にかぶった。呪霊にもよく聞こえた事だろう。
『ギャォォォオオオ!!!』
「しかしあの呪霊ロマン溢れる見た目してますね…!」
「奴の術式は…おそらく空気の操作…風の音が不自然だ…」
「了解です!兄上は服の中に母さん入れといて下さい。「呪胎・殖鼠」お願いね母さん」
『チュウ!』
縁壱の呪力に受肉した母さんを制服の中に仕舞い、入れ替わりに剣鉈型の呪具を取り出す。
喜作爺さんからの餞別…二級呪具「山狩」だ。特に術式効果を持たないシンプルな呪具、俺の戦闘スタイルにはそれなりに合致している。
「そんじゃあ…行ってくる!」
ッバゴォン!!
「ええーー!!?」
「ハハッ!行ってらっしゃい!」
縁壱side
「そんじゃあ…行ってくる!」
ッバゴォン!!
「ええーー!!?」
「ハハッ!行ってらっしゃい!」
アスファルトを蹴り壊して空にいる呪霊に向かってすっ飛んでいった兄上に時透さんがびっくりしている。やっぱり初見だとそうなるよね!
さて…私は私でやる事があるから…
「「呪胎・崩狼」待機ねモンちゃん」
『ワン!』
「そうだ…さっさと離れないと……!」
こっちは準備完了っと…お、もう呪霊ズタズタだな…私要らないかも…まあダメ押しは必要か?
「モンちゃん、兄上にわかる程度に放電」
『ワン!』
バリッ!
兄上は感覚が異常に鋭い、呪力を感知できなくても電撃を察知して避ける事ができるくらいには異常な鋭さだ。
この放電で兄上と殖鼠には合図が伝わったはず。
「やってくれ…母さん…」
『チュウ…!(「倍培呪法・複体」崩狼!)』
『ワォォン!』
殖鼠の術式でもう一人の崩狼が生成される。
殖鼠の術式「倍培呪法」は生命を複製する術式!式神のような呪力で形成された擬似生命なら一瞬でかつ低燃費で複製できる!
「ふんっ!!」
『ギャォッ!?』
空中で呪霊にしがみついて滅多刺しにしていた兄上が呪霊を蹴り飛ばす。呪霊が飛ばされた先は空中に投げ出された複製の崩狼と地上にいる本物の崩狼の中間。
崩狼の呪力特性は電気、空中で放出された呪力の電撃はもう一人の崩狼に向かって流れ出す!
バリバリバリバリッ!!!
『ギャッ』
崩狼全力の雷に匹敵する呪力放出を集中して受けた龍のような呪霊は断末魔の叫びと共に消滅した。殺した呪霊の魂が術式に吸収されるのを感じて構えを解く。
ズンッ!
「兄上!首から血が出てるじゃないですか!」
「ああ…治療を頼む…」
またもやアスファルトを砕いて着地した兄上をよく見ると風の術式で傷つけられたのだろうか、首に切り傷が付いている。
早く治療しなければ出血が洒落にならない…!
「母さん、頼みます」
『チュウ!チュー…チュッ!(わかったわ!「倍培呪法・培養治癒」……よしできた!)』
「母さん…ありがとう…」
『チュウチュッチュウ!(これくらいならいくらでもやってやるわよ!)』
母さんは術式で首の傷が塞がった兄上の感謝の言葉に気さくに返してくれた、やはり母さんは優しいな…。
「うわー…本当に一級呪霊倒しちゃったよ……報告書大変だな…」
「時透さん…早く行きましょう…遅刻してしまう…」
「時透さん早く車に乗って!さっさと行きましょう!」
「ああ…ソウダネ」
こんなに早く起きたのに遅刻はあんまりだ!
どっち死なせる?
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巌勝
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縁壱
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両方書いて