双子の片割れを失って覚醒するのって良いよね!   作:入魂ロフス

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4話

縁壱side

 

「はい、先程一級呪霊と会敵しまして…いえ、送迎していた新入生が跋除しました…マジです。道路がかなり損壊してるので事後処理お願いします…はい。…二人とも!飛ばすぞ!」

「「おおーー!!」」

 

 上司への連絡が終わったみたいで携帯を閉じた時透さんが運転する車が人気の無い道路を最高速で飛ばし始めた。

 東京に向かう車に襲いかかってきた一級呪霊を祓って直ぐに車に乗り込み急いで東京に向かう私達。

 呪術高専があるという東京の筵山というところに着く頃には既に9時、時間ギリギリの到着でした。

 

「着いたぞほら急げ!」

「了解…!」

「イエッサー!」

 

 時透さんの掛け声と共に車から飛び出した私達、私は早く走れないので兄上に担いでもらっています。

 さすが兄上、持ち前の鋭い感覚と身体能力で初めて来た土地をスイスイ駆け抜けていきます。

 

「なんだここは……?」

「…凄まじい呪力を感じますが教室では無いですね」

 

 ……ここじゃ無い!

 

「今度は何しに来た五条!……あ、ごめん」

「……失礼した…」

 

 ……ここも違う!

 

「……私は方向音痴なのか…?」

「ここは兄上じゃなくても迷いますよ」

 

 何度も場所を間違えながら教室に向かって走り抜ける私達。

 途中で外界と遮断されてるっぽい所に出たり何故か巫女服の女性に水をかけられたりしたが今行きたいのは一年の教室だ!

 

「え〜コイツら雑魚じゃ「着いた……!!」…お?」

「びしょ濡れマッチョだ」

「悟…彼は中々の呪力だね」

 

 呪力感知の範囲外から超高速で教室まで来た私達に驚いた様子の五条悟らしき人物…見れば分かる、私ほどでは無いが膨大な呪力、練り上げられた肉体と呪力操作、そして莫大な魂のエネルギーを発する『六眼』…彼は間違いなく強い。

 

「……どうも、継国縁壱と…」

「巌勝だ…ここは一年の教室か…?」

「こんにちは!俺と同じ新入生かな!俺は灰原雄!趣味は大食いだよ!」

「……私は七海建人…パン派です。……なんでびしょ濡れなんですか」

「継国縁壱、おはぎが好物です」

「継国巌勝…趣味は鍛錬…先程…道に迷った…」

 

 先輩らしき三人組を無視して同級生になるらしい二人と自己紹介を終わらせる。

 

「へえ!おはぎか!良いね!」

「…二人は双子で「すげえな!天与呪縛で強み打ち消しあってるぞ!」……ハァ」

 

 七海さんの声を遮って五条悟が私達の天与呪縛の事を大声で喋る。

 この人にはデリカシーってもんが無いんでしょうか。

 

「悟…そういうのは言わない方がいいんじゃないか?」

「ていうかコイツカスみてーな呪力しかねえんだけど……傑、お前ガリガリの方な」

「了解悟、さあ行こうか二人とも。灰原と七海は見てなさい」

「え〜…コイツら泣いちゃうよ?」

「「「「……?」」」」

 

 何やら仲良し三人組で通じ合っている様子の五条悟と前髪が特徴的な呪霊操術の使い手の夏油傑と反転術式のアウトプットが出来るという家入硝子。

 何が何だか分からぬうちに三人に校庭に連れて来られた私達は灰原さんからよく分かってない笑顔を、七海さんからは気の毒そうな眼差しを向けられる。

 私は夏油傑の前に、兄上は五条悟の前に立たされた。

 

「よーいスタート〜」

「行け」

「縁壱!!」

「…っ『呪胎』!」

 

 家入硝子らしき女子生徒の気の抜けた号令と共に夏油傑の背後から飛び出して来たイカのような呪霊を兄上が瞬時に斬り伏せる。

 ようやく状況を理解した私は急いで皆を顕現させる。

 いや普通入学早々後輩に喧嘩売るか……!?いや…私達は先輩達に試されている…?

 

「…傑、あいつ呪霊見えてるよな……感覚の鋭敏化か…?

 ま、俺の無下限攻略は無理だな」

「君、式神使いかい?私の呪霊操術の下位互換で可哀想に…」

 

 この人たち新入生のこと煽るのが趣味かなんかですか?

 夏油傑の発言に兄上が青筋を浮かべる。兄上煽り耐性低いよね。

 

「夏油傑…弟を侮辱するな…あと縁壱の術式は…呪霊操術の下位互換では無い…!縁壱…五条悟は任せたぞ…」

「そうだそうだ!兄上もっと言っちゃ…ゑ!?」

 

 ちょっと兄上!?私にあのバケモノを相手しろと!?

 

「オッエー!ブラコンでキッモ!おいヒョロガリの方、先に攻撃して良いぞ」

「まあまあ悟…兄弟愛と言ってあげなよ…さて、負け惜しみは負けてから言え、濡れゴリラ」

 

ビキィ……!

 

 兄上から明らかに鳴っちゃいけない音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

七海side

 

 どうしてこんなことに………!

 いきなり始まった先輩二人と同級生二人の戦いを気が遠くなる思いで観ながら何故こんなものを見せられているのか考える。

 

「オッエー!ブラコンでキッモ!おいヒョロガリの方、先に攻撃して良いぞ」

「まあまあ悟…兄弟愛と言ってあげなよ…さて、負け惜しみは負けてから言え、濡れゴリラ」

「…………………縁壱…全力だ…!!」

 

 ………ダメだ、まるで分からない。

 先輩達の知能指数が低そうな煽りとそれに乗る同級生に混乱してきた。

 

「どっちも頑張れ〜!」

「ヒューヒュー!」

 

 隣の灰原や遠くで野次を飛ばしている家入先輩のように唯の余興として楽しめればどれだけ良いか…!

 予備動作がほぼゼロで飛び出したイカの呪霊を先程まで五条先輩と向き合っていた筈の巌勝さんがどこから出したかも分からない剣で斬り伏せたあの一連の攻防……あれだけで私たちとは実力が違うのがありありと分かる…!

 それにあの三体の式神はなんだ…?縁壱さんとほぼ同等の呪力量…あの動きをした巌勝さんに認められる実力…どれだけ出鱈目な式神か想像もつかない……!

 

「呪霊操術」

『倍培呪法』

 

ゾゾゾゾゾゾ………!!!

ポポポポポポ………!!!

 

『「行け」』

 

 夏油先輩と縁壱さんのネズミの式神の背後から膨大な量の呪霊と三体と同じ見た目の式神が溢れ出しそれぞれの相手へと押し寄せて行く。

 

「鬱陶しい…」

 

 たった一言、巌勝さんが零した言葉に背筋が粟立ち、瞬きをした次の瞬間には…

 

バツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツバツ!!

 

「なっ!?虹龍!」

ガキィン!!

「ふっ…出し惜しみしているな…破壊されたら…二度と使えないと見た……!」

「………」

 

 その場に展開されていた四十を超える呪霊を瞬きの間に鏖殺したっぽい巌勝さんの攻撃を咄嗟に出した龍の呪霊で受ける夏油先輩。

 流石にあれだけ出していた呪霊を瞬殺されたのは驚いたようでかなり警戒しながら構えている。

 それから何度か巌勝さんが攻撃を仕掛けるが相当硬いのだろう龍の呪霊に阻まれて膠着状態に陥っている。

 

「ねえねえ七海!あっちもなんかすごいよ!」

「ヒューヒュー!」

 

 灰原に言われた所を見てみると五条先輩の姿が見当たらず、縁壱さんのネズミの式神を中心とした三種の式神が山のように積み上がっていた。

 あとあなたさっきからヒューヒューしか言ってないじゃないですか。

 

「五条先輩はあの中に?」

「ときどき爆発するけど直ぐに治ってるよ!」

 

 あの五条悟を完封している…?いや…五条先輩が本気を出していないのか?

 それにしても凄まじい量の式神…あれだけ居たら呪霊皆殺しにできるのでは…?やってらんねー……。

 ……ん?縁壱さんが何かしている…?

 

 

 

「術式順転『揺籠』……極の番『黄泉帰り』」

どっち死なせる?

  • 巌勝
  • 縁壱
  • 両方書いて
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