遊戯王LIFE   作:首領ぶり

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勝たなくても良いデュエルに、勝ってみせると勢いよく宣言した遊生。強力なモンスターに2枚の伏せカードが立ち塞がる中、遊生は盤面を突破することができるのか。


第3話 燃ゆる闘志-東雲遊生-

遊生 LP1500

魔法少女ファイア

魔法少女アクア

手札4枚

 

三澤 LP4000

剣闘獣ガイザレス

剣闘獣ドミティアノス

剣闘獣エーディトル

伏せカード2枚

手札0枚

 

「私は、墓地から罠カードを発動!【ブレイクスルー・スキル】!!このカードは、墓地からこのカードを除外して発動!対象は、【剣闘獣ドミティアノス】!」

 

「何、【ブレイクスルー・スキル】だと...?」

 

「この効果は、自分のターンにしか使えないけど、選択した相手のモンスター1体の効果を、無効にする!」

 

(【ドミティアノス】が無効にできるのは、モンスター効果のみ...やられた)

 

三澤はセットカードを一瞬思い出して逡巡する。

 

(【剣闘獣の戦車(グラディアルビースト・チャリオット)】【猛進する剣闘獣】)

 

(無効にできるのはモンスター効果、そういえば現代には、自分のターンに、セットもしてないのに発動する罠が増えたんだったな)

 

白い甲殻の竜が、【ドミティアノス】を貫く、すると、ドミティアノスが見る見る色を失っていき、全身が彩度を失った。

 

「そしてアタシは、手札の【魔法少女の契約者(マジックガールズ・コントラクター)】を特殊召喚!このカードは、フィールド上に【魔法少女】モンスターが表側表示で存在していれば特殊召喚できる!」

 

白い、リスやネコといった動物の特徴を併せ持った、この世に存在しない小さい動物のようなものが現れる。

 

魔法少女の契約者 ⭐︎3 闇

攻0

 

「このモンスターは、チューナー!魔法少女は強敵に遭遇った時、深めた絆と共に新たな力を目覚めさせるのよ!私は、【魔法少女ファイア】に、【魔法少女の契約者】をチューニング!」

 

「シンクロ召喚だと!?」

 

「集いし星、輝く願い!新たな力を目覚めさせ、心に燃える炎を示せ!新たな変身を見せて!レベル7!【魔法少女(マジカルガール)フレイム!】」

 

【ファイア】の時より更に成長した姿。膝丈のキュートなスカートと、胸部に埋め込まれた紅の宝石、ツインテール、そしていちばんの特徴は、背中に浮かぶ美しい紅の翼。その手に魔法杖を掴み、新たなモンスターが現れた。

 

魔法少女フレイム ⭐︎7 炎

攻 1800

 

「さて、【魔法少女フレイム】の召喚成功時効果!フィールド上の【魔法少女】モンスターをリリースして、発動!私は、フィールド上の【アクア】をリリース!このターン、【魔法少女】モンスターが相手モンスターを戦闘破壊する度に、500ダメージを与える!」

 

「ふむ、残りの手札は3枚...ならこの効果が逆転の糸口。ならば!チェーン発ど...」

 

「チェーン発動!」

 

「何!?」

 

三澤の顔が更に驚きに彩られ、遊生は笑顔が浮かぶ。

 

「【魔法少女の契約者】の、S素材として墓地へ送られた時の効果」

 

「自動チェーン...誘発効果の重複か!」

 

Chain1 魔法少女フレイム

 

Chain2 魔法少女の契約者

 

『うまい!あれは、誘発効果が重複する時、相手の妨害が予想される時に、通したい方を先に発動するテクニック!」

 

「【魔法少女の契約者】は、S素材として墓地へ送られた時、発動!カードを1枚ドローし、それが【魔法少女】カードだったらエンドフェイズまで公開する!公開している間、私の【魔法少女】は相手の効果を受けない!」

 

「新たなカードをドローする効果に耐性付与...なら、カウンター罠をチェーン発動!【剣闘獣の戦車】!フィールド上に【剣闘獣】モンスターが存在し、モンスターの効果が発動した時、その発動を無効にし、破壊する!」

 

Chain1 魔法少女フレイム

 

Chain2 魔法少女の契約者

 

Chain3 剣闘獣の戦車

 

「解決!【剣闘獣の戦車】の効果で、【契約者】の発動を無効にする!」

 

「【契約者】は無効になって何も起きないけど、【フレイム】の効果は無事解決する!お願い、力を貸して!アクア!」

 

薄い【アクア】が杖を構えて【フレイム】に力を流し込む。【フレイム】に青いオーラが宿り、パワーアップさせる。

 

「だが、それではまだ攻撃力が足りないようだな」

 

「それはどうでしょう!先生!アタシの手札は、まだ3枚も残ってるんですよ!【魔法少女フレイム】は、フィールド上の【魔法少女】カード1枚につき、300アップする!」

 

魔法少女フレイム ⭐︎7 炎

攻撃1800→2100

 

「【魔法少女ファイア】の効果!このモンスターは、手札の魔法カードを捨てる事で、手札か墓地から特殊召喚できる!戻ってきて、【ファイア】!」

 

魔法少女ファイア ⭐︎4 炎

攻 1600

 

「【ファイア】の特殊召喚成功時効果!デッキから【魔法少女】モンスター1体を手札に加える!【ファイア】にはもう一つ、効果があるんですよ、先生!」

 

「ほう?」

 

「【ファイア】が仲間を呼んだ時、フィールド上の【魔法少女】はこのターン、相手モンスターを戦闘破壊するたびに、300ダメージを与えることができる!」

 

「なんだと...!?」

 

「アタシは、【魔法少女エア】を加えて、召喚!」

 

魔法少女エア ⭐︎3 風

攻 1000

 

「エアの召喚成功時効果!デッキから【魔法少女】モンスターを1枚、墓地へ送る!フィールド上の【魔法少女】モンスターは、相手のモンスターを戦闘破壊するたびに300アップする!アタシは、【魔法少女アース】を墓地に送る!」

 

『す、すげえ』

『随分可愛いモンスターだと思ったけど...』

『ここまでやれるなんて...!』

 

遊生はそれが少し聞こえて、観客を向いて得意げになって笑った。三澤はそれを見て少しイラついてしまう。

 

「自惚れてないで早くせんか!」

 

「は、はい!すみません...アタシは、手札から永続魔法、【魔法少女の結束(マジックガールズ・ユニティ)】を発動!1ターンに1度、自分フィールド上の【魔法少女】を1体選択して発動でき、他の【魔法少女】の攻撃を封じる代わりに、封じた分、選択したモンスターはバトルフェイズ中に追加で攻撃する事ができる!」

 

「なるほど、それならこの盤面を突破し、尚且つ私を仕留めることができる...」

 

遊生 LP 1500

魔法少女フレイム2100→3000

魔法少女ファイア1600

魔法少女エア1000

 

♾魔法少女の結束

 

「私は、【フレイム】を選択!これで三回攻撃よ!!」

 

「ふん、みすみすさせるか!罠カードをチェーン発動!!【猛進する剣闘獣】!!!このカードは、フィールド上に存在する【剣闘獣】の枚数分、相手フィールドのカードを選択する。そのカードを破壊する!私は、お前のフィールド上のモンスター3体、【魔法少女フレイム】【ファイア】、【エア】を選択!」

 

Chain1 魔法少女の結束

 

Chain2 猛進する剣闘獣

 

「ならば更にチェーン発動!手札から速攻魔法、【魔法少女の防壁(マジックガールズ・ウォール)】!!【魔法少女】モンスターが2体以上存在し、【魔法少女】カードが効果の対象になった時!その効果を無効にし、無効にしたカードの種類で追加効果!今度は罠だから、このターン【魔法少女】は効果破壊されない!」

 

Chain1 魔法少女の結束

 

Chain2 猛進する剣闘獣

 

Chain3 魔法少女の防壁

 

「なんだと...!」

 

「解決!【魔法少女の防壁】の効果で、【猛進する剣闘獣】の効果を無効にする!」

 

「フッ。【猛進する剣闘獣】は解決しない」

 

「それでは、【魔法少女の結束】の効果が解決する!」

 

魔法少女たちが杖を交差し、オーラを合わせて力を渡す。【魔法少女フレイム】に、赤と青のオーラが交互に輝く。

 

遊生 LP 1500

魔法少女フレイム 3000

魔法少女ファイア 1600

魔法少女エア 1000

 

♾魔法少女の結束

 

三澤 LP4000

剣闘獣ガイザレス2400

ドミティアノス 3500

エーディトル 2400

 

両者、手札0

 

三澤は、薄く笑って呟いた。

 

「見事だ」

 

「さあ【フレイム】の攻撃、一回目!【ガイザレス】に、攻撃!マジカルフレイム・トルネード!」

 

【フレイム】が炎を纏わせた杖を構える。巻き上がる炎が増し、竜巻と化して、【ガイザレス】に襲いかかる。【ガイザレス】が呻き、爆発する。その余波が三澤も襲った。

 

「うぐっ...!」

 

三澤 LP 4000 → 3400

 

「【フレイム】と【ファイア】の効果、合計で800のダメージよ!」

 

【フレイム】と【ファイア】が杖を構えると、杖先から炎の球が出現し、撃ち出された。三澤に直撃して体力を奪う。

 

三澤LP 3400→2600

 

「更に【エア】の効果で攻撃力300アップ!」

 

【エア】が杖を構えて力を込めると、【フレイム】にさらに緑色のオーラが光り、力を高めた。

 

魔法少女フレイム ⭐︎7 炎

攻 3000→3300

 

「さあ2回目、【エーディトル】に攻撃!!マジカルフレイム・トルネーード!!!」

 

放った炎の竜巻が、【エーディトル】を巻き込み、爆発する。

 

「ぐぐっ...!!」

 

三澤LP 2600→1700

 

「追加の効果ダメージ!」

 

もう一度火の球が2つ、三澤を襲う。

 

「ぬぅっぐ...!」

 

三澤LP 900

 

「【エア】の効果!更に300ポイントアップ!」

 

魔法少女フレイム ⭐︎7 炎

攻 3300→3600

 

「最後の攻撃よ!」

 

魔法少女フレイム ⭐︎7 炎

3600

 

剣闘獣ドミティアノス ⭐︎10 闇

攻撃3500

 

「【ドミティアノス】に攻撃!マジカルフレイム・トルネェーード!!」

 

勢いを増した炎の竜巻が放たれ、【ドミティアノス】を包み、爆発する。

 

「ぐ...」

 

三澤 LP900 → 800

 

「最後の、効果ダメージ!800ポイント!!」

 

火の球が、放たれ、三澤に直撃するー

 

ー爆発した。

 

三澤 LP800 → 0

 

「ぐああああああ!!!」

 

三澤が吹き飛ばされ、なんとか空中でバランスを保ち、着地するが、膝をついた。

 

「ぐう...ふ、ふふふ、フハハハハハハ!!よくやった、良くぞ今の盤面を覆し、尚且つ勝ってみせた!素晴らしい、素晴らしいぞ!!」

 

『うおおおおお』

『すげぇえええ』

『三澤静香に勝った!』

『プロリーグで使ってたって事だろ!?』

『あいつ、名前なんて言うんだ?』

『確か、東雲受験生って呼んでたぜ!』

 

拍手が湧き起こった。今のデュエルには、普通の学生ではない、何か特別な能力を示すと言う条件があったわけだが、遊生はそれをクリアしてみせた。周りの人間は、感動した。側から見てもかなり厳しい戦い、条件であることに変わりはなかったはずだが、彼女は見事それを乗り越えた。

 

「良くぞ、良くぞ私のデッキを打ち破った。新人時代の私とはいえ、お前はプロに勝った。ポテンシャルは既に示したと言えよう」

 

「やった!認めていただけたんですね!」

 

「ああ、当たり前だ。古いデッキとはいえ、そう簡単に勝たせる気など無かったのだからな」

 

三澤は、振り返りつつ言った。

 

「では、結果発表を楽しみにしていろ。またな、東雲遊生」

 

三澤はそのまま、先ほど体力を削られた事など感じさせることない力強い歩みで去っていった。また次の受験生の相手をするのだろう。

 

「やったやったー!!!」

 

遊生は喜びに満ちていた。試験をクリアしたこともだが、これで新田くんに近づく道ができた。

 

デュエルアカデミアで首席や首席に近い成績を残した生徒、その他イベントでプロモーターやディレクターの目についた生徒は、プロへの推薦を貰える。プロは誰かの推薦がないと試験を受けられない決まりなので、ここで躓くと来年の編入試験まで待たなくてはならない。ここで合格できたことは、大きな意味を持つ。遊生にとっては。

 

-------

 

「遊生さん...これは一体...?」

 

同じ頃、薫は試験を終えて遊生が居たあたりに戻って来たが、周りがどうも騒がしいので、何事かと面食らっていた。

 

『あいつも三澤静香に勝った!すげえよな』

『しかもなんだか凄かったよな!』

『1ターンで返り討ちだぜ』

 

「遊生さん...」

 

デュエルフィールドで喜んで周りに手を振っている遊生を見て、薫は少し嬉しい気持ちになった。

 

「さて、遊生さんを呼びに行きましょうか。遊生さーん!」

 

「あ、薫!やっほー!」

 

薫はフィールドへ階段を駆けていった。

 

-------

 

いろんな声が飛び交う観客席の端で、金髪の美少女、リリアーナは、戦慄いていた。そして歯噛みしていた。ツインテールを震わせ、品のいい服を怒りのオーラで台無しにしながら。

 

「東雲遊生...あまつさえ三澤先生を倒し、私よりも目立つですって...?許せない...!」

 

リリアーナは、指を鳴らした。先ほどまで後ろには誰もいなかったはずだが、いつのまにかこの人混みの中をどう縫ってきたのか、一人の執事が待機していた。その壮年の男は、緑色の燕尾服に身を包み、細身の体を完璧な角度に曲げ、何も聞いていないのにリリアーナに何かを差し出していた。

 

「は、お嬢様」

 

見れば、差し出した丸トレーの上には綺麗なコップと、黄色の液体が入っていた。

 

「リンゴジュース...いいえ、萩由。私はいまからあの者にデュエルを」

 

「ええ。存じております。しかし、この後の2次試験で、いやでも相見える事になるでしょう。お気持ちは、その時に伝えれば宜しいのではありませんか」

 

「しかし、萩由」

 

「お嬢様。私は、リリアーナお嬢様に、器の大きな人物であって欲しい。この場で決闘を申し込めば、試験を進めたい学園側にも迷惑がかかりましょう」

 

「...っ...!そうね、そうだわ。そう、しましょう」

 

リンゴジュースを手に取り、飲み干す。落ち着かせる...リリアーナは、怒りをなんとか収めた。

 

「この萩由、亡き父君に哀願賜り、お嬢様のお後を預かった身、全てはお嬢様のためでございます」

 

「そう、だったわね、萩由。あなたは私の父の代理でもある...常に正しいわ。ありがとう、萩由」

 

「それに...」

 

「それに?」

 

萩由は、真っ直ぐリリアーナを見て微笑んだ。

 

「2次試験で完膚無きまでに叩きのめせばよろしいでしょう。私も少し、先に目立たれて悔しいのでございます」

 

「萩由...」

 

リリアーナも、つられて優しいような、嬉しい気持ちになって、微笑む。そして、再度闘志を燃やした。

 

「この、リリアーナ・デ・メディチ。メディチ家の名において、必ずあの娘を打倒して見せますわ!」

 

to be continued...




魔法少女の契約者(マジックガールズ・コントラクター)
☆3 0/0 獣族/チューナー/効果 闇
このカードの召喚・特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
①このカード名のカードは1ターンに1度、フィールド上に「魔法少女」モンスターが存在する場合に手札から特殊召喚する事ができる。
②このカードがS召喚の素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからカードを1枚ドローし、エンドフェイズまで相手に公開する。公開したカードが「魔法少女」モンスターもしくは「魔法少女」の名が記されたカードだった場合、このカードを素材としてS召喚したモンスターは相手のカードの効果を受けない。

魔法少女(マジカルガール)・フレイム 火
「魔法少女の契約者」+「魔法少女」モンスター1体
☆7 1800/400 魔法使い族/シンクロ/効果
このカードのS召喚は1ターンに1度しか出来ない。
①このカードがS召喚に成功した時、フィールド上の【魔法少女】モンスターを一体リリースして発動できる。このターン【魔法少女】モンスターが相手モンスターを戦闘破壊する度、相手に500ダメージを与える。リリースしたモンスターがEXデッキから特殊召喚したモンスターの場合、更に300ダメージを与える。
②フィールド上の表側表示で存在する「魔法少女」モンスターもしくは、「魔法少女」の名が記されたカード1枚につき、攻撃力が300ポイントアップする。
③このカードのカード名は、「魔法少女(マジックガール)」としても扱う。
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