恋愛? 仕事以外興味ないんで ←「「は?」」 周りの美女美少女美幼女達   作:鉄の掟

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色白クーデレロリが泣きましたが、仕事以外興味無いです。

 

 

 

 

「ここ、座って」

「ん、ありがと……」

 

 広々とした木造のリビング。

 

 その中心にある動物の毛皮を加工して作られたソファの上に、グレタさんは横になった。

 

 グレタさんを支えながら運んでいる最中に教えてもらったが、彼女の名前は【ネロ・ヒュードル】と言うらしい。

 グレタさんとネロさん、姉のリサも合わせてこの世界の名前は実に不思議な名前が多い。

 

 その中で俺は、発音の違いはあるが前世の名前のままだ。

 ……これも、もしかしてあの神の仕業なのだろうか。

 

 ネロさんはグレタさんが横になると、テーブルの方へ座っていた俺の横に何処からか椅子を持って走って来て、ちょこんと隣に座った……何で横? 

 

「あの……ありがとうございます、助けて頂いた上で家までお借りしちゃって」

「気にしなくていい、私も一人で暇だった」

「そうですか……」

 

 そうは言うが、矢張り助けて貰った事に変わりはない。

 

 しかしお礼になる様な物も持ってないし……かと言って今休んでるグレタさんを起こして相談するのも止めといた方がいいだろう。

 

「うーん……」

「……」

「……あの、どうかしました?」

 

 ふわっと清潔感のある匂いと何かが近付く雰囲気に気付き、横に目をやるとネロさんが俺の事をジトっと見つめていた。

 

「名前、聞いてない」

「あ、あぁ……俺はサイトー・テルキです。そっちの女の子は」

「グレタちゃんでしょ? サイトーが散々言ってた」

「あ、あはは……そうでしたね」

 

 俺の顔から目を離さずにネロさんはそう言った。

 

 グレタさんや姉とそう変わらない筈なのに、妙に落ち着いている子だな。

 

 雰囲気とか話し方とか、無表情な顔だが顔自体が整っている為、まるで生きている人形みたいだ。

 将来はきっと美人に育つだろう、余り自慢できない顔の俺からしたら羨ましい。

 

「そういえばネロさんのご両親は今仕事中ですか?」

 

 この家に入って来た時、ネロさんの言う通り家には誰も居なかった。

 

 それはネロさんも言っていた事だし、5歳の俺が家で一人で居ることも多いので、対して驚く事ではない。

 

 しかし……この家は何と言うか生活感が無さすぎる様な気がする。

 

 ソファとテーブル、そしてテーブルの前に椅子は一つだけ。

 ネロさんが座っている椅子はさっき奥から持って来た物だし、玄関に当たる部分には、普通家族で住んでいれば何個か靴が置いてある筈なのに、俺とグレタさんが来るまでは一つもなかった。

 

 最低限の椅子とテーブル、そして古い棚にはコップが一つと小さく丸い皿と、大きくて平たい皿が一つずつ。

 

 この家は一人暮らしを長年していた俺の部屋にそっくりだ。

 仕事で殆ど家に帰らなかった前世の俺の部屋。

 それをネロさんの様な幼い女の子が住む家で感じる事が、俺には妙に気になって仕方なかった。

 

「……ネロは一人、ずっと前から」

「……え? 一人って……」

 

 俺の質問に俯いた顔のままネロさんはそう言った

 

 こんな幼い女の子が一人暮らし……? まさか、あり得ない。

 

 いくら異世界だとしても基本的な常識は前世と余り変わってはいない、この世界の人から見てもネロさんが一人で暮らすなんて危険この上ないだろう。

 

「ネロのお父さんとお母さんは……街に行ったの」

「……街、ですか」

「2年前に行ったきり、帰って来ない……」

「それじゃあ、ネロさん自身の生活はどうしてるんです……?」

「隣の人が偶に来てくれる、でも偶にだから……自分でいつもやってる」

 

 ……こんな小さな子供を置いて街に行っただと? 

 

 この村から一番近い【クローの街】までは片道1日掛かるぐらい遠い、それに加えて両親や姉の話では、村の外は【ウォー】と呼ばれる魔物? が出没するらしい。

 

 なので決して気軽に行き交い出来る場所じゃ無いのは確かだが、それでも子供の元に、2年も帰らないのはどう考えてもおかしい。

 考えられるのは何か帰れない事情があるのか、それとも……。

 

「……手紙などが来た事は?」

「一度もない」

「たったの一度もですか……?」

「うん……そう」

 

 手紙を配達する職業はある、俺の家にも毎朝小さな馬車に乗って来るからそれは間違いない。

 という事は……やはりネロさんの両親は……。

 いやでも、もし仮に亡くなったのなら何か知らせがある筈……それすらないという事は生きてはいる、しかし手紙などの連絡は出来ない。

 

 ダメだ……さっぱり分からない。

 

 その時、俯いたネロさんから何かが落ちた。

 

 それは一滴の雫、木製の床へと落下したそれは一滴ニ滴と、時間が経つ毎にその数を増した。

 

「す、すいませんあの俺……」

「いい……っぐす……もう慣れてる」

 

 辛い事に慣れる人は居ない。

 

 それは俺が一番よく知ってる、仕事が出来ないこの異世界で五年間過ごした俺が言うんだ、信頼出来るだろ? 

 

「……あの」

「……なに?」

 

 顔を上げたネロさんの目は濡れていた。

 

 初めて見たネロさんの表情に、俺は今から言う言葉に後悔は無いとそう思った。

 

 真っ直ぐにネロさんの目を見つめる、窓から差し込む光に照らされた茶色い瞳が戸惑いながら俺を見つめ返した。

 

 

「俺を、雇いませんか?」

 

 




今回、短くて申し訳ないです。

その代わりと言ってはあれですが、次の更新は22日の18時に出来る様頑張ります。
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