すばらしきこのせかい Shibuya Survival 作:アヤ・ノア
ネクとシキはハネコマからもらったバッジを使ってノイズを倒す訓練をする。
その後、ラーメン屋に行くと、スタッフがノイズに取り憑かれていた。
ネクとシキがノイズを倒してスタッフを正気に戻すと、スタッフはA-EASTに戻り、
電気を直すといって777は感謝するのだった。
ネクはシキと共にスタッフを追いかけていくが、壁があって通れなかった。
「……この道を通りたければ、ノイズシンボルを2つ撃破しろ」
ネクはスキャンしてノイズを発見すると、シキと共に複数のノイズと戦った。
内訳は狼のノイズ二体、蝙蝠のノイズ二体だ。
「今度はお前に任せる」
「えー、ネクは戦わないの? ま、いっか。にゃんタンが活躍できるしね!」
ネクが戦わない代わりにシキがノイズを撃退する。
シキはにゃんタンをけしかけながら、
ネクやシキに襲ってくる狼のノイズと蝙蝠のノイズを攻撃する。
特ににゃんタンが回転しながら攻撃する技は、周りのノイズも巻き込むため使い勝手がいい。
この技を中心にしながらノイズにダメージを与え、
結果、ネクもシキもあまりダメージを受けずにノイズを撃退できた。
「……条件達成を確認した。この壁を開放する」
ノイズを全て撃退すると、男は淡々とこう言った。
その後、二人は渋急本店前に行く。
「あっ!」
そこには、2日目にネク達が出会った、ビイトとライムがいた。
「ビイト! ライム!」
「ケッ! ついてねぇぜ。ヘッドフォン野郎に会っちまうたぁな」
ビイトはネクに初対面で最悪な対応をされたため、ネクに抱く感情もまた悪かった。
当然、ネクは会話には参加していない。
「今日の……ミッション、情報集まってる?」
「ぜんぜん……。でも、A-EASTの主を倒せばクリアだし、
今日のミッションもきっとなんとかなるよ!」
ライムの質問にシキは首を横に振る。
A-EASTの主が誰なのか、参加者には知らされていないため、
これから情報を集めているところだ。
「でも、キーワードの意味が分からないんだ……」
「キーワード? キーワードって……」
「……」
キーワードとは、ミッションに関する事だろうか。
シキは黙って、ライムの話を聞く事にする。
「シキちゃん達、困ってるみたいだから教えてあげてもいいよね?」
「……まぁ……別にいいけど……」
ビイトは態度が悪いネクを嫌っていたが、シキがいるため、渋々教える事になった。
まず、キーワードというのは、死神が出すミッションのヒントになる言葉であり、
見たり聞いたりすると携帯電話に登録され、インプリントする時に使える。
ライムが携帯電話に『停電』が登録されているとシキに伝えると、
彼女の携帯電話にも登録された。
参加者同士でキーワードはやり取りできるようだ。
インプリントとは、参加者バッジを使って他人の頭に直接言葉を伝えるチカラの事だ。
これらの事を教えた後、ビイトとライムはその場を去った。
「う~ん……ビイト、まだ怒ってるみたいだね……。なんとか仲直りできないかな……」
(別にほっとけばいいだろ……。なんでいちいち気にするんだ?)
一方、ネクはビイトを怒らせた事を気にしていなかった。
他人と関わるだけ、自分のためにならないと思っているからだ。
「でも、このキーワードでインプリントを使えるって、教えてもらえてよかったね」
「インプリントするとどうなるんだ?」
「えっと……」
シキがネクにインプリントについて伝えようとすると、
後ろからサラリーマンが悩む声が聞こえた。
「う~ん……どうするべきか……。この場合……いや……でも、迷うな……」
「なんだ? あのオッサン、何か悩んでるのか?」
「悩んでるっていうより、迷ってるって感じだね。
そうだ! ネク、あの人にインプリントしてみようよ!
そうすれば、どうなるか分かるよ!」
「そうだな……試しにやってみるか」
何を悩んでいるか聞きたいのなら、インプリントしてキーワードを伝えればいい。
ネクは参加者バッジを取り出して精神を集中しサラリーマンに「停電」をインプリントした。
すると、サラリーマンの表情が険しくなった。
「……停電? 停電か……そうだな……。まずは……スイッチを切ってみろ、ってことか。
そうだよな。まずは、スイッチを……切って、それから……どうする? まいったな……」
「……大丈夫か? あのおっさん……」
「スイッチを切る」を連呼するサラリーマン。
ネクは、密かにサラリーマンを心配していた。
「……まぁ、結果はともかく、やり方は分かったでしょ?」
「……使えるのか? この能力?」
「やべぇ……どうしよ……。修理部品って何買うんだっけ……。
今更聞きに戻れないし……どうしよう」
一方、スタッフもどんな修理部品を買えばいいのか悩んでいた。
もうノイズにとりつかれていないようだが、喉から出かかっていて口に出せなかった。
「あれ? あの人……」
「やっぱり何を買うのか忘れてるのか……」
「ネク!」
「分かってる……インプリントだろ」
こういう時こそ、インプリントの出番だ。
悩んでいるスタッフに停電の事について伝えれば、何を買えばいいのか分かるはずだ。
ネクは精神を集中し、スタッフに「停電」のキーワードをインプリントした。
「……停電?」
「停電」のキーワードを受け取ったスタッフは、何かを思い出す。
「そうそう、壊れた照明を直すんだよな……。
それで……照明を直すにはアレが必要って言うから、道玄坂まで買いに行ったんだ。
うーん……アレって……なんだっけ……。
あぁ……アイツに聞けば、すぐなのにな……」
喉まで出かかっているものの、何を買えばいいか、スタッフはまだ思い出せなかった。
「やっぱり一度戻ろうかな。でも……入り口にずっと立ってるしな……777さん……。
戻ったらまた怒られちまう……。まいったな……誰か聞いてきてくれないかなぁ」
戻ってしまえばまた怒られてしまうため、スタッフは戻る事ができずにいた。
「アイツ? あの暗闇の中に誰かいたのか?」
停電を直すにはアイツに聞く必要があるようだが、肝心の名前が全く分からない。
とりあえず、ネクとシキは、スタッフが行っていたらあめんどんに行ってみる事にした。
「……はぁ、結局今日も売上なしか……。
見た目は地味だけど、味は良いと思うんだよな……うちのラーメン」
らあめんどんの中では、店主が愚痴を吐いていた。
店の見た目があまり良くないのが理由だろうか。
そんな店に近付いてみると、携帯電話が反応した。
「ネク!! ケータイが鳴ってる!」
「キーワードか?」
ネクが携帯電話を開くと、「ラーメン」というキーワードが登録された。
早速、スタッフにキーワードの一つ、「ラーメン」をインプリントする。
「……ラーメン? ……そういえば腹減ったな……。
そうだよ、ラーメン屋行ったのに、何も食わずに出てきたっけ……」
以前、スタッフはらあめんどんに行った時、
ノイズにとりつかれていたせいでラーメンを注文せずに去っていった。
ノイズの影響を受けていない今なら、ラーメンを食べる事ができるはずだ。
「よし! まずはラーメンだ! 急いで行かなきゃ!!」
スタッフは本調子に戻るために、らあめんどんに向かっていった。
「動き出したな……」
「これで必要なものを買ってくれるね。でも……ちょっと心配だよね……。
私達も後を追いましょう」
らあめんどんに行ったはいいものの、またノイズに襲われてしまうかもしれない。
ネクとシキは、スタッフの後を追うのだった。
「あっ! お店に入っていくよ」
「追いかけるぞ」
二人はスタッフが入ったらあめんどんに入る。
「ネク! あの人! 買い物そっちのけでラーメン食べに来ちゃってるよ!」
スタッフは照明を直す部品を買わずに、らあめんどんでラーメンを食べていた。
「へい! お待ち! 当店自慢のラーメンだよ!」
スタッフは注文したラーメンを受け取った。
店主は、やっと売れた事で喜んでいるようだ。
「あれ……?」
「冷めない内に食べてくれよ!」
スタッフがラーメンを食べようとすると、何かを思い出して箸を止める。
「あっ……そういえば……。そ、そうだ! 俺、買い出しの途中だった!」
照明の部品を買い出すのを思い出し、ラーメンを放っておいて去っていった。
「おい! 兄ちゃん! どうしたんだ?
やっぱり……イマドキのラーメンじゃなきゃ若い人は食べないのか……」
「ネク! 追いかけましょう!」
店主はまた、ラーメンを食べてくれなかった事を残念がっていたが、
ようやく事を思い出したようだ。
ネクとシキは、スタッフの後を追いかけていった。
「ダメだ……。考えれば考えるほど、分からなくなっていく……。
俺は、ついさっきまでライヴステージのセッティングをしてたんだよな……。
マイクもスピーカーも問題なくて、全部うまくいってたんだけど、
照明のチェックしてたら大きな音がして……真っ暗になって……」
考え込んでいるスタッフに、ネクは「停電」のキーワードをインプリントする。
スタッフは停電を直すための部品を買い出しに行ったからだ。
「……停電? そうだった! 照明を直すんだった。
アイツにあれ買って来いって言われたんだよな。……あれって……なんだっけ?
……思い出せない」
今度は肝心の部品を思い出せなかったようだ。
もう少し情報を知りたいところだが、アイツの正体を知らなければ話が進まない。
「おい」
「だから、シキって言ってるでしょ!」
ネクはぶっきらぼうにシキに呼び掛ける。
「で、何の用なの?」
「アイツ……」
「真っ暗なA-EASTの中に誰かいたのかな……?」
「そいつなら何を買うべきなのか知ってるはずだな」
「でも、A-EAST内に誰かいたとしても、あの暗闇の中で見つけられるかな……?」
「いくら暗くてもスキャンには関係ない」
「そっか! そうだよね! よし! A-EASTに行ってみよう!」
A-EASTは停電中で何も見えず、アイツを「肉眼で」見る事はできない。
だが、スキャン機能を使えば、見つける事はできるようだ。
二人はA-EASTに行った後、ネクがバッジを持ってスキャンをする。
すると、奥の方に、ある人物の姿を発見した。
―ったく、本当遅えーな……あいつ、ヒューズ買うだけだっつーのに、
いったいどこまで探しに行ってんだよ?
「……ヒューズ? あのスタッフが探してたのは、もしかして……」
ネクが呟くと、携帯電話にキーワード「ヒューズ」が登録された。
これをインプリントすれば、スタッフは買ってくれるはずだ。
そして、ネクはスタッフの前で「ヒューズ」をインプリントした。
「……ヒューズ? そうだった! 照明を直すから、ヒューズ買ってこいって言われたんだ。
そうだそうだ。……っ、やべ! 急がないと!」
ようやく買うものを思い出したスタッフは、岩田コズミック商店に行った。
「ありがとうございます! 助かりました! このお恩は一生忘れません!」
ヒューズを購入したスタッフは、店員に感謝し、ライヴスタジオに戻っていった。
「よかった……ちゃんと買えたみたいだね」
「これでやっと電気がつくな」
「私達も戻りましょう」
ヒューズを買ったため、A-EASTの停電は直るはずだ。
ネクとシキがA-EASTの前に行くと、777がスタッフを叱責していた。
「何やってたんだ!」
「す、すみません。でも、ちゃんと部品は買ってきました!」
「当たり前だ! さっさと修理しろ!」
「は、はい」
スタッフは急いで、停電を直しに行った。
「これで電気がつくね!」
「やっと中を探せるな」
「うん、私達も行こう!」
電気がつけば、A-EASTの主が誰か分かり、ネク達はミッションを達成できる。
二人はミッションをこなすため、A-EASTに向かうのだった。