すばらしきこのせかい Shibuya Survival   作:アヤ・ノア

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最初のミッションの始まりです。
戦闘シーンを書くのが難しかったです。


3 ファーストミッション

 死神のミッションを達成できなければ、消滅する。

 それを阻止するために、ネクとシキは急いで104に向かった。

 

 スクランブル交差点で、人々の声が聞こえてくる。

 ネクはうんざりしていた。

 誰の話も聞きたくなかった。

 シキを無視し、人々を無視し、ネクは北に走る。

 だが、104に行こうとした途端、ネクは見えない壁に弾かれた。

「っつぅ!! 進めない……本当に閉じ込められてるのか」

 続けて、シキも合流したが、ネク同様に見えない壁に弾かれた。

「うそっ!! 進めないの? どうしよう……マルシーはこの先なのに」

 マルシーに行ける道は、ここしかないはずだ。

 それを見えない壁で塞ぐのは、理不尽だ。

(ん……? 視線? 誰か見てる? なんだアイツ……俺達を見てるのか?)

 ふと、ネクは誰かの視線を感じる。

 視線の先にいたのは、赤いフード付きのパーカーを着た男だった。

 男は「パートナー契約……確認」と呟くと、どこかに去っていった。

 

「どうしよう……この壁どうやって……」

 壁を破らなければ、104には進めない。

 シキが考えている間にも、時間は刻一刻と迫る。

 だが、シキが歩き出すと、何故かシキは道を進む事ができた。

 先程までは存在した見えない壁が消えていた。

「あれ? ネク君……進めるみたいだよ?」

「どうなってるんだ?」

「なんかよく分からないけど……ラッキー!」

 訳が分からず困惑するネクと、正反対に104に行けそうと喜ぶシキ。

「とにかく、マルシーに急ごう!」

 シキが104に向かう中、ネクは腕を組んで何かを考えていた。

(そういえば……あの赤いヤツ……)

 ネクは後ろを向き、視線の主を確認しようとする。

 しかし、そこにはもう誰もいなかった。

(ん? あれ? いない……なんだったんだ?)

 いつの間にか、人の姿は消えていた。

 疑問に思いながらもネクはミッション達成のため、シキに続いて104に向かった。

 

「到着!!」

 104、通称マルシー。

 看板は花で彩られており、花に囲まれたアーティストが描かれたポスターがある。

 二人がそんな104に到着した時、手からタイマーが消えていた。

 ミッションを達成した証だ。

「タイマーが消えた……」

「よかった……クリアできたんだ……」

「なあに安心してんのよ」

「何!?」

 二人が一安心したその時、どこからか女の声が聞こえてきた。

 驚いた二人が振り向いても、そこには誰もいない。

「こんなのクリアできて当たり前だし~」

「誰だ!! どこにいる!」

「まさか……死神!?」

「死神!?」

 女の声だけが、104に聞こえる。

 姿が見えない女の事を、シキは「死神」と言った。

「どうせアンタ達は遅かれ早かれ消えるんだから。

 消えるんだったらあたしのポイントになって消えてね☆」

 声と同時に現れたのは、ノイズがとりついた蛙。

 最初にネクが見たノイズと全く同じものだった。

「くっ……また、あのバケモノ!」

「ネク君! そろそろバトルに慣れてきたよね? 今度は私の方を意識して戦ってみて」

「はぁ!? おまえはおまえで戦えよ!」

 パートナーなんて必要ない、共に戦う仲間なんて必要ない。

 そう思っているネクがそんな事を言われたら、そう言わざるを得なかった。

「ノイズを倒すために……お願いっ!!」

 しかし、シキは切羽詰まった声でネクに頼み込む。

 このまま断れば、またあの蛙に攻撃されて、今度こそ消滅してしまうかもしれない。

「……分かったよ」

 ネクは渋々ながら、シキと協力をするのだった。

 

「いっくよー!」

 シキは黒猫のぬいぐるみに自我を与え、蛙のノイズに体当たりさせる。

 ネクはヘッドフォンに手を当て、精神を集中させ炎を発生させる。

 蛙のノイズがネクに飛びかかってくるが、シキの黒猫のぬいぐるみが蛙のノイズに飛びかかる。

 その隙にネクは精神を集中、炎で蛙のノイズを消し去った。

「ネク君! 今度は二人一緒に戦おう! 二人で協力すれば、ノイズを早く倒せるはずだよ!」

 今度は二体の蛙のノイズが襲ってくる。

 ネクが前衛、シキが後衛に立ち、サイキックで蛙のノイズを攻撃する。

 黒猫のぬいぐるみがアッパー攻撃をして、ネクが炎を発生させて焼き払う。

 二人の連携は、なかなかのものだった。

「協力とか、鬱陶しいんだよな……」

「そんな事、言わないでよネク君。

 そもそも、パートナーがいないと死神のゲームは生き残れないんだよ」

「はいはい……」

 こんな時でもネクは他人との協力を嫌がっていた。

 だが、共に戦わなければ、死神のゲームで生き残る事はできないのだ。

 

 数分後、ネク達は蛙のノイズを全て消し去った。

「終わったか!?」

「まだだよ、ネク君! あれ見て!」

 シキが差した先にあったのは、大きな紋章が取り付いた熊のノイズ。

 今までのノイズとは比べ物にならない強さだ。

 気を引き締めなければ、倒す事はできない。

「おい! おまえ!」

「何? ネク君!」

「ネクでいい。それと……。足……引っ張るなよ!」

「う、うん!」

 ようやくネクは、シキと共闘する事を選んだ。

 まだ彼女を完全に信頼しているわけではないが、こんなノイズを一人で相手にするのは、

 はっきり言って自殺行為だからだ。

 

 ネクは炎を操り、熊のノイズを燃やす。

 その隙にシキが黒猫のぬいぐるみを熊のノイズにしがみつかせ、攻撃させる。

 だが、その巨体通りに熊のノイズは怯まない。

「ここは距離を取って戦おう」

 ネクとシキは熊のノイズの攻撃が届かない位置に移動する。

 幸い、熊のノイズの足は遅いため、追いつかれる事はなさそうだ。

 ネクは精神を集中し、炎を発生させ、シキが黒猫のぬいぐるみで熊のノイズを攻撃。

 熊のノイズはゆっくり歩いて異形の爪を振りかざすが、

 ネクとシキは上手く飛び退いて攻撃をかわす。

 その後も、動きが遅い熊のノイズから距離を取り、安全な場所からサイキックで攻撃する。

「力が強くて大きくても、足が遅ければサイキックの敵ではないな」

 ネクはそう言って、熊のノイズを炎で燃やす。

 危なげなく、熊のノイズとの戦いは終わった。

 

「ふぅ……何とか勝てたね。クリアできて当たり前……か……」

 シキは、女の言葉を思い出す。

 足が遅かったとはいえ、ネクとシキが相手したのは強力なノイズだった。

「やっぱり、これからどんどん難しくなっていくのかな……。あと六日間……大丈夫かな……」

 本当に生き残れるのか、不安になるシキ。

「私達……生き残れるよね……? 私……消えたくないよ……」

 これからも、強力なノイズはネク達に襲ってくるだろう。

 死神のゲームに負ければ消滅する。

 シキは携帯電話を取り出して、少しだけ不安を和らげる。

 一方、ネクは何故自分が死神のゲームに参加させられたのか分からず、頭を抱えていた。

(なんだよ……なんなんだよ……コレ……。どうして俺はこんな目に……。

 俺が……消される!? 俺は本当に死神のゲームに巻き込まれたのか!?

 もう、ここから……渋谷からは出られないのか!?)

 

 こうして、死神のゲームの一日目は終わった。

 ネクとシキはやっとパートナー同士となった。

 襲ってくる強力な敵に、ネクとシキは立ち向かえるのだろうか。




次回は2つ目のミッションを攻略します。
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