すばらしきこのせかい Shibuya Survival   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

ヨシュアはコンポーザーを探し、渋谷を支配しようとしていた。
一方、ネクは生き残ろうとしていたが、彼らの行動は死神によって妨げられ、壁を作られる。
ネクとヨシュアは壁を解放するべく動き、他の死神も計画を練るのだった。


41 渋谷は壁だらけ

 その頃、下っ端死神はというと。

 

「ったく……他の死神動員するなんて言うから、どんなゲームか期待してみれば……。

 こんなくだらないゲームとはね」

 ヤシロはゲームの内容に不満を漏らしていた。

 彼女はほとんど、参加者に手を出していなかったからである。

「で? 気になることってなんなの? やっぱり再参加してるボウヤのこと?」

 ネクの事かとヤシロは問うがカリヤは首を振った。

「イヤ~、そっちじゃないんダナ~」

「何よ? あっちのおぼっちゃんの方? あのボウヤに何かあるの?」

 今度はヨシュアについて気になるのかと問う。

「まぁ~、今後のお楽しみってコトデ……」

 どうやらカリヤは、このゲームについて知っている事があるらしい。

 どんな内容かは、まぁ、今後のお楽しみである。

 

 トウワレコードにも、死神によって壁が張られていた。

 解放条件はというと……。

 

「おい、そこのお前」

「俺か?」

 死神がネクを呼び止める。

「お前の装備全てをムース・ラットゥスで揃えてこい。それが出来たら通してやる」

 どうやら、ムース・ラットゥスのブランドを身に着けてほしいらしい。

 渋谷は都会なので、トレンドにも気を配る。

 それは壁の開放条件であっても例外ではないのだ。

「そうか……分かった」

 ネクはトウワレコードからカドイに行き、

 Mキャップ、ポロシャツ・ミント、リュックサックを買った。

 次の店に行く途中で、ヨシュアは104について話す。

「ここは、いつもものすごい人の数だな」

「104……通称マルシー、1979年4月にオープンして以来数々の流行を発信してるデパートだね。

 店内のほとんどが10代~20代の女性向けテナントで占められている。

 角の立地を活かした円柱形のビルの壁面広告に化粧品や携帯電話、

 アーティストの商品広告が掲げられるのが有名だね」

「そういえば……広告がよく変わるよな……」

「それだけ宣伝効果が強いってことだね」

 その後、ネクは104ビルに行き、ビーチサンダルを買った。

「……どうだ?」

「うん、まあまあだね」

 ヨシュアのよく分からない評価を聞きながら、ネクは死神のところに戻っていった。

「これでいいのか?」

「……ふふっ、チープな服装……お似合いだな」

「……えっ?」

 明らかに死神はネクを馬鹿にしていたが、ネクは全く気付いていなかった。

 とにかく、条件を達成したので、壁は解放された。

「フフフ、僕もちょっと謙遜しすぎたかな?」

 くすくすと笑みを浮かべるヨシュア。

 やはり、彼はほとんど信用ならない存在である。

 

 宮下公園ガード下で死神とマーブルスラッシュをして勝った後に壁を開放してもらい、

 ネクとヨシュアは宮下公園に行った。

 案の定、奥にも壁があり、開放条件は特定のバッジを使ってノイズを倒す事。

 

「これで……いいのか?」

「そうみたいだね」

 その特定のバッジを使って、ネクとヨシュアはノイズを撃退した。

 壁は開放され、ネク達は先に進めるようになった。

 

「お疲れサン、楽しかったゾ」

 壁を開放した後、二人の前に現れたのはカリヤだった。

 死神を前にしたネクとヨシュアは当然、身構える。

「じゃあナ~」

 だが、カリヤはそのまま、二人の前から撤退した。

 

「あの死神……何がしたかったんだ?」

「さぁね……。まったく……こっちはいい迷惑だよ……」

 カリヤが何を考えていたのかは、ネクとヨシュアには分からなかった。

 そして、場面は再び下っ端死神に戻る。

 

「……で? 何か分かったの?」

「まぁネ……」

「それって……いったい……」

 ヤシロはカリヤがネクの秘密を見抜いたようだが、後輩の彼女には、まだ分からなかった。

「ったく……」

 ヤシロが悪態をつくと、彼女の携帯電話に連絡がかかった。

 すぐに携帯電話を取り、話をする。

「はい、八代です。……禁断ノイズが……はい……分かりました、至急対処します」

 どうやら禁断ノイズが渋谷に現れたようだ。

 恐らくはまた、「彼」がやったのだろう。

「ドシタ~?」

「まだ禁断ノイズが出現したらしいわ」

「やれやれダネ……出現場所はドコダ?」

「道玄坂で目撃された以降は行方不明らしいわ」

 指令を無視し、禁断ノイズを召喚し続ける彼に対し下っ端の二人は手に負えなかったようだ。

 仕方なく、二人は禁断ノイズを調査しようとする。

「行くわよ、狩谷!」

「ドコヘ?」

「ドコって、禁断ノイズを探しによ!」

「いる場所は分からないんダロ? だったら無闇に探し回っても見つからないヨ」

 先走ろうとするヤシロだが、禁断ノイズの場所はまだ分からない。

 闇雲に動けば、逆にやられてしまうのがオチだ。

 先輩として、カリヤはきちんと調べよう、と後輩のヤシロに助言した。

「じゃあ……どうすんのよ?」

「俺達はついていけばいいノサ。禁断ノイズが食い付いてくれそうなエサにネ。

 もしかしたらイイモノが見れるかもしれないしナ……」

 禁断ノイズが見つからないなら、こちらからおびき寄せればいい。

 そうすれば、変に動き回るよりも確実に禁断ノイズを倒す事ができる。

 彼の言葉は、理にかなった作戦だった。

 

「それにしてもあのゲームマスター……禁断ノイズをばら撒いて何を考えてるんでしょうかネ。

 十中八九、碌な事じゃないのは、確かだと思うけド」

「ん? 何か言った? 狩谷」

「い~や、何でもないヨ」

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