すばらしきこのせかい Shibuya Survival   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

狩谷と八代は、ゲームマスターの虚西から指示を受ける。
一方、ネクとビイトは虚西を追い詰めようとするが、死神達に阻まれる。
777を退け、ネクとビイトは再び虚西を追い詰めようとするが、777が何者かに襲われる。
ネクとビイトは再び死神と戦い、777を探しに行くのだった。



55 消えた777

 急いでネクとビイトはライヴステージに向かう。

 今日はライヴがあるため777はここにいるはずだ。

 ライヴステージは真っ暗だった。

 

「おい! バンドの兄ちゃん! 大丈夫か!」

 ビイトは777に呼びかけるが、返事はなかった。

 ネクはバッジを使ってスキャンするも反応はない。

 しかし、地面をよく調べてみると、髑髏がついたチョーカーが落ちていた。

 そのチョーカーは、ネクには見覚えがあった。

 777が身に着けていたものだった。

 つまり、777はここで消滅してしまったのだ。

「なんだよ……なんでこんなモン落ちてんだよ……」

 チョーカーを見ていたビイトは、消えたライムを思い出して悔しそうな顔になる。

 自分の大切なパートナーのライムは最初のゲームでノイズの攻撃で消えてしまった。

 さらに、連れていたネズミ型ノイズも、コニシによってバッジに変えられた。

 友情を築いた777が同じ目に遭ったのだから、

 ネクとビイトの悔しさは頂点に達し、同時にコニシへの怒りも沸き上がった。

 

「っち! 鉄仮面の仕業だな!」

 当然、ビイトは黙ってはいられなかった。

 777の敵討ちのために、コニシを捜し、捕まえようとしていた。

「くそっ! どこまでも汚ねぇヤツだぜ! まだこの辺りにいるはずだ、急いで捜すぞ!」

「おい!」

 ビイトがコニシを捜そうとすると、ネクが気配を感じて身構える。

「気をつけろ、なにかいるぞ!」

「っち……ノイズだな」

「ノイズを倒してからヤツを捜すぞ!」

 案の定、暗闇にはノイズが潜んでいた。

 まずはノイズを倒すのが先だと、ネクとビイトはノイズに戦いを挑んだ。

「フフフ……」

 彼らの背後から、女性の笑い声が聞こえているとは知らずに。

 

「また、このノイズか……」

 ライヴステージを暗くしているのは、あの時と同じく、蝙蝠型ノイズだった。

 ネクはあの時のように、光を当ててノイズの動きを弱らせようとしていた。

「ビイト、上はおまえに任せる」

「分かったぜ!」

 ビイトはスケボーに乗って、上に飛び上がる。

「どうやって攻撃するんだっけ?」

「蝙蝠は光に弱いから、左右を平等に攻撃するんだ」

「あ、ああ!」

 ネクは上からビイトに大声で戦法を話す。

 以前、このノイズと戦う時にシキからアドバイスをもらったので、

 今度は自分がアドバイスを話す番だ。

 

「左右を平等にって言っても、どれくらい攻撃を受けたか分かんねーんだよな」

 ビイトは迷いながらも蝙蝠型ノイズをスケボーで攻撃する。

 左、右、左、右と、ビイトは交互に動いていく。

 数は多いが体力は低いので、繰り返し攻撃していけばやがて消える。

「よし、これでOKだな!」

 蝙蝠が全て消えた後、光を浴びて動けなくなった巨大蝙蝠型ノイズをネクとビイトは攻撃する。

 炎や電撃、スケボーで、羽をたたんでいる巨大蝙蝠型ノイズはなすすべなく攻撃を受け続ける。

―バサバサバサ!

 しばらくするとたくさんの小さな蝙蝠型ノイズは空に飛び上がり、再び光を消してしまう。

「任せた!」

「おう!」

 ビイトはスケボーで高く飛び上がり、たくさんの蝙蝠型ノイズを左右交互に攻撃する。

 スケボーで体当たりして衝撃波を左右に飛ばし、次々と蝙蝠型ノイズは消滅していく。

「蝙蝠がなんだ! 俺を甘く見んなよ!」

 以前のミッションで金の蝙蝠型ノイズを倒したビイトは、かなり自信満々だった。

 その自信が慢心にならないように、ビイトは行動している。

 全ては、ネクとある人物を助けるために。

「おし、全部倒した!」

 ビイトはネクと合流し、再び動けなくなった蝙蝠型ノイズを一斉攻撃する。

 ネクは精神を集中して炎と竜巻を起こし、

 ビイトは無防備な蝙蝠型ノイズをスケボーとその衝撃波で攻撃していった。

 蝙蝠型ノイズの体力は、残り僅かだった。

 ネクとビイトは、頷く。

 

「よし、決めるぜ!」

「いくぞ!」

 ネクとビイトはお互いにバッジを掲げ、共鳴する。

 パズルゲームのように同じマークのカードを次々と消していくと、二人の感情が高まる。

 パートナーを信頼しろ、という「彼」の言葉をネクは思い出す。

 その言葉通り、ネクとビイトは共にこのノイズを倒して777の敵討ちをしようとしているのだ。

「ぼやぼやすんなよ!」

「お前もな!」

 ネクの凄まじい連続攻撃と、ビイトの凄まじいスケボー体当たりが、

 何もできない蝙蝠型ノイズに命中する。

 二人の息の合った攻撃は、ノイズに対して絶大な威力を発揮した。

 その攻撃を食らい続けた蝙蝠型ノイズの身体が小さくなり、やがて消滅した。

 

「フフフ……」

 蝙蝠型ノイズを撃破したネクとビイトだが、女性の笑い声はまだ消えていなかった。

「どこだ! 鉄仮面!」

「まだここにいるはずだ! 捜すぞ!」

 この笑い声の主がビイトが鉄仮面と呼ぶ人物だが、ビイトはまだ気づいていなかった。

 ネクは恐らく、この建物にいるだろうと読んだ。

 だが……そう簡単に見つかるわけがなかった。

 そもそも、この建物はとても「暗い」ので、女性がどこにいるのか分からない。

 しかし、灯台下暗しということわざも、この世界にはきちんと存在するのだ。

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