ディバインストラテジー ~LostMemory~   作:ポチョさん.

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第1話 いつもの日常と異変

「お兄ちゃん起きて。朝だよ。」

 

 

右隣から妹の声が訊こえ、少年は静かに目を開けた。

天井から差し込む光が眩しく少年の視界を遮る。眼が慣れると少しずつ眼を開いていく。

眼を開くと、穴だらけの天井が見える。黒色の短髪で青い眼をした少年ユウが右隣を見ると妹がいる。

布団で隠れているが腰まである緑色の長髪、青い眼をした妹の美貴。

 

美貴がユウをじっと見つめる。

少年が起きたことを確認し美貴が口を開く。

 

 

「おはよう。お兄ちゃん。」

 

 

美貴の声に反応しユウも口を開く。

 

 

「おはよう。・・・今何時だ?」

 

 

「知らな~い。でも朝だよ。」

 

 

「・・・」

 

 

美貴の言葉にユウは無言になる。

実はこの家には時計が無い。正確な時間なんてわからない。なので日が昇ったから朝とか日が落ちたから夜とかしかわからん。

 

 

「姉貴はいいのか?」

 

 

「お姉ちゃんはいいの。それより早く起きて。」

 

 

ユウは一度左隣を見ると眠っている姉と母がいる。赤色の長髪の姉妲己と藍色の長髪の母マリア。

 

 

ユウは左隣でまだ眠っている二人を起こさないように、静かに自分の体に掛かっている継ぎ接ぎだらけの布団を払いのけ起きあがる。

布団から出るとユウの肩や腕が露出しているボロボロの灰色長袖シャツが露わになる。ズボンも膝や臑が露出している。

 

ユウは立ち上がると両腕を組み頭上に伸ばす。

のんびりしているユウの姿を見た美貴が急かす。

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

「わかったよ。行ってくる。」

 

 

美貴に急かされ廃材で作られたドアを開き、さっさと家を出る。

 

 

 

 

 

 

 

家を出ると狭い路地に出る。

ユウの家の両側の家は廃材や欠けたレンガ、藁などで作られたボロ家だった。ユウの家も材質は同じだ。まともな材料が無いことや素人が建てた物だからか、隙間が多く、天井にも多数の穴が空いていたりとボロ家と呼ぶに相応しい状態だった。

そんなボロ家が並ぶ道を進みゴミ処理場へ着く。

 

 

「今日は良いものあるかなぁ。」

 

 

ユウはゴミ処理場に積まれた山のようなゴミを見上げる。辺り一面ゴミの山で地平線が見えない。ゴミといっても生ゴミというわけではなく鉄クズや廃材といった物が多い。

 

ユウが見渡すとあちこちにゴミの山に群がっている人がいる。皆自分にとって必要な物や売れる物を探す。

皆したくてしているわけではないが、しなければ生きていけない。・・・現実は大変だ。

 

 

今日は先客が多い。いつもより起床が遅かったせいか・・・

ユウは自分の頬を軽く叩き気合いを入れる。

 

 

「よし、やるか。」

 

 

ユウもやる気を出し使えそうな物を探す。

ゴミ山の上を指先の出た靴で歩いていく。

周囲を見渡しながら奥へと進んでいくも風景は変わらない。

 

 

「何にも変わらねぇなぁ。ここ。」

 

 

同じ風景ばかりで飽きる。ちょっとぐらい変わってもいいぐらいだが。

まぁ積んである物は違うが見た目は大差ない。

 

 

 

 

数時間経過しても使えそうな物は何一つ見つからない。

所詮不要になった廃棄物なわけでそう簡単には見つからない。

 

 

 

探しても見つからず時間だけが過ぎていく。一つもないのは流石に困る。美貴に起こられるし。

 

 

(願って手に入るなら苦労はしないよなぁ。)

 

 

ハァと溜め息をついて落ち込む。

 

 

いつの間にか陽が落ち、辺りは薄暗くなっていた。

ユウは溜め息をつく。

 

 

「今日も収穫無しか・・・」

 

 

肩を落とし仕方なく家に帰る。

来た道を戻るも先は長い。

周囲を見渡すと自分と同じような人が多い。

 

(こいつらも俺と同じなんだよなぁ。)

 

一人じゃないと思うと何故か安心してしまう。まぁ仕方ない。

 

 

 

 

 

 

「おかえり~お兄ちゃん。」

 

 

「おかえりなさい。ユウ。」

 

 

廃材で出来たボロいドアを開くと二人の声が聞こえた。

 

 

「ただいま。」

 

 

元気の無い返事をする。そうすることで今日は収穫が無いと二人は察してくれる。この生活に慣れてきたからだろうか。

 

 

「え~今日も無いの!?信じられないよ。」

 

 

相変わらずの美貴の反応。わかってますわかってますとも。

 

 

「仕方ないわよ。こういう日もあるわ。ユウだって頑張ってるんだから、我慢しなさい。」

 

 

そして愚痴る美貴を宥める妲己。

この光景を毎日見ている。

妲己が立ち上がり台所へ行く。

 

 

「二人は水飲む?」

 

 

「飲む飲む~。」

 

 

「うん。」

 

 

美貴は相変わらず元気だ。羨ましい限りだ。

妲己が二人に水の入ったコップを渡す。

見た目はかなり濁っている。水もだがコップも。この水は汲んできたものだが汲んだ場所の水が濁っているから当然だろう。透き通った綺麗な水なんて手に入らない。ここの生活ではそれが当然。水とて貴重だ。飲まなきゃ死ぬ。金持ち連中にはわからんだろうが。ユウがコップに入った水を一気に飲み干す。渇いた喉を潤すには量が足りないがそこは我慢しかない。

 

 

「お腹すいたぁ。お兄ちゃんも帰ってきたしご飯にしようよ。」

 

 

どうやら美貴は空腹に耐えられないらしい。ユウも空腹のため反論はしない。

 

 

「ちょっとまってね。」

 

 

妲己が冷蔵庫を開け、中身を確認する。

 

 

「すぐ出来るから少し待ってて。」

 

 

ユウは座っているマリアの隣に座る。美貴も嬉しいそうに待つ。

 

 

 

しばらくすると料理が終わり妲己が盛り付けた皿を持ってくる。

皿に盛られたのは湯がいただけの野菜や芋であった。

それを見て文句を言う。

 

 

「えぇ~!!これだけ!?」

 

 

愚痴を言いたいのはわかる。浅底の茶碗に入っているこの量。どう考えても晩御飯には見えない。

だが食料を買う金も無くてはこうして最低限の食事で長持ちさせるしかない。

 

 

「頂きます。」

 

 

四人が合掌する。

ユウは箸で野菜をつまみ口に運ぶ。うん、味がない。湯がいただけではやはり味は無い。悲しいが調味料も無いしな。素材の味を楽しめるというのはいいがそればかりはちょっと舌が寂しい。たまにはまともなのが食いたい・・・と願う。願うだけならタダだし。

 

食べ終わった後、妲己が使った食器を洗う。ユウ達は継ぎ接ぎだらけの布団に入って寝転ぶ。夜は喋るぐらいしかやることがないのでとっとと寝る。疲れた体を休めたいし。妲己も食器洗いが終わり布団に入る。

 

 

「おやすみなさい。」

 

 

四人はほぼ同時に言ってから寝る。

 

翌日、同じ様に美貴に起こされる。

 

 

「起きて、お兄ちゃん。」

 

 

ユウは美貴に頬を叩かれて起きる。そんな起こし方するなよヒドい奴だな。ユウはさっさと起き上がり準備して行く。

 

ゴミ処理場に着くと今日は先客が少ない。今の内によさそうな物を手に入れなくては。

 

 

「今日は気合いいれて頑張るぞ!!」

 

 

気合いをいれてゴミの山を歩いていく。

 

 

「早速みっけ。」

 

 

ユウが落ちていた腕時計を拾う。何しても動かない。壊れてるのか電池切れなのかは判別出来ない。知識も道具もなければどうしようもない。とりあえず収穫あったし、まぁいっか。拾った腕時計をポケットに入れ再び歩く。

 

今日はなかなかの収穫だった。腕時計もあるが布やら壊れた剣なども拾った。今日はツいてるな。拾った荷物を布で縛り引っ張って帰る。

 

家の前に着くと荷物を置いて扉を開ける。

 

 

「ただいま。」

 

 

今日は元気良く言った。だが返事が返ってこない。家の中を見ると誰もいなかった。ありえない。美貴やだっき姉が出掛けることたまにあるが病弱な母さんまでいなくなることはないはず。それに二人同時に母さんを残して出掛けることもなかった。不安になり部屋の隅々まで捜すがいなかった。イヤな予感がする。ユウは外に出て、拾った荷物を家に運んだ後、街を走った。三人の名を叫びながら。ただ願う。無事でいることを。ここでは何が起きても不思議じゃない。殺人やら輪姦なんて良くある話だ。秩序も何もない。ユウは疲れた体を必死に動かし、鉛のように重くなった足をひたすら動かす。

 

 

夜になって辺りが見えなくなってくる。はぁはぁと肩で息をする。もし自分で出掛けていたらこの時間には戻っているはずだ。夜の街の危険さを知らないはずがない。

 

(とりあえず一度帰ろう。)

 

重くなった足を引きずるように歩く。路地を曲がる直前、後頭部に強い衝撃を受ける。

 

 

「・・・ぐっ。」

 

 

体が地面に倒れる。状況を把握しようと辺りを見て思考を巡らすが何も考えられない。強く頭を打たれたせいか。

意識が徐々に薄れていく。

少し錆びた鎧を付けた人を見たのを最後に意識は無くなった。鎧を付けた男が気を失ったユウを担ぐ。もう一人の鎧を付けた男が言う。

 

 

「そいつ連れてくのか?」

 

 

「そうだ。最近人手が足りてねぇだろ。」

 

 

「手が足りねえのは殺しまくってるからだろ。全く、奴らの趣味に付き合わされるこっちの身になれっての。」

 

 

「俺に言うな。上の連中の趣味なぞ知ったことではない。」

 

二人の鎧を着た男は気絶したユウを担いで歩いていった




初めまして、ポチョさんです。
自分のことをペンネームで呼ぶのはとても恥ずかしいですね。

この作品は、自分の好きなキャラクターや設定を使って自分なりに物語とか繋げてやりたいようにやってます。なので二次創作物です。ある程度のオリジナルは入りますけどね。
ちなみにタグがオリジナルなのは、設定などをちょっとずつ色んなとこから使っており、特にこれっていうのがなかったので一応です。
今までは自分の妄想の範疇で留まっていましたが小説にしてみるのもありかなと思って、最近になりようやく重い腰を上げて執筆始めました。
一応本編は三部作で考えてます。今そういう作品多いですしね。ちょっと流行りに乗ってみました。

ちょっと長い物語になりますが読んでくださると嬉しいです。ついでに感想とか頂けると私のやる気レベルがアップします。

今回読んでいただいた皆様、長い文章にお付き合いして下さり誠にありがとうございました
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