デジタルモンスター dawn's   作:のあと

1 / 3
お久しぶりです。noahto改め、のあとです。

この度、リアルでの様々な出来事があり
さらには新たな趣味の開拓もあって、小説作業を無期限に停止していました。

ですが、ふとした理由を機に昔書いていたデジモンの小説、
『デジモンアドベンチャー episode:eon』をリメイクし、
新しく物語を書いていきたいと思い、再び向き合う事を決めました。

『デジモンアドベンチャー episode:eon』はマルチ投稿していたpixivも含め、
全て閲覧を非公開致しますのでご了承いただけますようにお願いいたします。

不定期更新にはなりますが、長い目で見ていただきますと幸いです。

それでは、『デジタルモンスター dawn's』をよろしくお願い致します。


序章
#1 Awakening of the M①



序章:Awakening of the M

 

世界はとても複雑だ。

それは人の世界であっても、電子の世界(デジタルワールド)でも同じことが言える。

世界との表面が厚くても薄くても関心がない存在は無に等しいだろう。

だから、その現象について誰もが気づかなかったのだ。

ある空間において、流れ着いたデータの粒子がついに実体化していた事を。

 

気づいた頃には、その影響がその空間内で起こっていた。

 

「これは……!」

 

その空間、遺物として存在する古き神殿を見に周りに来た

ネズミをモデルとしたデジモンがそれについて発見する。

目にした光景……それは、嘗てからここに封印されている

巨大なデジモンである存在が薄ら薄らにその意識を覚醒させていることだった。

今までは、ずっと眠り続けるようにその空間にて封印されていたはずなのだが、

何を突然として覚醒したのだ。

 

その答えは、すぐそばに倒れていた。

 

「何だ、こいつは………」

 

銀色と藍色をベースにした狼のような獣顔を持つ人型の何か(怪人)が倒れていたのだ。

それは、どのデジタルワールドでも見たことがなくて、

見た人物も本能(デジコア)的に違うと訴える。

これはデジモンではない。 そう思わせてくるのだ。

 

玄武様に一刻も早く伝えなければ……!」

 

どちらもそのデジモンを抑えることはなく、この事態については伝えられた。

そしてすぐに事態を解決しようとその土地を治め管理するデジモンを

中心に複数のデジモンが訪れ、調査が始まっていた。

 


 

「これが例の異形であるな?」

 

デジモン達によって運ばれ、台座の上へと乗っていた異形を

これらのデジモンを率いる数十mもある巨躯のデジモン、

北方を守護する四聖獣――シェンウーモンがギロりとその巨大な目で見入る。

 

「はい!定期見回りでこちらの神殿へ訪れた際に発見致しました。

 封印個体の意識が中途覚醒していた原因かと思われます」

「前回の定期見回りの際にはこのような異常は無かった為、

 この異形が現れたのはつい最近であると推測されます」

 

ネズミのデジモン――クンビラモンの言葉に続き、

ウシのデジモン――ヴァジラモンがその続きを紡ぐ。

 

「そうであったか……して、あの子の様子は?」

「一度中途覚醒はしていたようですが、もう一度眠りについたようです。

 ただ……気の所為だとは思うのですが、いくらか表情が柔くなったような?」

「ふむ?」

 

その部下の言葉に、視線は封印個体である存在――キメラモンへと移られた。

このキメラモンは部下からの調査内容によれば、

一度粒子のデータとなったこの子がこの神殿の特殊な性質によって、

永い時間を掛けて集まっていき再び再構築されたデジモンだと推測されている。

そしてその特殊な性質にこそこの異形がここに出現した理由に繋がる可能性があるとシェンウーモンは考察した。

 

「この神殿は境界が薄くなっているからの。

 あの子が別のデジタルワールドから流れ着いた事については今更疑問には思わん……が。

 だとしても、一体この異形は何じゃろうな」

「玄武様でもお分かりになられないのですか!?」

「うむ、そもそもな話ではあるがこれはデジモンではない。

 儂らには不思議とその確信がある、デジコアがそう告げるかのようにの。

 それはきっと間違いではないのだろう。

 ……故にこれは境界の先にいた別の異世界の産物であろう。

 その異形が何かを持っていたのならば、

 それがあの子に影響を及ぼした……と見ることはできよう」

 

シェンウーモンの言う考察に部下であるデジモン達は驚きの表情を隠せなかった。

最古参の四聖獣であるシェンウーモンの知識であれどこの異形の正体がわからない上に、

別のデジタルワールドではなく、異世界という言葉が出た事がとても衝撃的だったのだ。

 

「しばらくは儂らで監視体制を築き、この子達を見るとしよう。

 この異形もどうやら息はしておるようじゃし、生物であるのは確かなようじゃからな。

 何、心配するでない。儂がついておろう」

 

包容のある優しい言葉で緊張で身体が強ばっている部下を宥めたシェンウーモンは、

皆を纏め上げ神殿を暫くの間交代制で、

この二体の存在を監視する体制を作って経過を見ることを選んだのだった。

 


 

次に事態が動いたのは、異形が現れてからおよそ時間にして一ヶ月。

あの異形の意識が目覚めたのだ。

それと同時にキメラモンの意識も段々と覚醒を開始していた。

監視体制が整っていた為、事前に対策がされ周囲のデジモンも注意深く警戒していた。

 

異形はゆっくりとその上半身を起こし、首をゆっくりと向けジッと見つめた。

その様子を周囲のデジモンはギョッとし構える。

デジモン達の行為にも特段、リアクションを見せず異形はゆっくりと立ち上がって

覚束無い足取りでゆっくりと動いた。

その向かう先は、目覚め始めたキメラモンだった。

 

「玄武様……!」

「よせ、下手に刺激してはいかんぞ」

 

周囲のデジモン達を制止し、シェンウーモンは二体へと視線を戻す。

 

混濁していた意識が元に戻り始めていたキメラモンは今のその現状の光景を目にし、

己にある恐怖心が膨れ上がりパニックで暴れそうになっていた。

周りのデジモン達の緊張した表情、恐怖の表情が恐怖心を煽っていたのだ。

その中で、ふとキメラモンの目線が下を向いた。

そこからゆっくりと近づいてくる何かを見た。

それは、見たこともない存在でそれでも何故か安心感を覚えるモノだった。

段々とキメラモンはその安心感によって興奮が落ち着いていた。

そして最後には異形がキメラモンの元にたどり着いたのだ。

 

そこで異形が起こした行動は……キメラモンの大きな足を触りゆっくりと撫でたのだ。

その行為に周囲のデジモンは再び驚愕し、シェンウーモンはジッとその行為を沈黙し見つめていた。

 

「―――♪ ………♪」

 

ここで初めて、異形は声を出す。

言葉のような、音のようなその幼稚な声で。

その声にキメラモンは一度目を見開いた後、腕を伸ばしその異形を抱え異形を顔に近づけた。

異形もその行為に少々ドキッとしつつも、今度は顔を撫でたのだ。

キメラモンはその行為に安心し、グルル……と喉を鳴らすかのように唸り声を上げていた。

 

「……総員、警戒解除じゃ」

 

その様子を見て、シェンウーモンは部下達を下げる事を決めた。

今の彼らがここで暴れることはないとそう判断したのだ。

 

「ですが、玄武様」

「大丈夫、何かの影響でどうやら互いに安心感を抱いているようじゃ。

 主達は一度休息を取りなさい、その間は儂自身が見ていよう」

「……! ……感謝いたします、玄武様」

 

その意図を素直に取り組んでくれたようで、

部下であるデジモン達は神殿から立ち去っていき、

今この場にいるのは、異形とキメラモン、そしてシェンウーモン……玄武だけであった。

 

「……何、安心すると良い。儂は何もせぬよ。

 故に、今はまた二人で眠ると良い。この玄武が見守っていよう」

 

優しい言葉を掛け、山のような巨躯を動かして脚を折って彼は座った。

二体はその言葉を理解したかのように一度顔を見合わした。

緊張感の糸が解けたのか次第に微睡みに溶けていき、

キメラモンが異形を抱きかかえるかのように地に落ちて、

二体はそのまま深い眠りへと再び意識を手放したのだ。

 


 

いつの間にか寝入っていた玄武が再びその目を開く。

その視線の先にあったのは、

まだ眠り続ける異形と、異形を覆って抱きつくように眠る

キメラモンの面影を残した見知らぬデジモンだった。

 

その事を理解した頃には、神殿は再び大騒動へと発展していたのは言うまでもない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。