いきいき運動タイム(実際はただの大暴走)の時間です。
今回かなり文字数が膨れ上がってしまったんですが、短いのが小分けの方がいいんですかね?
ゲヘナ学園中等部、三年の教室の一つ。
「ふわぁ〜..............なー傑、つまんねー」
「私にそれを言われても困るよ」
理由は至ってシンプル。することがないのだ。
学校生活を楽しみに来たのは良いものの、正直2人は今のところ他の生徒などどうでも良い。
もう1人の同期である家入硝子、そして嘗ての担任であった夜蛾正道がいれば話は別かもしれないが、二人はいない。
自分たちのことをクズクズと言いつつ自分も常人とは到底かけ離れたイカれた思考をしていて、二人が喧嘩すれば事後処理として治療してくれる同期の仲間。ワルそうな見た目をしていて巫山戯たり校舎をぶっ壊す度に拳骨を頭に落としてくるが、生徒を思う優しさを持つ先生。
人が少なくとも充実していた日々だった。
今の自分たちの隣には親友がいるが、それ以外はいない。
今はあの時とは真逆だ。
人は限りなく多いが、充実しつくしている訳では無い。
勿論放課後などは二人で遊びまくって楽しんでいるわけだが、授業中などにふざけたりはできない。いややろうと思えばできるはず(特に五条)だが、する気にもならない。なので五条はほぼ寝ている。
本人曰く、「DVD見るだけの時間のどこが授業なんだよ」とのこと。彼らも昔は人から教えて貰っていたので、この形態には違和感を感じざるをえないのだろう。ちなみに五条が見ているのはDVDではなくBDである。
ちなみに夏油は授業は基本真面目である。違和感を覚えつつもちゃんとBDを見て勉強してる。なので成績も優秀。勉強せずにグースカ寝てる癖にテストで満点取る五条には少しイラついていた.......らしい。
そんな生活を続けてしばらく経ったある日。
「悟、聞いたかい?砂漠に大蛇が現れたという噂。」
夏油はおにぎりを頬張りながら五条に雑誌の記事を見せる。五条はグラサンをずらして記事をちらりと見る。
そこには砂漠の砂嵐の奥に大蛇.......と思しき巨大な影が映る写真があった。
「んだそれ。呪霊?もしかしたら単なる砂嵐かもよ?」
「分からない。だが、気にならないか?」
んー、と考え込む素振りを見せる五条。そして、ニィっと笑って口を開く。
「あたりめーじゃん。デカいんだったらそれなりに骨あるんじゃねーのか?」
「フフッ。ココ最近のは皆緩かったからね。久々に運動できるかもしれないね」
皆というのは不良達である。
どこから噂を聞きつけるのか、毎週のようにやってきては3分クッキングされて退場していくのが恒例である。
彼らは冠番組を持てるかもしれない。
ちなみに五条と夏油は彼女らが毎回兵力をあげていたり武装を強化したりしていることに気づいていない。
象が今踏み潰したアリがクロオオアリかクロヤマアリかヒメアリかなどに興味を持つだろうかというような話である。
「あー。術式使える相手だといいなー」
「砂漠だし、1回使ってみたらいいんじゃないかな」
*****
1週間後。
件の砂漠に2人はやってきた。
「ふーん。砂漠ってほんとに何もないんだな」
「昔は砂が少なくて栄えていた広大な自治区だったらしいよ。...........ほら、あれ」
つまらなそうにいる五条に指さす方を見るよう促す夏油。
そこには砂に埋もれた家屋群がある。
「へー。カワイソー」
「言うならせめてもう少し感情を込めてあげたらどうなんだい」
「だってどうでもいいし」
傲慢なところは何一つ変わっていない。
そんなこんなでしばらく歩いていると、次第に砂嵐が吹き始める。
「悟。案内は頼むよ」
「はいよ」
ゴーグルをつけた夏油と、グラサンを下にずらした五条。
砂嵐の中では視界が悪く目に砂が入ること十分すぎる程考えられるので、夏油はゴーグルだ。
五条は無下限を貼っているのでノーアイテムで砂粒を防いでいる。
そして、呪力どころか空間の神秘までも見通せるようになった六眼のおかげで視覚的以外の情報を集めることが出来る。
「...........あっちにいるな。行くぞ」
・・・・・
少女は恐怖していた。
眼前に聳える巨大な化物。
最早この地の迷信とまで言われたもの。
純白の装甲を身に纏う、機械の大蛇。それが今、自分の目の前にいる。
───────────勝てない。
直感的にそう悟った。
無理だ、と。
闇金に唆され、疑いつつも希望にかけて来てみた砂漠の奥地。当然、そんなところに砂と埋もれた廃墟以外の何かがある訳でもなかった。
それどころか、目の前に現れたのは今までに見たことの無いほど巨大な機械の大蛇。
4つの目を爛々と輝かせ、長い体を曲げながらこちらを見たあと、攻撃対象と識別したのかこちらを向いて何かをチャージする。本能的に回避を試みたが、避けきれずにその光線が直撃する。
熱い。熱い熱い熱い熱い熱い熱い。
それは身を焼き焦がす超高温の熱線だった。
たった一撃で戦闘困難状態まで持ち込まれた。
それに、攻撃したところであの大きさの化物を破壊出来る火力には到底及ばない。
万策尽きた。
大蛇は再び先程の攻撃を準備し始める。
そして、少女は後輩と母校を思い命を散らす────────
その時。
「大丈夫かい?.............いや、見るからに大丈夫では無さそうだね」
「うわなんだこれ、スゲーな」
自分に手を差し伸べる、垂れた前髪が特徴的な大柄な男子と、その奥で
そして糸が切れたのか、そこで彼女の意識は途切れた。
・・・・・
「いやー、そいつヤバかったな」
「あと少し遅ければ焼き払われていたところだったね。間に合って良かったよ」
アビドス砂漠、広大な砂地の一角。
最強の2人は目的のもの..................眼前の白い機械蛇を発見した。
少女が1人負傷し倒れていたところを保護し、迫る攻撃を五条の無下限によって無効化した。
まさか防がれるとは思わなかったのか、大蛇は理解が追いついていない様子だ。
夏油は気絶した少女を抱えつつ、大蛇へと向き直る。
「【
神を作ろうとは、なかなか面白いことをしていたみたいだね?」
「んな話覚えてねーよ。あいつが神だって言うんなら、俺たちが"神殺し"になるだけのことだ」
「違いないね」
彼らがどこでその情報を手に入れたのか。それはトリニティ自治区の大図書館である。そこには数多くの古書が眠っていると聞きつけ、砂漠の大蛇に関する記述を探したのだ。五条は面倒くさそうであったが夏油に着いてきた。
そこで図書委員の生徒と交渉をして通してもらった。体格があまりにも違いすぎることやキヴォトスで滅多に見ない人間生徒(しかもヘイロー無し)であること、トリニティと確執のあるゲヘナに所属していることなどから一悶着あったが、なんとか通して貰えたのだ。終始めんどくさそうな五条はイライラしていたが2人とも脅しは使ってない。
そこで様々な情報を得たのだ。
「さて、んじゃ遊んでもらうぜニョロニョロ。《蒼》」
五条は飛び出し、蒼を繰り出す。五条とビナーの間の距離が収束し、一瞬で詰め寄る。収束する無限のエネルギーが周囲の砂塵を巻き上げる中、五条の拳がビナーに直撃する。
「んー、こいつガワが無駄に硬ぇしただ殴るだけじゃダメージ入らねぇな。釈魂刀でもあれば別だろうけど」
ビナーはその身を重装甲に包んでいる。だから、生半可な攻撃では鋼鉄の守りを破って有効なダメージを与えることが出来ない。最大出力の蒼や赫であればあるいは、というところだが、いくら六眼があるといえどもそんな効率の悪いことは出来ない。つまり、必要なのは────────対抗の術を与えず守りを貫く、強大無比な一撃。
「仕方ねぇな、さっさと終わらせてやるよ。試運転だ」
『術式順転《蒼》』『術式反転《赫》』
相反するふたつのエネルギーが融合するとき、
「虚式」
《茈》ッ!!!!!!!!!!!
無限大の『仮想の質量』が放たれる。
────!!!!
明確な危機。これまで感じたことの無い莫大な力。
ビナーは恐れたが、それでも思考を切り替えて最大出力の攻撃を行う。
《大道の劫火》。だが、それはあまりにも強大な負の力を帯びる仮想の質量を持つ攻撃に飲み込まれて消えた。
そして、ビナーに《茈》が直撃する。
「殺してないだろうね?悟」
「安心しろ傑。ちょっとずらした」
空でいきなり大技を放った親友を迎え入れる夏油。それにしてもなぜ
程なくして巻きあがった砂塵が晴れてビナーが起き上がる。下半身が大きく抉れ飛び、消失している。
恐怖と激しい憤怒をもって、反撃を試みるようだ。
熱線をチャージするビナー。それを夏油は冷静に見つめる。
「ほう.............まだやるかい。ならばこれだ」
そう言うと、夏油は手を翳し、何処からか
「わタ、ワ、わたシ、キレイ?」
一級仮想怨霊、口裂け女。
質問に答えるまで互いの間に不可侵を強制する簡易領域を展開する呪霊だ。これは夏油が過去に取り込み前世の高専時代でもお世話になった呪霊である。
この効果は、ビナーの攻撃を防ぐのにうってつけであった。
なぜなら、見たところビナーは言葉を発しないからだ。言葉を発するなどして口裂け女に何らかの反応をしなければ簡易領域からは脱出できず、攻撃もできない。何らかの手段で肯定否定の意思を表示できるとしても、それが脱出の糸口と気づくかどうかは別である。
未だ混乱から抜け出せないビナーに、次の一手を打つ。
「君は蛇のようだね、ならばこちらは龍だ」
続いて夏油が召喚したのは、龍形の呪霊。高専時代に好んで使役していた《虹龍》に姿はかなり似ているが、微妙な差異が見受けられる。純白だった鱗は七色の光を放つようになり、神々しさが増している。更には、首の辺りに色の異なる七つの勾玉が括りつけられている。
「行け、《七虹龍》」
ビナーと比較すると小さめのサイズではあるが、その存在感は圧倒的である。五条の茈で抉られた部分に噛みつき苦しめる。暴れ回るビナーに振り回されて一旦離れる七虹龍だったが、その隙にビナーは熱線をチャージする。
それが放たれる瞬間、夏油はハンドサインのように指を動かす。
それに共鳴するように七虹龍が咆える。
そして、眼前まで熱線が迫り──────
跳ね返ってビナーの元に直撃した。
───────《七虹龍》。
元は土地神として祀られていた龍が信仰によって具現化した呪霊、虹龍である。虹龍は本来術式を持たない2級呪霊であるが、紆余曲折を経て術式を保持するようになった。
これは、使役者である夏油傑の能力向上・解釈広域化の産物である。
夏油は今世において、(おそらく前世での『死』の経験から)呪力を練れるようになった頃から反転術式が使えるようになっていた。ちなみに発覚したきっかけは五条に反転術式マウントを取られてムカついたので頑張ってやってみたこと。
死は呪術的に大きな意味を持つ。呪力は負の力。そして生命や自然界において、正の概念は『生』、負の概念は『死』を表す。つまり、負の象徴たる『死』に近づくほど、呪力、負の力の核心に迫ることが出来る。五条が瀕死状態で反転術式を会得したのもこれによるものだ。
1度『死』を経験した夏油の魂は、それを憶えていた。
これにより、夏油は正の力も扱えるようになったわけだが、呪霊操術という術式は順転・反転という概念から少し遠い。五条の無下限呪術とは反転の勝手が違うのだ。
だからこそ、順転・反転を解釈広域化により新たに定義することにしたのだ。
呪霊操術は、呪霊を調伏、取り込むことで使役可能になるという術式。これを術式順転として形にするため、工程を分解する。
調伏→球状化→取り込み→使役
この『球状化』は、呪霊の呪力と術式を自身の呪力で圧縮して取り込み可能なサイズにすること。つまり、取り込むには呪霊を一度『呪力と術式と個体識別子』に分解しているわけだ。そのままの姿で使役できるのは、識別情報があるから。
つまり、これらをまとめて使おうとすれば『使役』となり呪霊が召喚され、術式・呪力のみを使えば呪霊は出さなくても良い。
つまり、取り込んだ呪霊から呪力・術式を抽出できるようになった。ただし、このふたつは抽出するだけでは使えない。術者がいなければ発動できないため、基本的にはこれらを単独で抽出することはせず識別子と一緒にまとめて使役する。これを『術式順転《喚》』とする。
その逆、『術式反転』は、『呪力・術式の抽出』という性質を反転させる。つまり、取り込み済みの呪霊の術式や呪力を他のものに付与できる。
呪力を自身に付与すれば呪力補充が可能で、実質的に保有している呪霊の分だけ無限の呪力量を得られる。枯渇知らずである。
更には呪力だけでなく術式の付与も可能。術式なしの呪霊に術式を付与したり、自身で用いた方が効果的な術式を自分に付与して使用するなどができる。例えば、夏油が調伏している訳では無いが、特級呪霊『真人』の『無為転変』などは、夏油自身で使う方が小回りが効くだろう。練度の問題はあるが。
これが『術式反転《賜》』。
そして極ノ番『うずまき』は、手持ち呪霊を一気に呪力・術式・識別子ごと全て抽出しひとつのエネルギー塊にまとめて放出する。こちらは『新たな解釈に既存の技をどう当てはめるか』に軸を置いて定義したため、特段の変化は無い。
だが、最強コンビとして五条に並び立つ彼の進化はこれらだけでは終わらない。
順転と反転、その中間の性質を持つ力。
それが"術式衷転《肥》"。
抽出と付与。両方の性質を備えるこの力が、呪霊操術の可能性を広げる。
この術式は、「他の呪霊から抽出した呪力や識別子を使用して呪霊を強化する」もの。
呪霊操術はポ○モンのようだと言われたことがあるが、こちらは分かりやすく言えばパ○ドラやモ○ストのようなソシャゲの『キャラ合成』だ。
呪霊の呪力を別の呪霊に付与したり、識別子ごと与えて進化や等級向上を促すなどができる。もちろん、識別子を失えばその呪霊は祓われたのと同義となり、今後使役が不可能になる。だが、この力があれば術式未発現の呪霊の等級を一級相当以上に引き上げて術式を発現させたり、強力な術式を持つが打たれ弱いなどの弱点を持つ呪霊の弱点を改善させたりできる。
これを用いて強化したのが、先の《七虹龍》であるというわけだ。
.........なぜ夏油は星漿体任務の時に祓われたはずの虹龍を使役できたのか?
それは『祓われたものも含めて、これまで過去(前世)で取り込んだ呪霊も再使役可能』だったからだ。解釈にあてはめれば、『識別子と呪力・術式が戻ってきた』と言ったところか。
.............何はともあれ虹龍が一級、下手をすれば推定特級レベルにまで引き上げられて得たのは『反射術式』。敵から与えられた攻撃やエネルギーをそのまま反射するというもの。ただし、自身の呪力量を超える攻撃は跳ね返せず食らうという性質がある。
だがこの『呪力量』は主である夏油本人と彼の保有する全ての呪霊の呪力量とすることができるため、大抵の攻撃は全て弾き返す。
よって、圧倒的神秘を持つビナーの熱線ですら、あえなく反射されて自らの身を灼いたのだ。
閃光が晴れたその頃、ダメ押しと言わんばかりに七虹龍がその硬い尾をビナーの眉間に叩きつける。重装甲に凹みをつける硬度の一撃を最後に浴びせたあと、夏油は七虹龍を呼び戻す。
「十分かな。それじゃあ、やってみようか」
五条悟
最近暇すぎ。ん?バカでかい蛇?何それ、オモシロそうじゃん。傑、行ってみよーぜ!!
軽いノリ(と暇つぶし、体のなまり防止)でアビドス砂漠にやってきた。
ドデカい的に茈をぶつけてあげた。
十数年使ってない上に詠唱も完全省略したけど威力は全然衰えてないみたいで安心。
面白そうだったしそれでもって親友のためになるならとついてきたが、今戦ってみたいのは人型サイズの強者。
夏油傑
前世では完全に五条に置いていかれていたが、反転術式の会得をきっかけに五条のアドバイスの元で呪霊操術の可能性を広げた。
何故か前世で取り込んだことのある全ての呪霊が使役可能だった。
その辺の細かい呪霊もどんな潜在術式を持っているのか分からないので気分で取り込んでいる。五条の六眼があれば見通せるので一緒にいる時は選別している。
ちなみに衷転を使って進化させた七虹龍は、以前の反省から魂への攻撃にも耐性がついている。
ビナーで遊んでいる...................?
ビナー
偉大なるデカグラマトンの預言者...............だったはずなのに........。どうしてこんなことに.....。
今や哀れなサンドバッグ。
なんか変なのがいたので排除しようとしたらひょっこり出てきた人の形をした化物共に蹂躙された。
冷静に考えて、誰であろうともいきなり茈ぶち込まれるのは恐怖以外の何物でもない。
一体なんなんだ。これ以上私で何をするつもりなんだ。
ビナーに襲われていた少女
一体誰なんだ...........(すっとぼけ)
夏油(と五条)を見て何故か安心してしまったのか、気絶してしまった。
五条が超大量破壊光線を放出している所も夏油が七虹龍でビームを反射しているところも見ていない。
ゲヘナの不良
五条と夏油の3分クッキング常連(材料枠で)。
M○C○'sキッチンでのオリーブオイル的な存在。
夏油を五条に並べる存在にするために色々設定盛りました。独自解釈タグつけます。
各所の様々な考察とか解釈を参考にしてます、おかしい設定になってないかな..........不安
次回はおそらく皆さん予想してるであろうアレが起こります