最強たちの青い記録   作:まなふぃ

9 / 9
ついに本編開始!!
彼らの織り成す透き通るアオハルをどうぞお楽しみいただければ幸いです。


序幕・青還
青の幕開け


 

時の流れとは早いもので、五条と夏油、2人は2年生へと進学した。

だがこれといって何かが変わった訳ではなく、いつも通り過ごしていた某日。

 

 

 

『速報です!!連邦生徒会の所有する建物が不良集団に襲撃されています!情報によると《七囚人》の狐坂ワカモも出没してたとのことですが、その目的は依然として不明です。しかし、建物内には失踪した連邦生徒会長の残したものがあるとの憶測もあり──────────』

 

 

「ふーん」

 

五条と夏油はこの日、家にて寛いでいた。

特に用事もないうえ、気分も出歩くものではなかったのだ。よってこのように家でゲームをしたりテレビをぼーっと眺めたりしているわけだ。

だが、2人ともこのニュースには少なからず関心を持った。

 

「あの女の、ねぇ...............」

 

五条の言う『あの女』が指すのは、もちろん『連邦生徒会長』のことだ。自分たちに色々と世話を焼いた人物であり、これまでのキヴォトスの秩序を担ってきたと言っても過言ではない『超人』。

そんな彼女が暫く前に突如として失踪したと言うのだ....................というものの、2人は既にそれを匂わされていたので「やっぱりか」という感想である。

匂わせ、それは失踪前にゲヘナへわざわざやってきて『お願い』をしてきたのだ。

 

 

〜〜〜

 

 

「もし私が居なくなってしまったら、キヴォトスはこれまで私が回していたことの多くが滞り、混乱に陥るでしょう。もちろん、それを鎮めるのは連邦生徒会の仕事ではありますが、もし暴徒に施設を襲われるなどして危機的状況に陥り、生徒会側から『救援要請』があった場合、彼女たちを助けてあげてほしいの。

何者にも縛ることの出来ない、理を超えた力を持ちながらもキヴォトス中を自由に活動できるあなた方にしか出来ない頼みです」

 

「.........まるで『これから私はいなくなる』とでも言っているようだね。.........それは置いておいたとして、私たちに何の利があるんだい?」

 

「..........えぇ、詳しくはお答えできませんが近いうち私はキヴォトスから離れます。

我儘を押し付けていることは重々承知の上でそれでもお願いしたいんです。五条さん、夏油さん。

対価は.............そうですね。私が去ったあとも流れ続け、そして変革の中で織り成される新たな『青春の日々(ブルーアーカイブ)』では、釣り合わないでしょうか?」

 

 

「...........ハッ、屁理屈じゃねぇか。でも、よくわかってやがる。...............いいぜ、その話受けてやるよ。

ただし──────こっちが指定するモンを用意しろ」

 

 

 

 

〜〜〜

 

 

「あの人も『私が居なくなっても大丈夫なように万全は期するつもりです』と言ってたからね。そこには十中八九その『下準備』したものがあるのだろうね」

 

過去を回想しつつ夏油が呟く。

 

「ということは................」

 

 

 

プルルルルルルルルルルル、と夏油のスマホが着信を知らせる。

 

 

「もしもし、夏油です。何か御用でも?」

 

『はぁ.................どうせニュースで何が起きているかはわかっているのでしょう?そこの不良生徒達の処理を頼みたいわ。なるべく周りに被害を出さないように』

 

「........周囲を気にしなければならない?それほど大事なものでもあるのかい?」

 

 

 

 

『えぇ。連邦生徒会長が残した超法規組織、連邦生徒会所属・連邦捜査部シャーレ(S.C.H.A.L.E.)。その建物の中には会長が失踪して以来我々の手元になかった《サンクトゥムタワー》の制御権を握るオーパーツが眠っています。』

 

 

 

 

 

『そして、今からそこへ向かうのはそのオーパーツを起動できると思われる現状唯一の方である《先生》です。

 

そして、その《先生》は、キヴォトスの【外】からやってきた【大人】です。当然ヘイローがないので、周囲の被害に注意するよう警告したわけです。

では、お願いしますね』

 

 

 

 

プツリ、と一方的に電話は切られる。

 

 

 

「......ハハハハハハ!!!!!!!あの女、どうするかと思えばまさか【外】から【大人】を連れてくるとはな!!面白ぇじゃねぇか!!!」

 

「つまり、これから彼女を補完する存在となるわけだ。......ふふ、全くもって面白いじゃないか」

 

 

 

互いに笑い合う2人は視線を合わせ、共に踏み出す。

 

 

 

「行くよ悟」「あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

四人の少女たちと共に、私の職場があるという場所を訪れたものの...........

 

"これは..............すごいね"

 

聞かされてはいたものの、目の前で少女達が何の遠慮もなく銃を扱っていることに驚く。

行き当たりばったりながら、私が四人───ユウカ、ハスミ、スズミ、チナツ───を指揮し戦闘をしている。私は彼女らとは違って体が頑丈では無いため、銃弾が当たれば当然一撃で病院送りだ。

なので細心の注意を払い、チナツにも確認してもらいながら指揮をしている。

そして不良生徒たちをある程度退けたところ..............巨大な戦車が3台も現れた。しかも、その裏にはまだ多くの不良生徒たちが控えている。

このまま打開策のないままでは前線を維持するユウカが先に消耗してしまう。

何とかならないものか、と頭をフルに回転させていた───────その時だった。

 

 

 

 

 

───────ドゴォォォォォォォン!!!!!と、目の前で何かが物凄い衝撃で爆発し、巨大地震のように足元が振動する。

そして、舞い上がった土煙が一点を中心に吸い込まれいていく。視界が晴れると、そこには2人の男の子が立っていた。

片方は頭の後ろで黒い前髪を団子にまとめ、額から一筋の前髪を垂らした長身の男子。そしてもう片方は純白の髪と透き通るような碧い瞳を持つ、これまた長身な男子だ。

白髪の方の子が手を翳す先に土煙が集まっていき、その不思議な引力に耐えきれない戦車が引き付けられていく。すると、3台あった戦車が一瞬のうちに一点に集まり、巨大な質量を持つ鋼鉄の塊どうしが互いを押し潰しあって見るも無惨な形に変わっていく。一応中に入っている子のことは考えているようで原型は留めているが、もう砲台はおろか動くことすら出来ない鉄屑となってしまった。

それを前髪の子が蹴飛ばし、前方へと飛んでいった。

..............数十トンはくだらない戦車の塊を蹴飛ばすなんてどんな身体能力をしているんだ、と思ってしまう。それに彼らにはヘイローが無い。やはりどこからそのような力を得ているのか気になる。

彼らは今までの一連をなんでもないことのようにして前線にいるユウカに話しかける。

 

「よう、久しぶりだなユウカ。セミナーは大変だって言ってた割にこんなメンドそうなことに自ら首突っ込むなんてな」

 

「あ、あれ?悟?と傑も.........って!私だって好きでこんなことしてる訳じゃないわよ!!」

 

「相変わらず元気がいいね」

 

2人の男子────白髪は悟、黒髪は傑という名前らしい───はユウカとの会話を軽く済ますと、こちらへと歩み寄ってくる。

 

「あなたが【先生】で間違いないかな?私は夏油傑。こっちは「五条悟だ」...。リンから貴方の護衛と敵の排除を任されたものでね、少し暴れるが、気にしないでくれ。中に用事があるのだったら、ある程度私たちが片付けたら入るといいよ」

 

なるほど、リンが言っていた『後で応援を寄越します』と言っていたのは2人のことだったのか。

傑の助言通り動くため、暫く待つことにする。

ハスミとも面識があるらしい傑と悟はこちらにも挨拶をしてから戦場へと向かっていった。

 

 

 

 

「まぁ長々とやる意味もねぇしなさっさと終わらすか」

 

「じゃあ悟に任せるよ」

 

と軽く会話した2人。先程謎の力を操っていた悟が相手をするらしい。

2人は銃やヘイローを持ってないけど、その代わりとしてあんな能力があるのだろうかと推測するも、あくまで推測の域を出ないので置いておくことにした。

目にも留まらぬスピードで敵集団に詰め寄った悟はその前方でジャンプし、集団を丸ごと俯瞰できる位置に()()()()

だが、驚愕はそのままでは終わらない。

右手を突き出し、言葉を唱える。

 

 

「拡張術式:《重力崩壊》」

 

 

その言葉の直後、固まっていた敵集団は一人残らず倒れ伏した。生徒達だけでなく、アスファルトまでもがメキメキと音を立てて割れていく。

........まるで()()()()()()()()()()()()()

 

そこにすかさず傑が出てきて、何かをし始める。

 

「行け、《獏》」

 

すると、鼻の長い四足獣のような生物が現れる。そしてその鼻を振り上げると、空気を吸い込んで傑の元へと戻ってきて、消えた。

 

不良生徒たちは皆意識を失ったようだ。一体何が起こったというのか。ただ、先に私の責務を果たす必要がある。向かわなくては。

 

「ありがとう、2人とも。私は急を急ぐから失礼するね。でも、今度会ったらさっき何してたのか説明してね」

 

「へいへいー」

「ではまた」

 

私が感謝を伝え、ついでにタネについても今度聞けるよう取り付けられた。

私の最初の仕事、『キヴォトスの混乱を沈める第一歩』の役目を遂行しに行こう。

 

 

 

 

 

 

*****

 

 

後日。

五条が手にする雑誌には一面に『シャーレの先生』についての話題が並んでる。突如として現れた、『【外】の【大人】』なのだ、興味関心の的となるのは必然でもあろう。

 

 

 

 

「アイツが、あの女がキヴォトスの命運を預けた"先生"、ねぇ................」

 

 

「あの後見事にサンクトゥムタワーの制御権を復旧したようだね。ユウカたちの話じゃ私たちが来る前に執っていた戦術指揮でも才能を見せたそうじゃないか」

 

 

スマホのニュース記事をスクロールしながら言う夏油。

五条は雑誌から目を離し眉間に手を当て思い出すポーズをする。

 

 

「色々と謎ばっかなとこが多い上に、今は形式上だがキヴォトス中を揺るがしかねない権力を持つ超法規組織のトップでもある...............だっけ?」

 

「そうだね。

まぁ、彼がどんな選択をして、どんな未来が訪れるかは誰にも分からない。でもひとつ、1つだけ確実に言えることがある」

 

 

そう。ひとつだけ、確実なこと。

 

 

「そうだな──────」

 

 

たとえどんな困難が振りかかろうとも、どんな未来があろうとも、超えていける。

 

 

 

 

 

 

なぜなら─────────────────

 

 

 

 

 

 

「俺達は、最強だ」「私達は、最強だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最強達の青春記録(ブルーアーカイブ)、開幕。

 

 

 




《解説》

・拡張術式《重力崩壊》:
対象にかかる重力を無限大に増加させる。術式対象は呪力の有無や有機・無機を問わず、範囲も自由に設定できる。六眼持ちの五条であれば人1人ずつ細かく設定することも出来るが、今回はしていないためアスファルトにも術式効果が乗って陥没が始まった。
五条がアニメを見ていて思いついた。対象に加わる何かを無限大に増加させるのは《無量空処》と同じであるため、何かを縛るなどしなければ発動できず、術者への負担も割と大きい。だが敵を一瞬で行動不能にできる上、範囲を広大にできるため、キヴォトスでは割と使い道がある。
五条は他にも新技開発を進めているらしい。

・準一級仮想怨霊《獏》:
悪夢を食べる言い伝えのある伝説上の生物が仮想怨霊として顕現した呪霊。夢を食いエネルギーに変換できる。その延長として意識を食らうこともできる。
反転させると、相手に悪夢を強制するなどの精神系攻撃が可能になる。





お試しでキャラクター紹介を無くしてみました。あった方がいいんですかね?まぁいいや。

ついに先生が登場!やっぱり同性で語らって欲しいよね、ってことで男性です。
2人が連邦生徒会にいる様子は考えられないので、会長の謎予知能力(捏造)でツテを作らせてもらいました。これで解決。

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