大人になってもずっと変わらない   作:抹茶ラテラーメン

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夏の電気代こそ気をつけよう

東雲のお父さんと別れてから1人で絵を見ている俺。正直、絵を見る展示会なんてあまり来た事がない俺からしたら絵を見るだけで10分とかかかる理由が分からない。俺が見たとしても数十秒だ。なので、もうすぐこの広い会場を一周する所まで来ている

 

そして、次を絵を見ようとした時

 

 

「あんたちょっと早くない?」

 

「……」

 

急に後ろから声を掛けられる。その声の主はここの展示会の主役の東雲絵名だった。あれ?あなた宵崎達と話をしているのでは?それにお父さんとも会わなかったの?

 

 

「宵崎達は?」

 

「奏達なら話が終わってお店の予約に行った」

 

「予約?」

 

「本当ならファミレスって話だったんだけど、瑞希が予約をし忘れてたみたいで」

 

「ファミレスって予約必要なのか?」

 

「今回は特別。だから、違う店の予約をしに行ったの」

 

「へぇ」

 

 

大体、5人なら予約とかしなくてもお店入れると思うんだけど。まぁ、打ち上げなら仕方ないが。それにしてもこんな暑い中でお店を予約しに行くとは普通に電話でいいのでは?と言ったらなんか怒られそうだったから黙っておいた

 

 

「お父さんは?」

 

「会ったわよ。だから話をした」

 

「どうだった?」

 

「どうって。別に普通よ。いつも通り話して。いつも通り別れた」

 

「そうか」

 

 

少し東雲の頬が緩んでいるのを見る限り、ちゃんとお父さんと話が出来たんだな。まぁ、ここで話すのもあれだけど。帰ったらまた話をする事を祈る

 

 

「それより、あんた早過ぎない?」

 

「何が」

 

「私の絵を見る速さよ」

 

「いや、悪いんだけど俺。絵を見ても何が良くて何が良いのか分からないから」

 

「だとしてももっとこう、なんかあるでしょ」

 

「あるとしたら、ここの中凄く涼しいから電気代とか大丈夫かなぁって思うくらいで」

 

「あんた、人の絵に関心ないくせに電気代には関心があるってどういう事よ」

 

「仕方ないだろ?今、色々と物価とか上がってるんだから」

 

「だとしてもよ。全く、せっかくあんたの意見を聞けるって思ってたのに」

 

 

東雲は少し怒っているのか口を尖らしていた。せっかく意見を聞けるって大学の時に散々言っただろうに

 

 

「で?どうなんだ?」

 

「何がよ」

 

「ここの電気代」

 

「あんたは電気代から少しは離れなさいよ!!」

 

「頼む!大雑把でいいんだ」

 

「私が知るわけないでしょ!そもそも、ここの電気代が分かったら何をするつもりなのよ!」

 

「……何がしたいんだろう?」

 

「私がそれを聞いてるのよ!」

 

 

なんかこんな馬鹿みたいな会話をしていると大学時代を思い出す。昔も東雲とこんな馬鹿みたいな会話をしてたな

 

東雲も同じ事を思ってたのか少しだけ笑う。そんな東雲を見て俺も少し笑う

 

 

「ほんと、私達変わってないわね」

 

「だな。まぁ、東雲はだいぶ変わったと思うけどな」

 

「……変態」

 

 

身長の事を言ったのに何故か東雲に変態呼ばわりされる俺。それに、なぜ胸を隠すのでしょうか。別に胸の話はしてないんですけど

 

 

「身長だよ。頼むからそれ辞めてくれ。傍から見たらセクハラしてる男になるから」

 

「身長って言ってもそんな変わってないわよ?」

 

「変わってるよ」

 

「まぁ、あんたがそういうならそうなんでしょうけど」

 

 

なかなか自分の身長って自分では気付かないものなんだよな。毎日見てるわけだから変化が分かりにくい。だが、人から見られた時に初めて気づく時もある。今の東雲みたいに

 

 

「しかし、お前も有名になったよな」

 

「そうね。これも私に関わってくれたみんなのおかげ。みんなが私を支えてくれたからここまで来れた」

 

「彰人にもか?」

 

「まぁ、そうね。彰人にも沢山支えられたし」

 

「あとはお父さんにもか?」

 

「そうね。お父さんにも」

 

「それなら良かったな」

 

「うん」

 

 

東雲は凄いと思う。過去を乗り越えて前に進み、そして夢だった画家にもなれて。才能ではなく、努力で自分の未来を掴んだんだ。それは誰にでも出来ることじゃない。きっと、それこそ東雲の才能だったんだろうな。天才とは違う才能で

 

 

「さて、そろ」

 

「そろ帰らないわよ」

 

「……なんで」

 

「みんなでファミレス」

 

「さっき違う店って言ってなかったか?」

 

「さっき瑞希から連絡来てファミレスに決まったの」

 

「まだ15時なんだが?」

 

 

只今の時刻は15時。ちょうどおやつの時間である。そんな時間にご飯は食べたくないし、なんなら昼飯にしては遅いし夕飯にしては早すぎる

 

 

「だから、ここで時間を潰しなさいって言ってるの」

 

「お前、自分の展示会を時間潰しで使われる事に関してはなんとも」

 

「このまま雄磨に逃げられてあとから怒るよりはマシ」

 

「あ、怒られるのは確定なんだな」

 

「それはそうでしょ。みんな雄磨に会いたがってるんだから」

 

「はぁ。出来たら朝比奈の横だけは勘弁して欲しい」

 

「なんで?」

 

「朝比奈に怒られるのは勘弁したい」

 

 

朝比奈まふゆ、彼女に怒られるとなんかこう言葉には出来ないが精神的にくるのもがあるから怒られたくない。別にそんな悪い事もしてないのに

 

 

「まふゆに怒られるって、何かしたの?」

 

「遊ぶ約束をすっぽかした」

 

「それ、あんたが悪くない?」

 

「いや、ちゃんとした理由があるんだよ」

 

「何よ」

 

「眠かった」

 

「よし。なんとしてでも連れていくわ」

 

 

この鬼が。と言おうとしたがよくよく考えたら俺が悪い事に気がつく。しかし、ちゃんと説明をするとその日風邪をひいてしまい。心配されたくなかった為眠かったからすっぽかしたと言うことにしている

 

ちなみにこの出来事があったのはつい昨日の事だ

 

 

「で?そのすっぽかしたのは何時なの?」

 

「昨日」

 

「え?昨日ってあんた風邪をひいてたじゃない」

 

「なぜ知ってる」

 

「彰人から聞いたのよ。心配かけたくなかったみたいじゃない?」

 

「そこまで知ってたか」

 

「はぁ。今日、私が弁明してあげるからちゃんと来なさいよ?」

 

「分かったよ。で?その打ち上げみたいなやつは何時からやるんだ?」

 

「一応、この展示会が17時までだから17時30分くらいかしら。あ、でも一応17時で予約したみたいだから先に行っててもいいわよ」

 

「了解」

 

 

今が15時だからあと2時間後にファミレスに行けばいいと言うわけか。しかし、2時間もここで時間を潰さないと行けないのか

 

このまま東雲と話して時間を潰そうかと思ったが、なんか偉い人みたいな人が東雲に声をかけて話をして東雲はどこが行かないといけないらしい。東雲はその際に楽しんでねと言って去っていく

 

楽しんでねって言われてももうすぐ回り終えるんですけど

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