大人になってもずっと変わらない   作:抹茶ラテラーメン

5 / 14
話す時は目を見よう

あれから2時間が経ち、俺は打ち上げみたいなやつに参加するべくファミレスに来ていた。しかし、ここである問題が起きた。それは

 

 

「昨日ぶり」

 

「あ、あぁ」

 

「絵名から聞いた。昨日、風邪ひいてたから来れなかったんだね」

 

「そ、そうだな」

 

「なんで言ってくれなかったの?」

 

「い、言ったら心配するかなと」

 

「そう」

 

「は、はい」

 

 

何故か席には俺と朝比奈まふゆしか居ないのだ。東雲はまだ展示会でこの時間には来れないのは知っている。しかし、残りの2人が来ないのだ。宵崎奏、暁山瑞希、この2人は一体どこへ

 

俺は水を1口飲み、この空気を耐える為身構える。朝比奈も水を飲んで黙ったまま。すると、朝比奈は携帯を取り出して何かを見始めた。そして、携帯を見たと思ったら今度はこちらを見てくる

 

 

「……」

 

「えっと、どうした?」

 

 

朝比奈に問いかけてみると、少し首を傾げてから聞いてきた

 

 

「今度、何時が空いてるの」

 

「はい?」

 

「雄磨が休みの日。昨日の埋め合わせしたいから」

 

「あ、えっと。いつでもいいよ」

 

「そう」

 

 

朝比奈はそう言うとまた携帯を見始める。恐らく、シフト表を見て…………ん?そもそも看護師にシフト制ってあるのか?なんか看護師って休みが無いイメージが

 

 

「私は土日は休み」

 

「あ、そうですか」

 

「でも、患者さんが急変とかしなければの話。だから、携帯は常に電源を入れてる」

 

「そうなんだな。じゃ、仮に今患者さんが急変したら」

 

 

俺が最後まで言おうとする前に朝比奈は携帯の電源を切ってしまう。朝比奈さん、それしたら大変な事になるのでは無いでしょうか。それにさっきと言ってた事と違いますけど

 

 

「これでいい」

 

「待て待て」

 

「何?」

 

「患者さんが」

 

「私、元々休みだから。先輩の人達に任せればいい」

 

「いや、看護師が言っていい事じゃない」

 

「雄磨、看護師だって人なの。働きすぎると倒れる。そっちの方が大変」

 

 

朝比奈は真顔で言ってくる。しかし、朝比奈の言ってる事も正しい。休みをしっかり取れないとミスとかしたらそれこそ終わりだ。普通の仕事なら命まで関わる事では無いが、看護師、医療関係ならミスは許されない。それを踏まえたら休むのは当たり前なのだが。なんとも言えない気持ちだ

 

 

「……」

 

「怒ってないのか?」

 

「何に?」

 

「昨日の事」

 

「それは理由が眠かったからって聞いた時は怒ってたけど、今ちゃんと理由を聞いたから大丈夫」

 

「そうか」

 

「でも、映画館に行く時に逃げられたのは怒ってる」

 

「その節はすみませんでした」

 

 

あの時に凄く怒られたからもう機嫌治ってるのかなと思った俺が馬鹿だった。でも、それはそうだろうな。映画を見ようってなってたのに逃げ出されたんだから。誰でも怒るよな

 

 

「にしても他のメンバーは?」

 

「奏はちょっと仕事が急に入ったみたいで、瑞希も職場でトラブルがあったみたいで対応に行った」

 

「へぇ」

 

 

ちなみに宵崎奏はプロの作曲家かつ音楽家でもある。宵崎は色んな会社から作曲を頼まれたり、歌手達にも作曲を頼まれたりするプロだ。そして、暁山瑞希は自分でアパレル会社を立ち上げ店長をしている。暁山の店は若者に凄く人気で、モデル達にも人気の店だ

 

補足しておくと、今目の前に居る朝比奈まふゆは看護師でこれもまた患者さん達から人気の看護師だ。なんでも出来る看護師らしい。それに知識なら医師よりも持っているという噂も聞いた事がある

 

宵崎奏、朝比奈まふゆ、東雲絵名、暁山瑞希。どうして俺はこんな凄い人達と過ごせてるんでしょうね。我ながらびっくりだ

 

 

「雄磨も仕事はいいの?」

 

「仕事は大丈夫。今はお店開けてないし」

 

「え?それ大丈夫なの?」

 

「多分」

 

 

俺は小さなお店の店長をしている。店と言っても親父の店を譲り受けただけで、一から作った訳では無い。それにお客さんだってそんなに来ないし

 

 

「雇ったりしないの?」

 

「しないかな。あの店は俺一人でやるつもりだから。それに、親父も1人でやってたからな」

 

「そう」

 

「朝比奈の方こそ、看護師の方はどうなんだ?」

 

「普通。特に大変でも楽でも無い。でも、色んな患者さんと話せて楽しい」

 

「そっか」

 

 

朝比奈まふゆ。彼女も高校時代何かあったらしい。詳しくは東雲と同じで知らないが、朝比奈も親関係でトラブルが。残念ながら俺に詳しく聞く理由も無いので聞いてない

 

すると、定員さんがポテトフライを持ってきてくれた。多分、朝比奈が注文したのだろう。だが、何故ポテト?

 

 

「雄磨に言ったことあると思うけど、私昔味覚が分からなかったんだ」

 

「そんな事も言ってたな」

 

「でも、最近は昔より味が分かるようになった。だからポテト頼んだ」

 

「うん。そこはなんかハンバーグとか肉とかだと思ってたよ。あまり味のないポテトを頼むとは」

 

「ケチャップがあるから味はある」

 

 

そう言って朝比奈はポテトをケチャップに少し付けてから食べる。しかし、朝比奈の表情があまり変わらない為味があるのか無いのか見た目では分からない。それに、ケチャップで味を確かめるのであればオムライスでも良かったのでは?

 

 

「雄磨も食べる?」

 

「大丈夫」

 

「そう」

 

「にしても、相変わらず朝比奈って無表情だよな」

 

 

ふと、思っていた事を言ってみる。朝比奈は怒ったりとか喜んだり、悲しんだりと言う感情が無いのかあまり表情に出さない。理由を聞こうとは思っていたが、中々聞けなかったから今聞いてみた

 

 

「やっぱり変?」

 

「いや、別に変ではないと思うけど。素で表情を出してる所見た事ないなぁって」

 

「そうかな?」

 

 

そう言うと朝比奈は少し間を開けて俺に向けて笑顔を見せてくる。その笑顔ははたから見たら凄くいい笑顔なのだが、俺からしたらちょっと怖い

 

 

「どう?」

 

「人に見せるものでは無いね」

 

「ありがとう」

 

「褒めてないんだが」

 

 

こんな馬鹿な会話をしていると宵崎がやってきた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。