暁山との電話が終わり店の中へ戻り、席へと向かうとそこには出ていく前には無かったピザが置かれてあった。2人を見ると先程の品を食べ終わったのか仲良くピザの前で話をしている
「あ、雄磨おかえり」
「電話どうだった?」
席に座ると2人が聞いてくるので俺は普通に話す。暁山が捕まった事を
「み、瑞希が………つ、捕まった」
「雄磨、奏をあまりからかわないで」
「いや、間違ってないんだが」
「間違ってない……」
「雄磨」
「ごめん」
何故か宵崎は勘違いをし、朝比奈は勘違いをしないで渋滞に捕まったと理解したのか冷静だった。まぁ、確かに?捕まったって言ったら勘違いをするのが当然か
とりあえず宵崎にはちゃんと説明をして勘違いを解いた
「渋滞に捕まってるって事だったんだ。本当にびっくりした」
「ごめんごめん。でも、渋滞って今日何かあるのか?」
「どうなんだろう。私はちょっと分からないかな」
「なんか近くの電車が止まってるみたい」
「は?」
「電車?」
朝比奈は携帯を触りながら言ってくる。恐らくネットの記事を見てるのだろう。しかし、そんな直ぐに分かることなのか。と思っていると朝比奈が携帯の画面を見せてくる。そこには不慮の事故により電車が停止と書かれてあった
「不慮の事故って」
「多分、人身事故か踏切に誰かが倒れたか。引かれたか」
「初めと最後同じだぞ」
「これ、瑞希来れるかな」
宵崎の言う通り。電車がいつ動くか分からないからそもそもここに来れるのか自体が分からない。なんなら車なら来た道を戻ると言うのも無理だから、もう前に進むしかない。だが、渋滞で前に進めないからどうしようもない
「瑞希の為に何か持ち帰る」
「冷めるぞ」
「大丈夫。電子レンジがある」
「そういう事じゃない」
「じゃ、何?」
「そもそも暁山がどこで渋滞くらってるか分からないだろ」
「電話で聞けばいい」
「まぁ、そうだが」
「じゃ、お願い」
「は?」
電話で聞けばいい。までは俺もいいとは思ったがなぜまた俺が暁山に電話をかけなきゃ行けないんだ。そもそもさっき電話して普通に切られたばかりでもう1回電話するとか嫌なんですけど。あと、場所聞いても持ち帰りする気なんてないんですが
そんな事を思いながら朝比奈を睨んでいると朝比奈は何も無かったかのようにピザを切り分ける。宵崎もピザを1切れ貰い食べ始める。なるほど、さっさと電話をして来いということだな
とりあえず俺はまた店から出て暁山に電話をかける事に
『もしもし?雄磨?』
相変わらず暁山はワンコールで出てくれる。まぁ、渋滞に捕まってるのなら暇だから出れるか
『もしかして僕の声が聞きたくなったとか?もう、雄磨ってば可愛いところ』
「くたばれ」
俺はそう言って通話を切る。もう絶対にこいつにだけは電話しないと心から決めた。そして、店の中へと戻ろうとした時暁山から電話がかかってくる。1回無視をしてみて様子を見ようとしたら、電話が切れたと思ったらまたかかってきたから電話に出る事に
『ごめんなさい。調子に乗りました』
「あぁ。調子に乗りすぎだ」
電話の向こうで少し震えた声で言ってくる暁山。反省しているのなら良かったよ。そんな事は置いておいて本題に入る
「渋滞に捕まってるって言ってたけど、理由とか分かるのか?」
『あ、うん。なんかね、この先の交差点でトラックが横転したみたいでさ。今、撤去作業入ってるって警察の人がさっき言ってきたんだよね』
「トラック?電車じゃないのか?」
『あ、それなら僕も知ってるよ。でも、その電車の踏切ってここから少し遠い場所だよ?』
「そうなのか」
『うん。絵名の展示会の場所の近く』
なぜ、神は人に試練を1つだけではなく2つも与えてくるのだろうか。暁山は渋滞、東雲は電車。これ、最悪の場合2人とも来れないって事に
『まぁ、僕の方はそっちに行けなくても絵名が行けるなら』
「残念ながら電車の方もいつ運行再開するか未定だぞ」
『……持ち帰りお願い』
「どうやって持って行けって言うんだよ」
『位置情報送るから』
「無理」
『お金なら払うよ?』
「そういう問題じゃない」
なぜこっちに来れないからって持ち帰りを提案してくるのかが分からない。そもそもファミレスで持ち帰りってなんだ。持ち帰り出来たとしても多分冷めると思う
『でも、絵名も来れないってなったら可哀想だよね』
「だな」
『絵名、楽しみにしてたんだよ?久しぶりに雄磨も含めての全員集合だからさ』
「なるほど、東雲だけなんだな」
『え?あぁ!!違うからね!僕だって楽しみにしてるんだから!』
「うるさい。お前はいちいち大声を出さないと行けない人なのか」
もう義務教育で通話中に大声を出さないというのを教えた方がいいんじゃないだろうか。本当に耳と心臓に悪いからやめて欲しい
「とにかく、渋滞から動けそうな時に俺じゃなくてもいいからメールなり電話なりしてくれ」
『うん。最悪の場合、持ち帰』
「またな」
暁山の言葉を最後まで聞く前に通話を切る。多分、向こう側で何か言ってそうだが、こっちだって持ち帰りに関しては絶対にしないから何を言われても別にいい
そして、一応東雲にも電話をかけてみるが出なかった為。俺は店の中に戻り席へと向かう。そして、ピザがあったはずなのだが今度はステーキに変わっていた
「あ、どうだった?」
「残念ながら電車に捕まってるのは東雲らしい。暁山はトラックが横転してるみたいで渋滞」
「そうだったんだ。2人とも来れるかな」
「さぁな。で?お前らまだ食べるのか?」
俺の質問に2人は同時に頷く。別に食べる事はいい事だがさっきから食べ過ぎなのでは?と言う心配がちょっとずつ顔を出してる。そんな俺の思いを無視して2人はステーキを食べ始める
俺は2人がステーキを食べるのを見ながら飲み物を飲んだ