大人になってもずっと変わらない   作:抹茶ラテラーメン

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話す時こそ目を見よう

あれから1時間が経って6時過ぎ。俺はファミレスで宵崎、朝比奈の会話を聞きながら頼んだチキンを食べている。さすがに何も頼まないのはあれなのでチキンを頼んだ

 

 

「奏、ちゃんと寝てる?」

 

「うん。この前の時は忙しくて寝れない時あったけど、今はそこまで忙しくないから寝れてる」

 

「そっか」

 

「うん」

 

 

2人の会話を聞いていると親子の会話が頭に思い浮かぶが何故だろうか。まぁ、大学時代からこんな感じだったから今更か。この1時間の間に2人は音楽活動の事や遊びに行った話など、他愛のない会話をして盛り上がっており、そんな会話を聞いてる俺も少し楽しかった

 

ちなみに暁山と東雲にメールで連絡をとったが、やはり渋滞は解消されず電車も運行再開の目処が経っていないらしい。つまり、2人はここには来れない。なら、どうしてここに1時間も居るのか。俺にも分からない。まぁ、2人は普通に会話をしてたら1時間経ってたって感じだろう

 

 

「あ、ごめん。そろそろ帰らないと行けないから帰るね」

 

「了解。朝比奈は?」

 

「私もちょっと明日の準備しないと行けないからそろそろ帰る」

 

「分かった。ここは俺が払っておくから帰っていいぞ」

 

「え?でも、悪いよ」

 

「気にするな。次、みんな揃った時に奢ってもらうから」

 

「雄磨がそう言うなら有難く奢られる」

 

「ありがとう雄磨」

 

「あぁ。気をつけて帰れよ」

 

 

俺がそう言うと2人は仲良く返事をしてから席を離れていく。そして、2人がファミレスから出たのを見て携帯を取りだし、少し記事を読みながらチキンを食べる。すると

 

 

「間に合わなかったみたいね」

 

「ん?東雲か…………は?」

 

「は?って何よ。人をお化けみたいに」

 

「いや、なんで居るんだよ」

 

 

居るはずの無い東雲が席に座った。確か、電車の運行再開が未定だから来れないって話だったはずなのに。どうしてここに来れたのだろうか。東雲はそんな俺の考えを読み取ってなのか話しだす

 

 

「実は少し前にメールで行けないって送ったじゃない?」

 

「あぁ」

 

「そのすぐ後に電車が動いて、踏切が渡れるようになったのよ。だから、急いで来たのよ。でも、少し遅かったみたいだけど」

 

「外で会わなかったのか?」

 

「残念ながらね」

 

「そうか」

 

 

さっき2人が出ていったから外で会ってる可能性があると思ったがそんな事はなかったみたいだ。すると東雲は定員を呼び注文をし始める。注文の最中に俺になにか要らない?って言われたがチキンを食べているので要らないと答える

 

 

「それにしても行儀悪いわよその食べ方」

 

「あ?」

 

 

注文をし終えた東雲は俺のご飯の食べ方に難癖をつけてきた。別に食べ方に関しては見た目が汚くなければ何でもいいと思うのだが

 

 

「携帯を見ながら食べるなんて」

 

「お前だって携帯」

 

「私は料理の写真を撮ったら触らないから。それにそんな器用な事出来ないし」

 

「慣れれば出来るようになるぞ」

 

「出来なくていいわよ」

 

 

少し怒り気味で言ってくる東雲。しかし、東雲だって家で作業してる時はパソコンを弄りながらご飯を食べてる時があるらしい。暁山からのリークだから嘘か本当かは知らないが

 

 

「何を見てるの?」

 

「ちょっとな」

 

「何よ」

 

「お前には関係ない事だよ」

 

「はぁ?何、関係ないって」

 

 

またもや少し怒り気味で言ってくる東雲だが、実際の話東雲には関係ない話だから間違っては無いのだが言い方が悪かった

 

 

「昔の話だ。だから、お前には関係ない」

 

「昔っていつよ」

 

「高校時代だ。お前らだって高校時代の事詮索されたくないだろ」

 

「でも、雄磨には少しは知られてるし」

 

「だが詳しくは知らない。それに俺の過去に関しては知っても後悔するだけだからな」

 

「その言い方されると気になるんだけど」

 

「まぁ、いずれ話す」

 

「……分かった」

 

 

東雲は腑に落ちない感じだったが、それ以上は追求は無かった。俺としてもその方がありがたい

 

それから、俺は携帯を見ながらチキンを食べ。東雲も料理が来るまで携帯を触っていた。普通なら会話をするのだろうが、俺と東雲は大学時代の時からこうだ。2人きりの時は必要な話以外はあまり話さない。俺達はこれで慣れてるからあれだが、周りから見たら仲が悪いと思われてもおかしくは無いだろう

 

 

「ねぇ」

 

「なんだ」

 

 

ふと東雲から話しかけられる。東雲の方は見ずに携帯を見ながら返事をする

 

 

「一つだけいい?」

 

「物によるけど、聞くだけ聞くわ」

 

「……あのさ」

 

「……」

 

「…」

 

 

次の言葉を待っているのだが東雲から何も言われない。さすがに少し疑問に思った俺は東雲の方に目線を向ける。すると、少し東雲は曇った表情をしていて何か重たい話があるのだろうと思った

 

 

「どうした?」

 

「この事、瑞希達には言わないで欲しいんだけど」

 

「あぁ。言わない」

 

「もし…………私が海外に行くって言ったら雄磨はどうする?」

 

「普通に行けばいいだろ」

 

「え?」

 

 

返ってくる答えが違ったのか東雲は驚く。しかし、これに関しては誰かに聞いて決める事では無いと思った俺。まぁ、例外はあるが

 

 

「ちなみに言うとなんで海外行くんだ?」

 

「それは……絵の勉強をしたいって思って。海外ならもっと凄い人達が居るから海外でスキルアップを」

 

「じゃ、尚更行けばいいだろ。お前がそう思ってるのならな」

 

「あんたらしい答えね」

 

「逆にお前らしくない質問だな」

 

「え?私らしくない?」

 

「あぁ。昔のお前なら宵崎達と離れるの嫌とか言ってただろ」

 

「……さぁ」

 

 

目をそらす東雲。残念ながら目を逸らされても会話は逸らせられないぞ

 

 

「宵崎達には言ったのか?」

 

「ううん。でも、お父さん達には言った。もちろん彰人にも」

 

「そうか。で?答えは?」

 

「お父さん達は私が行きたいのなら行けばいいって。目標に近づく為なら応援するって言ってくれた。彰人も同じ」

 

「ならあとはお前の気持ち次第だな。どうなんだ?」

 

「……私は」

 

まだ東雲は迷ってるのか言葉が詰まっていた。でもそれは仕方ない事だろう。だって海外に行くと言うことは身内、友達などの関係を一時的に切るということになるからだ。それに、向こうに行ったら頼れる人も居ないだろう

 

 

「まぁ、悩めばいいと思うわ」

 

「う、うん」

 

「別にお前が海外に行こうが行かないが、俺は応援するし。別にここでも画家の勉強は出来るしな」

 

「……」

 

「お前にとって目標、夢ってなんだ?」

 

「え?………えっと、叶えるもの?」

 

「まぁ、大体の人はそう言うか」

 

「雄磨は違うの?」

 

「俺は目標、夢は叶えるものではなく。自分を前に進めるただの理由だよ」

 

「え?」

 

「仮に聞くけど、目標、夢を叶えた後はどうするんだ?東雲で言うのならお父さんを超える画家になって、世界一の画家になった後。どうする?」

 

「それは」

 

 

東雲は少しの間黙ってしまった。しかし、これに関しては難しい質問だ。簡単に答えられるわけが無い。俺だって昔だったら答えられなかったと思う

 

 

「俺が東雲なら。また一から絵を勉強し、他の人の絵を見て勉強をする」

 

「な、なんで?」

 

「目標、夢を叶える為に努力していた自分を裏切りたくないんだよ。だから、努力をする為にまた一から絵を勉強する。そうする事で自分では気づかなかった部分が分かるし、本当に自分が叶えた目標、夢は叶ったのか?って確認も出来るからな」

 

「……そっか」

 

 

人は目標、夢、やりたい事を持っているとは思う。そして、それらは叶える為にあるとも言えるかもしれないが。では、それらを叶える為に何をする?そう、頑張る事、努力する事、前に進む事だ。まぁ、俺個人の感想だから正しく無いけど

 

 

「まぁ、つまり。俺が言いたいのは、目標、夢がある内は前に進め。お前で言うお父さんを超える画家になりたいって目標ならここでも出来る。でも、世界一の画家になりたいって夢ならここでは出来ないから海外に行くしかない。前に進むか進まないかはお前が決める事だ。まぁ、どっちにしろ前に進む事になるがな」

 

 

前に進むか進まないかは他人がどうこう言うものでも無い。その本人が決める事だし、本人が決めない限りやった所で失敗するだけだ。かと言って無理をしろと言う訳では無い。前に進む為には時には逃げる事も大事だからな。だけど前に進む為には何をしたらいいか分からない。そんな時必要になってくるのが、目標、夢と言う希望だ

 

東雲は俺の言葉を少しは理解してくれたのか表情が柔らかくある。その姿を見て俺はそんな少し笑う。そして、タイミング良く東雲が注文した品が運ばれてきた

 

 

「とりあえずそういう事だからじっくり悩んだらいいよ」

 

「え?どこ行くの?」

 

「ちょっと急ぎの用が出来たから帰る。お金置いておくから余ったらお前にあげるわ」

 

 

俺はそう言って席を立つ。そして、財布からお金を取りだして東雲の目の前に置いてから歩き出す。その際に東雲からありがとうと言われたから軽く手を振ってから俺は店を出た

 

 

 

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