最弱魔女の成り上がり配信   作:龍翠

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異世界ごはんと異世界道具てとばーじょん

「はい、テトちゃん。ピザだよ」

「ピザ……!」

 

 フタを開けて、早速一切れ食べてみる。私から食べないと、食べ方が分からないと思うから。

 今回頼んだのはチーズたっぷりのシンプルなピザだ。とろとろのチーズが食欲をそそる。私が食べるのを見てから、テトちゃんも一切れ手に取って、ぱくりと食べた。

 

「……っ!」

 

 テトちゃんの目が大きく開かれた。喜んでもらえたみたい。すごい勢いで食べてる。

 

「おいしい?」

「おいしい……!」

 

 テトちゃんにも気に入ってもらえて安心した。味覚とか、やっぱり違うと思うから。地球上であっても、日本と他の国で好みが違うぐらいだから、異世界だと味覚そのものが違ってもおかしくない。

 その心配は杞憂だったみたいだけど。本当に美味しそうに食べてくれてる。これを配信したら、視聴者さんも喜ぶかも……。

 

 そう思ったけど、やめておいた。せっかく喜んでくれてるのに水を差すことになりそうだ。

 テトちゃんがどれぐらい食べるか分からなかったから一番大きいサイズを頼んだけと、ほぼ全てテトちゃんが食べてしまった。私より小さいのに、私よりもずっと食べるね。

 

「サキ、あまり食べていない。大丈夫?」

「むしろテトちゃんの食べる量に私は驚いてるぐらいだよ?」

 

 そう言ったけど、テトちゃんは首を傾げただけだった。

 ダンジョンに行くのは明日から、ということで、とりあえずテトちゃんには家のいろんなものの使い方を教えることにした。これ、配信で流してもいいかな?

 

「テトちゃん。これからいろいろと使い方を教えるけど」

「うん」

「配信してもいい?」

「問題ない」

 

 ということで、配信をすることに。異世界の人が日本の道具にどんな反応をするのか、みんな興味があるんじゃないかな。

 ドローンを飛ばして、スマホで配信を開始。すぐに配信が始まって、そしてすごい勢いで視聴者数が増えていく。私の今までの配信だと考えられなかったから、正直ちょっと怖い。

 あっという間に一万こえたよ……。さすが異世界。興味津々ってことだね。私も当事者じゃなかったら、多分すぐに見始めてると思う。

 

「えっと……。こんにちは。自宅からです」

 

『サキちゃんこんばんはー』

『なかなかいい家に暮らしてるなあ!』

『役立たずのくせに』

 

「あはは……」

 

 本来の自宅じゃないのは、一応黙っておこうかな。

 

「今からテトちゃんに家具の使い方とか教えていきます。みんな、テトちゃんの反応に興味があるかなって」

 

『興味ありますねえ!』

『君はなかなか分かっているじゃないか』

『何目線だよw』

『肝心のテトちゃんは何やってんだw』

 

 振り返ってテトちゃんを探すと、テレビをぺちぺちとたたいていた。なんだこれ、と首を傾げてる。何かスイッチを探してるみたいだけど、そのテレビは本体にスイッチがないタイプだね。

 

「テトちゃん、このリモコンでつけるんだよ」

「リモコン」

 

 テトちゃんに手渡して押すボタンを教えると、早速試した。すぐにテレビがついて、ニュース番組を流し始める。唐突に映像が出たテレビにテトちゃんはびくっと固まった。

 

『テトちゃんwww』

『反応が小動物やなw』

『実家のわんこを思い出すなあw』

 

 でも、テレビがどういうものかはなんとなく分かってるのかも。じっと真剣に見始めてる。何のニュースかな……。

 

『本当に異世界から来たのか、真実かどうかは未だ分かりませんが、信憑性はかなり高いと……』

 

「あれ、これもしかしてテトちゃんのニュース?」

 

『そうだぞ』

『昨日からめちゃくちゃ注目されてるからな』

『みんなテトちゃんに飢えてるぞ!』

 

 それはそれで何か気持ち悪い言い方だよ。

 

「サキ。サキ。私が出ている」

「あはは……。みんな気になってるみたい。ごめんね」

「問題ない。前の世界よりずっとまし」

「えっと……」

 

 テトちゃんは前の世界で嫌なことがあったって言ってたけど、本当に何があったんだろう。注目されることが嫌、というわけじゃないみたいだけど。

 ただ、ダンジョンを踏破してしまうほどだから、きっとよほどのことがあったんだとは思うけど。

 

「次はこれ。冷蔵庫! 中はずっと冷えてるから、食材の保存に最適!」

「亜空間に入れるからそれはいい。亜空間の中は、閉じている間は時間が止まる」

「まって」

 

『いわゆるアイテムボックスですね分かります』

『異世界っぽいのキタアアア!』

『探索者はマジックバックはあるけど、中の物は普通に劣化していくからなあ』

 

 マジックバック。探索者全員に支給される、見た目以上にたくさんの物を入れられる袋だ。探索者はみんなこれを持ち歩いてる。

 例のごとくダンジョンかその周辺でしか使えないから、物流には何の意味もなかったけど。初めて作られた時はすごく騒ぎになったんだけどね。

 

 でもそのマジックバックも中で時間が止まったりしない。生肉なんて入れたら時間経過で腐る。あくまで、たくさん物が入るだけ。

 でも、テトちゃんの魔法は違うみたい。つくづく規格外だ。きっとそれだけでも、有名な探索者のパーティはテトちゃんを欲しがるだろうね。

 

「でもひんやりしてるのは便利。冷やすのにちょうどいいかも」

「だよね!」

「魔法で冷やせるけど」

「よし次にいこう!」

 

『諦めたw』

『冷蔵庫は異世界の人には意味なかったか……』

 

 もっと驚いてくれると思ったんだけどね……。

 電子レンジやコンロとかも教えたけど、驚いてくれたもののやっぱり魔法で代用できるみたいだった。なかなか難しい。

 

「もっと驚いてくれると思ったのに……」

「十分驚いている。これらは魔力を使っていない。つまり、魔法使いでなくても使えるということ。誰でも使えるということ。とてもすごいことだと思う」

「気を遣わせてごめんね……!」

「そんなつもりはない」

 

『やっぱ異世界ってすごいんだなあ』

『むしろこれ、すごいのはテトちゃんでは……?』

『魔法使いの中でもかなり上の方だろうしな』

 

 実際のところはどうなんだろう? 聞いてみようかなと思ったけど、それを知ったところであまり意味ないかなと思って気にしないことにした。私はテトちゃんに驚いてほしいから。

 そんなテトちゃんが何よりも興味を持ったのは、お風呂だった。

 




壁|w・)本日3話目です。明日は2話更新する、かも?


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ではでは!
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