前回の最後に出てきた謎の人物(?)………果たして、その狙いとは……?
それでは、どうぞご覧ください。
side:ハクア
『へぇ……結果はこうなったんだ?』
第一回戦では、ほとんどの人が助っ人の存在もあり、無事に突破することができたみたいだ………まぁ、大智さんは運がなかったということで……。
『でも、あのジャマトたち………明らかに異常だ……』
それぞれのペアたちの前に現れたジャマトの集団………一体、何処から……?
『どうやら、直接行った方が良さそうだね……』
手遅れになる前に、解決した方がいいだろう………ただ、力を全部使うわけにはいかないから……このくらいで…………よし!
『少しくらいは………話せるといいな……』
「GET READY FOR BOOST & MAGNUM」
「READY FIGHT」
そうして僕は、久し振りにみんなの前に姿を見せることになる………のだが……
「………え?」
side:アクア
「あ!みんなも突破してたんだね?」
「まぁ、これくらいはね?」
俺たちがみんなのところに行くと、そこには先に突破した人達やツムリさんにあかねも集まっていたのだ。ルビーと母さんは、会うやいなやそんな会話を交わす。
突破したのは、俺たちとその助っ人の凛さん、母さんとウィンさんのペア、そして助っ人である奏斗、そして……透さんと道長さんのペアだ………透さんたちの助っ人には大智さんもいたらしいが、突破することはできなかったみたいだ……。
すると……
「えっ……!?」
「なっ……!?」
「あれって……?」
俺たちの前に、あるライダーが現れたのだ………そのライダーは、黒い狐の仮面をしていたが……
「お前……誰だ?」
仮面に入っている線は白く、マグナムとブーストの装備は、ほとんど黒く染まっていたのだ。例えるなら、まるで鴉のような黒だ………そのライダーを見て、何人かが身構えたのだが……
「なるほど……流石に、これでは分からないか……」
『……?』
みんなが疑問に思っている中……そのライダーはバックルを外して変身を解除した……
「え……!?」
「なっ……!?」
「噓……」
「っ……!?」
そして、その中からは……
「みんな………久し振りだね」
見間違えるはずがない………ハクアが姿を現したのだった。
「ハクア……君……?」
「あぁ……そうだよ?」
「っ……!!」
あかねはその言葉を聞いて駆け出し、ハクアを抱きしめたのだ………本当に、ハクアが……!
「っと………あかね?」
「しばらく……こうさせて?」
「!……分かった」
俺たちは、何でハクアがこうしてここにいるのかを訊きたかったが………二人の様子を見て、邪魔をしようなんて考える人はおらず、しばらくの間はそのままにしておくのだった。
そして、二人が抱きしめ合うのを止めた後……
「……そろそろいいか?」
「……あぁ」
「何で……お前がここにいる?」
道長さんが、みんなが気になっているであろうことをハクアに訊いたのだ。ハクアは一旦あかねを離した後で、みんなの方を向き……
「みんなも見ただろう……
ゲームに出てくるはずのないジャマトを」
「もしかして………頭に花のないジャマトか?」
「うん」
「え?アクアとルビーたちも?」
「アイさんたちもなのか?」
「透さんたちも……?」
「あ、あぁ……」
どうやら俺たちだけではなく、みんながそのジャマトたちの襲撃を受けたらしい……。
「こんな事態だからね………僕はなんとか、力の一部を使って姿を現したんだ………まぁ、一時的なものではあるけれどね……」
「!……そう……なんだ……」
その言葉に、あかねが寂しそうな表情をした。
「でさ……あの黒い姿って………何?」
ルビーが、ハクアの変身していた全身黒の姿について訊くと……
「それが……僕にもよく分からないんだ」
「えっ!?」
ハクアにも……分からない……?
………というか……ハクアの話し方や雰囲気がいつもと少し違う気が………そもそも、この話し方って何処かで……?
「それって、どういう……?」
「僕が変身した時には……既にあの姿だった」
「へぇ……」
すると、そんな会話を聞いていたのか……
「おそらくですが……何かしらの影響を受けているのでは?」
ツムリさんが、ハクアに向かってそう言ったのだ。
「影響って?」
「例えば………
土地神や、それに近い何か……」
『……』
その言葉に、全員が黙り込んでいると……
「心当たり……あるかも」
『!?』
ハクアがそんなことを言い始めたのだ。
「ハクア君、心当たりって?」
あかねがハクアに、その『心当たり』を聞こうとした………その時、
「うん、それは―――
っ!伏せろ!!」
「きゃ!?」
『っ!』
ハクアが俺たちにそう言うと、何処からか攻撃が仕掛けられたのだ。
「っ……怪我はない?」
「う、うん……」
辺りを見回すと、取り敢えずは全員無事みたいだが………すると……
「にしても……一体、誰が―――」
「私さ?」
『っ!?』
攻撃が飛んできた方から聞き覚えのある声がして、俺たちは一斉にそちらを向いた………そこには……
「久しいな……仮面ライダー諸君?」
「お前は……!?」
「……ニラム」
スエルにやられて消滅したと聞いていたニラムらしき人が、ゲイザーに変身した姿で立っていたのだった……。
side:ハクア
「何で……」
「私にも……叶えたい理想の世界があるんでね」
「理想の……世界……?」
そして……
「そうさ……
ジャマトが、幸せになれる世界を……!」
そう言いながら、ニラムはドローンを操り、僕たちに襲い掛かってきた。
『っ!変身!』
僕たちは一斉に変身し、ニラムの攻撃を躱しながら立ち向かっていく。
「二人は向こうに」
「は、はい……!」
「……気を付けてね?」
あかねが不安そうにそう言ってくるので、僕は……
「もちろん、無事に戻る………だから、そんな顔しないで?」
「……うん」
そう言ってから、僕もニラムのところへと向かっていく。僕が二人を避難させている間にも、みんなは戦っていて……
「ハァ!」
「やぁ!」
「っ!」
兄さんとルビーで両側を挟んで同時に攻撃をしていた。けど、それは容易く受け止められてしまい……
「フンッ!」
「「うわっ!?」」
そのまま吹き飛ばされてしまったのだ……。
「「POISON CHARGE」」
「っ!」
「「TACTICAL BREAK」」
「「ハァァァーー!!」」
透さんと道長さんも、ゾンビブレイカーを振り下ろして攻撃するが……
「「っ!?」」
それはドローンのバリアによって受け止められ、勢いを殺されてしまった。そして……
「ハァ!」
「「ぐっ!」」
威力が弱まったタイミングでバリアを解除し、その時の衝撃で二人を吹き飛ばしたのだ。、
「「ハァ!」」
さらに、透さんたちと入れ替わるように、母さんとウィンさんが駆けていき、攻撃を仕掛けたが……
「ハァ!」
「きゃあ!?」
「うおッ!?」
ドローンからのビームに当たり、行く手を阻まれてしまう。
「やぁ!はぁ!」
「っ!」
凛さんはブーストで一気に接近して攻撃を加え、奏斗君は遠距離からの攻撃で援護した……が、
「フッ!ハァ!」
「くっ!?」
「ぐあっ!」
それぞれが、近接攻撃とドローンからの攻撃でダメージを与えられてしまう………。
「っ!ハァ!」
そして僕も下半身のブーストを加速させ、その勢いのままニラムへと向かっていく。
「フッ!ハァ!」
「っ!ハァ!」
僕の周りにはドローンも飛んで攻撃を仕掛けてきていたが……
「BULLET CHARGE」
「ハァ!」
それを攻撃しながらも、ニラムへと攻撃を加えていった。
「っ!フォルス……やはりお前は危険だ」
「っ……」
僕とニラムは距離をとり、ニラムがそう言ってきたのだ………あかねには不安にさせないようにああ言ったけど、今の僕は力の全部を使って戦っているわけではない……それに加えて、全身のほとんどが黒くなったこの姿でゲイザーと戦うとなると、どうしても不利になってしまう。それ以外にも、何だか自分の
そんなことを考えながらも僕は……
「そもそもさ……
お前は……誰なの?」
僕はニラム………いや、ゲイザーに変身している人物にそう問い掛けるのだった……。
side:あかね
「参考までに……何故そう思ったのかを聞いておこう」
「簡単な話だ……ニラムは、もうこの世界にはいない。それに……デザイアグランプリのプロデューサーである人が、そういう世界を望むことはないよ」
「……」
ハクア君は、目の前のゲイザーに変身している人に向かってそう言ったのだ………すると……
「ハハハ……フハハハハハ!流石だな?仮面ライダーフォルス……!』
ゲイザーが変身を解除すると、その中からは………頭の上に四つ葉のクローバーが咲いているジャマトが現れたのだ。それに、第一回戦に出てきたジャマトとは明らかに雰囲気も違っていた……。
「お前は……誰なの?」
『俺は……クローバージャマトだ!』
「目的は……何?」
ハクア君にそう訊かれたジャマト………クローバージャマトは……
『言っただろう?我々の……ジャマトが幸せになれる世界を創ることだ!』
私たちに向けて、そう言ったのだ………ジャマトが……幸せになれる世界……。
「そのためなら、俺たち人間はどうなってもいいって?」
透さんがそう問い掛けるが……
『そもそも、お前たち仮面ライダーは今まで散々、我々ジャマトを倒し続けてきた………ジャマトの理想の世界に、人間は必要ない!』
クローバージャマトは、私たちにそう言い放ったのだ。そして……
『そのために、全ての人間をジャマトへと変え……
フォルス……お前を
「VISION DRIVER」
クローバージャマトはヴィジョンドライバーを装着しながら、そう言ったのだ。まさか………ヴィジョンドライバーそのものにハクア君を……!?
「GAZER LOG IN」
『ジュラピラ……変身!』
「INSTALL」
「INNOVATION & CONTROL」
「Jyamato…GAZER」
ジャマトのような緑色や紫色をしたゲイザー………ジャマトゲイザーへと変身したのだ。
「こいつ……ハクアのことを狙って……!」
「そんなこと……させないよ!」
「これ以上……ハクアを傷つけさせはしない!」
アクア君やルビーちゃん、そしてアイさんを中心にジャマトゲイザーへと攻撃を仕掛けていく。
「ハァ!」
「オラァ!」
「はぁ!」
「フッ!」
「ハァ!」
三人以外のライダーも、それぞれの武器や装備で攻撃を仕掛けていくが……
『フンッ!』
「「「ぐあッ!?」」」
「「うわっ!?」」
その攻撃が効いている様子はなく、そのままツタでの薙ぎ払いを受けて吹き飛ばされてしまった。
「ハァ!」
「「やぁ!」」
アクア君やルビーちゃん、アイさんも同時に武器で攻撃を加えようとした。
『っ……ハァ!』
「「「っ!?」」」
けど、三人同時で何度攻撃しても容易く反撃されてしまう……。
「なら……二人共!」
「あぁ!」
「うん!」
そう言うと、三人はそれぞれのバックルを操作して飛び上がり……
「NINJYA STRIKE」
「「BEAT STRIKE」」
「「「ハァァァーー!!」」」
そのままキックを放った………けど……
『ふん……』
「DELETE」
ジャマトゲイザーは、ドライバーにカードをスラッシュしてから……
『ハァ!』
「ぐあっ!?」
「「きゃあ!?」」
回し蹴りを当てて、三人のキックをはね返してしまったのだ。
「っ!ハァ!」
その様子を見たハクア君は、ブーストを加速させながら攻撃を仕掛けていく……。
「フッ!ハァ!」
『っ!ハァ!』
「ぐっ!?」
でも、さっきのゲイザーの時と比べて、攻撃が通用しにくくなってしまっている………このままじゃ……!
「ハクア!?」
「そいつに近づいちゃ――」
『ハァ!』
「っ!」
「REVOLVE ON」
「ハァ!」
アクア君とルビーちゃんが何かを言おうとしたが、ハクア君はその前に上下の装備を攻撃を避けるようにして入れ替え、格闘術で攻撃を仕掛けていった。だが……
『フンッ!』
「っ……!」
『その程度で……この私に敵うはずがないだろう?』
「っ……!」
その攻撃は受け止められてしまい……
「SHUT DOWN」
『ハァ!!』
「ぐあっ……!?」
胸ぐらを掴まれたまま、壁へと叩きつけられてしまったのだ。その衝撃で壁にはひびが入り、煙も出てしまっていた。
「ハクア君!?」
「ぐっ……あぁ……」
私はハクア君の無事を確かめるように名前を呼んだけど、その反応は薄いみたいだ………そして、煙が晴れて二人の様子が見えるようになると………
「っ……!!」
ハクア君の変身は解除されていて、額からは血も出ていた。さらに……
『その姿で現れたのが、お前の運の尽きだ……!』
「っ!?」
ジャマトゲイザーがそう言うと、ハクア君は沢山の鎖に拘束されてしまう……。
「っ………こ……のっ……!」
ハクア君は鎖を解こうとしていたけど、怪我をしているのもあってか上手く力が入らずにいたのだ………早く……早く助けないと、また……!!
私は、ハクア君のところに近づこうとした……けど、
「きゃ!?」
「っ!あか……ね……!」
私はハクア君のところへ近づいて行こうとしたけど、ドローンからの攻撃が足元の地面に当たって行く手を阻まれてしまう。そして……
『さらばだ……!』
「ぐっ……!?」
ジャマトゲイザーは、
そのままハクア君は、ヴィジョンドライバーの中へと閉じ込められてしまうのだった。
『さて……これで邪魔者もいなくなったことだ………我らの理想の世界を創るとしよう』
そんな……また………ハクア君が……。
『お前たちも、明日には俺たちの仲間入りだ………精々、楽しみにしているんだな?』
そう言って、ジャマトゲイザーはこの場所から去ろうと歩いていく……が、
「っ!待て!」
「逃がすか!」
透さんと道長さんが、何とか体を動かして追おうとしていた。
『フンッ!』
「「ぐっ!?」」
『ハハハ……ハハハハハ!』
ジャマトゲイザーはそんな二人をドローンで攻撃して変身を解除させ、笑い声を上げながら何処かへと消えていったのだった……。
side:ルビー
私たちは体制を立て直すために、一度サロンへと戻ってきていた。
「……痛っ!」
「あっ………ごめん」
「ううん……大丈夫だよ?」
私はお義姉ちゃんに、傷の手当てをしてもらっていた。けど、そんなお義姉ちゃんの表情は何処か寂しそうなものだった…………せっかくハクアと再会したと思った後にこれだもんね………私もお義姉ちゃんの立場なら、そうなっていたかもしれない。というか、私も同じ気持ちだ……。
「……大丈夫?」
「えっ?」
そんなお義姉ちゃんが心配になって、思わずそう声を掛けた。すると……
「……ごめんね……心配かけさせて……」
「それはいいんだけど……やっぱり、寂しいよね……」
「うん……正直言って、とても寂しいよ。でも……」
「……?」
「諦めるわけには、いかないから……!」
「……!」
そう言うお義姉ちゃんの目には、諦めの色なんてものはなかったのだ。
「うん……そうだね!」
その言葉に、私もそう返すのだった………私だって、みんなだって、まだこれっぽっちも諦めてはいないのだから……!
「けど、どうするの?ハクアはあのドライバーに閉じ込められちゃってるし……」
そうだ……ママが言うように、ハクアはあいつのヴィジョンドライバーの中だ。一体、どうやって助け出せば………すると……
「こればかりは……
ハクア君を信じよう」
お義姉ちゃんが、みんなに向かってそう言ったのだ。
「信じる……?」
私の口から思わずそんな言葉が出た。
「……信じれば、願いは叶う」
『……!』
「それと同じように、私たちもハクア君を……!」
そっか………うん!そうだよね!
「うん、それがいいよ……きっと」
「あぁ……そうだな」
「この世界は……そういう世界だもんな」
その言葉に続いて、みんな次々と同じようなことを言い始める………昔はデザイアグランプリで互いに争っていた人も、今ここでの気持ちは同じみたいだ。
ここまでみんなに信じられているハクアのことを私は……家族として、姉として、本当に誇らしく思う。
「ともかく、奴の企みを阻止しないとな?」
「うん……あいつ、明日に何かやるみたいなこと言ってた」
みんなをジャマトにするなんて………私たちが、必ず……!
そうしてみんなで色々と話した後、私たちは明日に向けて身体を休めるのだった。
そして、翌日……
『っ!ほう……来ると思っていたぞ……!』
私はママとお兄ちゃん、透さんと一緒にジャマトゲイザーのところへと来ていた。他のみんなはというと、一般の人たちへのジャマトの襲撃に備えて別の場所にいる。
「……律儀に待っているとはな?」
『なに……今までの同胞たちの無念を晴らすのも、悪くないと思ってな……!』
お兄ちゃんとジャマトゲイザーがそう言ってから、私たちはバックルを構え……
「「SET」」
「SET」
「SET」
「「「「……変身!」」」」
「「BEAT」」
「NINJYA」
「GRAB CRUSH OUT ZOMBIE」
「「「「READY FIGHT」」」」
「ふん……かかってこい」
「「「「っ!ハァァァーー!!」」」」
変身して、ジャマトゲイザーへと駆け出していくのだった……。
デザイアグランプリルール
ゲーム中に非常事態が発生した場合、
仮面ライダーたちは協力して、事態に対処する。
読んでくださりありがとうございます。
ハクアは土地神……というよりも、何処かの少女の影響を少なからず受けてしまったようです……ジャマトゲイザーによって、ハクアが封じられてしまったライダーたちは、どのようにして世界を救うのでしょうか……?
良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」の投票もよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。