女神の子   作:アキ1113

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 今回は、前回からのゲームの続きから書いていきたいと思います。

 残りのケミーは二体……ハクアたちや宝太郎たちは、見事に捕獲することが出来るのか……?

 それでは、どうぞご覧ください。 


錬成Ⅳ:ゲームのおわりと夢のはじまり

 side:アクア

 

 テンフォートレスが見せていた城の幻が解けた後、もう日が暮れていたので俺たちは近くで焚き火を起こして、ここで野宿をすることにした。すると……

 

 「ねぇ、アクア」

 

 「どうした?」

 

 「ハクアってさ……何で、あんなに強いの?」

 

 宝太郎がおもむろにそう訊いてきたのだ。その質問に対して、俺は……

 

 「一つ言うとするなら………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 覚悟、かな」

 

 「覚悟……?」

 

 「ハクアは2000年間、母親に会うために戦い続けていたからな……」

 

 「え?2000年間って……?」

 

 「まぁ要するに、生半可な覚悟じゃハクアには勝てないってことだ」

 

 俺は焚き火で温まりながら、宝太郎に向けてそう言った。 

 

 「覚悟……覚悟か……」 

 

 さっきのアクアに言われた言葉について、宝太郎は少しの間だが考えていた。

 

 「さて……そろそろ休むか?」

 

 そんな宝太郎に向かって、アクアはそう言い後ろを向いた………が、

 

 「!あ、うん………って!」

 

 「ん?どうし―――って、熱っ!?

 

 「ちょ、早く消さないと!」

 

 振り返った拍子に尻尾に焚き火の火がついてしまったのだ。宝太郎は何とかそれを消そうとした………すると……

 

 「な、何か―――あっ」

 

 懐から、赤点のテストが出てきたのだ。

 

 「……」

 

 それを見て、宝太郎は何かを考え込んでしまう……が、

 

 「宝太郎!早く消してくれ!」

 

 「!ご、ごめん!!」

 

 尻尾が燃えているアクアにそう言われて考えるのをやめ、宝太郎はすぐさまアクアの尻尾についている火を消した。

 

 「だ、大丈夫?」

 

 「あぁ、ありがとう………この身体、ホント距離感掴みにくいな……」 

 

 慣れないケミーの身体のせいか、さっきのようなことになってしまったようだ。

 

 「……寝るか」 

 

 「……そうだね」

 

 そして二人は、残りのケミー捕獲に向けて身体を休めることにするのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:珠美

 

 宝太郎とアクアが寝ようとしていた頃……

 

 「……」

 

 宝太郎の母親である珠美は、スマホで宝太郎の写真を見ていた。そして……

 

 「まったく………誰に似たんだか……」

 

 昔の宝太郎と珠美………加えてもう一人が写る写真を見ながら、そう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:アイ

 

 「えっ?アクアとルビーが?」

 

 『うん……だからゲームが終わるまでは帰れないんだ』

 

 「そっかぁ……」

 

 ハクアが私に電話を掛けてきた。久しぶりにハクアと電話をするので、気分が舞い上がっていたけど、アクアとルビーがケミー?……とかいうものに変えられてしまったことを聞かされた。そして、二人や一緒にケミーになってしまった透君を元に戻すためにゲームに参加している真っ最中だということと、今日は二人とも家に帰れないことを伝えてきたのだ。

 

 そんなハクアに向かって、私は……

 

 「ねぇ?」

 

 「ん?」 

 

 「……何かあった?」

 

 『えっ?』

 

 ハクアにそう訊いたのだ。

 

 『何で……そう思ったの?』

 

 否定しないあたり、やっぱり何かあったのだろう……。

 

 「うーん……何となく?」

 

 『何となく……?』

 

 「うん!何となく!」

 

 『あ、そう……』

 

 戸惑うハクアに私はそう返した………まぁ、これが母親の勘というやつかな?

 

 『……』

 

 その後、黙り込んでしまったハクアに向かって……

 

 「……ハクア」 

 

 『ん?』

 

 「ハクアは神様になって、誰よりも強くなった……けどね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私や皆のこと……もっと頼っていいんだよ?

 

 『……!』

 

 私ははっきりと、そう言ってあげたのだ。ハクアは昔から、私たちに迷惑を掛けまいと、一人で色々と背負い込んで無理をすることがあった………そして、その度に傷ついてきた……。

 

 「ハクアは……一人じゃないからね?」

 

 だからこの先、どんなことであっても、もう無理はして欲しくない。もっと周りを……みんなを頼って欲しい……!

 

 そんな私の言葉に対し……

 

 『うん……分かった。努力してみるよ』

 

 ハクアはそう返事をしてくれた。

 

 「そこは言い切って欲しかったんだけど?」

 

 『そ、それは……』

 

 「ふふっ……」

 

 そして……

 

 『じゃあ……おやすみ』

 

 「うん、おやすみなさい」

 

 その言葉を最後に通話が終わり、私は……

 

 「成長したけど……やっぱり変わらないな~」

 

 家族が写った写真を見て、そう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 テンフォートレスを捕獲した翌日……

 

 「あれは……」

 

 「ゼグドラシル……プラント属性のレベルナンバー10のケミー………能力は、不明」

 

 「なるほど……にしても、随分と大きいね」

 

 予め変身した僕とりんねさんの目の前には、世界樹のようなケミー………ゼグドラシルがそびえ立っていた。

 

 「あ!いた!」

 

 そこに、兄さんと宝太郎も変身した状態でやってきたのだ。すると、ゼグドラシルの様子が変わり……

 

 「ゼグ!ドラ!シィィル!」

 

 「「っ!」」 

 

 「「えっ?」」

 

 「コン!?」

 

 突然、僕たちの視界が上下逆さまにひっくり返ったのだ。

 

 「コーン!?」

 

 「「「っ!?」」」

 

 「うおっ!?」

 

 そして僕たちはそのまま落ちてしまうが……

 

 「っ!」

 

 地面へと着地し……

 

 「おっと……!」

 

 「っ!」

 

 「コーン!」

 

 「あっ!」

 

 僕がりんねさんを、りんねさんがフォルスケミーを受け止めたのだ。

 

 「大丈夫?」

 

 「う、うん……」

 

 「コン!」

 

 一方で……

 

 「び、びっくりした……」

 

 「大丈夫か?」

 

 宝太郎と兄さんも上手く着地したようで……

 

 「アクア!もう一度だ!」

 

 「あ、あぁ!」

 

 そう言って立ち上がり、二人はゼグドラシルへと向かっていくが……

 

 「ゼグ!ドラ!シィィル!!」

 

 「うわっ!?」

 

 「ぐっ!?」

 

 ゼグドラシルの力に阻まれ……

 

 「うおっ!?」

 

 「うわああああ!?」

 

 そのまま遠くに弾き飛ばされてしまったのだ………けど、

 

 「……攻略法は見えた」

 

 「えっ?」

 

 「ゼグドラシルの力は、おそらく空間を操作する力………なら……!」

 

 僕はレーザーレイズライザーとブーストVer.Ⅱバックルを取り出し……

 

 「目には目を、歯には歯を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空間操作には空間操作をだ……!

 

 「SET UP」

 

 「フッ!」

 

 「DUAL ON」

 

 「HYPER LINK」

 

 「LASER BOOST」

 

 レーザーブーストフォームへと姿を変え……

 

 「さぁ……いくよ!」

 

 「READY FIGHT」

 

 「コーン!」

 

 「っ……」

 

 ベクトル操作で浮かび上がり、ゼグドラシルへと向かっていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:宝太郎

 

 「痛てて……」

 

 「ぶ、無事か……?」

 

 「う、うん……」

 

 宝太郎とアクアは、ゼグドラシルの能力によって遠くに飛ばされ、変身も解除されてしまった。アクアに至っては、ケミーの姿へと戻ってしまっていたのだ。すると……

 

 「さて……ここからどうする?」

 

 「うーん………ん?」

 

 『ホパ!ホッパ!』

 

 「?どうしたんだホッパー1?」

 

 『ホッパー!』

 

 ホッパー1がカードの中から何かを伝えようとしていて……

 

 「うおっ!?どうしたんだ!?」

 

 『ホッパ!』

 

 宝太郎はカードの中にいるホッパー1に引っ張られていき、アクアも何とかその後を追っていく………そして辿り着いた先には……

 

 「!……うおおおおお!!さすが俺の相棒!」

 

 「ビィィートルクスゥゥー!」

 

 レベルナンバー10のケミーであるビートルクスがいたのだ。

 

 「こんなところにいたんだな……」

 

 「ビィートル!」

 

 そして、宝太郎は早速……

 

 「ビートルクス……俺の仲間にならない?」

 

 ビートルクスにそう頼んだのだ。

 

 「!……ビィートルビィートル!」

 

 それに対して、ビートルクスは快く承諾してくれたのだ………が、

 

 「良かったな?」

 

 「あぁ!ビートルクス!これからよろし―――」

 

 「ビィィートルクスゥゥー!」

 

 「え……ええええええ!?」

 

 「宝太郎!?」

 

 そのまま宝太郎を連れて、高速でその場から飛び去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 僕は飛び上がった後、周りのビルの壁や屋上を駆けながら、ゼグドラシルへと近づいていた。

 

 「FINISH MODE」

 

 そして、レーザーレイズライザーのレバーを倒し……

 

 「ゼグ!」

 

 「フッ!」

 

 「ドラ!」

 

 「よっと!」

 

 「シィィル!」

 

 「ハァ!」

 

 ゼグドラシルが放ってくる攻撃を避けながら、大きく飛び上がり……

 

 「ハァァァーー………!」

 

 「LASER BOOST VICTORY」

 

 「ハァ!!」

 

 パンチを放ったが、バリアで受け止められてしまう。

 

 「無駄だよ。この姿には、君と同系統の力があるんだ」

 

 「ゼーグーー!」

 

 「っ!ハァ!」

 

 「ドーラーー!」

 

 「やっぱり力は互角か……」

 

 僕がそう呟いた………その時、

 

 「うわああああ!?」

 

 「ん?」

 

 「ビィィートルクスゥゥー!」

 

 赤い大きなカブトムシ………おそらくレベルナンバー10のケミーと、それに連れられている宝太郎がこちらに猛スピードで向かってきている姿が見えたのだ。その姿をゼグドラシルも見たのか……

 

 「!?ゼグ!ドラ!シィィル!!」

 

 バリアを追加で三枚展開してきたのだ………が、赤いカブトムシのケミーの勢いは止まることなく……

 

 「ビィィートルクスゥゥー!!」

 

 「わあああああ!?」

 

 「っ!」

 

 そのまま、追加で展開されたバリアも合わせて破ったのだ。そして、そのままゼグドラシルに止まると……

 

 「あれって……」

  

 「ビートルビートル♪」

 

 そこから出る樹液を吸っていたのだ。

 

 「なるほどね……そういうことか……」

 

 その様子を見て、僕は空中に浮かびながら、納得したようにそう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「が、ガッチャ!よろしくな!ビートルクス!ゼグドラシル!」

 

 「ビィィートルクスゥゥー!」

 

 「ゼグ!ドラ!シィィル!」

 

 突然、ケミーに連れて行かれた宝太郎を追って、何とかさっきの場所へと戻ってきた………どうやら宝太郎は、ハクアたちよりも先にケミーを捕獲できたようで、二枚のカードを見ながら喜んでいた。

 

 「おめでとう宝太郎……まさか僕が化かされるとはね」

 

 「あっ!ハクア!」

 

 ハクアが宝太郎に声を掛けると、宝太郎はハクアの名前を呼びながら近づいていく。すると……

 

 「わざと罠に嵌る……そういう作戦だったとはね?」 

 

 「………えっ?さ、作戦?」

 

 急にハクアがそう言ったのだ。 

 

 「わざと罠に嵌って、あのケミー……ビートルクスの特徴を見抜いた上で、ゼグドラシルのバリアを破らせた……そういうことでしょ?」

 

 「……」

 

 宝太郎は思いもしなかった言葉に驚き、固まってしまう。そして……

 

 「宝太郎……?」

 

 「えっ、あ、うん!そうそう!そういうことだよ!」

 

 「そっか」

 

 「「……」」

 

 絶対に見栄張ってるな、これは……。

 

 「さて……戻ろっか?他のチームも、もう捕獲してるだろうし」

 

 「コン!」

 

 「そうだな!」

 

 「そうするか」

 

 「……」

 

 「……?九堂?」

 

 「え?あ、うん……今いく」

 

 「「「……?」」」

 

 何だかりんねさんの様子が変なように見えたが、俺たちはゲームが始まった場所へと戻っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:???

 

 そんなゲームの様子を錬金アカデミーの教室から見ている、とある人物がいた。

 

 「ほう……楽しそうに遊んでいるじゃないか?」

 

 その人物の名は、釘宮リヒト……錬金連合より錬金アカデミーに調査官として派遣された錬金術師だ。リヒトは自身の指輪を磨きながら、ゲームの様子を観ていた……そして、ゲームが終わりそうなタイミングで……

 

 「さて……そろそろか」

 

 そう言いながら立ち上がり、何処かへ向かっていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「これでゲームクリア……だよね?」

 

 「ちぇー……もうちょっと遊びたかったのになー……」

 

 元の場所へと戻ってきた僕たちは、捕獲したケミーたちのカードを見せながら、クロスウィザードにそう言った。

 

 「じゃあ約束通り、兄さんたちを元に戻してくれる?」

 

 「分かったよ……ウィ!」

 

 そして、クロスウィザードは魔導書を掲げ……

 

 「!これは……」

 

 「も、戻ったぁ……!」

 

 「どうにかなったな……」

 

 ケミー化の魔法を解いて、三人の姿を元に戻したのだ。

 

 「おめでとう!クリアした君たちには、夢の豪華賞品をプレゼントだ!」

 

 すると、クロスウィザードはそう言い、光の玉となって飛んでいき……

 

 「……!」

 

 カードとなって、宝太郎のところに収まるのだった……。

 

  

 

 

 

 

 

 

 side:宝太郎

 

 宝太郎たちが、クロスウィザードを仲間にしたことを喜んでいる一方で……

 

 「……結局、君は何だったの?」

 

 「コン!コーン!」

 

 「……」

 

 ハクアはフォルスケミーにそう話し掛けていた……すると、そんなハクアに向けて……

 

 「ハクア!」

 

 「ん?」 

 

 「ありがとう、おかげでケミーたちをガッチャできたよ!」

 

 宝太郎はケミーを捕獲できたことに対して、お礼を言った。すると……

 

 「いや、礼を言うのはこっちだよ……家族や仲間を元に戻すのを、手伝ってくれてありがとう」

 

 ハクアも大切な家族や仲間を元に戻すために力を貸してくれたことに対して、宝太郎たちに礼を言ったのだ。

 

 「良かったね?」

 

 「うん」

 

 あかねもハクアの傍に歩いていき、そう声を掛ける。すると……

 

 「じゃあ……帰ろっか?」

 

 ルビーがハクアたちに向かい、そう言ったのだ。

 

 「あぁ」

 

 「そうだね」 

 

 アクアとあかねもそう答え、周りもそれに同調した。そうして、全員がそれぞれの仲間たちとこの場を離れていく……。

 

 「ハクア!」

 

 「?」

 

 「俺……必ず全てのケミーをガッチャして見せるから!」

 

 宝太郎は、ハクアの方を向き、そう決意して見せた。

 

 「……叶うよ」

 

 「えっ?」

 

 「願い続ける限りね」

 

 「!……あぁ!」

 

 そして……

 

 「またな!」

 

 「……うん、また」

 

 宝太郎とハクアも言葉を交わし、お互いの仲間のところへと戻っていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ハクアとの出会いは、俺を何かを変えた』

 

 『それから半年して……』

 

 「おめでとう、一ノ瀬」

 

 「!……はい!」

 

 『俺はあの時ハクアに言った言葉通り、全てのケミーをガッチャし……夢の超大物錬金術師として表彰された!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宝太郎が夢を叶えてから、数日後の朝………

 

 「おはよう、母さん」

 

 「あら?宝太郎~!まだ寝てていいのに~!」

 

 宝太郎は、一階の『キッチンいちのせ』に降り……

 

 「俺も手伝うよ」

 

 そう言って、珠美の手伝いをしようとする……が、

 

 「あっ!いいのよ~そんなこと言わなくても」

 

 「え?でも……」

 

 「勉強もしなくていいし、あなたの好きにして?」

 

 何故かそう言われ、手伝いを断られてしまう。すると……

 

 「宝太郎~!」

 

 「ちょ、兄貴興奮し過ぎだって」

 

 「あぁ、すまんすまん」

 

 「お宝ちゃん!」

 

 「え!?」

 

 キッチンいちのせに、スパナ、錆丸、蓮華の三人がやってきたのだ………だが、スパナはいつもの様子からは想像できないほど明るく、錆丸はタブレットを持っておらず、自分から普通に話せており、蓮華はタコ焼きの被りものに豪華なドレスを着ていたのだ。

 

 「俺たち腹減ってるんだ!宝太郎スペシャルを頼む!」

 

 「お宝ちゃんの生み出すあの味………まさに唯一無二や!」

 

 「「「な~?」」」

 

 「あ、俺たちにも宝太郎スペシャル頼むよ。今日は蓮華の奢りで!」

 

 「しゃーないな~今日は奢ったる!」

 

 「マジすか!ありがとうございます!」

 

 「え?えぇ~?」

 

 そんな三人の様子に困惑していると……

 

 「なぁ宝太郎、看板バッタは?」

 

 錆丸がそんなことを言い出した。

 

 「看板、バッタ……?」

 

 その言葉に心当たりのない宝太郎は、首を傾げるが……

 

 『呼んだか?』

 

 「!?」

 

 『ホッパー!看板バッタとは俺のこと!』

 

 背中に旗を背負い、頭に『看板バッタ!』と書かれたハチマキをつけたホッパー1が現れたのだ。

 

 「ちょ、ホッパー1!?出てきちゃダメだって!ケミーの掟、忘れたの?」

 

 宝太郎は、人前に出てきたホッパー1に向かってそう言うが……

 

 『何言ってやがんだすっとこどっこい!』

 

 「す、すっとこ……?」

 

 『俺と宝太郎で叶えたんだろ?』

 

 「叶えた……?」

 

 『あぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みんなとケミーが一緒に暮らせる世界ってのをよ!』

 

 「……!」

 

 ホッパー1にそう言われてしまう。

 

 「そ、そうだったな、ホッパー1!」

 

 『おうよ!』 

 

 そんなホッパー1の言葉を、宝太郎は受け入れ……

 

 『へいお待ち!宝太郎スペシャルだ!』

 

 「「「おぉ!!」」」

 

 三人に創作料理を振る舞う。

 

 「「「う~ん!」」」

 

 「ど、どうかな?」

 

 「美味い……!」

 

 「美味しいよ!」

 

 「この味、たまらんわ~!」

 

 「良かった、美味しそうで!」

 

 三人に自分の料理を喜んでもらえた宝太郎が、嬉しそうにしていると……

 

 「コン!」

 

 「ん?」

 

 突然、そんな鳴き声が宝太郎の耳に入ってきた。鳴き声の聴こえた方を向くと……

 

 「お前は……フォルスケミー!?」

 

 「コーン!」

 

 ここにいるはずのない、フォルスケミーの姿があったのだ。そして……

 

 「何でここに……?」

 

 「コン!コン!」

 

 「ちょ、何を……!」 

 

 「コン!コーン!」

 

 宝太郎を身体で押して、扉の方に向かわせようとしていたのだ。

 

 「やめろって―――っ!?

 

 だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『いいのよ~そんなこと言わなくても』

 

 『言い訳は聞きたくありません!』

 

 『勉強もしなくていいし、あなたの好きにして?』

 

 『ガッチャとか、そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………違う」

 

 宝太郎は、珠美と喧嘩していたことを思い出し、今の状況がおかしいことにも気が付く。すると……

 

 「あらら……気付いちゃったか~」

 

 「!?」

 

 その声に釣られて、後ろを振り返ると……

 

 「クロスウィザード……これは、君の魔法なの?」

 

 「ウィーヒッヒッヒッヒッ!」

 

 クロスウィザードが椅子に座って、宝太郎を見ていたのだ。そして……

 

 「ここは楽園、すなわち………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢の世界さ!

 

 「夢の……世界……?」

 

 立ち上がり、明るくそう言うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 レベルナンバー10のケミーは捕獲し、ケミーにされた三人も元に戻りました………が、どこかみんなの様子がおかしく……?

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」への投票もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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