話を始めていく前に、前々回の感想であったアイの変身する仮面ライダーラビのマスクのデザインを手描きですが描いてみたので、参考までにご覧ください。ちなみに、ラビがよく使うビートフォームverにしてあります。
【挿絵表示】
さて、前回はりんねがマジェードへと変身し、ウィザードマルガムを撃破しましたが、まだリヒトは諦めてはおらず……。
それでは、どうぞご覧ください。
side:ハクア
「っ……まだだ……!」
マルガムから元の人間の姿へと戻ったリヒトが、立ち上がりながらそう言ってくる。
「私とお前とのゲームは、まだ終わってないぞ……
星野ハクア!」
「……?」
何故か僕のことを知っているように話してくるリヒトに、首を傾げていると……
「……ねぇ、知ってる人なの?」
あかねが僕に、そう訊いてきたのだ。
「いや……初対面のはずなんだけど……」
………いい加減に、訊いてみようかな……。
「あのさ……何で錬金術師のお前が、僕に拘るの?そもそも……何処かで会った?」
僕がハッキリとそう言うと……
「!……まさか、覚えていないのか……?」
「え?」
「私はお前を倒すという野望を叶えるために、ここまでやってきたんだぞ……!」
そう言われてもな……
「本当に、覚えてないの?」
「うーん……」
「この2000年間……お前に抱いた憎しみを、忘れたことはない!!」
ん……?2000年前って……
2000年前―――
古代のデザイアグランプリ……そこでは、当時のリヒトと長い金髪を後ろで結んだ女性寄りの顔をした人物……この時代のハクアが、互いに剣を持って戦っていた。
『ハァ!!』
『ぐっ!?』
実力はハクアの方が上で、リヒトの剣を弾き飛ばし、彼の首元に剣を突きつけた……が、
『……』
何故かハクアはそのまま動かずに、ジッとリヒトのことを見つめていた。
『何をしている?さっさととどめを―――』
とどめを刺されると思っていたリヒトが、ハクアにそう訊くと……
『刺さないよ』
『何っ……?』
『お前に……命を奪う価値はないよ』
そう言い残し、ハクアはその場を去っていく。残されたリヒトは……
『くっ……うあああああ!!』
地面に手をつき、悔しさを表すように叫ぶのだった……。
「なるほどね……」
「透さん」
納得したようにそう言って、透さんが僕の横へと歩いて来る。
「黒幕はデザグラの参加者……2000年前の超古代人ってわけか」
………あっ!
「あぁ……そんな人、いた気が……?」
あの時は僕も必死で、勝ち抜くことしか考えていなかったからな………誰と戦ったとかまでは、さすがに……。
「私は2000年もの間お前を探し続け、錬金術という未知のテクノロジーに出会った……そして、その腕を磨いてきた……
全ては、お前に勝つために……!」
そして、リヒトは……
「今こそ、その成果を見せる時………
全て私の糧となれ!!」
『!?』
頭上に暗い紫色のエネルギーのようなものを出して、周りのものを片っ端から吸収し始めたのだ。
「あかね!」
「きゃ!?」
僕はすぐさま、あかねの手を掴んで抱き寄せた。その隣では……
「クロっち!」
「ウィ!ウィ!ウィー!!」
宝太郎がクロスウィザードを吸収されまいと、必死にカードを掴んでいたが……
「ウィー!ウィーー!!」
「クロっち!!」
そのままリヒトに吸収され……
『ハァァァ………!』
再びウィザードマルガムへと姿を変えてしまう。さらに……
『フッ!』
「っ!?」
宝太郎を吸収しようよ、触手を伸ばしてきたのだ。
「させない!」
そこに、りんねさんが宝太郎の前に立ち、錬金術で作った壁で防いだものの……
「きゃあ!?」
「九堂!?」
「っ……力が……」
容易に壁は砕かれ、りんねさんはその衝撃で倒れてしまう。そして、壁を壊した触手は……
「「ぐっ!?」」
透さんとスパナさんを捕まえ……
「「うわああああ!!」」
二人を吸収してしまったのだ。その影響なのか、魔法陣はさらに大きくなっていき、街にいた大勢の人たちや兄さんたちまで吸収していき……
『ハハハハハ……!』
そこでようやく吸収が終わり、雨が降り始めてしまう………すると、僕を見て……
『お前は……メインディッシュだ!』
「っ!?」
「ハクア君!?」
そう言いながら、僕の足を固めてきた………これは……少しマズイかも……。
「っ!」
「きゃ!?」
僕はすぐさまあかねを離れさせた。その直後……
『ハァ!!』
ウィザードマルガムは魔法で剣を作り出し、僕の急所を狙ってそれを放ってきた……
「ハクア君!!」
「ハクア!!」
「っ……」
その時……
「コーン!!」
「「「!?」」」
「……え?」
フォルスケミーが僕を庇い……
「コーン……」
身体に剣が刺さり、地面に倒れてしまう。
「な、何で……僕を庇って……」
「コン……コーン……」
僕は倒れているフォルスケミーに手を伸ばそうとするが……
『ケミー如きが……私の邪魔をするな!!』
「っ!?」
「コーン……!」
粒子となって、ウィザードマルガムへと吸収されてしまった。そして……
『ハァァァーー…………ハァ!!』
「「「「!?」」」」
フォルスクロスを歪め、禍々しくしたような姿へと変貌していたのだ。
『これが、お前を葬る姿………フォルスキラーだ……!』
「フォルス……キラー……」
「ひどい……」
『この力で……お前を終わらせてやろう……!』
「……」
ウィザードマルガム……改めフォルスキラーが、僕に向かってそう言うと……
「お前……よくもクロっちやみんな、フォルスケミーを!!」
宝太郎が、ケミーやみんなを吸収したことに対して、怒りを表したが……
『ケミーなんざどう使おうと、私の自由だろう?』
「……」
フォルスキラーは、なんてことないように……それが当たり前のことのように、そう言ってきたのだ。その言葉に、宝太郎は……
「お前は……絶対に許さない!!」
そう言いながら、ドライバーを装着した。
「お前がどんな奴だろうと、もうどうでもいい……」
「ハクア君……?」
僕も立ち上がりながら……
「完膚なきまでに、叩き潰す……!!」
いつもより低い声で、そう言い放つ………こいつだけは、絶対に……!!
「!りんねちゃん、こっちに」
「!うん……」
あかねが、力を使い消耗していたりんねさんと一緒に、後ろに下がったのを確認してから……
「行くよ……宝太郎」
「あぁ!!」
「SET」 「SET」
「HOPPER1!」
「STEAMLINER!」
『ホッパー!!』
『スチーム!!』
「「変身!」」
「DUAL ON」
「ガッチャンコ!」
「GET READY FOR BOOST & MAGNUM」
僕たちは変身し、フォルスキラーを見据える。そして……
「「……」」
『……』
「READY FIGHT」
「「っ!ハァァァーー!!」」
『ハァァァーー!!』
僕たちは互いに駆け出していき……
「「『ハァ!!』」」
拳を繰り出していったのだ。
「「『っ!』」」
その衝撃で軽く吹き飛ばされ、互いに距離をとった。
『ハハハハハ……!』
フォルスキラーは笑いながら、背中のマントを羽のように広げ……
『ハァ!』
「「っ!?」」
何処かに向かって飛んでいってしまう。だが、僕たちはその後ろから……
『っ!』
「BOOSTRIKER」
「GOLDDASH!」
『ダーッシュ!』
ブーストライカ―とバイクのケミーであるゴルドダッシュで、フォルスキラーの後を追っていく。
『っ……ハァ!』
そんな僕たちを見て、フォルスキラーは光弾を放ってきたが……
「フッ!」
「ハァ!」
『ダーッシュ!』
着弾の時に起こった爆発や光弾自体も避けていき、僕たちはフォルスキラーへと近づいていく。
『フンッ!』
「「ハァ!」」
さらに複数の光弾が放たれ、それによって後ろで大爆発が起きる。
『……』
そして、フォルスキラーは地面へと降り立ち……
「「……」」
全ての攻撃を避け切った僕たちもバイクを停め、その前へと歩いていく。すると……
「あんたは、立派な錬金術師なのに……自分勝手な願いのために、クロっちの心を弄んで、関係のない人たちまで巻き込んで……
全部……全部間違ってるよ!!」
宝太郎がフォルスキラーに向かい、そう言ったのだ………力をどう使うのかは、その人次第だと思う………けど、私利私欲のための願いで、周りの人たちまで巻き込むのは………許されないことだ……。
『黙れ……虫けら如きが!』
そんな宝太郎の言葉に対し、フォルスキラーは僕たちに向かって駆け出してきて、攻撃を仕掛けてくる。
「フッ!ハァ!」
『っ!ハァ!』
「くっ……」
「ハァ!」
『っ!?』
宝太郎は徒手空拳で、僕は格闘術とブーストの加速力を合わせ、フォルスキラーへと攻撃を仕掛けていく。
「「っ……」」
『っ……』
そして、一旦距離をとった後で、僕と宝太郎はフォルスキラーを挟むようにして円を描くように歩き……
「「ハァ!」」
『フッ!』
二人同時に、攻撃を仕掛けていった。
『っ!フンッ!』
「っ!?」
僕はフォルスキラーの蹴りによって起きた衝撃波で、転ばさせられてしまうが……
「っ!」
「SET」
倒れながらも、マグナムバックルをセットし……
「REVOLVE ON」
「フッ!」
『何っ!?』
右手でフォルスキラーの脚を掴み、上下の装備を入れ替えるのを利用して地面を滑っていき……
『くっ!?』
体制を崩したのだ。そして……
「フッ!」
「ハァ!」
「DUAL ON」
「GET READY FOR BOOST & MAGNUM」
『ぐっ!?』
僕はブーストで加速して下から攻撃し、宝太郎は飛び上がって上から攻撃を食らわせていく。だが……
『ハァ!』
「ぐっ!?」
『フンッ!』
「ぐあっ!?」
僕は蹴り飛ばされ、宝太郎は地面へと叩きつけられ……
『フッ!ハァ!』
「ぐっ……!?」
連続して殴られてしまう。
『ハァ!』
「っ!?」
「宝太郎!」
そして、宝太郎は投げ飛ばされてしまうが、僕はそれをキャッチした。その後、攻撃に備えてフォルスキラーの方を向いたが……
『フッ!』
「「っ!?」」
『ハァ!』
「「ぐあっ!?」」
至近距離で攻撃を食らってしまい、
『フンッ!!』
「「ぐあああああ!?」」
フォルスキラーが召喚した剣によって、纏めて吹き飛ばされてしまったのだ。
『ハハハ……いい加減に諦めたらどうだ?』
倒れている僕たちに、フォルスキラーがそんなことを言ってくるが……
「確かに、あんたは強い………けど、負けない……絶対に負けられない!!」
「そうだ……最後に勝つのは………僕たちだ!!」
すると……
「えっ?」
「何だ……?」
宝太郎に左腕に付いているカードホルダーが開き……
「ビィィートル!」
「リイィクシオォン!」
「フォートレス!」
「ゼグ!ドラ!」
「エクシィド!」
ゲームで捕獲した五体のケミーたちが出てきたのだ。そして……
「えぇ!?ケミーカードが合体した!?」
「五体で融合した……?」
ケミーたちは、一枚の新たなカードへと変化したのだ。宝太郎は、そのカードを手に取り……
「よーし!みんなで一緒に……ガッチャだ!」
「クロスオン!」
そう言って、青い剣を変形させてドライバーの上に嵌める。
「X ASSEMBLE!」
続いて、さっきのカードを入れると……
「BEETLX!」
「ビィィートルクスゥゥー!!」
「LIXION!」
「リイィィクシオォォン……!!」
「X FORTRESS!」
「フォーートレス……!!」
「XEGGDRASIL!」
「ゼグ!ドラ!シィィル……!!」
「EXCEEDFIGHTER!」
「エクシィィィド……ファイタァァァ!!」
カードの中から、次々とケミーたちが呼び出されていく。そして、五体のケミーが呼び出された後……
「ガッチャーンコ!X!」
宝太郎はドライバーのレバーを引いた。すると……
「スターガッチャード!スーパー!」
仮面は金色の星の形をしたものになり、右手にビートルクス、左手にリクシオン、右脚にテンフォートレス、左脚にゼグドラシル、胸の部分にエクシードファイター、背中には二股に別れたマントを纏った姿へと変身したのだ。
『レベルナンバー10の多重混合錬成だと……!?』
その宝太郎の姿を見て、フォルスキラーは驚いていたが……
『ならば……!』
その直後に、自身を錬金術で巨大化させたのだ。
『ハァ!』
「「っ!?」」
そして、剣を振って攻撃を仕掛けてきたが、僕はその場で転がりながら回避し……
「フッ!」
「エクシィィィド……ファイタァァァ!!」
「ハァァァーー!!」
宝太郎はエクシードファイターの能力で飛び上がって避け、フォルスキラーへと攻撃を仕掛けていく。
『っ!ハァ!』
フォルスキラーも宝太郎を攻撃しようとしたが……
「フッ!ハァ!」
そのスピードに翻弄されていた。
「リイィィクシオォォン!!」
フォルスキラーの攻撃を避けている間に、リクシオンの力で身体に電気を貯め……
「ビィィートルクスゥゥーー!!」
「うおおおおお!!」
『ぐおっ!?』
その電気を右手のビートルクスに纏わせ、フォルスキラーへと強力な一撃を食らわせたのだ。さらに……
「フッ!」
「フォーートレス……!!」
右脚のテンフォートレスから放たれた弾丸を……
「ゼグ!ドラ!シィィル!!」
『ぐあっ!?』
ゼグドラシルの空間を操る能力によって加速させて蹴り飛ばし、威力を増したまま命中させていく……その直後……
『くっ……こんなはずでは―――』
「BOOST TACTICAL VICTORY」
『っ!?』
フォルスクロスに変身した僕は、空中で逆さまになりながらも上から降りてきて、フォルスクロスバスターをフォルスキラーの額の部分に投げて突き刺した。そして……
「僕に倒されるのが願いなんでしょ?ならその願い……叶えてあげるよ」
「DAYBREAK BOOST TIME」
そう言いながら、Xブーストバックルのレバーを二回倒した。宝太郎もフォルスキラーを正面に見据えながら飛び上がり……
「これが人とケミーの……絆の力だ!!」
ドライバーのレバーを押し込んで、すぐさま引いたのだ。すると、宝太郎の前を五枚のカードが星の形を描きながら飛び回り、宝太郎自身も姿を変えながら、フォルスキラーへと向かっていく。僕もそれと同時に、バックルのレバーを再び倒し……
「X BOOST VICTORY」
「スターガッチャード!シャイニングフィーバー!」
「「ハァァァーー!!」」
『ぐおおおおお!?』
刺さっているフォルスクロスバスター目掛けて、元の姿へと戻った宝太郎と共にキックを叩き込んだのだ。そして……
「ウィーー!!」
「コーン!!」
クロスウィザードとフォルスケミーを分離させ……
『ぐあああああああ!!』
フォルスキラーを撃破することに成功したのだった……。
「ガッチャ!!」
「2000年間……わざわざご苦労様」
side:あかね
「っ……」
ハクア君と宝太郎君に無事倒されたリヒトは、ミナトさんによって連行されていくみたいだ……。
「クロっち、お帰り!みんなもありがとう!」
「ただいま、宝太郎!」
宝太郎君は、クロスウィザードの無事や他のケミーたちにお礼を言っていた。その一方で……
「大丈夫?」
「コーン……」
「こんなに無茶をして……」
ハクア君は、傷ついたフォルスケミーの手当てをしていた。すると……
「……!」
「ハクア君……?」
フォルスケミーを撫でていたハクア君の手が、突然止まったのだ。
「まさか……君は……!」
『……ハクア』
「……!」
『やっと……気付いてくれたね?』
「……『コン』……なの……?」
side:コン
僕は元々、捨て猫だった。前の飼い主から捨てられ、行く当てもなくさまよっていた……それから長い時間が経ったある雨の日、僕は弱って倒れてしまった……その時、
『大丈夫?』
『にゃあ……』
『弱ってる……早く―――』
誰かが僕の前に現れた。その誰かを見る前に、僕は気を失ってしまった………そして、目を覚ますと……
『良かった……目が覚めたんだね?』
『……!』
そこには、僕が目を覚ますまで、ずっと待ってくれたであろうハクアがいたのだ。それから僕は、僕と同じように捨てられたり、行き場のない猫や犬たちがいるところで暮らし始めた。僕がそこで暮らし始めても、ハクアはたくさん僕に会いに来てくれた。
『あら?今日も来てくれたのね!』
『はい、今日は元々時間があったので』
『にゃあ!』
『!おいで』
『にゃあ~!』
ハクアと出会ってから、僕はハクアに『コン』と名付けられた。一緒に過ごした日々は……僕にとって、とても幸せな日々だった……
『はい』
『にゃあ?』
『食べる?』
『にゃあ!』
『どう?おいしい?』
『にゃあ!~』
『ちょ、くすぐったいって……!』
いっぱい、優しくしてくれた。
『それでさ~、兄さんと姉さんが―――』
『にゃあ~!』
沢山ハクアの話を聞いたり、遊んだりした。でも、あの雨の日……
『っ!危ない!』
施設の近くをハクアと僕は散歩していた。もちろん僕は、ハクアに抱えられたり、身体の上に乗っていたけど………すると、目の前で子供が道路に飛び出し、目の前に車が迫っていたのだ。ハクアは道路に飛び出した子供を助けようと、その子供を歩道に押し出して、車の前に出てしまった。そんなハクアを僕は……
『え……?』
突き飛ばして助け………車に轢かれて、死んでしまった……。
『コン……?』
『コン!!』
『……噓だ』
『僕の……せいで……!!』
魂となって、そんなハクアを見ていた僕は……
『ハクア……!』
ずっと、傍にいて見守ることにしたんだ。ハクアが戦っている時も、神様になった時も………だって、大好きだったから……そして……
『っ!?みんな避けて!』
『あっ!ハクア!!』
ハクアが魔法を受けそうになった時も、代わりにそれを受けて……ケミーとして姿を現したんだ……。
side:あかね
「そうなんだ……すっと……」
そのことをコンちゃんから聞いて、ハクア君は……
「……ごめん」
『えっ?』
辛そうな表情で、謝っていた………多分、二回もコンちゃんに守られてしまったことに、責任を感じてしまっているんだろう……。
「守れなくて……僕のせいで………」
「ハクア君……」
「ハクア……」
謝りながら、涙を流しているハクア君に対して……
『謝らないで……』
「!でも―――」
『僕は君に、沢山のものをもらった………だから、君が幸せになってくれるなら、それでいい……』
優しくそう言ったのだ。その直後……
「っ……!?」
『できることなら……ずっと、一緒にいたかったなぁ……』
コンちゃんの身体が、消え始めてしまう……。
「っ……!」
そんなコンちゃんを、ハクア君は優しく抱きしめる……でも、その手は震えていて、コンちゃんを助けられないことを、悔しそうにしているようだった………
これは、私の勝手な願いかもしれない………けど、どうかハクア君とコンちゃんを……!
私は、そう願った………その時……
「え……?」
「これって……」
「鐘の音……?」
願いが叶う時の鐘の音が聴こえてきた………これって……!
「っ……!?」
ハクア君は驚いたように、私の方を向いてから……
「……ありがとう」
「えっ?」
そう言ってから、コンちゃんの方を向いて目を閉じた。すると……
「噓……!」
「まさか……!」
ハクア君の腕の中にいたコンちゃんが浮かび上がり、青い光に包まれ……
「……」
「コン……?」
「コン!」
元気にハクア君に飛びついたのだ。
「!良かった……!」
ハクア君はコンちゃんを抱きしめ、嬉し涙を流していた。
「神の目にも涙……か」
「……そうだな」
「でも、良かった……」
透さんのその言葉にアクア君も共感し、アイさんはハクア君が笑っている様子を見てもらい泣きをし、安心したようにそう呟いたのだ。
「でも、何で急に……?」
「あぁ……それは……」
ルビーちゃんに、さっきのことに訊かれたハクア君は私の方を見て………えっ?
「え?わ、私……?」
「うん……あかねも一緒に願ってくれたからだよ?」
「お義姉ちゃんが……?」
「………あっ!」
その言葉に、私はあることを思い出す。
「!なるほどな……」
「え?何?何が分かったの?」
「ハクアの創世の力は、願いが共鳴することで発動する………ルビーが、ファンタジーバックルを使えるようになった時みたいにな」
「………あっ!」
アクア君にそう言われたルビーちゃんも、理解することができたみたい。
「だから……ありがとう」
「コン!」
ハクア君に改めてお礼を言われ、コンちゃんもそれに続いて鳴くことでお礼を言っているように見えた。
「ううん、どういたしまして」
「!」
「コーン!」
それに対して、私はハクア君とコンちゃんの頭を撫でてあげる。すると……
「えっと……」
「?どうしたの?」
「コンはともかく……僕は……」
「コンコーン!」
「え?いやだって、みんなの前だし―――」
どうやら、みんなの前だから恥ずかしがっているみたいだ………というかハクア君、コンちゃんと話して……?
『……』
「ん?宝太郎?みんなまでどうしたの?」
何だか周りが静かになっていることに気付いたハクア君が、私たちの方を向いて黙り込んでいた………主に錬金アカデミーのみんなに、そう声を掛ける。
「あ!いや、なんでもないよ!」
「せ、せや!なんでもあらへんよ!」
『そ、そうだぞ!』
「「?」」
「コン?」
すると、みんなして何かを誤魔化すようにそう言ったのだ。この時、宝太郎君たちは………
(もしかしてとは思ってたけど……)
(まさかとは思ってたけど……)
(薄々感じてはいたけど……)
(((この二人って……やっぱり……!)))
こんなことを思っていたらしいけど、私たちはそのことを知る由もないのだった……。
side:ハクア
「離れ離れにならなくて良かったね!宝太郎!」
「!あぁ、本当にな」
宝太郎とクロスウィザードは、仲良く話をしているようで……コンが消えないで済んだことを喜んでくれていた。そんな二人に、僕はコンと一緒に近づいていく。
「凄いね?もう友達になったんだ」
「あぁ!」
「ウィ!」
僕がそう言うと、二人は嬉しそうに笑っていた。すると……
「クロスウィザードだけじゃない!他のレベルナンバー10のみんな……アクアやルビーたち、それに――」
「?」
「ハクアもだよ!」
「!」
ゲームで同じチームだった兄さんや出会った時にも一緒に戦っていた姉さん、その他のみんな、さらには僕のことまでを友達と言ってくれたのだ。
「………神様になっても、友達って増えるものなんだね……」
「?」
「なんでもないよ………あと、ありがとう」
「どういたしまして!」
そう言いながら、僕と宝太郎が握手を交わしていると……
『ホッパー!』
「ホッパー1!?」
「コン!」
「おっと!」
カードの中にいたホッパー1と僕の隣にいたコンが互いに近づき……
『ホパ!ホパ!』
「コンコーン!」
互いに何かを話しているように見えた。
「あっちも仲良くなった……」
「みたいだね」
そして……
「さて……そろそろ帰るか」
兄さんがそう言い、僕たちは互いに戻るべき場所に戻ることにしたのだ。
「ありがとう」
「みんな応援しとるからな!」
『じゃあな!』
そして……
「ハクア!」
「?」
「またな!」
『ホッパ!』
ホッパー1を抱えた宝太郎にそう言われ……
「!……うん、またね」
「コン!」
僕もそう返して、コンと一緒にみんなのところへと歩いていくのだった……。
side:宝太郎
ハクアたちやりんねたちと別れた宝太郎は、
「母さん………酷いこと言って、ごめんなさい!」
家へと帰り、素直に今までのことを謝った。
「お母さん、傷ついたんだから……外泊するなら、連絡くらいしなさい」
「店の手伝い、いっぱいするから許してよ……!」
「……」
その言葉を聞いた珠美は、宝太郎へと近づいていく。
「……!」
それを見た宝太郎は、何かされるのではないかと目を瞑るが……
「……!」
「……お帰り、宝太郎」
優しく抱きしめられ、珠美にそう言われる。そして……
「!……うん、ただいま、母さん」
宝太郎も、笑顔でそう返すのだった……。
side:ハクア
「コンコーン♪(ハクアの家、楽しみだな~♪)」
「なんだか嬉しそうにしているね?」
「何気に僕の家に来るのは初めてだから、楽しみなんだってさ」
「へぇ~」
あかねとそんな会話をしながら、久し振りに僕の家へと歩いていく。
「はぁ~疲れた~!」
「色々あったからな……」
そして、僕の家の前まで着いたのだが……
「二人とも―――」
「「!」」
「「?」」
「コン?」
お母さんが兄さんと姉さんの二人に何かを言うと、三人揃って玄関の前に立ち……
「ハクア、あかねちゃん、コンちゃん……
お帰りなさい!」
お母さんが僕たちに向かってそう言い、僕たちをまとめて抱きしめてきたのだ。
「お帰り」
「お帰りなさい!」
兄さんと姉さんも、それぞれそう言ってきたので……
「「!……ただいま」」
「コン!(ただいま!)」
僕とあかね、コンはそう返して、みんなで家の中へと入っていくのだった……。
「よし……みんなお待たせ」
宝太郎たちと共闘してから数日後、僕とあかねは、兄さんや姉さん、お母さんに手料理を振る舞っていた。
「じゃあ……」
「「「「「いただきます!」」」」」
あかねはともかく、僕は久々に料理したから……腕が落ちてないといいけど………そんな僕の心配も余所に……
「「う~ん!美味しい!」」
姉さんとお母さんが笑顔でそう言ってくれたのだ。
「!……良かった」
そんな二人の姿に、僕はほっとし……
「さ、ハクア君も食べよう?」
「うん、分かった」
あかねに促され、僕も料理を口に運んでいく。すると……
「ハクア君」
あかねに名前を呼ばれので、そちらを向くと……
「ん?どうし―――っ!?」
何だかいつもより笑顔なあかねが、僕に料理を食べさせてきたのだ。
「どう?」
「!うん、美味しいよ」
「良かった……ふふっ」
何か様子が………まぁ、あかねが嬉しそうにしているからいいけど。
「「「……(あぁ……お姫様抱っこの件、まだ気にして……)」」」
「?みんなどうしたの?」
「!いや、なんでもないぞ」
「あっ!ハクア、これ凄く美味しいよ!」
「うんうん!さすがだね~!」
「あ、ありがとう……?」
すると……
「あ、そう言えばさ……コンちゃんって、今どういう状態なの?」
姉さんが、僕の足元で寝ているコンを見ながら、そんなことを訊いてきたのだ。
「多分だけど……僕の眷属(?)に生まれ変わったみたいだよ」
「てことは………神の使いってところか?」
「うん、そう思ってくれてもいいと思うよ」
あの時、『コンを死なせたくない』という僕とあかねの願いが共鳴したことで創世の力が発動し、ケミーだったコンは僕の眷属……神の使い的なものに生まれ変わった………らしい……まぁ、完全に推測だけど……。
「何はともあれ、生きていてくれればそれでいいよ……ね?」
「コン!」
僕がコンを撫でると、それに応えるかのように鳴いてくれた。
「さてと、冷めないうちに食べてね?あ、あとデザートもあるから」
「本当?やったぁ!」
それから僕たちは、楽しく話をしながら食事をするのだった……。
side:宝太郎
「みんなー!宝太郎スペシャルお待たせー!」
ハクアたちとの共闘から数日後、宝太郎は仲間たちに自身の創作料理を振る舞っていた。すると……
「ウィ!」
「おぉ!クロっちも食べるか?」
「うん!せっかくだしね?」
クロスウィザードがカードから出てきて、スプーンを手に取って宝太郎の料理を口に運んだ。
「ど、どう……?」
宝太郎は緊張の面持ちで、料理の感想を待っていたが……
「うーん………
宝太郎の未来に期待、かな?」
クロスウィザードに、そう言われてしまう。
「え?それってどういう……?」
その言葉に、宝太郎は戸惑うが……
「さ、食べよっか?」
「せやな」
『そうだな』
「もらうぞ」
それを誤魔化すように、りんねたちが次々と料理をとっていく。
「九堂?先輩?スパナ?」
「あ、これはいけるかも」
「せやな」
『そうだな』
「ふん、悪くはないな」
「く、クロっち?」
「あむ……ウィ?」
「え、ちょ、みんなそれってどういうことーー!?」
そんな周りの行動に対し、宝太郎は思わずそのような反応をしてしまうのだった……。
世界を護り切った仮面ライダーたち………だが、再びこの世界に危機が迫っていることを、まだ知る由もないのであった………そして、暁の未来と、遥かなる未来からの使者がやってくることも……。
読んでくださりありがとうございます。
今回で、錬成編は最終回となります。フォルスケミーことコンは、あかねとハクアの願いの共鳴によって、神の使いらしきものへと生まれ変わりました。この小説オリジナルの展開にしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
そして、次回からはいよいよVシネの話を書いていきたいと思いますが………その前に、ある話を挟む予定でいますので、どうぞ お楽しみに……。
良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」への投票もよろしくお願いします。
それでは、次回もどうぞよろしくお願いします。