皆さんの想像通り、あのライダーやあの人の活躍が見られると思います。
この話には、ギーツエクストラ『仮面ライダーゲイザー』のネタバレを含みます。それでもいい方は、どうぞご覧ください。
神罰0:全ての始まり
side:???
遥か未来―――――
『ID:ニラム、リデザインを開始―――』
宇宙に存在している巨大なデータ空間で、ある一人の人物がリデザインされていた………その人物というのが……
「私は……ニラム」
デザイアグランプリのプロデューサーであり、ハクアたちのいる時代でサマスに銃で撃ち抜かれ、そのまま消えてしまったはずのニラムなのだった。そこに……
「あなたも、こっちの世界に帰ってきたんだね」
ジーンがやってきて、そう声を掛ける。
「……何のことだ?」
「!おっと………まだ記憶のリデザインが完了していないみたいだね」
だが、ニラムはジーンの言葉の意味が分からず、首を傾げてしまう。
「例え過去の時代で死んでも、俺たちは元の時代で自動的にデザインされ直すんだよ」
「……!」
「この世界で、破壊されない限りはね?」
「私は……死んで………ここに……!?」
自分自身が一度死んでいるという事実に、ニラムは驚いた表情をしていた。さらにその身体には、リデザインされたばかりの時の影響なのか、白いノイズのようなものが走っていた。
「あぁ、そうだ……運営のことなら心配いらないよ。スエルもいなくなって、正しい改革が起き始めているから」
「っ……運営……?」
「少しずつでいいから思い出せばいい………あなたのこれまでの功績と、生涯を」
そして……
『ID:ニラム、記憶領域のリデザインを開始―――』
ニラムの記憶領域のリデザインが始まり………
side:ニラム
『私はニラム……デザイアグランプリのプロデューサーとしてデザインされた』
ニラムは、リデザインされながら、今までのことを順番に思い出していた。
『デザイアグランプリのプロデューサーとしての業務は、多岐に渡る』
始めに、デザイアグランプリのプロデューサーのことについて、思い出しているようだ。
「ニラム様が最初にプロデュースされるデザイアグランプリ………どの時代になさいましょう?」
『まずは、舞台となる時代の選定』
ニラムの隣に立っていたサマスがそう言うと……
「では……西暦1500年、場所は日本にしよう」
「……戦国時代ですね?」
ニラムは、戦国時代をデザイアグランプリの舞台に決めた。
「あぁ……動乱の世の中、人間の本性のリアルを伝えるのに、これ以上の舞台はない……」
リアリティーを追及する、ニラムらしい理由での選定であった。
『次に、各時代のスポンサーの獲得』
「でざいあぐらんぷりとは………これ如何に!」
ニラムとサマスの二人は、とある城の城主にスポンサーになってもらうために、話をしに行っていた。
「こちらが、概要となります」
ニラムに目配せされたサマスは、城主にデザイアグランプリの概要が書かれた巻物を渡す。
「こ、これは……!」
「貴方の理想の世界……叶えてみませんか?」
デザイアグランプリの概要を見た城主は……
「フハハハ……ハハハハハ……!」
内容が気に入ったのか笑い声を上げ……
「面白い……!」
デザイアグランプリのスポンサーになることを了承したのだった。
『続いて、ゲームマスターの任命』
デザイアグランプリの休憩所として使われるサロンで、ニラムは白と青の仮面を被り、黒いマントを羽織った人物に……
「あなたを、デザイアグランプリのゲームマスターに任命します」
そう告げたのだ。
「ニラム様は、誠実なディレクションに定評のあるあなたを評価しておられます」
その言葉に対し、新しく任命されたゲームマスターは……
『期待に応えられるよう、努めます』
「頼みましたよ」
ニラムにそう言い、一礼をするのだった。
『そして、大切な業務……オーディエンスによる、ライダーの選定』
「俺は彼を推薦するよ」
オーディエンスであるジーンはそう言い、ゲームマスターにタブレット端末を渡す。
『独自の流派を持つ、高名な剣豪です』
「感動できるといいなぁ……彼の生き様、あるいは……死に様にね?」
ゲームマスターは、タブレット端末をニラムに渡し……
「彼の人柄や、境遇に相応しいライダーは……」
受け取ったニラムは、IDコアが映った画面をスライドさせていき……
「……うん、これだな」
ゴリラの絵が描かれたIDコアを選択し、その人物が変身するライダーを選択するのだった。
業務を終え、ニラムとサマスはデザイアグランプリの休憩所であるサロンへとやって来ていた。すると、そこには……
「あっ!」
白と黒の着物を着た人物がいたのだ。その人物はニラムたちに気づくと、小走りで近づいてきて……
「お帰りなさいませ!ニラム様、サマス様!」
そう二人に話しかけてきたのだ。
「君は……?」
「彼女はミイル……代々、デザイアグランプリのナビゲーターを務めています」
「初めまして!私はデザイアグランプリでナビゲーターを務めているミイルと申します」
「そうか……改めて、私がプロデューサーのニラムだ。よろしく頼むよ、ミイル」
「はい!」
サマスにミイルを紹介され、ニラムも自己紹介をする。すると……
「さて……まずは、この時代を見て回りましょうか!」
ミイルはニラムに向かって、そう言ったのだ。
「……どういうことだ?」
「では、出発しましょう!」
「あ、あぁ……」
「行ってらっしゃいませ、ニラム様」
戸惑うニラムを余所に、ミイルは外へとニラムを連れて出ていくのだった……。
「ん~!」
「これが……戦国時代の空気とにおいか……」
ミイルと一緒に戦国時代を歩いて回ったニラムは、本来の身体では味わえない感覚を味わっていた。
「さぁ、ここに座ってください」
「あ、あぁ……」
外を見て回っていた二人は、石畳の階段に座って一休みをしようとしていた。
「……」
ニラムもミイルに続いて、ゆっくりと階段の上に座る。すると、ミイルは……
「もう少し、この時代を味わってみませんか?」
そう言って、ニラムに団子の入った入れ物を差し出す。
「……?」
ニラムは団子の刺さった串を一つ取り、ゆっくりと口に運んでいく。
「……!?」
「いかがですか?この時代の食物です」
「これが……リアル……!」
そう言ってニラムは、団子を夢中になって食べていく。ミイルもそれに続いて、団子を食べ始める。
「美味しいものを食べると、幸せになれます」
「……!」
ミイルがそう言うのを横目に見て、ニラムは頷きながら団子を食べ切るのだった。
サロンへと戻ってきたミイルは、急須でお茶を淹れていた。
「はぁ~………本来の身体では感じられなかったことが感じられた……!」
ニラムはソファーに座り込み、ミイルの淹れたお茶を飲みながら……
「ありがとう、ミイル………君のおかげで、色々と知ることができたよ」
「この時代を楽しんでもらえたようで、良かったです」
「あぁ、プロデューサーが時代を楽しまなければ、オーディエンスを楽しませることはできない……貴重な体験だったよ」
「お役に立てて光栄です!」
この時代を案内してくれたお礼を言ったのだ。そんな会話をしていると……
「よう!」
そこに、サングラスをかけた人物がやって来た。
「お前か……新任のプロデューサーってのは」
突然やってきたその人物に、ミイルは一礼をする。
「……あなたは?」
初対面のその人物に対し、ニラムはそう尋ねる。すると……
「デザグラ創設期からご活躍のプロデューサーの、ネメル様です」
ミイルは、ニラムにネメルを紹介した。
「……お目にかかれて、光栄です」
ニラムが立ち上がり、服装を正しながらそう言うと……
「困ったことがあれば、俺に訊くといい………パーフェクトにな?まぁ、精々頑張れよ?」
ネメルは笑いながら、そう返すのだった……。
side:ネメル
ニラムたちと別れたネメルは、戦国時代のとある森の中にやって来ていた。そんなネメルの前に……
『――――!!』
ルークジャマトが現れたのだ。ルークジャマトは攻撃する構えを取りながら、ネメルへと近づいてくるが……
「……よしなさいって」
どこからか現れたアルキメデルが、そう言って止める。
「どうだ、そっちの進捗は?」
「あぁ……IDコアは、いい肥料になりそうだ」
アルキメデルがそう言うと、ネメルは地面にあるひび割れたIDコアに目を向ける。
「ジャマトが進化すれば、地球の生態系が変わる………面白い世界が作れるな」
ネメルはそう言うが……
「いいんですか?いずれジャマトが、手の付けられない存在になっても」
アルキメデルが、そう忠告する。
「……お前は黙って言う通りにしていればいい」
「ほう……」
「敵は強くなきゃ面白くないだろう?」
ネメルはそれを聞き入れず、自分の指示に従うように言う。
「お咎めを……食らっても………知らないよ?」
アルキメデルがそう言った直後……
『♪』
「?」
近くに置いてあった電話が鳴り響く。アルキメデルは受話器を取り、誰かと話をしていた。そして……
「は~い………」
受話器を元の位置に置いた後、ネメルに向かって……
「……スエル様がお呼びですよ?」
「っ……!」
そう告げるのだった。
「お呼びですか?スエル」
スエルの呼び出しを受け、ネメルは創世の女神が管理されている場所に来ていた。そこには、既にスエルが立っており……
「ネメル………
本日をもってプロデューサーを解任する。今までご苦労だった」
ネメルに対し、プロデューサー解任を告げたのだ。
「っ………解任?何故ですか?」
解任される理由が分からないネメルは、スエルに理由を訊こうとする。
「デザイアグランプリの最高権力者である私の許可なく、ジャマトの改造を企てている……」
どうやら、ジャマトを改造しようとしていることがばれていたようだ。
「デザイアグランプリを面白くするためです。これまでもそうやって盛り上げてきた……パーフェクトなアイデアだ!」
ネメルは、ジャマトの改造をデザイアグランプリのためだと主張したが……
「動乱の世に影響を受け過ぎたみたいだな………お前の背任行為は許されない……!」
スエルはそれを一蹴した。
「っ……俺がジャマトを作り、アルキメデルに育てさせた………
デザイアグランプリの礎を作ったのはこの俺だ!」
「二度は言わない!お前は速やかに未来へ帰れ!!」
「っ………」
それでも食い下がるネメルだったが、スエルにそう言われてしまい、その場を後にするのだった。
スエルにプロデューサーの解任を言い渡されたネメルは……
「長年の俺の努力がどうだ………もうすぐ覚醒の時を迎えるってのによ……」
とある豪華な装飾が施された和室で、刀を持ちながらそんな独り言を呟いていた。すると………
「………覚醒?何のこと?」
そこに、何故かサマスがやって来たのだ。サマスはさっきのネメルの独り言が聞こえていたのか、そう訊いてきたのだ。
「俺は秘密を掴んだ……スエルは俺たちプロデューサーに隠してんだよ………ナビゲーターに秘められた能力を」
「……?」
サマスはそのまま、黙ってネメルの話の続きを聞いていた。
「ナビゲーターはな、創世の女神であるミツメのコピーとしてデザインされた存在だ。つまり………
ナビゲーターも創世の力を宿している」
「!?………そんなの初耳よ……」
その事実を聞いたサマスは驚愕しており……
「っ………こうなったら道連れだ……ジャマトに創世の力を宿して、この世界ごと破壊してやる……!」
ネメルは刀を抜いて振った後、不敵な笑みを浮かべながら、そう言うのだった……。
side:ニラム
ネメルが世界の破壊を企んでいる一方で……
「では、仮面ライダーをリクルートしてきます」
「あぁ、頼む」
ミイルは、今回のデザイアグランプリに参戦する仮面ライダーに、ドライバーとIDコアを届けに行こうとしていた。だが……
「……」
「……どうした?」
ミイルは急に立ち止まって、ニラムの方を向き……
「あの………今度のデザグラでも、選ばれるデザ神は……ただ一人ですか?」
そう言ったのだ。そんなミイルに対し、ニラムは立ち上がり……
「……それが、デザイアグランプリだろう?」
「……」
そう返した。すると、ミイルは……
「つい……思い入れしちゃうんですよね」
「……?」
「他の仮面ライダーの皆様も、幸せになって欲しいなって……」
そんなことを言い始めたのだ。
「……何故そう思う?」
「長い間、見守ってきましたので……彼らの切実な願いを」
「……願い」
「彼らはショーの駒じゃない……
この世界を必死に生きる、人間ですから」
「……!」
そう言うミイルに、ニラムはゆっくりと近づいていくが……
「!……一介のナビゲーターが失礼しました………では、行ってまいります」
「あ、あぁ……」
ミイルはニラムに謝罪して、ドライバーとIDコアを渡しに向かっていくのだった……。
side:ミイル
サロンから出てミイルは、ジーンが推薦した剣豪のいる神社跡まで来ていた。
「……」
そして、ミイルはその剣豪の前へと歩いていき……
「おめでとうございます!今日から貴方は、仮面ライダーです!」
ドライバーとIDコアの入ったボックスを差し出す。それを聞いた剣豪は、目を開き……
「仮面……らいだー……?」
刀を持ってその場から立ち上がり、ボックスを受け取ろうとした………その時、
「フッ!」
「っ!?」
突然、剣豪の背後から刀を持ったネメルが斬りかかってきたのだ。剣豪は何とか応戦するが……
「フッ!」
「ぐっ!?」
「オラァ!」
「ぐおっ!?」
そのままネメルによって致命傷を負わされ、殺されてしまったのだ。
「フハハハ……!」
「そんな………ネメル様……どうしてこんなことを……?」
ミイルは、恐る恐るネメルにそう訊いたが……
「ミイル………俺のパーフェクトな願いを、叶えてもらう」
「え……?」
side:ニラム
その頃、ニラムはサロンでミイルが戻ってくるのを待っていた………その時、
「ニラム様………ミイルが戻りません」
サマスがニラムに、ミイルが戻らないことを告げた。
「……確かに、遅すぎる」
「そのことと関係があるのか分かりませんが……スエル様から伝言です」
「伝言……?」
サマスは、スエルの伝言をニラムに伝える………その内容というのが……
「前任プロデューサーのネメルは解任した………
背任行為があれば、処分を命ずる……と」
というものだった……。
side:ミイル
『―――!!』
「な、何をする気ですか……!?」
ミイルは刀を突きつけられ、逃げられなくなってしまっていた。
「ん?生贄に捧げるのさ……創世の力を、ジャマトに与えるためにな?」
「創世の力……?何のことですか!?」
ネメルの言葉の意味が分からないのか、ミイルはそう訊いたのだが……
「お前の中にはな……世界を創り変える力が眠っているんだよ!」
「!?」
ネメルはそう言い、ミイルをルークジャマトの方に突き飛ばしてしまう。
『―――!!』
「いや!止めて!!」
「ハハハハハ!!」
ジャマトがミイルを襲っている様子を見て、ネメルは笑い声を上げるが……
「ネメル!」
そこに、ニラムが駆けつけてきた。
「ニラム……?何故ここが分かった?」
この場にいるニラムに対し、疑問を覚える。そして、ニラムの隣にいるサマスの方に目を向け……
「……」
「サマス……裏切ったのか……!?」
サマスがミイルのことをニラムに話したのかと、そう訊いたが……
「……何のことでしょうか?」
「っ……!」
ネメルに分かるように、笑みを浮かべた。
「どういうつもりだネメル!何故ミイルをそんな目に……!」
ニラムにそう言われたネメルは、刀をミイルへと向け……
「っ………」
「デザイアグランプリ史上……最強の敵を生み出すためさ……!」
「最強の……敵……?」
「ジャマトの破壊神を生み出し、この世界を破壊する……オーディエンスも、自分の命が懸かった方が興奮するだろう?最高のエンターテインメントだ……ハハハハハ……!」
自身の目的をニラムに明かしたのだ。すると……
「………死にたくない」
「あ?」
ミイルはネメルに聞こえるくらいの声でそう言い……
「ニラム様!!」
「……!」
「この世界を壊したくない!私は……仮面ライダーの皆様を見届けたい!!」
続いてニラムに、自分の願いを大声で言ったのだ……が、
「俺の……エンターテインメントの駒となって消えろ」
ネメルは冷たくそう言い放つ。その様子を見て……
「っ……」
『彼らはショーの駒じゃない……この世界を必死に生きる、人間ですから』
ニラムはあの時のミイルの言葉を思い出しながら……
「駒……じゃない……!」
「……?」
「肉体を得て、生きた時間は……彼女にとってのリアルだ!」
『美味しいものを食べると、幸せになれます』
「今までリアリティーショーをプロデュースしてきたのに……そんなことも分からないのか!ネメル!!」
ネメルに対し、そう言い放った。
「リアリティーなんてものは存在しない。全ては所詮……俺たちが仕組んだフィクションだ!ジャマトも仮面ライダーも全てな!!」
「思い上がるな!!」
ニラムは、地面に突き刺さっていた刀を手に取り……
「ハァァァーー!!」
ネメルに向かって斬りかかっていく。
「フンッ!」
「っ!」
「ハァ!」
ニラムとネメルは、互いに刀で斬り結んでいくが……
「ハハハハハ……!」
「っ!ハァ!」
「オラァ!」
「くっ!?」
ネメルに切られ、ニラムは頬に傷を負ってしまう……。
「っ……」
「ハハハ……まだ、肉体の使い方に慣れていないようだな!」
ネメルはそう言いながら、再びニラムに斬りかかろうとしたが……
「フッ!」
「っ!?」
「ハァ!」
「ぐっ!?」
ニラムはハンカチをネメルに投げて邪魔をし、その隙にネメルの手の甲に傷を負わせたのだ。
「はぁ……はぁ……」
「痛いか?それが……この世界のリアルだ!」
「いいやフィクションだ!全ては3.5次元の疑似体験に過ぎない!」
「我々は知るべきだ……かつての人類の生き様を……!!」
「……青いなぁ……古代に思いを馳せたきゃ、学者にでもなってろ!!」
「ZILLION DRIVER」
ネメルは腰に、ジリオンドライバーを装着する。それを見たニラムも……
「VISION DRIVER」
ヴィジョンドライバーを装着し……
「GAZER LOG IN」
ヴィジョンドライバーの上に指を乗せ、指紋を認証させた。対してネメルも、腰のホルダーに仕舞われていたシリウスカードを口に咥え……
「GAZER ZERO SIGN-IN」
ジリオンドライバーの上に指紋を認証させ、口に咥えていたカードを手に持ち、手を回す動作を取る。その後………
「変身……!」
「GENERATE」
ドライバーにカードをスラッシュさせた。ニラムも、ホルダーに仕舞われていたプロビデンスカードを持ち……
「……変身!」
「INSTALL」
ドライバーにスラッシュさせる。
「CONTROL WITH ABSOLUTE POWER,GAZER ZERO」
ネメルの方では、緑色のドミニオンレイが周りを飛び回り、赤いラインがスーツを形成し、そこにドミニオンレイや赤いマフラーが装着され……仮面ライダーゲイザーゼロへと変身したのだ。
「INNOVATION & CONTROL GAZER」
ニラムの方でも、白と金のドミニオンレイが飛び回ってスーツが形成され、仮面ライダーゲイザーへと変身したのだった……。
side:ニラム
「フハハハ……」
「っ……」
それぞれ変身した二人は、互いに近づいていき……
「ハァ!」
「オラァ!」
ニラムは拳を突き出したが、その前にネメルが蹴りを入れてきて、攻撃を跳ね返されてしまう。
「ハァ!」
「オラッ!」
その後は二人とも互いにパンチを繰り出し、相手にダメージを与えようとしていたが……
「CYCLONE」
「オラッ!」
「くっ……!」
またしてもネメルに蹴りを入れられ、ニラムは体制を崩してしまった。その後も、互いの身体にパンチを食らわせていくが……
「フッ!」
「ハァ!」
「ぐっ!?」
「オラッ!」
生身の身体の扱いに加え、戦いにも慣れているネメルに、ニラムは押されていく。
「DELETE」
「ハァァァーー……!」
「BURST」
「ハァァァーー……!」
二人はドライバーにカードをスラッシュさせて、互いに構えを取り……
「フッ!ハァ!」
「ハァ!オラァ!」
衝撃波を乗せたパンチやキックを繰り出していく。そして……
「オラッ!ハァ!」
「ぐあっ!?」
ネメルがニラムを吹き飛ばしてしまったのだ。
「あっ……!」
その様子を見て、ミイルはなんとかルークジャマトから逃げ出そうとしたが……
『――――!!』
「あああああああ!!」
直ぐに捕まってしまい、ジャマトに食べられるように取り込まれ始めたのだ。
「っ!ミイル!?」
「オラッ!ハハハハハ……!」
助けに行こうとしたニラムだったが、ネメルに後ろから抑えつけられてしまう……。
「うっ……!?」
「ぐっ……ネメル……!」
「ハハハハハ!!」
ニラムは、ネメルから抜け出そうと抵抗するが……
「あああああああ!!」
「何処見てんだよっ!」
「っ……離せ……!!」
ジャマトに取り込まれていくミイルを見ていることしか出来ずにいた………そして……
「―――」
「っ!ミイル!!」
そのままミイルは、ルークジャマトに取り込まれてしまった……。
「ハハハハハ!そう嘆くな……ナビゲーターの代わりなんていくらでも作れるだろう?」
「っ………」
その光景を見て、ニラムは膝をついて拳を握りしめる……。
「彼女の代わりなどいない………ミイルは……ミイルだ……!」
そう言うニラムに対し……
「オラッ!オラッ!オラッ!」
「ぐっ!?」
「オラァ!」
ネメルはニラムの胸倉を掴み、容赦なく攻撃を加えていく。さらに……
「BURST」
「ハァ……フンッ!」
ドミニオンレイを飛ばし、ニラムに向かって攻撃を浴びせ……
「ぐっ……」
その場に再び膝をつかせたのだ………が、
「何だよ……そんなもん――――っ!?」
「フッ!」
そこに、変身したジーンが現れて、ネメルの腕を掴み……
「ハァ!」
「ぐおっ!?」
レーザーレイズライザーの連射によって、ネメルを吹き飛ばした。
「あぁ!?」
「ジーン……!」
ネメルを攻撃したジーンは……
「ネメル……俺の推しの剣豪をどうしてくれてんだよ?デザグラにエントリーするのを楽しみにしていたのに」
自分が推薦した人物が、デザイアグランプリに参戦する前に殺されてしまったことに対し、文句を言ったのだ。
「………オーディエンスが邪魔をするな!」
「オーディエンスに感動を与えるのが、お前たち運営の仕事だろ?」
「感動……?ハハハハッ!感動!………くだらない。所詮はフィクションだろ!!」
ネメルは、ジーンの求めている感動をフィクションだと言うが……
「リアリティーを……冒涜するな!!」
「はぁ?」
「それこそが我々の目指すべき、デザイアグランプリだ!!」
ニラムは、感動を含めたリアリティーがデザイアグランプリのあるべき姿だと言い放った。
「俺も期待しているよ?リアルな感動を!」
ニラムにそう言い、ジーンはネメルへと接近していく。
「フッ!ハァ!」
「っ!オラッ!」
そうして、ジーンがネメルを抑えているうちに……
「っ……」
ニラムはドライバーにカードをスラッシュさせ……
「DELETE」
「ハァァァーー……!」
『――――!!』
「ハァ!!」
『――――!?』
近づいてきていたルークジャマトを一撃で倒したのだ。それと同時に、地面に五つの濃い桃色の角のようなものがついた、白い物体が落ちていく……。
「!」
「っ!?俺の最高傑作を……よくも………!!」
ミイルを取り込んだルークジャマトが倒されたことで、ネメルは怒りをあらわにする。
「いくぞ、ニラム!」
「あぁ……!作為に満ちたフィクションに……価値はない!」
ニラムはそう言った後……
「フッ!ハァ!」
「っ!オラァ!」
「ハァ!」
「ぐあっ!?」
ジーンの銃撃との連携で、ネメルに攻撃を食らわせていく。
「ハァ!」
ジーンはさらに、至近距離で銃撃を加えようとしたが……
「フンッ!」
「っ!?」
ネメルに腕を掴まれ、銃撃を封じられてしまう。だが……
「フッ!」
「なっ!?」
すぐさま重力操作を発動させてネメルを宙に浮かせ、自身は木を足場にして横に立ち………
「ハァ!」
「ぐあっ!?」
抵抗できない状態で、地面に撃ち落していく。ネメルが落ちた先には、ニラムが待ち構えており……
「DELETE」
「っ!」
「BURST」
「うおおおおおお!!」
互いにドミニオンレイを浮かせ、相手に攻撃を仕掛けていく。
「「ハァ!」」
始めの攻撃は、互いに同じ位置で撃ちあっていたが……
「フッ!」
「ぐっ!?」
ニラムが下にドミニオンレイを移動させてネメルを撃っていき、ダメージを与えていく。
「くっ……!」
歩きながら撃ち続けてくるニラムに対し、ネメルはドミニオンレイでバリアを張るが……
「フッ!」
「ぐっ!?」
「ハァ!」
「ぐおっ!?」
ニラムのドミニオンレイで撃たれてひび割れてきたところを、パンチによって破壊され、蹴りによってそのまま吹き飛ばされたのだ。
「くっ……!」
そして、二人は並び立ち………
「SUPPORT MODE」
ニラムはカードを二回スラッシュさせ、ジーンはレーザーレイズライザーのレバーを二回倒す。
「MAXIMUM」
一方でネメルも、カードを二回スラッシュさせ、構えを取り……
「お前ら………許さんぞ……!!」
そう言って、二人に向けて駆け出したのだ。それに対し……
「SHUT DOWN」
「LASER CHARGE」
「「フッ!」」
二人もネメルを迎え撃つために駆け出していき……
「「ハァ!」」
ネメルの攻撃を避けたり相殺しながら、蹴りなどを繰り出していき……
「ネメル!!」
「っ!?」
「「ハァァァーー!!」」
「ぐっ!?」
最後は二人同時にキックを食らわせ……
「ああああああ!!」
ネメルを撃破したのだった……。
side:ネメル
「ぐっ……」
ニラムとジーンの二人に敗北したネメルは、森の中をふらつきながらも歩いていたが………
「っ……」
「やれやれ………だから言わんこっちゃない」
そのまま消えてしまったのだ。その光景を見たアルキメデルが、ふと足元を見ると……
「ん……?おぉ!?」
そこには、ミイルを取り込んだルークジャマトを倒した時に出てきた、白い物体が落ちていて……
「これは………変種か……!」
その物体を手に取り、アルキメデルはそう呟いた。
「おぉ……ヒヒヒヒヒヒ!」
そして、笑い声を上げ……
「育て甲斐がありそうだ……!」
そう言いながら、この場を後にするのだった……。
side:ニラム
その頃、創世の女神が管理されている場所では……
『ナビゲーターツムリ、デザインを完了しました』
ミイルの後のナビゲーターとなる、ツムリがデザインされていた。
「ようこそ……この世界へ」
デザインされたばかりのツムリに、ニラムがそう声を掛ける。
「初めまして、ニラム様」
「ツムリ……君を、私の開催するデザイアグランプリのナビゲーターに任命する」
「かしこまりました」
そして、ツムリを新しいナビゲーターに任命したニラムは……
「まずは……この時代を知るために、団子でも食べに行こうか」
ツムリに向かい、そう言ったのだ。
「団子を食べに……?そのようなことが必要でしょうか?」
ニラムのその言葉に、疑問を覚えていたツムリであったが……
「この時代のリアルを知るのは重要なことだ。仮面ライダーの願いを………見守る存在としてな?」
「!……なるほど………」
その理由に、ツムリは納得した様子で頷いたのだった。
「ふぅ……」
「……?」
ツムリと一緒に外を歩いていたニラムは、神社の階段の上で背伸びをして空気を吸う。ツムリも戸惑いながらも、ニラムと同じように空気を吸った。そして、二人は階段の上に座り……
「さぁ、食べるといい」
「これが……?」
「あぁ、団子だ」
ニラムはツムリに、団子の入った入れ物を差し出す。ツムリは恐る恐るといった様子で、団子の刺さった串を取り、団子を一つ口に運んだ。
「……!?」
「……どうだ?」
ニラムがツムリに団子の感想を訊くと……
「美味しい……!」
そう言って、もう一つ口に運ぶ。
「これが……」
「そうだ……これが、この時代のリアルだ」
そんなツムリの様子を見て、ニラムは初めて自分が肉体を得た時のことを思い出すのだった。
それから少しして………
「それでは、行ってまいります。ニラム様」
「あぁ、頼んだぞ」
ツムリはデザインされてから初めて、デザイアグランプリに参加する仮面ライダーに、ドライバーとIDコアを渡しに行くのだった……。
side:???
とある軍の陣地で………
「明後日には、敵軍のいる地に辿り着けるかと」
「なるほど………ご苦労だった」
「!もったいなきお言葉………では若様、拙者はこれで」
「うん、休息はしっかりとね」
「ははっ」
とある人物たち……『若様』と呼ばれた人物とその臣下だろうか………進軍の状況についての話をしていた。
「となると、今回の策は――――」
そして、若様はその場で戦に向けて策を考えていた……この若様は、若いながらこの軍の軍師も務めていたのだ………その時、
「失礼いたします」
「……どうしたの?何かあった?」
そこに、兵士の一人が入って来る。若様は何か問題でも起きたのかと思い、その兵士に訊くが……
「いえ、それが………若様に客人が……」
「客人……?」
どうやら違うようで、兵士の話では客が来たというのだ。
「それってどんな……?」
「はい……白と黒の格好をしている女で………何やら奇妙な黄色と黒の箱を持っておりまして―――」
「奇妙な黄色と黒の箱………まさか……」
「若様……?」
兵士の言葉を聞いて、何かに気付いたのか若様は……
「……お通しして」
「!宜しいので……?」
「但し、丁重にね」
「ははっ!」
その客人を通すことにした………それから少しの間、考え事をして待っていると……
「おめでとうございます!」
そう言いながら、ツムリが若様の前へと現れ……
「今日から貴方は、仮面ライダーです……
真田白亜様!」
ドライバーとIDコアを渡してきた。
「……」
それを若様………真田白亜は、真剣な面持ちで受け取る………そんな白亜の後ろでは、六文銭の旗が風ではためいているのだった……。
side:ニラム
『ID:ニラム、記憶領域のリデザインが完了しました』
「っ……!」
「全て思い出したかい?」
「あぁ」
ニラムの記憶領域のリデザインが完了し、今までのことを全て思い出した………その時、
『侵略者を確認、侵略者を確認』
「「!?」」
突然、警報が鳴り響いた。
「急ごう!」
「あぁ!」
ジーンとニラムは、急いで外へと向かう。そして、辿り着いたのだが………
「あ、あれは………!?」
『―――――!!』
そこには、チェスの女王の駒のような形をした巨大なジャマトが、触手で次々と人々に襲い掛かっていたのだ。
「何でジャマトが!?ここには来られないはず……!!」
「まさかこれが………ネメルの言っていた……ジャマトの破壊神か……!!」
「っ!ハァ!」
「ジーン!?」
ジーンはジャマトの破壊神に向かって、レーザーレイズライザーを連射した。その攻撃は命中するものの、ダメージを与えられた様子はない……。
「もはや人類滅亡は、避けられないリアルか……!」
すると……
『―――!!』
「!?」
「ジーン!!」
触手がジーンを貫こうと、向かってきたのだ。そして、それによってジーンが貫かれようとしていた………その時、
「フッ!」
「「っ!?」」
ジーンの目の前に壁が現れ、触手を防いだ。そこには……
「君は……!」
「……」
何故か、白い髪のハクア(?)が立っていたのだ………そして、そのハクアはジャマトに目をやると……
「………ゲートを開いて」
一言、ニラムにそう言い放ったのだ。
「まさか……!」
「止める方法は……ただ一つ」
「……行くというのだな」
「……」
ニラムのその言葉に、白い髪のハクアは静かに頷く。それを見たニラムは、ヴィジョンドライバーの上に指をかざし、四次元ゲートを開く。
「……」
白い髪のハクアは二人に目を向けた後、そのままゲートへと入っていった。その姿を見て……
「世界を変えられるか……
フォルス……!」
ニラムはそう呟くのだった……。
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読んでくださりありがとうございます。
最後の辺りに、少しオリジナルの展開も足した、この小説の『仮面ライダーゲイザー』でしたが、いかがでしたでしょうか。次回から本格的に、Vシネ編の話へと入っていきますので、どうぞお楽しみに……。
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それでは、次回もよろしくお願いします。