夫を失い、ジャマトへとなった葉月を止めようと戦うアクアたち………ですが、突如として四次元ゲートが開き、そこから現れたのは……?
この章の話には、『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』のネタバレが含まれます。それでもいい方は、どうぞご覧ください。
side:アクア
「……」
「何で……」
「ハクアが……もう一人……?」
「銀色のフォルス……そんなバカな……」
目の前で、銀色のフォルスへと変身した白い髪のハクアを見て、俺たちは思わずそんなことを口にしてしまう………すると……
「BOOST CHARGE」
銀色のフォルスは、武器の後ろに付いた引き金を引いてから背中のマントに力を纏わせる。それは、武器の剣の部分へと溜まっていき……
「BOOST TACTICAL VICTORY」
それを刃の形をしたエネルギーとして飛ばし、俺たちに攻撃を食らわせたのだ。それによって……
「「ぐあっ!?」」
「うわぁ!?」
俺たちは一撃で変身を解除され、地面に倒れてしまう……。
「な、何で攻撃を……やっぱり、ハクア君じゃないのか……?」
透さんはそう言いながら、銀色のフォルスを見るが……
「いや……」
「あれは……」
俺とルビーは、どうしてもあれがハクアと別人だとは思えなかったのだ……。
『っ!今のうちに……!』
「お母さん……?」
そんな光景を見て、奥さんはジャマトから人間の姿へと戻り……
「早く行きましょう」
春樹と呼ばれていた子を連れて、何処かへ逃げていったのだ。それと入れ違えになるよに……
「っ!みんな無事?」
「」
母さんと同じ髪色をして、それを後ろで結んだ髪型をした……俺たちの弟であるハクアが現れたのだ………なら、あのハクアは一体……?
「あれは……」
そして、ハクアは銀色のフォルスを見て………俺たちよりも前へと歩いていき……
「とりあえずは……
お手並み拝見かな?」
「X BOOST」
「SET IGNITE」
そう言いながらバックルを構え、分離させてからドライバーにセットする。そして……
「変身!」
「REVOLVE ON」
「っ!」
「DAYBREAK BOOST」
「FALSE X」
変身しながら、銀色のフォルスに向かって駆け出していき……
「READY FIGHT」
「ハァ!!」
攻撃を仕掛けていくのだった……。
side:ハクア
「フッ!ハァ!」
「っ!ハァ!」
僕は銀色のフォルスに向かって攻撃を仕掛けるが、それは容易く防がれ互いに武器や格闘術を使っての戦いになっていく。
「っ!ハァ!」
「くっ!?」
「フッ!」
「ハァ!」
だが、互いの実力は拮抗していて、中々有効な攻撃を加えることが出来ずにいた……。
「っ……」
「なら……!」
そんな中、僕は一度距離を取り……
「RAILGUN」
「MAGNUM BOOSTER」
「っ!」
マグナムバックルを銃型へと変形させたフォルスクロスバスターにセットして、マグナムシューターを召喚し……
「ハァ!」
右手にフォルスクロスバスター、左手にマグナムシューターを持った二丁拳銃の状態で、銃撃と近接攻撃を仕掛けていく。
「フッ!」
その攻撃を、銀色のフォルスはダメージを最小限にして防いでいく。それに対し……
「っ!ハァ!」
両手の武器で、同時に銃撃を放つが……
「フッ!ハァ!」
「っ!?」
それを避けて攻撃を食らわせてきて、僕はそのまま後ろに吹き飛ばされてしまう………それから僕が着地した後……
「DAYBREAK BOOST TIME」
「PUNISHMENT BOOST TIME」
「「……!」」
互いにバックルのレバーを二回倒し、それぞれの武器を構える。そして、もう一度レバーを倒し……
「DOOMS FALSE VICTORY」
「フッ!!」
銀色のフォルスは、銀色の狐を召喚して僕に向かわせてきたのだ。
「っ!」
それを僕は、横に回転しつつ避けて左手を地面について着地し、すぐさま……
「X BOOST VICTORY」
「ハァ!!」
銀色のフォルスに対し、こちらも黒い狐を召喚して向かわせたのだ。
「っ!」
だがそれは、ギリギリのところで避けられ……
「ハァァーー……!」
銀色のフォルスは、僕に攻撃を仕掛けてくる。
「ハァ!」
「っ!ハァ!」
「フッ!」
「くっ……!」
その攻撃を僕は武器で受けたが、その隙を突かれて腕を掴まれ、投げ飛ばされてしまう。
「フッ!ハァ!」
その後、上手く地面に着地した僕は再び召喚していた黒い狐を向かわせる。それと同時に、あちらの銀色の狐も向かってくるが、僕の黒い狐と激突して爆発し、相打ちとなってしまう。
「「っ!ハァ!!」」
創世の力で攻撃を仕掛けたが………
「それは……創世の力……!?」
あちらも創世の力を使い、攻撃を相殺してきたのだ。
「流石はフォルスだね………なら……!」
そして……
「「フッ!」」
互いに創世の力で、周りの壊れた部分を逆再生のように元に戻すと……
「っ!」
「ハクア!!」
もう一人の僕と共に、四次元ゲートの中へと入ってしまうのだった……。
「っ!」
「……」
四次元ゲートへと入れられた僕は、そこでもう一人の僕と相対していた。
「この時代も、随分と懐かしいよ………本当に……ね?」
「君は………未来の僕?」
何で未来の僕がここに………そんなことを思っていると……
「君たちが世界を滅ぼす気なら………たとえ誰であろうと、僕は容赦しない」
僕に向かい、そう口にしてきたのだ……。
「僕たちが……世界を……?」
世界を滅ぼすって、一体……?
「……」
もう一人の僕は、黙ったままこちらに目を向けてきて……
「この時代から1000年後の未来………世界はゴッドジャマトによる侵略を受けている」
「ゴッドジャマト……?」
そんなジャマトが、未来で……?
「ゴッドジャマトは突如として、宇宙に存在するデータ空間へと侵略してきた。そのせいで……多くの人が消滅した」
「……」
未来で起きたことの話を、僕は黙って聞いていた。
「ゴッドジャマト誕生の起源は………
紛れもなくこの時代だ」
「!……だから来たの?」
なるほど……あらかじめ、原因そのものを潰そうとしているわけか……
「そうだよ……コッド誕生は、何としても阻止する………だから、邪魔しないでほしいんだけど?」
「それって………あの母親を殺すってこと?」
「……あの母親が、ゴッドジャマトだった場合はね」
「っ……」
「それが、僕が創世の神としてすべきことだよ」
もう一人の僕は、はっきりとそう言い切る。それに対し……
「誰かの幸せを犠牲にしてまで救って……それで本当に救ったと言えるの?」
僕はそう言い返した……あの母親が死んでしまえば、その子供であるあの子が不幸になる。多くを救えても誰かが不幸になるのなら、それを見過ごすわけにはいかない………だが、
「……そう言うと思ったよ」
「っ!?」
もう一人の僕はそう言った後、右手を狐の形にして僕へと向け、創世の呪縛で拘束してきたのだ。そして……
「僕が全て片付ける………そこで大人しくしてて」
「っ……」
そのままこの場から姿を消し、何処かへ行ってしまうのだった……。
side:あかね
「ハクア君が……?」
「うん、白い髪をしたハクアと……そのまま……」
「……」
サロンへと来た私は、ハクア君が向かった先で起きたことの顛末を聞いていた……この場には、私やあの場所にいたアクア君たちの他に、大智さん、道長さん、ツムリさんがいる。すると……
「もう一人のハクア………二人はどう思う?」
アイさんが、アクア君とルビーちゃんの二人にもう一人のハクア君について、そう訊いたのだ。
「私は……とても偽物だとは……」
「俺もだ……根拠はないけど、あれはハクアだとしか……」
二人はもう一人のハクア君を見て、大分動揺しているようで……
「そう……なんだ……」
その様子を見て、アイさんも心配そうな表情をした………ハクア君、今どこに……。
「フォルスの方もそうだが……ジャマトの方もだ」
「そうだな……そっちもどうにかしないと……」
そんな話をしていると……
『!?』
突如として、目の前に四次元ゲートが開いた。その直後、その中から……
「おっと……」
「久々……でもないわね?」
とある二人が現れたのだ。その二人というのが……
「ジーン君……!?」
「「ベロバ……!?」」
ハクア君のサポーターであるジーン君と………透さんと道長さんに倒されたはずのベロバだった……。
「お前……何で……」
「死んだはずじゃ……」
「勝手に殺さないでくれる?私はただ、未来に帰っていただけよ?」
「俺たちは、別の時代で死んでもリデザインされて復活するんだ……元の時代で破壊されない限りはね」
「「へぇ~!」」
その事実に、ルビーちゃんとアイさんが驚いていると……
「それで……何でお前たちがこの時代にいる?」
「ジーンはともかく……お前はまた何か企んでないだろうな?」
道長さんと透さんは、ベロバにそう言うが……
「私信用無いわね~?」
「そりゃそうだろ………俺たちは、ニラムからのメッセージを伝えに来たんだ」
ジーン君が、この時代に来た目的を私たちに話すのだった……。
side:ベロバ
ベロバとジーンが、ハクアたちの時代に来る少し前……
『―――!!』
「ちょっと!こんなの訊いてないわよ!!」
ゴッドジャマトが侵略してきている光景を見て、ベロバはニラムに向かってそう文句を言う。
「気持ちは分かるけど……そんなこと言ってる場合じゃないだろ?」
「っ……」
すると……
「ジーン、ベロバ……頼みがある」
「は?」
「頼み……?」
「これを持って、あの時代に行け……そして、私のメッセージを伝えるんだ」
ニラムはそう言って、ヴィジョンドライバーを渡してきたのだ。そして、ベロバはニラムからヴィジョンドライバーを受け取る………その直後、
『―――!!』
「うっ!?」
「ぐっ!?」
「っ!」
ニラムとベロバはゴッドジャマトの触手の攻撃を受け、怪我を負ってしまう。ジーンにも攻撃が向かってきたが、ギリギリのところで回避する。
「っ……早く行け!」
その言葉を聞いた二人は……
「……行くぞ」
「これが……最後の時間旅行になるかもしれないわね……」
四次元ゲートを通り、ハクアたちの時代へと向かうのだった……。
side:透
「それで……これがメッセージよ」
ベロバはそう言いながら、ヴィジョンドライバーの上の部分に指を置いた。すると……
『仮面ライダー諸君……私からのメッセージを伝える。その前に、我々の現状を先に話しておこう』
空中にニラムの映った画面が投影される。
『君たちの時代から100年後……地球は突然変異した植物種によって滅ぼされる』
そして、ニラムは未来の世界のことについて話し始めた。
『滅びを回避するために、人類は進化を遂げた。我々は宇宙に巨大なデータ空間を構築し、そこにデータの身体となって移り住んだ………それにより、平和を享受することができた』
『進化した人類は、自身の姿や年齢を自由にデザインすることができるようになった……だが、その世界には娯楽がなかったのだ。そこで生み出されたのが……デザイアグランプリ』
『我々はいくつもの時代でデザイアグランプリを開催し、オーディエンスたちを楽しませてきた………それから先は、君たちも知っている通りだ』
その話を俺たちは静かに聞いていた………100年後に地球が滅ぶという話は、神殺しが襲来してきた時に知ってはいたものの、詳しい内容を知るのは初めてだった……。
『だが、それは突如として現れた………ジャマトの破壊神であるゴッドジャマトは、我々の住む宇宙のデータ空間に侵略を開始した』
『そのゴッドジャマトが誕生した起源だとされているのが………君たちの時代だ』
『!?』
『分かっているとは思うが、君たちにはゴッドジャマト誕生を何としても阻止してほしい………世界を変えてくれ……
仮面ライダー』
その言葉で、ニラムのメッセージは終わっていた。
「近い将来、世界が滅ぶっていう話は聞いていたけど……」
「未来でそんなことが起きているなんてね……」
「それに、ピンポイントでこの時代だとは……」
そのメッセージを聞いて、周りはそんな反応をしていた。すると……
「そうだ……ジーン」
「?何だい、アクア」
「……白い髪のハクアについて、何か知っていることはないか?」
「……!」
アクア君がジーンにそう訊いたのだ。
「……」
「ジーン君……?」
だが、何故かジーンは黙り込んでしまう……。
「……何か知っているんだな?」
「……あぁ」
アクア君が確信を持ったように訊くと、ジーンは神妙な面持ちで返事をする。そして……
「あれは………
この時代から1000年後のハクア……もちろん、この時代のハクアと同一人物だ」
『っ……』
そう、俺たちに告げるのだった……。
side:あかね
白い髪のハクア君の正体を聞いたみんなは、思わず黙り込んでしまった………まさかハクア君本人で、アクア君たちに攻撃するとは思ってもみなかったのだから……。
「ハクア君も、ゴッドジャマトを……?」
「あぁ、俺たちよりも先にこの時代に向かっていったよ」
そして、この時代に到着した時にアクア君たちと……
「ハクアは、何で私たちを攻撃して……?」
「俺たちを攻撃してきたが、それ以上は何もしてこなかったよな……」
ルビーちゃんとアクア君がそう言うが、それは本人に訊いてみないと分からないだろう………けど、きっと未来のハクア君も……
「お義姉ちゃん?」
「!ううん、何でもないよ」
どうやら、少し考え事に夢中になっていたみたい………すると……
「とにかく、まずはあの親子を探してみるしかないか……」
「僕の方でも、色々と手を尽くそう」
「それに、この時代のハクアも探し出さないとね……」
アクア君、大智さん、アイさんがそう言い、それぞれがゴッドジャマトの誕生を阻止するために動き出すのだった……。
side:透
みんなで話し合った後、俺はあの母親と子供を探していたのだが……
「……お前、道長の方にいたんじゃないのか?」
「順番よ順番」
道長について行ったはずのベロバが現れ、今度は何故か俺についていき始めたのだ。
「……ついてくるなよ」
「え?いいじゃない別に~」
そんなことを言いながら歩いていると……
「っ……!」
突然、俺の胸の辺りに痛みが走る………この痛み、あの男の子の母親がジャマトになった時も……
「へぇ……ミッチーよりも進んでいるのね?」
「………何がだ?」
俺がそう訊くと……
「トッチーももう分かっているでしょう?
自分がもう人間じゃないってことに」
「っ……」
「あんたの身体にはジャマトの因子が根付いている……ジャマトバックルを使った影響ね。もちろん、ミッチーの身体にもジャマトの因子はあるけど、あんた程ではないわよ。まぁ、体質やら適性の問題ね?」
俺と道長………特に俺は、戦いの中でジャマトバックルを多く使った。それに加え、俺の方がジャマトの因子に対しての適性(?)があったらしく………その影響が、ここで出てきたんだろう……。
「アハハハハ!ホント滑稽ね~?このフォルスが創った世界で、あんた自身も幸せになれると思ったの?」
そんなベロバの言葉に対し……
「黙れ……もう、お前の思い通りになると思うなよ……」
そう言い残し、俺はその場からベロバを置いて離れていくのだった……。
「っ……この姿でいられるのも、あとわずかのようね……」
読んでくださりありがとうございます。
漆黒の九尾対白銀の九尾の戦いが起きましたが、その後の話し合いの後にハクアは拘束されてしまい………さらには、透にも異変が……?
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それでは、次回の話もよろしくお願いします。