女神の子   作:アキ1113

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 今回で、一気にゾンビサバイバルゲームを終わらせたいと思います。

 果たしてルビーは、勝つことができるのか?この小説でのダパーンはどうなるのか?

 それでは、どうぞご覧ください。


始動Ⅺ:諦めない者

 side:アクア

 

 「なぁ、ハクア」

 

 「何?」

 

 第二ウェーブが終わり、サロンへと戻ってきた俺はハクアにあることを聞いた。

 

 「なんで、あいつにあんなことを言ったんだ?正直、お前があそこまで言う義理はないはずだろう?」

 

 第二ウェーブが終わった直後に、ハクアが言ったあの言葉はまるであいつを立ち直らせようとしているように見えた。俺が言った通り、ルビーを道連れにしようとしたやつにあのような言葉を掛ける必要はないと思うが……。

 

 「あぁ…それね……」

 

 少し考えたあと、ハクアは話し始めた。

 

 「最初にいっておくと、僕は善人でも何でもないよ。確かに、ダパーンは姉さんを道連れにしようとした。でも……」

 

 「でも?」

 

 「誰かが死ぬよりも生きていた方がいいでしょ。例え、それが誰であろうとも……」

 

 「やっぱり、優しいな……お前は」

 

 そうハクアの頭を撫でながら言う……が

 

 「それは違う」

 

 俺の手をどかしながらそう言ったのだ。

 

 「どれもこれも、自己満足だよ。死なれると寝覚めが悪いだけ……」

 

 まったく…こいつは……

 

 「それでも優しいよ、お前は」

 

 「えぇ……」

 

 そんな会話をしていると

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 「姉さん?どうしたの?」

 

 「え?ううん、なんでもない……」

 

 何だか、ルビーの様子がおかしい。息が荒い……?……まさか!

 

 「姉さん!?」

 

 ルビーが体勢を崩して倒れてしまった。そして、その拍子に首元が見えた。

 

 「ルビー、お前……」

 

 「あはは……やっちゃったなぁ……」

 

 「おいおい、ルビーちゃん嚙まれてんじゃん!」

 

 ルビーは墨田奏斗に道連れにされそうになった時に、ゾンビに嚙まれていたのだ。

 

 「お前ら!何で気づかない!?三つ子何だろ!?」

 

 「それには同感するが、今はルビーをとりあえず横にすることが先だ」

 

 「うん、ギロリさん。何処かに休ませる場所は?」

 

 「それならこちらに……ただ、準備をしないと使えないもので」

 

 「分かりました」

 

 「了解です」

 

 そうして、俺たちはギロリさんを手伝うことにした。

 

 

 side:ハクア

 

 僕たちが準備を終えて、ラウンジへと戻ってきたのだが……

 

 「ルビー、準備できたぞ……ルビー?」

 

 「それに、小金屋森魚様もいらっしゃいませんが……」

 

 姉さんがいない。それにメリーも……すると

 

 「!ここにいたか…」

 

 「透さん!?」

 

 透さんが慌てた様子で戻ってきた。

 

 「どうしたんですか?それよりも姉さん知りませんか?」

 

 「ルビーちゃんなら、さっきメリーに連れて行かれるところを見た!」

 

 「「はぁ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 そして、透さんの案内で姉さんがいるところに行くと

 

 「おお、来たか」

 

 「「!?」」

 

 そこには、ダパーンと一緒に手を拘束されている姉さんがいた……。

 

 「……何してんの」

 

 「何ってそりゃあ、この二人はゾンビに嚙まれちまってる。だからここで、閉じ込めておいているんだよ」

 

 ……こいつ

 

 「あんた……とにかく、解放するぞ」

 

 「はぁ?何言ってんだよ。解放したら、俺たちが危ないんだぞ!!」

 

 ……うるさい

 

 「それかゾンビなんだからここで倒した方が」

 

 ……黙れよ

 

 「おい、あんたいい加減に……「変身」!?」

 

 「ZOMBIE」

 

 僕は変身し、メリーにゾンビブレイカーを突きつける。

 

 「「「「!?」」」」

 

 「お、おい…どういうつもりだ」

 

 「……」

 

 その場にいる全員が驚いているようだが、そんなのお構いなしに話を続ける。

 

 「どういうつもり?そっちこそどういうつもりだ……」

 

 「……ハクア?」

 

 「何のって……俺は……そう!みんなのために「はぁ?」ひっ……」

 

 「違うだろ?自分の為だろう?」

 

 「……」

 

 「はぁ……僕はなるべく周りの人に死んでほしくないと思っている」

 

 この言葉は本心だ。

 

 「……けど」

 

 「け、けど……?」

 

 「二度はないよ」

 

 そういうと、メリーは逃げるように部屋を出ていった。そして、僕は変身を解除して姉さんの拘束を解く。そして、ダパーンの拘束も解いたが、直ぐにその場を去ってしまった。

 

 「ふぅ……」

 

 「……ありがとね、ハクア」

 

 姉さんはお礼を言ってくれたが……

 

 「……ごめん」

 

 「……え?」

 

 僕は謝罪をする。こうなったのは、僕のせいだから……。

 

 「な、なんで?」

 

 「あの時、僕がもっと早く来ていれば……」

 

 「違う!あれは、私が……」

 

 そんなやり取りを繰り返していると

 

 「そこまでだ、二人とも」

 

 「「!」」

 

 兄さんが僕たちにそう言った。

 

 「そうだぞ、そもそも二人は悪くないだろう」

 

 透さんもそう言ってくる。

 

 「いや…でも……」

 

 「お前はまず、責任感が強すぎる」

 

 「?悪いことじゃないでしょ?」

 

 「そうだが…お前、仕事でもそれが出て無理して倒れたろ」

 

 無理して……倒れた……?あ!

 

 「あぁ、そんなこともあったね」

 

 「お前……」

 

 「えぇ……」

 

 「ハハハ……」

 

 ……なんか二人に呆れられた気がするんだけど。

 

 「とにかく、お前が責任を感じる必要はない」

 

 「そうだよ、ハクア!それに私……まだ諦めてないから!!」

 

 「!……そっか」

 

 ……やっぱり姉さんは強いなぁ……。

 

 

 

 side:ルビー

 

 ハクアたちに助けて貰ったあと、私は準備して貰った部屋で二人と一緒に休んでいた。

 

 「しかし……なんとか出来ないのか、それ」

 

 確かに、ゾンビに嚙まれたのをどうにかしないとまずい。すると

 

 「あぁ、それゲームをクリアすれば治るやつだよ。RPGでいう状態異常」

 

 「「それを先に言え(って)よ!」」

 

 どうやら、感染している状態はゲームをクリアすれば治るみたいだ。

 

 「でも、どうやってここから勝てば……」

 

 そう、さっき諦めないとか言っておきながら、私は不安を感じていた。私のバックルはハンマー。対してあっちはマグナム、どう考えてもこっちが不利なのだ。すると

 

 「兄さん」

 

 「あぁ…」

 

 「?」

 

 「ルビー、これを」

 

 「え!?これって……」

 

 そう言って渡してきたのは、まさかのブーストバックルだった。

 

 「でも、これお兄ちゃんの……」

 

 これは元々、お兄ちゃんが手に入れたものだ。私が貰っていいものじゃないのに……。

 

 「素直に受け取っておけ」

 

 「そうだよ、姉さん」

 

 「うぅ……「その代わり」…?」

 

 「……必ず勝てよ」

 

 「……うん!」

 

 「僕からも」

 

 「?」

 

 「最後まで勝てると信じること……勝利の女神っていうのは、そういう人にしか微笑まないからね」

 

 「分かったよ!絶対に…勝ってみせる!」

 

 そうして、兄と弟に背中を押して貰った私は、勝負の第三ウェーブに挑むのであった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 ルビーを休ませて少し後、ギロリさんから

 

 『第三ウェーブのジャマトが現れました』

 

 と言われたため、俺たちは建物の上に来ていた。ちなみに、ルビーはこの場にはいない。別の場所から攻めるらしい。

 

 「それでは皆さん、第三ウェーブ開始です!」

 

 「SET」

 

 「SET」

 

 「「変身!」」

 

 「GRAB CRUSH OUT ZOMBIE」

 

 「ARMED ARROW」

 

 「「READY FIGHT」」

 

 「「ハァ!!」」

 

 『『『『ジャー!?』』』』

 

 俺たちは建物から飛び降りつつ、変身してゾンビを狩り始める。続いて透さんが来たのだが

 

 「MAGNUM」

 

 「ハァ!」

 

 『ジャー!?』

 

 「READY FIGHT」

 

 何故か、マグナムフォームに変身していた。

 

 「え、何でマグナムを……?」

 

 「あー……一言で言えば、取引した。ダパーンと」

 

 取引?にしてもあいつは一体どこに……?すると

 

 「ハァァァーー!!」

 

 『ジャジャ!?』

 

 そこには、エントリーフォームながらジャマトへと向かうダパーンがいた。

 

 「お前……」

 

 「ふん……あれだけ言われてムカついてんだよ……あいつだけは落としてやる……!」

 

 理由はどうあれ、やる気になったようだ。……ん?

 

 「お前、バックルは?」

 

 「あ?取引して渡したんだよ」

 

 「なんで?」

 

 「その時はやる気になって無かったんだよ……」

 

 そんな会話をしていると

 

 「お待たせ!二人とも!」

 

 「SET」

 

 「「……よし!」」

 

 ……二人して同じことを思ったようだ。

 

 「変身!はぁ!」

 

 「ARMED HAMMER」

 

 「READY FIGHT」

 

 そして、ルビーが変身したマーゴは次々とゾンビジャマトの頭を攻撃してスコアを稼いでいく。

 

 「やぁ!はぁ!」

 

 『『ジャ!?』』

 

 ルビーは順調にジャマトを倒していき

 

 「お兄ちゃん……使わせてもらうね!」

 

 「SET」

 

 そして、俺の渡したブーストバックルをドライバーにセットし

 

 「DUAL ON」

 

 「BOOST  ARMED HAMMER」

 

 仮面ライダーマーゴ、ハンマーブーストフォームへとなった。

 

 「ブーストマーゴ!行っくよーーー!!」

 

 「READY FIGHT」

 

 「やぁ!はぁ!よっと!」

 

 『『『ジャ!?』』』

 

 ルビーはブーストバックルの強力な加速力と、女性ならではの男性よりも柔らかい身体を活かして、さっきよりもハイペースでジャマトを倒していった。

 

 「ハァ!!」

 

 『ジャジャ!?』

 

 ……アイドル志望のルビーは、昔よりも運動をするようになり、同世代よりも格段に動ける方だとは思っていたが……まさかここまでとは……。

 

 「ハァ!……へぇ、やる……ね!」

 

 『ジャー!?』

 

 近くで戦っているハクアも称賛しているようだ。

 

 すると、ブーストの加速でルビーが近くまで来ていたため

 

 「ルビー!」

 

 「!」

 

 手を掴んで、遠心力で回して下まで飛ばしてやった。だが、着地した瞬間……

 

 「うっ……!あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっ!!」

 

 「「!?」」

 

 そうか、ゾンビ化が進んで……このままじゃ……

 

 

 

 side:ルビー

 

 「うっ……!あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっ!!」

 

 まずい……このままじゃ……

 

 「諦める……もんか!じゃないと……勝利の女神は……微笑まない!!」

 

 そう言う私の言葉とは裏腹に、私の体は上手く動かない。その時……

 

 「ZOMBIE STRIKE」

 

 「え?」

 

 その音と共に、私の周りに手が沢山出てきた。それはほとんどのジャマトたちの動きを拘束してしまった。

 

 拘束されていないジャマトもいたけど……

 

 「ARROW STRIKE」

 

 突然、矢が飛んできて、全ての拘束されていないジャマトを撃ち抜いた。矢が飛んできた方向を見ると、二人がこちらを見ていたのだった。

 

 「……ありがとう。アクア、ハクア。私は……諦めない!」

 

 

 私の願い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『私たち家族が絶対に離れ離れにならない世界』を、叶えるために!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私たちが幼い頃、ハクアがママをかばって刺された……。その時はハクアが死んでしまうのではないかと、もう会えないんじゃないかと思ってしまった。ハクアは、一命をとりとめたけど……もし、また同じことになったら……ハクアだけじゃない、ママやお兄ちゃんまでが同じ目にあったら……「さりな」の時みたいに本当の家族との繋がりがなくなったら……?そうなったら、私は耐えられないと思う。

 

 そして、ハクアはデザイアグランプリに参加していた。こんなことを、今まで何度もやっていたのかと思うと、ゾッとする。もう、あんな思いは嫌だ!私はまだ、みんなと一緒にやりたいことがたくさんあるんだから……!

 

 「こんなところで……終わるもんか!!」

 

 「REVOLVE ON」

 

 そして、私はドライバーを回転させて上下の装備を入れ替える。すると、持っているハンマーがさっきとは比べ物にならないくらいに大きくなる。

 

 「デッッカ!?これなら……!」

 

 「BOOST TIME」

 

 私は、ブーストバックルのハンドルを捻ってデカくなったハンマーを振り回して、もう一度ハンドルを捻る。

 

 

「BOOST  HAMMER  GRAND VICTORY」

 

 「はぁぁぁーーー……やぁぁぁーーー!!」

 

 そして、私は拘束されたジャマトを必殺技で全て倒したのだった。

 

 『ミッションコンプリートです!』

 

 「MISSION CLEAR」

 

 それと同時に、私のドライバーのブーストバックルが急に音をたて始め……

 

 「……?うわっ!」

 

 急にドライバーから飛び出してどこかに、飛んでいった。そう言えば、ハクアの仮面ライダー姿を初めて見た時もそうだったような……?

 

 「ルビー!」

 

 「姉さん!」

 

 みんなの変身が解けて、二人がこっちに駆け寄ってくる。

 

 「やったな、ルビー……」

 

 「嚙まれた跡も消えているみたいだしね……」

 

 「うん!」

 

 そして、私は二人を抱きしめて

 

 「「!?」」

 

 「ありがとう……二人のおかげだよ!」

 

 「「……どういたしまして」」

 

 そういう二人の顔は何故か赤い………あ!

 

 「あれれ~?二人とも……もしかして……」

 

 「「照れてない!」」

 

 おお、息ピッタリだ。

 

 「ゾンビの影響もなくなったし、とりあえずは全員無事かな?」

 

 そう私は言う……が

 

 「……スコア」

 

 「え?」

 

 「スコア最下位は脱落だぞ」

 

 「そうだった!?」

 

 ゾンビの方のことに必死ですっかり忘れてた……!

 

 「皆さん、お疲れ様でした。第二回戦の最終スコアを発表します」

 

 そして、発表されたスコアが……

 

 

 

 第1位 フォルス

 

 第2位 トゲッチ

 

 第3位 シリウス

 

    ・

 

    ・

    

    ・

    

    ・

    

    ・

    

    ・

 

 第4位 マーゴ

 

 第5位 メリー

 

 第6位 ダパーン

 

 

 「最下位は……ダパーン!」

 

 「……」

 

 発表された本人は、それほど動揺した様子はなかった。

 

 「途中での諦めがなかったら、勝っていたのはダパーンだったよ。勝利の女神は、決して諦めない人にも微笑むものだからね」

 

 「……チッ、そうかよ……」

 

 「貴方はここで脱落となります」

 

 そう言われたダパーン君は、私の方を向いて……

 

 「……次があるなら、勝つのは僕だ」

 

 「……次があっても、勝つのは私だよ」

 

 「……!ハハッ……」

 

 「RETIRE」

 

 そして、IDコアが消えるとともにその場にドライバーを残して、身体も消えてしまった……。

 

 「彼は……仮面ライダー失格となりました」

 

 「失格って、どういう……?」

 

 私は思わず口出してしまったが

 

 「……それでは解散です!皆さん、また、お会いしましょう」

 

 ツムリさんはその疑問に答えることなく、去って行ってしまった。

 

 

 「……帰ろっか」

 

 「……そうだな」

 

 「うん……」

 

 こうして、第二回戦が終了したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 ゲームで脱落したものは

 

 仮面ライダー失格となる。

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 今回でルビーの願いが判明しました。この願いについては、だいぶ悩みましたがこれが考える中で一番しっくりきたので、これにしました。アクアの願いについては、また先の話で……。

 そして、ダパーンはギーツ本編よりも良い方向にはなったと思います。最後まで人の不幸を願うよりはいいのではないかと……。

 ちなみに、ルビーの身体能力は原作よりも高い設定にしています。なので、戦闘でもあれだけ動けますし、生身でも体力はある方です。

 次回からは、推しの子の話である恋愛リアリティーショー編を進めていきたいと思います。

 次回もよろしくお願いします。
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