ハクアとあかねは果たして、どうなるのか……。
それでは、どうぞご覧ください。
side:ハクア
収録から家に帰ってきて、僕は兄さんに言われて自分の部屋で休んでいた。僕はベッドに寝転がりながら、今日のことについて考える……。
というか、考えるにしても……あかね先輩のことしか頭に思い浮かばない……。
この感情は何だ?僕は一体、どうしたのだろう……すると……
「恋!?」
という、姉さんの驚いたような声が僕の部屋まで聞こえてきた。……兄さんが今日の出来事を話したのだろう。
それよりも、姉さんは今……恋と言ったのか?
……あぁ……僕は兄さん……いや、みんなから恋をしているように見えたのか……そっかぁ……僕は、あかね先輩のことが……好きなんだ……。
今までの僕は、恋愛というものが分からなかった……異性を好きになることなんてなかった……そんなことを考えるということもなかった。約2000年間生きてきて、経験したことのない感情だ……。
でも、自覚した……してしまったのだ……僕は今、あかね先輩に恋をしている……そう考える度に、顔が熱くなっていくのが分かる……
あぁ……次からどんな顔をして、あかね先輩に会えばいいのだろう……?
side:ルビー
ママにハクアのことを話してから少しして……
「ご飯できたから、ハクア呼んできてー」
「はーい」
今日は久々にママの手料理だ!ママから言われて私は今も部屋にいるであろうハクアを呼びにいく。
……ハクアは大丈夫だろうか?ハクアは前世を含めての初恋だからなぁ~……。そんなことを思っているうちに、ハクアの部屋の前に着いた。
「ハクアー、ご飯できたってー」
私はノックをして、ハクアを呼ぶ。そして、意外にもすぐに
「うん……分かった」
ドアを開いて、ハクアが出てきた……微妙に顔が赤い気がするけど……?
そして一緒に向かう途中で、突然ハクアが……
「姉さん」
「何?」
「……恋したら次はどうすればいいの?」
「……はい?」
まさか、ハクアの方からその話をしてくるとは思わなかった。……これは、多分いい傾向だと思っている。
前に、事務所で今ガチの一話を見た時……ハクアは恋愛の話題を出すと怖がっているような…避けているような反応をしていた。それに、あの炎上騒ぎだ……これがトラウマになって、恋愛ができないようになったらどうしようかと思っていたのだ。
けど……今はそんな心配はない。今ガチメンバーはとても仲が良いし、何よりあかねちゃんもいる……ハクアにとっての初恋の人が……。
「……姉さん?」
「あ、うん…そうだね~まずは――」
それから、私は恋愛の先輩として、お姉ちゃんとして色々と教えてあげるのであった。
ちなみに、ご飯の時にママもそれに加わったことで、ハクアがとても恥ずかしがり、ママと私で可愛いと思ったり、お兄ちゃんにやり過ぎだと言われたりしたのはまた別の話だ……。
side:ハクア
今日は今ガチの収録の最終日だ。思えば、これまで色々なことがあった……。
僕がみんなに馴染んでいないと思われ、色々とやられて食事につれて行かれたり、あかね先輩と僕が炎上して先輩が自殺しかけたり……僕があかね先輩に恋をしたり……本当に、色々あったなぁ……。
あの回から、SNSで僕とあかね先輩のカップリング……通称「あかハク」が、ノブユキ君とゆきさんのカップリングの「ユキゆき」と同じかそれ以上に、番組の目玉となっているらしい。僕らのカップリングはあかね先輩の方が先にくるのが気になるけど……。
そんなことを思い出していると
「ハクア君」
あかね先輩が僕の隣へと来た。
「いよいよ撮影も終わりだね……寂しいなぁ…」
「そう……だね」
「ハクア君のおかげで色々助かったよ。本当にありがとう」
「役に立ったなら、良かったよ……」
僕もだいぶ名前呼びと、敬語なしで話すことに慣れてきたな。
「あ、そういえば……あれって誰かを参考にしたの?」
「え?……あぁ…私のキャラ付けのことね」
僕はずっと気になっていた。どうやって僕の理想の人になったのか。
「別に大したものじゃないよ……。プロファイリングの本とかのことは、前に話したと思うけど……」
先輩は役作りのときは、プロファイリングを使いその役に没入していくのだ。誰か参考にした人がいたのかと思い訊いてみたのだが……
「参考にした人は……これという人はいないかなぁ……あ、でも表情とかは女優のアイを参考にしたかな…そのついでに色々調べたりはしたけど…」
……なるほど、どうりであの時の先輩の瞳に星があったのか…。
「あぁ……確かに似ていたかも…」
「本当に?なら、良かったよ」
僕がそう言うと、先輩は喜んでいた。
「あ、でもね…結構勝手な設定も付け足したかな」
「勝手な設定?」
その話は初耳だ……。
「それって……アイとかにも?」
さっき、先輩が調べたと言っていたお母さんについて訊いてみる。
「うん。例えば……アイには実は隠し子がいる…とかかな?」
「!?」
「そうすれば、色んな感情のラインに整合性が取れるし、不可解だった行動の数々に説明がつく。何を考えていてどういう人格なのか数式パズルみたいに分かってくる!」
その言葉に僕は、驚きを隠せない……勝手な設定どころか当たっているんだけど……。これが、女優としてのあかね先輩か……やっぱり、すごいなぁ…。
「……ハクア君?」
「え、ううん、何でもないよ」
少し、考え過ぎていたようだ。すると、
「ねぇ」
「何?」
先輩が僕の耳元で……
「覚悟しておいてね」
「!?」
そう言い、先輩は去って行ってしまった……そこには、おそらく顔と耳を真っ赤にした僕だけが残されていた……。
side:アクア
いよいよ、今ガチのクライマックスシーンの撮影が始まった。ちなみに、俺はケンゴと一緒にメムに告白し……どちらも振られるという結果となった。
その次はノブユキとゆきなのだが……結果は何と、ゆきがノブユキを振ったのだ。これにはみんな驚いていた。
そして、遂に一番の見どころと言ってもいいだろう……ハクアとあかねのシーンへと移る。
ベンチに一人座っているあかねのところへ、ハクアがやってくる。そして、ベンチに座ったのだが……
「……」
ハクアから話をするはずだが、話さないので周りが困惑し始めている。だが、俺たちはあかねのあの言葉を聞いているので、ただ、見守るだけだ。
「……ハクア君?」
「……何、あかね先輩?」
すると、今までとは違い女性の方から……あかねから話しかける。
「私はずっと、君が好きでした」
「……うん」
「そして…これからも……君は…どう?」
「僕も……あかね先輩のこと……大好きです」
あかねの言葉にそう答えるハクア。そして……
「だから、その…よろしく…お願い……します」
顔を赤くして……でも、あかねの方を真っ直ぐ見て……告白した。
「……!うん!こちらこそ!」
あかねの方も、笑顔でそう言ったのだった……そして、ハクアの顔に近づいて……ん?近づいて……?
「え、せんぱ―――」
「「「「「!?」」」」」
なんと、あかねがハクアの顔に片手を添えて唇にキスをしたのだった……。これには、みんな驚きつつも拍手を送っていた。あかねの話を聞いていた俺たちは尚更大きな拍手を送った。
そして、キスをした後の二人の顔は……誰が見ても幸せそうな表情をしていたのだった……。
side:ルビー
私は今日で終わりとなる今ガチの最終回をママと一緒に見ていた。無事にハクアとあかねちゃんがカップル成立した時は、思わず二人で拍手してしまった……が、その後、
『え、せんぱ―――』
……え?……今のって……
「ルビー……」
「ママ……」
「「今のって…………えぇ!?」」
まさかの展開に、二人して叫んでしまった……。
「え、ここまで……やるの……?」
「……そうなっちゃった……ね……」
告白は成功。ここまでは想定内だ……けど、キスまでするとは思わなかった。
でも、二人の表情は………
「びっくりしたけど……ね」
「うん……幸せそうだね、二人とも……」
互いに微笑んでいて……幸せで溢れていた……。
side:ハクア
「今からガチ恋始めます。全収録終了です!」
『お疲れ様でした!』
今ガチの収録が全て終わり、キャストやスタッフなどの関係者達は打ち上げに来ていた。
「いや~、思い返すと一瞬だったわ~」
「色々あったけど…本当に楽しかった……ね」
「うん」
「二人がそう言ってくれるなら、文句はねぇよな!」
これまでのことを思い出し、みんなで話に花を咲かせる。思い出を語り合ったあと、ゆきさんとメムさんが、二人して僕たちにあることを訊いてくる。
「でさ……」
「一応、聞いておくけど……」
「「最後のキス!本当に付き合うんだよね!」」
いきなり本題を聞いてくるとは思わなかった……でも、僕たちの答えは決まっている。そして、あかね先輩と目を合わせてから……
「「うん……本気だよ」」
そう、二人で言うと
「「きゃー!!おめでとう!!」」
ゆきさんとメムさんが祝福してくる。さらに……
「おめでとー!ハーくん!あかね!」
「ホント、良かったよ…」
「俺からも…改めておめでとう」
「……ありがとう」
ノブユキ君、ケンゴ君、そして兄さんからも祝われたのだった。
その後、主に女性陣二人に根掘り葉掘り聞かれてから、現在この番組に僕を出演させた鏑木プロデューサーと話をしていた。
「ありがとう。『今ガチ』評判いいよ。君の兄、そして君を出演させておいて正解だったみたいだね」
「そうだといいですけどね。なんやかんや炎上で注目集めた部分が大きいですし」
「その後のカバーは、さっき聞いたけど…君も一枚噛んでいるらしいね」
「あぁ…兄さんから……でも、ほぼ兄さんのアシストしか……」
「謙遜することはない……大したものだったよ」
「……ありがとうございます」
鏑木さんの言葉を一応、素直に受け取っておく。そして、あかね先輩も呼んで……
「何かあったら、いつでも相談に乗ろう。力になるよ」
「「はい」」
そう、言われたのであった。
「ねぇ、ハクア君はいつから私のこと……」
カウンターで二人で話していると突然、先輩からそう聞かれた。
「……先輩が、あの演技をした時かもしれないし……もしかしたら…」
「もしかしたら……?」
「気付いてなかっただけで……本当は、始めから……」
そう、恋愛感情が分からなかっただけで……無意識に先輩のことが好きだったのかもしれない……かも……。
その僕の言葉に、先輩は……
「……そっか…まぁ、どちらにしろ…これからもよろしくね」
「うん、こちらこそ」
微笑みながら、そう言ったのだった。
「これで、ゆきたちと私たち…二組もカップルができちゃったね」
「……え?」
「あれ?気付いてない?」
え?ゆきさんたちは確か……あ!
「え!?そういうこと!?」
「うん、そうみたいだよ。テクニカルだよねぇ…でも、私はゆきのそういうところが好きなんだ…。ゆき、マジで人生初カレみたいだよ」
「へぇ~……僕たちと一緒だ…」
「そうだね……」
そして、時間までたくさん話した僕たちは、解散することとなった。あかね先輩たちは一足先にタクシーで帰宅していった。
僕は、兄さんはもちろん、メムさんとも一緒の方向みたいなので途中まで一緒に帰っていく。
「寂しいな~……私、この現場すごく好きだった」
「……そうですね」
「でも、お前は寂しくないもんな?あかねの彼氏だしな」
「そうだね~」
「うん、そうだね」
僕に初めての彼女というものができた……それも、2000年間生きてきて初めての……だ。……絶対に勝ち続けなきゃいけない理由が、また一つ増えたな……。そんなことを思っていると……
「にしても、メムってなんでYouTuberやってるの?」
「え?」
突然、兄さんがそんなことをメムさんに聞いた。
「いや、今のメムを否定してるわけじゃなくってさ……他の道でも行けたんじゃないかと思ってさ。例えば…アイドルとか?」
あぁ……確かに……。すると……
「……ここだけの話だけど…私ね?…元々はアイドル志望だったんだ……」
メムさんからそんな話をされた……。
「でも、色々あって挫折しちゃってね……今は元気にYouTuberやってますけど~!」
「「へぇ……」」
そんなメムさんの話を聞いて……僕たちは、目を合わせて頷く。
「じゃあ…ウチ来たら?」
「え?」
「新生B小町……現在メンバー募集中ですよ」
そう、メムさんに提案したのだ。
「新生B小町に…私が?まさかぁ…冗談……」
そう言うメムさんに対して、僕たちは真剣な表情をした。そして、僕たちの本気さを感じたのか……
「……!」
目を輝かせて、こちらを見ていたのだった……
読んで下さりありがとうございました。
今回で、やっとハクアとあかねをくっつけることが出来ました!
次回からは、ファーストステージ編をやっていきます。そして、その後はいよいよデザイアグランプリ最終戦の話をやっていきます。
良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。