女神の子   作:アキ1113

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 今回から。ファーストステージ編をやっていきます。

 原作と違い、ハクアがいることでどう変わっていくのでしょうか。
 
 それでは、どうぞご覧ください。


始動ⅩⅩⅢ:新生と特訓

 side:ハクア

 

 「人気YouTuberにしてインフルエンサーMEM…アイドルに興味があったのは意外だったわ」

 

 そう、今日は今ガチの打ち上げの帰りにスカウトした、メムさんを苺プロの事務所につれてきたのだ。現在、ミヤコさんと話をしており、スカウトした僕たちも同席している。

 

 「YouTubeチャンネル登録者数37万人、TikTokフォロワー数63万8千人。ネットではだいぶ人気あるみたいね……まず聞いておきたいのだけれど、MEMさんの事務所は?」

 

 「私は一応個人事業主として配信業してて……今はFARMって事務所にお世話になっているんですけど、所属じゃなくて業務提携って形を取っています。なので、自分で仕事を取ってきて問題ない契約になっているので……」

 

 「なるほど…その場合、苺プロからあなたにアイドル業務を依頼するって形になるわね……まぁ、ウチはネットタレントも多いしそのあたりの契約は問題ないわね。渡りに船って感じだけれど……」

 

 そういうことなら、ミヤコさんの言う通り問題はないだろう。だが、メムさんは気まずそうにしていて……

 

 「その顔だと…何か言わなければならない事情がありそうね……まぁ、察しはつくけどね」

 

 あぁ……あのことか……。

 

 「年齢、サバ読んでるのでしょう?」

 

 「っ!……分かり…ますか……」

 

 「えぇ、あなた骨格からしてだいぶ幼く見えるけど、私の目は誤魔化せないわよ」

 

 そうミヤコさんが言うと、僕に向けて目線を向けてくる。

 

 「何なら、ハクアも気付いているんじゃないかしら?」

 

 「……えっ?」

 

 「それを承知で、スカウトしたのでしょう?」

 

 「……まぁね」

 

 「え、いつから……?」

 

 そうメムさんが言うので、正直に……答えようと思ったが、メムさんがショックを受けそうだったのでこちらもサバを読むことにした。

 

 「大体……三回目(・・・)くらい?」

 

 「そんな最初のあたりから!?」

 

 本当は一番最初からです。噓ついてごめんなさい。

 

 「そう怯えなくてもいいわ。個人でやっている子が年齢いくつか若く言うなんてよくある事よ。別に気にしないわ」

 

 「ほ、本当ですか……?良かったぁ…!」

 

 「で、本当はいくつなの?」

 

 「あのぉ……そのぉ……えっとぉ……」

 

 メムさんの本当の年齢を訊くミヤコさんだが……実年齢を聞いて、段々と真顔になっていき……

 

 「ガッツリ盛ったわね!?」

 

 「も、申し訳ございませんー!」

 

 「公称18歳ってことは……中々の肝の据わり具合ね」

 

 「数えないでくださいー!」

 

 あぁ……そんなに……。僕は、ミヤコさんの数を数えた指を見て何とも言えない気持ちになった……。

 

 「で、何歳くらい盛ったの?3歳くらい?」

 

 「……その倍くらい」

 

 「盛ったなお前!?」

 

 ということは、実年齢24歳になる。そう思ったのだが……

 

 「てことは24?」

 

 「24……だったよ?春頃までは……」

 

 「なるほど……」

 

 「つまりは25じゃん……その年齢でJK名乗って番組出てたのか。メンタル化け物かよ……」

 

 確かに兄さんが言うとおり、メンタルが化け物だろう。ただ、こういう人には……

 

 「で、何かわけがあるんですよね?」

 

 「え?そう……だけど……?」

 

 それなりの理由があるものだ。そして、メムさんが理由を話してくれた。

 

 「私は……昔からアイドルになるのが夢で…でも、うちは母子家庭で…弟も二人いて……」

 

 「なるほど……母親が倒れて、弟さんの学費を稼いでいた……と」

 

 僕は、理由を予想しながらメムさんに話していく。

 

 「う、うん……もちろん家計も支えてね……お母さんも元気になって、弟たちも大学に通わせることが出来たけど……」

 

 「アイドルを目指せるような年齢ではなくなっていた……」

 

 「そう……行き場を失った情熱で配信とかを始めたんだけど……その時まだ高校休学中だったから、現役JK(笑)みたいな感じでやってたら、なんか思いのほか受けちゃって!登録者数めちゃくちゃ増えちゃって!引っ込みつかなくなっちゃって!」

 

 「そっから2年くらいそうやって……今に至ります…やっぱりダメですよね……7つもサバ読んで…バレたとき大変ですもんね……」

 

 そう言って床に座り込みメムさん……確かに、そうなったら大変だが……僕たちは、そのリスクを背負ってここまで愛を与えてくれた人を知っている……。だからこそ……

 

 「って言ってるけど……どう?」

 

 「え?」

 

 僕は、ドアの傍で聞いているであろう二人に声をかける。

 

 「「話は聞かせて貰った(わ)よ!」」

 

 そう言って出てきたのは、姉さんと有馬先輩だ。

 

 「久しぶり……でもないね、MEMちょ!」

 

 「ルビーちゃん……!」

 

 「私も年齢でうだうだ言われたからぁ……その気持ち、よく分かるわぁ……!」

 

 ……相当、言われたようだ。

 

 「子役の事務所も高学年になったらお払い箱でさぁ……本当にムカつくぅ~……」

 

 「「あぁ……」」

 

 僕と兄さんは、二人して納得してしまう……。

 

 「ミヤコさん!」

 

 「私は別に反対だなんて言ってないわよ……社長も私が説得するわ。ルビーは?」

 

 「もちろん!アイドルやるのに、年齢なんて関係ない!だって……憧れは止められない!」

 

 姉さんは立ち上がり、そう言った。

 

 「それに……」

 

 そして、僕の方を見て……

 

 「自分を信じて、諦めないことが…大切なんだから!だから、MEMちょも自分はアイドルになれるって信じて!」

 

 「「!」」

 

 メムさんはその言葉に、目を見開いていた。

 

 ……言うようになったね……姉さん。僕も姉さんがこの言葉を言ったのに、驚いたのだった。

 

 「まぁ、この言葉はある人の受け売りだけどね」

 

 そう付け加える姉さん。

 

 「とにかく…ようこそ!B小町へ!」

 

 「……!うん!」

 

 姉さんの言葉に、嬉しそうに返事をするメムさん。

 

 「有馬、ルビーとメムをよろしく頼む」

 

 「えぇ、言われなくともそうするわよ」

 

 「僕からも……どうかお願いします」

 

 「……分かったわ。任せなさい」

 

 僕の言葉に、そう答えてくれる有馬先輩……これなら、大丈夫そうかな。

 

 「そうだ、これからご飯食べに行こうよ」

 

 「いいね!いこいこ!」

 

 「この子らすげぇあったけぇよぉ~」

 

 こうして、メムさんがB小町へと加入したことにより、新生B小町は正式なスタートを切るのであった……

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 今ガチが終わって、MEMちょがB小町に正式に加入してから数日……私たちの通う陽東高校でも、ハクアのことが大きく話題になっていた。

 

 「はぁ~……今ガチ、終わってもうたなぁ……なぁなぁ、弟が番組でキスしてたのって…どういう気持ちなん?」

 

 「どういう気持ち…かぁ……」

 

 みなみちゃんから、そう聞かれた私はこう答えた。

 

 「悪い気持ちは……なかったかな」

 

 「あれ?そうなん?」

 

 「うん。そりゃあ、さすがにあそこまでやるとは思っていなかったけど…」

 

 「けど?」

 

 「あの二人の表情見ちゃったら……ねぇ…」

 

 「あ~分かるわ~」

 

 あの時、少し戸惑ったのは事実だけど……本人たちが幸せそうなので、よしとした。

 

 「あ!いずれルビーちゃんもあかねちゃんに会ったりするんやろうなぁ~…何せ弟の彼女やしね」

 

 そう言う、みなみちゃんだが実は……

 

 「あぁ、それだけどね。今度会うことになってるよ」

 

 「え!?ホンマに!?」

 

 前々からあかねちゃん……というよりも今ガチメンバーが私に会いたがっていたらしく、炎上騒ぎの時の動画作りの時に助っ人として行き、あかねちゃん以外とは会ったこと……ついでにその時に今ガチメンバーと仲良くなったこと……

 

 そして、その時に会うことが出来なかったあかねちゃんに会わせてもらうことを話していると……

 

 「今ガチの話?」

 

 「「!」」

 

 その声に後ろを振り向くと、そこにはフリルちゃんが立っていたのだった。

 

 「あ!フリルちゃん!」

 

 ちなみに、フリルちゃんとは私のコミュ力を活かして……というか意外に話やすい人だったので。しっかり仲良くなることができた。

 

 「フリルちゃんも見てたんだ」

 

 「えぇ、ホント、イケメン、美少女だらけで、目の保養になった」

 

 「「目の保養!?」」

 

 目の保養って……まぁ、お兄ちゃんとハクアはイケメン……いや、ハクアは可愛いし…他のみんなもかっこよくて可愛いかったけど……。

 

 「フリルちゃんでも、そういうこと言うんやな……」

 

 「顔がいい人を嫌いな人はいないでしょう。本当に目に良かった…多分視力0.5くらいよくなった」

 

 ((言う事おもろ!?))

 

 「一番はやっぱり……ハクアとあかねのキスのあとの顔かな……」

 

 ((あぁ……分かるわぁ……))

 

 「でも、個人的にはMEMちょの乙女面が見たかったかな。私が男子サイドで出てたら絶対押し倒してた。もっと気合い入れて堕とせって思ったよね」

 

 思ったよりも面白いこと言うなぁ……フリルちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「え?僕ですか?」

 

 新生B小町が正式にスタートしてから数日後、僕は社長とミヤコさんに呼び出されていた。

 

 「あぁ、お前にはあいつらの……主にサポートをして欲しいんだが……」

 

 なるほど……姉さんたちの初ライブはジャパンアイドルフェスに決まったのだ。何故、そんな大きな舞台で初ライブをやることになったのかと言うと

 

 「『今ガチ』の鏑木プロデューサーっているだろう」

 

 「あぁ…あの人のコネでねじ込んでくれたと…」

 

 「……相変わらず察しが良いよな…お前……」

 

 「前もそうだったけど、そういうの一体どこで……?」

 

 前世とかの経験……とはさすがに言えないので……

 

 「もちろん、企業秘密です」

 

 「「……」」

 

 ……なんか呆れた視線を向けられている気がするが、無視しておこう。

 

 「それで、何で僕が……?」

 

 そう、サポートなら出来る人は事務所内にもいるだろうに……。

 

 「それは…本当はアイにも指導とかしてもらおうと思ったのだがな……仕事が、いくつも重なってしまってな」

 

 「あ、でも本番はスケジュール空けて見にくるわよ」

 

 「あぁ、それで……」

 

 なるほど……その期間に、比較的空いている僕に頼んだというわけか。

 

 「それに、年齢が近い方があいつらもやりやすいかと思ってな」

 

 「そういうことなら……了解です。引き受けますよ」

 

 「ありがとう。助かる」

 

 「でも、サポートと言っても具体的には何を……?」

 

 「あぁ、それはね―――」

 

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「あーもー!何で私はいつもこうーーー!」

 

 三人のうち、誰がセンターをやるかで色々やった結果、歌が一番上手い先輩になったのだった。本人は頭抱えて、やりたくなさそうにしているけど……。

 

 「いやぁ、あの地獄のような空気からこうなるとは!」

 

 「私は、最初からこうなるのが見えていたけどね!」

 

 「黙れ!ヘタウマと音痴!」

 

 まぁ、先輩をセンターにしたのは私とMEMちょの歌が壊滅的だったっていう理由が大半なんだけどね。

 

 「話はまとまった?」

 

 すると、ミヤコさんがやってきて、

 

 「ジャパンアイドルフェスまで時間がないわ。ここから追い込みをかける必要がある。そこで、あなた達の指導とサポートをしてくれる子たちを連れてきたわ」

 

 「指導とサポートって?」

 

 そういう人たちがいるんだ…そんなことを思っていると……

 

 「え、それって…」

 

 「俺たちだよ」

 

 「どうも」

 

 「え!?アクたんにハクたん!?」

 

 出てきたのは、私の兄と弟だった。

 

 「な、なんで二人が……」

 

 驚きを隠せないMEMちょ。

 

 「俺は、主にパフォーマンスの指導とかをしろって」

 

 「じゃあ、ハクアは……」

 

 そう先輩が聞くと、

 

 「僕は、サポートとかダンスの手本をやって欲しいって」

 

 「ハクア、すごい動けるもんね~」

 

 「「え、ハクア(ハクたん)ってそんな動けるの……?」」

 

 あぁ……先輩とMEMちょは知らないか。

 

 「ちなみに、特訓のメニューはぴえヨンさんが組んでくれたから、しっかりやりなさいね」

 

 「「「はい!」」」

 

 「本当はアイさんにも指導してもらいたかったけど……」

 

 「まぁ…忙しいですもんね……」

 

 「あ、でも本番は来てくれるって「「え!?マジで!?」」……うん」

 

 やったぁ!ママ来てくれるんだ!!

 

 「じゃあ、早速……まずは、体力づくりだな」

 

 こうして、JIFに向けての特訓が始まるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 俺とハクアは、新生B小町の特訓のサポートを任された。特訓メニュー自体はぴえヨンさんが組んでくれた。そして、今は体力づくりと称して坂道ダッシュをしているわけだが……

 

 「「ひぇ~!!」」

 

 「頑張れ、三人とも」

 

 「な、なんでそんなに走れるの……」

 

 「ハクたんやべぇよ……」

 

 「負けるかぁ……!」

 

 ハクアは三人と一緒にメニューをこなしてもらっている。分かってはいたが……やっぱあいつスゲェわ。息切れをしている有馬とメムと比べて、まだまだ余裕もある……いや、あり過ぎている。

 

 そして、驚いたのは……

 

 「ていうかルビー!あんた私たちよりも余裕そうじゃない!」

 

 「な、なんでぇ……」

 

 そう、ルビーも意外に余裕そうなのだ。昔からアイドルになるために、出来ることはやってきたからだろうか……他の二人よりも動けている。

 

 その後のセットリストの通しでも……

 

 「あ、な、たのアイドル~♪」

 

 「サインはB~♪」

 

 「「!?」」

 

 ハクアは、歌もこの日までに覚えてきたそうで人前で披露していいくらいのレベルにまで、仕上げてきていた。俺とルビーは知っていたことだが、二人は驚きの表情を隠せていない。

 

 そして、一日のメニューが終わった後は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お味はどうですか?」

 

 「「「おいし~!」」」

 

 「それは良かった」

 

 ハクアの作ってくれた料理が振る舞われる。それも、栄養などにも考慮したものだ。……ウチの弟、ちょっとハイスペックすぎないか?いつの間にそんなことを覚えたんだ……?

 

 「ごめんなさいね。ここまでやってくれて」

 

 「あぁ、いえ。僕がやりたくてやっているので……」

 

 「無理はするなよ」

 

 「分かってるよ」

 

 「ハクア!おかわり!」

 

 「はいはい」

 

 ハクアは、この特訓のサポートをすることが決まってから、忙しい合間を縫って色々と準備をしていたのだ。それで、倒れないかが一番心配なのだが……

 

 そして、夕食のあとルビーたちがライブの位置取りなどについて相談していると……

 

 「あの元気、いったいどこから……」

 

 ベランダにいる有馬を見つけた。

 

 「アイドルになったこと、後悔してるのか?」

 

 ……何か悩んでいるように見えたから、話しかけてみる。

 

 「!アクア……いや、自分で決めたから後悔はないけど…私には向いていない。センターなんてもっての外よ……」

 

 「歌、上手いのにか?」

 

 すると、有馬は話し始める。

 

 「センターはグループの顔……私なんかが……」

 

 「それって、昔のことに関係あるの?」

 

 「……」

 

 そう俺が言うと黙り込んでしまった。……図星だな。

 

 「……まぁ、何があったかは聞かないでおく」

 

 「そう……」

 

 「でも……」

 

 これくらいのお節介はいいだろう。

 

 「?」

 

 「少なくとも俺はお前のこと見ているし、ルビーやハクア……ここにいる奴らは、お前のことをしっかり見ているぞ」

 

 「……!」

 

 そういうと、有馬は驚いた顔をしていた。

 

 「じゃあ、俺はこれで」

 

 そして、俺は中へと戻り明日に備えるのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 ハクアは、今までの経験によってハイスペック化しています。

 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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