女神の子   作:アキ1113

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 今回で、ファーストステージ編は終わりです。

 東京ブレイドでハクアが演じる役名も出てきます。

 そして……いよいよ……。
 

 それでは、どうぞご覧ください。


始動ⅩⅩⅣ:輝く星たち

 side:ルビー

 

 「さてさて!」

 

 「やって来ました!」

 

 「「ジャパンアイドルフェス!」」

 

 お兄ちゃんとハクアがサポートしてくれた特訓を終えて、私たちはJIFの会場へと来ていた。

 

 「えっと、私たちが立つのは……10個あるステージのうちのスターステージ」

 

 「地下アイドルとかも結構いるステージだね」

 

 「できればメインステージが良かったけど……」

 

 「さすがに過ぎた願いだよね~」

 

 「あ~!緊張してきたー!上手くやれるかなぁ…」

 

 そう口にする私とMEMちょ。明るく振る舞ってはいるけど、全く緊張していないわけではない……すると

 

 「大丈夫よ。ここまでやってきたんだし、やれることをやるだけよ」

 

 先輩が珍しくそんなことを言った。……そうだよね。あの特訓もしたことだし……それに、私の夢のアイドルとしてステージに立てるんだ…!やれることやって……楽しむことも忘れずにいこう!

 

 そして、私たちはミヤコさんに連れられて楽屋にきたわけだけど……

 

 「ちょっと!荷物そっち寄せてよ!」

 

 「ねぇ!誰かライナー持ってない?」

 

 「「「え……なにこれ?」」」

 

 「何って……楽屋よ」

 

 そこに広がっていたのは……文字通りの地獄絵図だった。今日のライブに出演する大量のグループのアイドル達とそれと同じかそれ以上の量の荷物が、この空間に詰め込まれていたのだ。

 

 「人口密度えげつないことになってますけど……」

 

 「ステージの多いフェスではこんなものよ。出演者や関係者数百人が全部詰め込まれて、荷物の置き場もない。着替え部屋もないから各々パーテーション裏で着替える」

 

 「カオスだねぇ……」

 

 「「うん……」」

 

 「まぁ、メインステージに呼ばれるくらいの有名グループはもちろん、別室を用意して貰えるわ。……いい待遇受けたかったら売れないとね……」

 

 なるほどね……よぉし!頑張るぞー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「いよいよだな」

 

 「うん……それにしても、裏にいるんだよね」

 

 「あぁ……さすがにここじゃバレるからな」

 

 B小町の出番が刻一刻と迫るなか、僕たちは前の方の列でその時を待っていた。ちなみに、お母さんはミヤコさんと一緒に裏で見える位置にいるそうだ。本当は、観客席で見たかったらしいが……

 

 『ねぇ、私も観客席の方で……』

 

 『気持ちは分かるけど、そっちに行ったら周りがパニックになるわ』

 

 『うぅ……で、でも……』

 

 『それに、裏からの方が特等席だぞ。一番近いかもだし……』

 

 『確かに!分かった、そうするよ!』 

 

 というように、お母さんは社長に説得されて裏で見ることになったのだ。そして、観客席にいるのは僕たちだけではなく……

 

 「楽しみだね~」

 

 「あぁ!」

 

 「こういうとこ初めてきたけど、スゲェな……やっぱ」

 

 「ここよりも大きいところだと、もっとすごいんだろうなぁ……」

 

 そう、今ガチメンバーもB小町の初ライブに来ていたのだ。というのも、今ガチの収録が終わってからも、僕たちは連絡を取り合っており、そこで今回の姉さんたちの話をしたところ……みんなして見たいと言い出したので、こうして呼ぶことにしたのだ。

 

 もちろん、席はカップル同士で隣り合うようにしている。

 

 「楽しみだね」

 

 「うん」

 

 そして……

 

 「あ!来たよ!」

 

 新生B小町の面々が出てきたのだ。すると、周りから歓声が聞こえる。

 

 ちらりと横を見てみると、あかね先輩も他の三人も観る側なのに、緊張した面持ちをしていた。……気持ちは分かるけど。

 

 特に先輩の目は、有馬先輩に惹きつけられていた。あかね先輩、昔から有馬先輩のファンだもんなぁ……。

 

 そう思っているうちに……ついに、一曲目が始まった。みんな、楽しそうにやっているようで良かった。

 

 心配だった有馬先輩も、姉さんもメムさんも、一人一人が……

 

 

 

 

 

 星のように輝いていた……。

 

 

 

 

 

 

 今ガチメンバーも、各々サイリウムをリズムに合わせて振っている。

 

 「「ルビーちゃーん!MEMちょー!」」

 

 声を出すにしても、出さないにしても、この時ここにいる人たちは……三つの星たちに魅了されていただろう。

 

 そして、最後まで盛り上がり新生B小町の初ライブは幕を引いたのであった……。

 

 「はぁ~楽しかったぁ~!」

 

 「凄かったなぁ……」

 

 「そうだな」

 

 「うん……とても良かった」

 

 「これは…成功かな?」

 

 「まぁ、及第点だな」

 

 「……それは、今後への期待も込めて?」

 

 「……正解だよ」

 

 みんなにも、楽しんでもらえたみたいだ……良かった。

 

 「じゃあ、俺たちはこれで」

 

 「あぁ!またな、アッくん!ハーくん!」

 

 「楽しかったよ!」

 

 「今日は、ありがとう」

 

 「またね、ハクア君!アクア君も」

 

 「うん、またね。あかね先輩」

 

 みんなとはここで解散し、僕たちは姉さんたちの元へと向かうのであった……。

 

 

 side:アクア

 

 初ライブが終わり、俺たちは母さんとB小町のメンバーと一緒に帰っていた。すると……

 

 「ねぇ、アクア、ハクア」

 

 「何だ?」

 

 「私たちのライブ……何点だった?」

 

 有馬がそう言ってきたので、俺は

 

 「……まぁ、初めてにしてはよくやったんじゃないか?」

 

 と答えた。これはさっき、ハクアに言われた通り将来に期待してのことだが……

 

 「何よそれ、もっと褒めなさいよ……」

 

 案の定、そういう反応になってしまった。

 

 「で、ハクア。あんたは……」

 

 「僕から見たら……成功していたと思いますよ」

 

 「思いますよって「あと」…?」

 

 「さっきの兄さんの言葉も、僕の今の言葉も将来に期待してのことです。ここで高得点出すのも勿体無いですしね」

 

 「……」

 

 こいつ、全部言いやがった……。だが、俺を思っての善意からの言葉だろう。

 

 「え?そうなの?」

 

 「あぁ……だから、これからも頑張れよ」

 

 「……!任せなさい!」

 

 まぁ、真意が伝わったなら良しとしよう……すると、ルビーと母さんが、

 

 「まったく……お兄ちゃんは素直じゃないな~…ね、アイお姉ちゃん?」

 

 「そうだね~昔はもっと素直だったんだけどなぁ~……」

 

 二人がそんなことを言って、からかってくる。そこに……

 

 「へぇ~…そうなんだぁ~」

 

 「アクたんにそんな時期が~」

 

 有馬とメムもそれに乗っかってくる。

 

 「ちょ、やめ……」

 

 「ここからは逃げられないよ~」

 

 「……」

 

 その後、車の中という密室のなか、ルビーや母さんに昔の話をされ、有馬とメムにいじられるということが、到着するまで続いたのであった……。

 

 なお、その流れでハクアの話題になったことで、俺がいじられることが無くなり、いつも通り(?)ハクアが可愛がられることとなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「ハクア君、お待たせ」

 

 「あ、先輩」

 

 姉さんたちの初ライブのあったイベント、JIFから少し経ち……僕はあかね先輩との初デートに来ていた。

 

 「ハクア君、その……どうかな?」

 

 その言葉に対して僕は、先輩の今日の服装の感想を言おうとした……

 

 「ヤバい、すごく綺麗(似合ってるよ、あかね先輩)……あ」

 

 ……つい本音が出てしまった。

 

 「え、えっとぉ……あ、ありがとう……」

 

 「え、あ、いや今のは思わず本音が出ちゃって……その…」

 

 必死に弁明(?)をしていると……

 

 「ふ……ふふふ…」

 

 先輩が何故か笑い始めたのだ。

 

 「ちょ、そんな笑わなくても……」

 

 「ご、ごめんね。でも、いつもハクア君落ち着いているから……こんな表情するんだなって」

 

 「……!」

 

 ……先輩にそう言われて、急に恥ずかしくなってきた…。デザイアグランプリでは連勝している僕だが、恋愛に関してはそうもいかないみたいだ……。

 

 「……顔赤いよ?」

 

 「知ってる……」

 

 「ふふふ…じゃあ、一通りからかったから……いこっか?」

 

 「……うん」

 

 からかってたんだ……あれ。そう思いながら、僕たちは手を繋いで目的の場所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 「こんな感じかな?」

 

 「いいんじゃないかな?」

 

 「よし!」

 

 僕たちは現在、とあるカフェに来ていた。そこで僕たちはSNS用の写真を撮ったり、頼んだスイーツを食べたり……

 

 「はい、先輩」

 

 「うん…あ~ん……美味しい!」

 

 「良かった……」

 

 「じゃあ、お返しに……はい!」

 

 「……!あ~ん……うん!これも美味しい!」

 

 「でしょ!」

 

 そんなこともしていた。……顔赤くなってないよね?

 

 「あ、そう言えば……例の件って、もうそっちに話いった?」

 

 「『東京ブレイド』の話?」

 

 「そうそう!」

 

 このデートの少し前、人気漫画である『東京ブレイド』の舞台化の仕事の件が、僕と兄さんにきたのだ。

 

 「もちろん、やるよ」

 

 「だよね!ちなみに私は、『鞘姫』役でオファーきててね。ハクア君は確か……」

 

 「『(やいば)』役でオファーきてるよ。で、兄さんが『刀鬼』役」

 

 「まさか、兄弟揃って兄弟役でオファーくるなんて……」

 

 「それに、刀鬼と鞘姫は許嫁……これって……」

 

 「うん……」

 

 「「絶対、色々狙ったよね……」」

 

 その時の鏑木さんの顔が容易に思い浮かぶ……。

 

 そう言えば、兄さんの演じる刀鬼は鞘姫の他にカップリング論争になるキャラがいたはずだ。確か……『つるぎ』だったかな?それは一体誰が……

 

 「あ、刀鬼の方は相棒キャラのつるぎとの関係性もあるよね……つるぎ役は一体誰が「私よ」……」

 

 「あれ?有馬先輩?」

 

 つるぎ役が誰になるのかという話をしていたら、丁度近くを通りかかったのだろう、有馬先輩がいた。

 

 「こういう投稿は予約投稿が基本……また、人様に迷惑かけるつもり?学習しないわね、黒川あかね」

 

 どうやら、さっきの投稿から場所を割り出したようだ。……僕も気を付けよ。そんなことを思っていると

 

 「……かなちゃんがつるぎ役かぁ…」

 

 あれ?なんかあかね先輩の雰囲気が……

 

 「共演は何年振り?てっきり役者辞めたんだと思ってた。今はアイドルだもんね?」

 

 「……」

 

 「最近恋愛リアリティーショーに出てたんだっけ?私生活切り売りして人気でたらしいじゃない?良かったわね?」

 

 「……」

 

 ……こうなると思ったよ。

 

 「「……」」

 

 しばらく睨み合っていた二人だったが、さすがに公共の場なので、これ以上のことをするつもりはないようだ。

 

 「ま……丁度近くを通りかかっただけだし、デートの続きは場所を変えてやりなさい」

 

 そう言って、有馬先輩は去って行こうとしていたが……

 

 「あ、あと…」

 

 「「?」」

 

 「黒川あかね……女といえど、あんたの方が年上なんだから…ハクアのこと守ってやりなさいよ」

 

 「……分かってる」

 

 「ならいいけど。それじゃ……」

 

 そう言って、今度こそ有馬先輩は去っていった。

 

 あかね先輩を見てみると、険しい表情をしていた……まぁ、昔から有馬先輩に片っ端からやりたい役取られてたもんね。

 

 「……私は、かなちゃんがピーマン体操とかふざけた曲出してる間も必死に稽古してた……!」

 

 ……ふざけた曲って……本人には言わないようにしよう……。

 

 「積年の恨みを晴らすチャンスがやってきたんだ……負けないぞぉ……」

 

 「えっと……まぁ……頑張って……」

 

 「うん!」

 

 ……東京ブレイドの舞台……どうなることやら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、またデートしようね!」

 

 「分かったよ。帰りは気を付けて」

 

 「ハクア君もね!」

 

 その後もデートを楽しんだ僕たちは、解散しようとしていた……だが

 

 「じゃあ、また「きゃあぁぁーー!」!?」

 

 「え!?な、何?」

 

 突然、悲鳴が聞こえてきたのだ。……まさか!いやでも、スパイダーフォンには何も……!

 

 「先輩!逃げて!」

 

 「え?急にどうし「早く!」…うん!」

 

 そうして、あかね先輩を逃がした直後、ジャマーエリアが僕の前に現れた。……先輩はギリギリ外に逃がせたようだ。

 

 「え、なに…これ?……ハクア君?……ハクア君!」

 

 先輩がジャマーエリアの壁を叩きながら、僕の名前を呼ぶ。

 

 「大丈夫、僕は無事だから落ち着いて『ジャ』…来たか……」

 

 先輩と話している僕の後ろにジャマトが現れる。すると

 

 『皆さん、緊急事態です!突如としてジャマトが現れました!』

 

 スパイダーフォンからツムリさんの声が聞こえてきた……あちらにとっても、想定外の事態ということか。

 

 『急遽となりますが、これよりデザイアグランプリ最終戦を行います!』

 

 「……この世界の終わりも近いのか」

 

 「ハクア君!…ねぇ!……早く逃げて!!」

 

 あかね先輩の心配する声が聞こえるが……

 

 「DESIRE DRIVER」

 

 僕はいつも通りに、ドライバーを腰に付ける。本当は、人目に付かない場所で付けた方がいいのだが、ジャマトが近くまできていた。背に腹は代えられない。

 

 「え?……何……それ?」

 

 「大丈夫。ちょっとだけ、散歩(・・)して帰るだけだから……」

 

 驚いている先輩を余所に、僕はマグナムバックルを取り出し……

 

 「SET」

 

 『『『ジャー!』』』

 

 バックルを操作しようとしたが、ジャマトたちが攻撃しようとしてきた。

 

 「!よっと…フッ、ハァ!」

 

 『『ジャー!?』』

 

 それに対し、僕は徒手空拳で応戦し、二体倒したのだが……

 

 『ジャー!』

 

 一体、ジャマトが隙を突いてきていた。だが……

 

 「フッ!……変身!

 

 その攻撃を受け止め片方の手でバックルを操作する。

 

 「MAGNUM」

 

 「ハァ!」

 

 『ジャ!?』 

 

 そして、そのままジャマトにゼロ距離で銃撃を食らわせた。

 

 「READY FIGHT」

 

 そして、僕はジャマトを倒しながら、エリアの中心へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 そこに……あいつ(・・・)がいるとも知らずに………

 

 

 

 

 

 

 

 

  




 読んで下さりありがとうございました。

 今ガチメンバーをライブの場面に出したのは、以前に会っていた時にルビーはアイドルになることを話しており、加えてメンバーとの仲もいいので、こういう展開もありかと思い、このような展開にしました。

 そして、アクアのオタ芸は前日に有馬かなと話したことで、最初から100%でパフォーマンスが出来ているため、この小説では無くすことにしました。
 
 そして、唐突に始まる最終戦……果たして、誰がデザ神となるのか。そして、「あいつ」とは一体……。
 


 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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