女神の子   作:アキ1113

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 今回は、前回の御挨拶(?)の続きからです。

 それでは、どうぞご覧ください。


演舞Ⅴ:星野家

 side:あかね

 

 アイさんのお言葉に甘えて、星野家でご飯をいただくことになった私……もちろん、お母さんには連絡済みだ。

 

 ハクア君は部屋に戻って休んでいる。おそらく寝ているので、そっとしておいた方が良いだろう。そして、私はその間……

 

 「でね~……これが、小さい時のハクア!」

 

 「わぁ~可愛い~……」

 

 「本人に怒られないよな……これ」

 

 ルビーちゃんとアクア君に昔のハクア君の写真を見せて貰っていたのだ。写真の中のハクア君はどれも可愛くて……本当に、遺伝子というものは……子供の時から、似すぎている。

 

 そして、アルバムを見ながら話をしていると……

 

 「あかねちゃん。ご飯できたからハクア呼んできてくれる?」

 

 「はい!」

 

 「二人は、ご飯運ぶの手伝って」

 

 「はーい」

 

 「分かった」

 

 私は、ハクア君を呼びに彼の部屋へと行く。

 

 「ハクア君?ご飯できたって」

 

 「……はーい」

 

 どうやら、起きてくれたみたいだ。部屋から出てきたハクア君に私は……

 

 「気分は大丈夫そう?」

 

 「うん、今は大分楽だよ」

 

 「そっか……良かった」

 

 そして、私たちが戻ると……

 

 「おはよう。よく眠れた?」

 

 「もう平気なの?」

 

 「無理してないか?」

 

 「大丈夫だよ。みんな心配し過ぎだよ……」

 

 アイさんたちが既に座って待っていたのだ。

 

 「じゃあ……いただきます!」

 

 「「「「いただきます!」」」」

 

 そして、早速アイさんが作ったご飯を食べる。

 

 「ど、どうかな……」

 

 「……美味しい!」

 

 「良かったぁ~」

 

 本当に、美味しい。私も料理はするが、この料理は味わったことのない味がする。……後でレシピ教えて貰おうかな。

 

 「そりゃママとハクアの料理は世界一だもんね!」

 

 「気持ちは分かるが、お前ドヤ顔し過ぎだぞ」

 

 「ね?あかねちゃんもそう思うよね?」

 

 「うん……とても美味しいです!」

 

 「……せっかくだから後でレシピ教えよっか?」

 

 そう、アイさんが言ってくれた。ありがたいなぁ……うん?

 

 「って、なんで分かって……」

 

 「ハクアがあかねちゃんは料理が得意だって言っていたから、もしかしたらと思ってね」

 

 「……ありがとうございます」

 

 ハクア君……私のこと、家族に話してだんだ。恥ずかしがって話してないかと思っていたけど……

 

 そう思いながらハクア君を見ると、

 

 「……」

 

 あ、恥ずかしがってるな……これは。

 

 「毎回のように恥ずかしがらなくても……」

 

 アクア君がそう言う。毎回なんだ……。

 

 「ちょ、それは言わないでよ……」

 

 「も~可愛いなぁ~!」

 

 「お母さんまで……」

 

 そんな会話をしながら夕飯を食べた後……

 

 「あかねちゃんはゆっくりしていてもいいんだよ?」

 

 「いえ、このくらいはやらせてください!」

 

 「……そこまで言うなら……お願いしよっかな!」

 

 ご馳走になって何もしないというのもあれなので、私は皿洗いをしていた。すると……

 

 「……ありがとね」

 

 「え?」

 

 アイさんが急にお礼を言ってきたのだ。私は何もしてないはずだけど……?

 

 「ハクアね……『今ガチ』が始まる前は、恋愛をどこか怖がっていてね……」

 

 「そう……なんですね」

 

 ハクア君……そんなことを思って……

 

 「でもね……あかねちゃんのおかげで、なんか前よりも怖がることが無くなったっていうかね……やっぱり、あかねちゃんだからかな~……安心するんだろうね」

 

 「アイさん……」

 

 「……私は昔……ハクアに守られた」

 

 「……!」

 

 ……アクア君が話していた、ストーカーに襲われた時のことだろうか。

 

 「本当なら、あそこで私が守るべきだった……なのに、あの子を傷つけてしまった……」

 

 「……」

 

 「ずっと……心配だったけど、ハクアが幸せそうで……本当に良かった」

 

 アイさんがそう言うのに対して、私は……

 

 「ハクア君は、アイさんが母親で良かったと思っていますよ、きっと……」

 

 「え?」

 

 「じゃないと……あんな顔は出来ませんよ」

 

 私は、笑顔のハクア君たちを見ながら言う。

 

 「……うん、ありがとう……あかねちゃん」

 

 「……はい」

 

 「ハクアのこと……よろしくお願いします」

 

 アイさんが私に向かってそう言う。その言葉に対して私も……

 

 「もちろんです……こちらこそ、末永くよろしくお願いします」

 

 アイさんの目を見て、そう返したのであった……。

 

 「……末永く?」

 

 「……え!?あ、えっと……その……」

 

 しまった……つい口から出てしまっていた。ハクア君には聞かれていないみたいだけど……顔も赤くしてしまっていることだろう……。

 

 「ふふっ……お義母さん(・・・・・)って呼んでもいいんだよ?」

 

 「そ、その……えっと……お……」

 

 「お?」

 

 「……お義母さん」

 

 「なあに?あかねちゃん?」

 

 「もう……そのくらいで……」

 

 私はもう限界で、アイさんにそう言ったのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、私はハクア君に送られて家へと向かっていた。本当はハクア君は休んでいるべきで、みんなにも止められたけど……

 

 『大丈夫だよ。少し散歩してくるだけだから』

 

 そう言って、私の家の前までついて来てくれることになったのだ。

 

 「……仲のいい家族だね」

 

 「そりゃもちろん」

 

 私がそう言うと、ハクア君は当たり前のようにそう返した。優しく明るい母親、頼りになるお兄ちゃん、可愛がってくれるお姉ちゃん……これほどの人たちに囲まれているハクア君は、幸せだろう……私は、あの中に入ることが出来るだろうか……そう思っていると、

 

 「それに……」

 

 「それに?」

 

 「その中にはもう、あかね先輩もいるんだよ?」

 

 「……!」

 

 私の考えていることを見透かしていたのか、そんなことを言ったのだ……もう…急にそんなこと言うんだから……すると……

 

 「あ、これじゃないですか?」

 

 私の家の前に着いたのだ。

 

 「じゃあ、僕はこれで……」

 

 「……本当に、大丈夫?」

 

 もう暗いし、手のひらとはいえ、けがもしているのでそう言ったのだが……

 

 「大丈夫だよ……あかね先輩まで……」

 

 心配する私に対して、そう言うハクア君。

 

 「分かった。じゃあ、おやすみなさい」

 

 「うん、おやすみなさい」

 

 私たちは、そう言ってそれぞれの家へと帰ったのだった……。

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 あかね先輩を僕らの家へと招いてから少しして、今日は通し稽古が行われる日だ。すると……

 

 「……ハクア」

 

 「はい、どうしました?」

 

 有馬先輩が僕に話し掛けてきて、申し訳なさそうな顔をしていた。そして……

 

 「……ごめんなさい」

 

 「……え?」

 

 何故か謝られた。なんでだろう……?

 

 「あんたに、あんなことがあったなんて……」

 

 ……おそらく、あかね先輩に訊いたのだろう。

 

 「あぁ……それだったら気にしてませんよ」

 

 「え?」

 

 「訊いたのは僕の方で、先輩は善意で教えてくれた。それだけのことです」

 

 そう、あれに関して有馬先輩は何も悪くないのだ。

 

 「で、でも……」

 

 まだ、有馬先輩は責任を感じているようだ……口は悪いけど、本当は凄く優しいんだよなぁ……。

 

 「じゃあ……」

 

 「?」

 

 「この舞台……最高の演技でぶつかって来て下さい。それでチャラというのは、どうですか?」

 

 僕はそう提案する。そして……

 

 「!……分かったわ!あんたも後悔しないようにしなさいよ!」

 

 そう言って、有馬先輩は部屋のどこかへ移動していった……。

 

 

 

 

 

 控室へと集まった役者たちは、稽古が始まるまで各々の方法で集中力を高めていた。

 

 僕も例外に漏れず、台本に書き込んだことの確認や動きのイメージトレーニングをしつつ、その時を待っていた。しかし、さっきから控室の一部が騒がしい……今集中してるんだから止めて欲しいんだけど……。

 

 そう思いながら、様子を見てみると、あかね先輩と有馬先輩がまた喧嘩をしているみたいだ。あぁ……またか。いつものことなので、すぐに台本に目線を戻そうとしていると……有馬先輩が何かの雑誌を出した。あれって……?

 

 「あれ!?あれー!?憧れの人って私!?あかねちゃん私に憧れて演劇始めたんだー!やだもー!私が大好きならそう言ってくれて良かったのにー!?ごめんね!?私は貴方のこと全然好きじゃなくって!一方通行の想いでごめんねー!?」

 

 ……いつもの倍以上饒舌な有馬先輩。当然、あかね先輩は激怒して犯人捜しを始めた。

 

 「ねぇ誰!誰がこのこと教えたの!?ララライの誰かでしょ!!」

 

 すると……

 

 「すまん。俺だ」

 

 「姫川さん……」

 

 あー……まさかの姫川さんか……。姫川さんが相手だとあかね先輩も追求することができないみたいだ。

 

 その後もしばらく喧嘩は続いた……流石にここらへんで止めさせるか……。

 

 僕は、あかね先輩たちの近くに行き……

 

 「はいはい、そこまで!」

 

 手を叩きながらそう言った。

 

 「ハクア君……」

 

 「ハクア……」

 

 「一先ず落ち着いて、もうすぐ始まるから……ね?」

 

 僕は、そう言って仲裁しようとするが……

 

 「で、でも……」

 

 「黒川あかねが……」

 

 そう言って、また言い争いを始めようとしたので……

 

 「二人とも?」

 

 「「!?」」

 

 少し圧を掛けて言った。

 

 「ごめんなさいは?」

 

 「……ごめんなさい」

 

 「……いいわよ。私も熱くなり過ぎたし」

 

 「よろしい」

 

 二人とも喧嘩を止めてくれたようで何よりだ。でも、このまま演技されるのもなんかなぁ……そう思った僕は二人に……

 

 「あと……」

 

 「「?」」

 

 「二人ともそんな様子じゃ……僕が全部持っていくけど?

 

 「「!」」

 

 こう言ったのだ。すると……

 

 「かなちゃん……」

 

 「えぇ……」

 

 「「勝つのは……私!」」

 

 どうやら、その気になってくれたみたいだ。

 

 そして、通し稽古が始まっていったのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 side:???

 

 ここは、デザイアグランプリのオーディエンスルーム。そこにいた人物は、タブレットであるものを見ていた。

 

 それは、舞台『東京ブレイド』のポスターだった。そこには、もちろんハクアの姿も写っているわけで……

 

 「やっぱり、俺の推しはすごいな………この時代のエンターテインメント、見に行ってみようかな

 

 そのポスターを見て、そう言ったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 次回は、いよいよ舞台本番になると思います。そして、何やら舞台を見に来ようとする人物が……?

 ムービーバトルロワイヤル編は演舞編の後にやる予定なので、もう少しお待ちください。

 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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