女神の子   作:アキ1113

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 今回は、いよいよ舞台の本番の話をやっていきたいと思います。

 果たして、どのような舞台となるのでしょうか……。

 また、舞台では三人称の視点も入れようと思います。

 それでは、どうぞご覧ください。


演舞Ⅵ:幕開け

 side:ルビー

 

 いよいよ今日は、ハクアとお兄ちゃん……そして、あかねちゃん……あかねお姉ちゃんが出演する舞台『東京ブレイド』の初日だ。私は、ママと社長にミヤコさんと一緒に会場に来ていた。

 

 「楽しみだね~!」

 

 「うん!」

 

 私は、ママとそんな話をしていた。すると……

 

 「あ!ルビーちゃん!」

 

 「ルビーさんも来てたんだ」

 

 声を掛けられて振り返ると、みなみちゃんとフリルちゃんもいたのだ。

 

 「二人もチケットとれたんだね!」

 

 「うん!なんとかなぁ~」

 

 「私も同じく。休みの日で本当に良かった」

 

 二人もチケットが取れたら行くという話をしていたが、無事に取れたみたいだ。

 

 そして、二人も席に座ってから少しして……

 

 「あ!」

 

 舞台が始まるのだった……。

 

 

 

 side:ハクア

 

 「……そろそろかな」

 

 ついに、この日が来た。瞑想を終え、精神統一を済ませた僕はそう思った。

 

 衣装とメイクを施し、そして、刃の……僕の愛刀を持ち、控室から出る。控室から出ると、あかね先輩や兄さん、メルト君がセリフの確認をしながら待っていたみたいだ。

 

 「……行こうか」

 

 「えぇ、行きましょう」

 

 「あぁ」

 

 僕は、鞘姫(・・)兄上(・・)にそう声を掛ける。鞘姫の左右に並ぶように、僕たち兄弟は歩いていく。そして……

 

 「これで役者は揃った……さぁ、開幕だ。全部出してこい」

 

 幕開けとなったのだった……。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 『東京ブレイド』の物語は主人公であるブレイドが一振りの太刀を手にするところから物語が始まる。

 

 「?なんだ、これ。光って……」

 

 光る太刀を不思議そうに見つめながらも、それを手にするブレイド。すると……

 

 「ウチは剣主の一人『つるぎ』様だ!その『盟刀』を捨てて逃げるか……それとも私と戦うか選びな!」

 

 つるぎは根っからの戦闘狂なのだろう。命のやり取りをしようとしているのに、緊張する様子は微塵もない。寧ろ不敵な笑みを浮かべて、盟刀の切っ先をブレイドへと向けていたのだ……。

 

 極東へと集った22本の刀……『盟刀』はそれぞれの持ち主に様々な力を与える。その力は盟刀の持つ力と剣主の潜在能力、刀と使い手の相性によって大きく左右される。

 

 光を放つ太刀を手にして、ブレイドはこう呟く……

 

 「お前……風丸って言うのか」

 

 つるぎの顔が驚きに染まった。先ほど盟刀を持ったばかりだと言うのに、ブレイドは早くも盟刀に認められたのだから。

 

 「アンタ……ただもんじゃないな……」

 

 こいつはヤバい……そう思ったつるぎだが、戦う意志はあり、ブレイドへと斬りかかっていった。それを慣れない刀捌きで受け止めるブレイド。

 

 始めはつるぎが押しているようだったが、次第にブレイドに圧倒されてしまっていた。

 

 

 

 盟刀・風丸 一の刃 『疾風刃雷』

 

 

 

 ブレイドの技がつるぎに炸裂し、刀を弾き飛ばしたのだった。そして……

 

 「やめてけれ!おらはまだ死にたくねぇだ!」

 

 「なら俺の方が強いと認めるか?」

 

 「認めるだぁ!屈服する!アンタの方が強いだぁ!」

 

 つるぎが敗北を認め、ブレイドの軍門へと下ったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一時は泣いて許しを請いていたつるぎだったが、その後は元の調子に戻ってブレイドについていきながら、話をしていた。

 

 「なぁ、どうしてついてくるんだ?俺に従うとお前に何かメリットがあるのか?」

 

 「強いやつと一緒にいれば、強いやつと戦える……こんなに面白いことが他にあるか?そんで、アンタが王様になった暁にゃ私を大臣にしてくれりゃいい!したらこの「つるぎ」が、王道を切り開いてやるさ!」

 

 「王様だと?……そんな世迷言――」

 

 「ん?なんだ知らねえのか?『盟刀』ってのがどういうものか」

 

 「?」

 

 つるぎが言うには、全ての『盟刀』に最強と認められた者には国家を手にするほどの力、『國盗り』の力がもたらされるという……。

 

 「この日本を盗めるほどの力ね……いいじゃん。王様になって見たかったんだよね俺」

 

 その話を聞いたブレイドはそう言った。

 

 「俺が最強になって……この國の王になる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「オイ、そこのお前!」

 

 「え?ウチか?」

 

 「そうだ!俺と勝負しろ!」

 

 「あんた何もんだ?このつるぎ様に勝負を挑むとはいい度胸だ!」

 

 「誰でもいいだろ。ほら、剣を抜けよ!」

 

 「言われなくても!」

 

 つるぎの前に突然、盟刀を持った人物が現れた。その人物は会うやいなや、つるぎに勝負を仕掛けてきた。

 

 その人物……キザミは最初はつるぎと互角と思われたが、徐々に力の差でキザミが押していた。そして、隙ができたつるぎに対して刀を振り下ろした……が、

 

 「なっ!」

 

 「……!」

 

 ブレイドが助太刀に入り、キザミの刀を受け止めたのだ。

 

 「今度はお前が相手してくれんのか?」

 

 「あぁ、こんなんでも一応俺の配下なんでね…」

 

 「ブレイド……って、こんなんってなんだ!こんなんって!」

 

 「…悪く思うなよ!」

 

 「望むところだ!」

 

 キザミは次にブレイドと戦うが、差は圧倒的だった……そして……

 

 「クソ……アンタら強ぇな……」

 

 キザミはブレイドに敗北し、いつのまにか、キザミの配下たちも全員やられてしまっていた。

 

 「國を盗るのは俺だと思っていたが……上には上がいるもんだな。……なぁ、俺も仲間にしてくれよ!お前が王になった時、俺は将軍な!」

 

 そして、キザミがブレイドの配下となったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 「オイ、そこのお前……それ、盟刀だよな?」

 

 「なんでしょう。見たところあなたは渋谷クラスタの一員ではないようですが……私の事も知らないようですし、何か御用でしょうか?」

 

 渋谷クラスタの噂を聞きつけたブレイドたちが、キザミを斥候として渋谷へと送っていた。だが、そこでキザミは盟刀を持った人物と鉢合わせる。その人物は匁といい、渋谷クラスタに所属している人物だ。

 

 「御用だぁ?何言ってんだお前。剣主同士がこうして出会っちまったらよ……何をするかなんて決まってるんじゃねぇの?」

 

 「ははは、ご冗談を……我々のように徒党を組んで國盗りを目指す道だってありますよ。どうです?あなたも我々の仲間に――」

 

 匁はキザミとは対象的に丁寧な言葉遣いで、渋谷クラスタへと勧誘するが……

 

 「俺は新宿クラスタの斥候だ。お前こそ、こっちの仲間になるってんなら歓迎するぜ?」

 

 逆に新宿クラスタへと勧誘される。

 

 「……それは、出来ません」

 

 「そうか……なら!」

 

 互いの交渉は決裂し、そうと分かった途端キザミが自身の盟刀を抜いた。それを見て匁も盟刀を抜く。

 

 「……どうしても戦わなきゃだめなんですか?親から無理やり剣を与えられて……こんな戦いに巻き込まれて」

 

 匁は盟刀を構えながらも、そう言った。

 

 「僕は……戦いたくない……」

 

 その言葉を聞いたキザミは……

 

 「じゃあ、大人しく俺に斬られてろ!」

 

 問答無用で匁に斬りかかった。

 

 匁はキザミの刀を受け止めるだけで、反撃しようともしなかった。

 

 「負けねえぞこらぁぁぁ!」

 

 キザミは止まることなく攻撃を加えていく……だが、

 

 「はぁ、はぁ、お前……いい加減にしやがれ!ちょこまかと逃げ回りやがって!」

 

 ゴリ押しで攻めていたせいなのか、息切れを起こしてしまう。それに伴って動きも鈍くなり、キザミの攻撃は易々と匁に流されてしまう。そして、匁が……

 

 「すみません。でも、これが僕の役割だからっ!」

 

 「ぐあああぁぁぁ!」

 

 匁は一撃で仕留めようと、急所を狙って攻撃したがキザミが攻撃を避けようとして転がり、急所を外されてしまう。

 

 状況を見るに、勝負は決した……匁もそう思っていたが……

 

 キザミが突然、自身の盟刀を高く投げ上げたのだ。宙を舞う盟刀……匁もその行動に驚き動きが止まってしまう。そして、落ちてくる盟刀を受け止め……

 

 「あああああ!!」

 

 再び、匁に戦いを挑んでいく。

 

 「くっ……」

 

 キザミは、限界を超えた体に鞭を打ち、技も何もない……ただただ、自分自身の気持ちだけで攻撃していく。

 

 「あああああ!!おぅれは誰にも負けねぇ!!」

 

 そんな攻撃も匁に捌かれ、キザミはついに、力尽きて倒れてしまった……。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 side:ハクア

 

 「……やるなぁ」

 

 キザミが戦っているのを見て、僕は誰にも聞こえない程度の声でそう呟いた。まさか、あそこで原作再現をやってしまうとは……元々、僕がやろうとしている原作再現を失敗させるつもりはない。そのために、ここまでやってきたのだから。

 

 でも、他の人が……それもメルト君がやるとは思っていなかった。

 

 ……これは、負けられないな。

 

 舞台では、キザミの元にブレイドとつるぎが駆け付けていた。

 

 「流石に二対一は分が悪い……」

 

 そして、匁が撤退しようとしている……

 

 

 

 

 「ここは撤退を「何の騒ぎ?」!……刃」

 

 

 

 

 さぁ……行くか!

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 東京ブレイドの舞台自体、後2~3話くらいになると思います。そして、次回から本格的に刃の出番です。

 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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