それでは、どうぞご覧ください。
side:ルビー
「待てーー!!」
私は今、お兄ちゃんの作戦通りに一人のライダーと追いかけっこをしていた。
「よっと!」
商店街だから、人もいて走りにくいけど……昔から色々運動はやってきたので、それを活かして人々や障害者を避けながら逃げていく。
「ちょ、あんな動けるの……聞いてない!」
でも、時々ぶつかってしまうので……
「あっ、すいません!」
謝りながらも逃げていった。けど……
「待ちなさーい!」
「もう……流石に、これ以上は……」
思ったよりも追ってくるので、こっちの体力もきつくなってきた……そして……
「はぁぁぁーーー!!」
「えぇ!?」
追いかけて来ていたライダーが、急にスピードを上げてきて私の前に立ちふさがったのだ。
「観念しなさい!」
「っ……」
どうしよう……でも、この人達にも事情がありそうだし……もしかしたら。
「!あなたは……」
私は変身を解除して、顔を見せた。その後にあちらも変身を解除して……
「えっと……あなたは何で、私たちを「ルビーちゃんだ!」…え?」
私たちを追ってこようとする理由を訊こうとしたけど……何故か大声で私の名前を呼び、手を握ってきたのだ……。
「本物だ!可愛い~!」
「あ、ありがとう……」
……どうやら、私のファン?の人みたいだけど……ん?
「あなたは……もしかしてゆっきーチャンネルの!?」
「え!?知ってくれてるんだ~ありがとう!」
まさかの人物に、お互いに驚くことになるのだった……。
「へぇ~ハクア君って普段はそんな風に――」
「そっちはお兄さんが二人なんだ~――」
現在、私たちは商店街のお店でお茶をしながら、お互いのことを話していた。
「でも、互いに三人きょうだいなんてね~」
そう、私たちはお互いに三人きょうだいなのだ。あっちは末っ子みたいだけど。
「にしても……弟って、実際どういう感じなの?」
さくらちゃんがそう訊いてきた。なんでも最近、弟が生まれたらしく、あの悪魔も弟さんのものみたいだ。何だか申し訳ないことしたかな……。
「うーん……ハクアって、昔から大人しい方だからな~…参考にはならないかも……あ!でも、いくつになってもホント可愛くてね~」
「へぇ~そうなんだ~!」
「うん!」
そんな話をしていると……
『♪』
「あれ?ハクアからだ」
「こっちも、一輝兄からだ」
そして、互いに電話に出る。
「ハクア?無事?けがはない?」
『うん、大丈夫……姉さん、戦っている人たちとは一時休戦ね』
「うん、分かった。事情は私も訊いたから」
『そっか……それで、今一緒にいる人とゴールに向かってほしいんだ。あ、途中で何があるか分からないから気を付けてね』
「うん。そっちもね?」
『分かってる。じゃあ、後でね』
そして、電話を切ったのだった。
「……そっちも?」
「うん、ゴールまでは私が案内するね!」
「分かった。お願いね」
こうして、二人でゴールへと向かおうとした……けど、
「うわぁぁぁ!!」
「「!?」」
赤色の壁が迫ってきて、エリアや人を飲み込んでいた……。
「みんな逃げて!」
「早くこっちに!」
私たちは、人々を壁とは反対側に避難させた。すると……
「命が惜しいなら逃げろ……」
「あれは……?」
「……誰?」
コウモリの騎士みたいなライダーが、壁とは反対の方から歩いて来ていた。
「あんたは何者?……もし、邪魔するなら!」
さくらちゃんは相手しようとしているけど……
「待って!今はゴールすること優先だよ!」
私はそれを引き止める。ここで私たちまで、壁に飲み込まれたらお終いだ。
「っ……!分かった」
「じゃあ……」
「SET FEVER」
「変身!」
私は、フィーバースロットバックルをセットして、レバーを倒した……そして……
「JACK POT HIT GOLDEN FEVER」
「BOOSTRIKER」
「よし!当たり!さくらちゃん乗って!」
「うん!……え!?運転できるの!?」
「これはアイテム扱いだから大丈夫!さぁ……行っくよ~!」
ブーストを当てた私は、さくらちゃんを後ろに乗せてライダーの横を走り過ぎていったのだった……。
side:透
「待て待てーーい!」
「くそっ……しつこい!」
俺は、アクア君の作戦通りにライダーを一人おびき寄せ、駅の中まで逃げて来ていた……。
「俺たちの弟の悪魔を返せーー!!」
「え?弟……?うおっ!」
俺はゾンビブレイカーで攻撃を受け止めながら……
「それって……もしかして……」
ゲームで運ぼうとしている悪魔が、目の前の人(?)たちのものかもしれない……そう思ったのだ。そして……
「うおっ!やったなー……え、ちょ!?」
俺は、変身を解除して戦いはやめだという意思表示をする。
「えーとー……なんのつもり?」
「お前の話だと、あの悪魔は大事なものだ……そう言いたいのか?」
「え……うん、そうだけど……」
やっぱりか……そして、
「とりあえず、話を聞かせてくれないか?」
「お、おう……分かったぜ!」
話を聞いてみると、あの悪魔は弟の悪魔らしく、取り戻さないと弟の命が危ないらしい。
「……そういうことか。すまないな、事情も知らずに……」
「俺っちたちも攻撃しちゃったしな……お互い様だ!」
「そうか……」
こうして、俺たちは和解したのだが……
「にしても、悪魔なんだな……えっと……」
「あぁ!俺っちはバイスだ!」
まさか、目の前のライダーが悪魔だとはな……。
「そうか……よろしくな。バイス」
「おう!」
そんな話をしていると、
「きゃああぁぁぁ!」
「「!?」」
突然、悲鳴が聞こえてきたのだ。悲鳴がした方を見ると、そこには……
「なんだあいつ!?」
「ここか……祭りの場所か?」
紫の蛇を模したライダーがいた。
「祭り?……何なんだお前は?」
「……知る必要はない。お前らはここで死ぬんだよ」
「やるしかないか……!」
「SET FEVER」 「SET」
「変身!」
「HIT FEVER ZOMBIE」
「ハァァァーー!!」
「オラァ!」
俺は、ゾンビブレイカーで攻撃するが……
「……こんなもんか?坊や」
易々と受け止められてしまう。
「なめんな……!」
「HYPER ZOMBIE VICTORY」
「ハァ!!」
「ぐっ!」
俺は、もう一方のゾンビブレイカーでがら空きの胴を攻撃して、距離を取った……すると、
「透ちゃん!」
「ちゃんは止めろ!」
「あぁ、ごめんごめん……って、そうじゃなくって!ハクアって子から電話!」
「!」
ハクア君から……?
「何かすぐに、ゴールに来てだって!」
そうか……あっちも同じ感じか……だが、
「少しはやるようだな……」
「……逃がしてくれそうにないな」
これを相手に逃げられるかどうか……さらに、
「おい!あれ!」
「!?」
後ろを見ると、赤色の壁が迫ってきていて、エリアを飲み込んでいた……。
「あれは、ヤバいやつだな……」
このままじゃまずい……そう思っていると、
「あ!だったら……」
「プテラ!」
「?」
バイスは何やら、スタンプのようなものを取り出し自身の体に押した……すると、
「じゃじゃじゃじゃーん!」
「「!?」」
なんと、ホバーバイクに変形したのだ。
「ご乗車は~一名だけとなっておりま~す!」
「よっと!」
そして、俺はバイスに乗り込み……
「っ!逃がすか!」
「行くぜ~!」
「くっ……」
この場を脱することに成功するのだった……。
side:ハクア
「待て!」
「よりによってあの人か……」
僕はコンちゃんに乗って、追いかけてくるライダーから逃げながらもゴールへと向かっていた。
「ハァ!」
「なっ!」
あちらがバイクで妨害してくるので、バランスが崩れそうになる。これ以上は………!
「ごめん、コンちゃん!」
「REVOLVE ON」
「SET」
「ハァ!」
「!」
「MAGNUM」
「READY FIGHT」
僕は、ドライバーを回転させて右側にマグナムバックルをセットして、隣を走っていたキャリアカーへと飛び移った。
「よっと……」
「ハァ!」
すると、追いかけて来ていた人も僕に続いてキャリアカーに飛び移ってきた。
「ハァ!」
「っ!ハァ!」
「ぐあっ!」
僕は、その人の蹴りを避けて逆にマグナムシューターで至近距離から銃撃をお見舞いする。その攻撃で後ろに下がったのを見て、僕は、さらに蹴りを繰り出そうとする。
「ハァ!」
すると……
「うおっ!」
「うわっ!」
急にトラックが揺れて、相手が落とされそうになるが……
「オーインバスター50」
「ハァ!」
「え、ちょ!?」
いきなり武器を取り出して来て、撃ってきたのだ。そして、再び乗り込んできた。
「っ!ハァ!」
僕は、マグナムシューターで後ろにある看板を落とした。
「なっ!?」
それを目隠しにしているうちに……
「MAGNUM」
「!?」
マグナムバックルをシューターにセットして操作する。
「MAGNUM TACTICAL BLAST」
「ハァ!」
「ぐあっ!」
そして、その攻撃で相手が下に降りたので僕もそれに続いて降りる。それから、何秒か睨み合っていたが……
「うわっ!」
キャリアカーがまた揺れてしまい、僕はカバンを落としてしまう。
「ウワァーー!」
さらに、上にあった相手の武器まで落ちてきて、落したカバンの近くに落ちて……
「っ!うそでしょ……!」
「まずい!」
その武器がシーソー代わりとなってカバンが上に上がり、さらには道路の方に向かって落ちていこうとしている。僕たちは、同時にカバンを取りに行こうとする。
「っ!間に合え……!」
僕は一足早く、カバンを追って道路の方に飛び出した。何とかキャッチをして、キャリアカーの上の方に左手で掴まった……が、
「いっつ……!」
思い切り掴んでしまったのか、左手に痛みが走る……まだ、あの演技の時のけがは完治しておらず、それどころかこの前の公演でも強くやり過ぎたのか、傷から少しだけ血が出てしまっていた……。
「っ!」
「危ない!」
そのため、長い間掴むことが出来ず手を滑らせてしまった……だが、
「……え?」
上を見るとさっきまで戦っていた人が、左腕を掴んでいたのだ。
「上がれるか?」
「はい……あ、僕よりもさきにこっちを……」
僕は、さきに悪魔の方を渡そうとする。きっと、この人にとっては大切なものなのだろう……なので、そう言ったのだが……
「いや、一緒にだ!」
そう言うと、僕ごと引き上げてくれたのだ。そして、その後……
「……まだ、やります?」
僕がそう言うと、
「……いや、流石にもういいだろ」
「……あなたの大事なものを持って逃げていたんですよ?僕は……」
「でも……さっきは身を挺して助けてくれただろ?それに、最初から本気じゃなかっただろ?」
「それは……何か事情があると思って……」
「だったら……これでお終いだ」
そう言って、相手の人は変身を解除した。……やっぱり、優しいな。
それに続いて僕も変身を解除する。
「!……やっぱり、君か!」
「はい……お久しぶりです。えっと……」
「あぁ……まだ名前言ってなかったな……俺は五十嵐一輝……仮面ライダーリバイだ!」
五十嵐一輝さん……仮面ライダーリバイ……か。それに、続いて僕も……
「じゃあ……もう知ってるとは思いますけど、僕は星野ハクア……声優兼役者で……仮面ライダーフォルスです!」
「あぁ!よろしく!」
そう言って、一輝さんは握手しようとしてきたので僕もそれに応える。
「……とりあえず、降りますか」
「あー……そうだな。話はそれからにしよう」
そして、キャリアカーを降りた僕たちは、近くの広場で情報交換をしようとしたのだが……
「っ!」
「?…どうした?」
「あぁ……いえ、なんでもな「それ……!けがして……!」……」
「もしかして、さっきので……」
一輝さんが僕の左手のけがを見て、そう言ってきたので、
「いえ、これは最近のけがで……自業自得みたいなものなので、大丈夫ですよ。それに、予備の包帯とか持たせられましたし……」
僕はそう返すのだが、
「じゃあ……俺が巻くよ」
「え?いや、このくらいは自分で……」
「遠慮しなくていいから……ほら」
「あ、はい」
……優し過ぎるというか、お節介というか……。
「赤ちゃんから悪魔が?」
「あぁ……弟の幸四郎から分離させられてな……でも、連れ去られちゃって……よし、これでどうだ?」
「……バッチリです。ありがとうございます」
話をしているうちに、包帯は巻き終わったみたいだ。すると……
「にしても……そのけがはどこで……?」
一輝さんが、僕のけがについて訊いてきたのだ。まぁ……話してもいいかな。
「……役者って、感情を思い切り出して演技しなきゃいけない時があるんですよ」
「感情を?」
「例えば、泣く演技をする時とかは……子役の世界で言われているのは、母親が死んだ時のことを想像するとかですね……現実になるのはいやですけど」
「あぁ……そうだな……」
「今やってる舞台でも、そんな場面があって……」
「へぇ……あ!もしかして、『東京ブレイド』?」
「はい、そうですけど……?」
「来週に家族で観に行くことになっていてさ!」
「なるほど……それで知って……あ、話を戻すと、その時に感情を思ったよりも出し過ぎて演技しちゃって……それで……」
そう言うと、一輝さんは心配そうにこちらを見ていた……おそらく、どういうことを思い浮かべて演技しているのかが、分かってしまったのだろう……
「……聞いちゃまずかったか?」
「あぁ、いや、話したのは僕ですし……気にしなくてもいいですよ?」
「……そうか」
……少し気を遣わせてしまったかな。というか、それよりも今は……
「そうだ。その悪魔を攫ったやつの見た目とかって……?」
攫ったのは、デザグラ運営の関係者だろう。見た目が分かれば、少しはなにか分かるかもしれない……。
「あぁ……赤い仮面に、グレーのスーツを着ていたかな……」
……見た目だけで言えば……ゲームマスター、なのかな?でも、こんなことして運営にメリットは……?
「……ありがとうございます。さて……とりあえずゴールに向かいましょうか」
「ゴール?」
「はい……今、僕たちはあるゲームの真っ最中で、その悪魔をゴールまで運ぶようにって言われて……多分、攫ったやつも運営の人間かと……」
「そうか……ていうかゲーム?」
「はい、これは―――」
そして、僕は一輝さんにデザイアグランプリについて簡単に説明した。
「そんなものが……しかも、ハクアが連勝中なんてな……」
「はい……でも、今回のゲームは明らかにおかしい……」
一輝さんたちの参戦といい、赤い仮面の人物といい……。
「それで……ゴールの場所とかって……?」
「それなら分かりますよ。マップは配られてますし……一輝さん、家族の人たちに連絡しておいてもらえませんか?こっちも兄さんたちに連絡するので」
「あぁ、分かったよ」
そして、僕たちはそれぞれ連絡していった。兄さんと姉さんは既に和解していたらしく、問題は無かったが……
「透さん?」
『あ~もしもし、バイスでございます~』
……え?バイスって、一輝さんの……。
「えっと、バイスさん……であってます?一輝さんの……」
『え!?もしかして、一輝が追いかけてた子?』
「あ、はい、そうですけど……そこに透さんいます?」
『おう!いるぜ!……でも、絶賛戦闘中で~す!』
「えぇ!?」
戦闘中って……急いだ方がいいか。
「じゃあ、透さんにゴールに向かうように伝えてくれます?」
『え?ゴールってな「そっちが戦闘中なら、説明してる暇ないんです!とにかく、急いで!ハクアからって言えば分かると思いますから!」りょ、了解っ!』
そして、バイスさんは電話を切ったのだった。
「えっと……バイスと話してた?」
電話を終えたタイミングで、一輝さんが声を掛けてきた。
「あぁ、はい。こっちのライダーの一人が戦闘中らしくて……」
「マジか!?大丈夫なのか、それ……?」
一輝さんは透さんを心配しているみたいだ……まだ、話してすらいないのに……お人好しだな、ホントに……。
「はい、あの人は強いですから!」
「……そっか!ハクアが言うなら大丈夫だな!」
「とにかく、僕たちも急ぎましょうか」
「あぁ!」
そうして、早速ゴールへと向かおうとすると……
「おわああぁぁぁーー!!」
「うおっ!ちょ、ま」
「え!?バイス!?」
「透さん!?」
今さっき電話をしたはずのバイスさんと、戦闘中だったはずの透さんがこちらまできたのだった。
「あ、ヤッホ~一輝~!」
「無事か?ハクア君……」
「いや……そのセリフは僕が言うものだと思うけど……だいぶ、不安定そうだったよ……?」
透さんにそう声を掛けていると……
「おぉ!君がハクアちゃんか~!」
「え?ちゃ、ちゃん?」
「さっきも話したけど、俺っちがバイス!よろしくな!」
そう言って、バイスさんが挨拶をしてくる。
「あ、はい……よろしくお願いしま「あ~もう!固いなぁ!俺っちのことは、バイスでいいから!」…あぁ、分かったよ……バイス」
「おう!よろしくな!ハクア!」
なんかすごいフレンドリーだなぁ……。
「……じゃあ、ゴールに行きましょうか」
「そうだな、ここは合流できたことだし……」
そうして、四人でゴールへと向かおうとした……その時、
「STRIKE VENT」
「っ!避けて!」
突然、その音と共に黒い炎が飛んできたのだ。
「「「っ!」」」
それを僕の声と共に回避する。そして、炎が飛んできた方向を見ると……
「……」
黒い龍を模した騎士のようなライダーが立っていたのだった……。
「ライダーは……まとめて消えろ」
読んで下さりありがとうございました。
これで、全員が和解したわけですが、果たして無事にゴールすることができるのか……。
良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。